包丁ですじ切りは面倒…… ミートソフターなら速くて美味!
お肉を縮ませずに焼き上げるには“すじ切り”が必須。でも、すじ切りは包丁で充分と思っていませんか?
包丁を使うとすじの位置を確認する手間もかかるし、切れ目が大きくなりすぎてしまうため、肉汁が余分に出てしまいます。また、赤身部分までは柔らかくできません。
そこでおすすめしたいのが「ミートソフター」なんです。ミートソフターには何本もの刃がついているので、何度か肉に刺すだけで下処理ができます。とっても簡単なうえ、時短にも繋がってお肉がさらに美味しくなりますよ。
ミートソフターは大きく2種類! 片手タイプと両手タイプ
ミートソフターってあまりなじみがないですよね。一般的な形状には2種類あります。
片手タイプ
片手で使用できるので、スタンプを押すような感覚でラクに作業できます。処理範囲は狭いですが、切れ味の良いソフターなら力入らずでスムーズ! 場所を取らないサイズ感も魅力です。
両手タイプ
両手でしっかり握ってから押すので力を入れやすいです。サイズが大きいので場所をとりますが、一度に処理できる範囲が広いので数回押すだけで下処理ができます。
どちらもそれぞれにメリットがあるので悩みどころですね。では、この点以外に注目すべきポイントを見てみましょう。
使い勝手のよい ミートソフターを選ぶには?
ミートソフターを選ぶうえで、大事なポイントは4つあります。
選ぶポイント・その①
切れ味
まず最も大事なのは切れ味です。切れ味が悪いと肉の抜き差しがやりにくく、力も必要なのでストレスに。下処理中に肉がくっついてしまうのも困るので、力入らずでサクサクできるものがベストです。
選ぶポイント・その②
使いやすさ
作業のスムーズさのカギを握るのは、切れ味だけでなく使いやすさも関係してきます。形状だけでなく、握りやすさや持ちやすさなどがより良いものがオススメです。
選ぶポイント・その③
洗いやすさ
下処理がサクサクできても、洗いづらかったらまた使いたいと思いませんよね。生肉を扱うので、清潔さを保てることが大事です。刃の数が多いので分解しやすく、隅々までサッと洗えるものだとストレスがありません。
選ぶポイント・その④
仕上がり
最後に大事なのは、本当に柔らかくなっているかです。せっかく処理したのに肉に変化がなくては時間も手間もムダになってしまいます。柔らかくジューシーな肉に仕上がっていればバッチリ!
以上のポイントを踏まえて選べば、よいミートソフターが手に入ります。とはいえどのポイントも、見ただけでは判断できませんよね。そこで商品を実際に使ってテストを行いました!
プロの料理研究家が 分厚いお肉で検証しました!
前述のポイントをふまえて、料理研究家の平尾氏と桃瀬氏の協力のもと、豚肉を使ってミートソフターの使用感をテストしました。検証項目は下記のとおりです。
検証方法①
仕上がり(5点満点)
下処理後の生肉の状態だけでなく、実際に焼いて試食し、肉の断面や柔らかさなどをチェックしました。
上の写真が包丁ですじ切りしたお肉です。まずはこれを焼いて試食。
包丁で下処理した肉は歯ごたえがあり、やわらかさはそこまで感じられません。所々に硬い部分もありました。この食感を基本に、それぞれのミートソフターで処理した肉を食べ比べ、柔らかさやジューシーさなど、味や食感の違いをチェックしました。
検証方法②
使いやすさ(5点満点)
切れ味のよさだけでなく、握りやすさなど実際に下処理しているときの使いやすさも合わせて評価しました。
検証方法③
洗いやすさ(5点満点)
ミートソフターは複雑な構造になっているので、分解して洗えるかは大きなポイントとなります。取り外しやすく元に戻しやすいかも含めてテストしています。
以上の3項目をそれぞれ5点満点、合計で15点満点で評価しました。今回検証した8商品のうち、トップになったのはどれでしょうか。
それではランキングの発表です!
サッと使えてお手入れ簡単 ノンストレスの「下村工業」
下村工業
プログレード うわから肉すじ切り PG-601
実勢価格:1404円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
13/15 | 4/5 | 5/5 | 4/5 |
見事1位となったのは、片手で使えてあっという間に肉をやわらかくできた「下村工業」でした! 押すだけで肉の筋と繊維を切れます。刺しやすい細刃でお手入れしやすいから毎日使えます。
▼仕上がり
肉に刺さる刃がほかに比べて細いため、処理後の断面に跡が目立ちません。肉の厚みも切った後とほとんど変わらず、最もキレイでした!
調理後も、特に刃跡はほぼ見えず柔らかくてジューシーになりました。包丁で処理したものと同じお肉とは思えない仕上がりに。
▼使いやすさ
スタンプのように押すだけで楽チンです。刃が細く鋭いので肉への入り方もスムーズ。力を入れず処理できます。
▼洗いやすさ
取り外しも簡単で元にも戻しやすい形状です。パーツを外して隅々まできれいに洗えるので衛生的でお手入れしやすいです。
一体型で洗いやすく ザクザク切れる「義春刃物」
義春刃物
ミートソフター イエロー
実勢価格:1131円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
12/15 | 4/5 | 3.5/5 | 4.5/5 |
第2位は両手に持って使うタイプの「義春刃物」。スムーズに切れて、分解しやすくお手入れも負担が少なかったのが高評価となりました。
▼仕上がり
穴が大きく開いていてしまいましたが、しっかり刃が肉に入り込んでいるのがわかります。
調理後はそれほど跡が目立たず、柔らかな仕上がりになりました。
▼使いやすさ
両手タイプなので1位に比べて場所は取るものの、肉の処理面積が広く切れ味もよいのでストレスはありません。
▼洗いやすさ
分解してもスプリングが固定されているため、なくす心配がないのは高評価。刃も一列のみで何層にもなっていないので、洗いやすいです。
両端が竹串のようになっているのがポイントです!
ベストに似た片手タイプ 仕上がり良好「和平フレイズ」
和平フレイズ
筋切り 白 6.1×2.4×14.6cm ジークック GC-135
実勢価格:1147円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
11.5/15 | 4/5 | 3.5/5 | 4/5 |
第3位は「和平フレイズ」。1位と似た形状の片手タイプですが、若干刺さりにくさがありました。ただ、肉はの仕上がりはやわらかく、大きな違いは感じない結果に。
▼仕上がり
太めの刃で重めの感触でしたが、仕上がりは断面がキレイ!
調理後は柔らかく、肉汁も溢れていました。
▼使いやすさ
1位に比べて刃が太いです。ザクザクと音がして1位よりもわずかに動きの鈍さを感じましたが、それほど力はいりませんでした。
▼洗いやすさ
1位の「下村工業」と同じ構造のため、簡単に取り外して洗うことができます。ただし外したパーツをなくさないように注意しましょう。
同率3位は形も刃も同じ! 片手タイプの「パール金属」
パール金属
肉 すじ切り やわらか ミートソフター
便利小物 日本製 C-3493
実勢価格:1320円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
11.5/15 | 4/5 | 3.5/5 | 4/5 |
同率3位は「パール金属」です。こちらは「和平フレイズ」と刃の太さも全く同じ形状のため、同評価となりました。
▼仕上がり
「和平フレイズ」同じで、1位に比べるとザクザクと穴が空きます。
焼き上がりに影響はなく、食感もやわらかくなりました。
使いやすさと洗いやすさに関しても「和平フレイズ」と同様に良好でした。
5位: とんかつ専用のミートソフター
平たくするなら「niXaX」
義春刃物
niXaX とんかつ専用スジ切り器
niXaX (ニクサス) ブルー
実勢価格:2980円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
11/15 | 4/5 | 3.5/5 | 3.5/5 |
第5位はとんかつ専用の「niXaX」。お肉を平らにしながら筋を切るので、とんかつ用には非常に良いです。
▼仕上がり
とんかつ用のため、ほかに比べて肉の厚みがなくなり平べったく伸ばされています。
焼いた後は少し縮んでいますが、肉が柔らかくなりました。とんかつにすれば衣に包まれて肉がよりジューシーになりそうです。
▼洗いやすさ
2枚刃が一枚ずつに分かれていて洗いやすいですが、説明書がなく、分解の仕方がわかりにくかったのがマイナスに。また、サイズが大きめで持ちやすさではちょっと劣りました。
6位: 洗いにくい洗浄ブラシがネック…
両手タイプの「ウォームタイム」
ウォームタイム
肉筋切り器 ミートテンダライザー 肉たたき お肉が柔らかくなる 48刃 洗浄用ブラシ付き
実勢価格:1290円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
8.5/15 | 4/5 | 2.5/5 | 2/5 |
第6位は両手タイプで大きめサイズの「ウォームタイム」。3列になった複数の刃があり、力は入れやすいのですが、お手入れしにくい点が大きく減点となってしましました。処理範囲が広いので、小さい肉よりステーキなどの大きい肉向けです。
▼仕上がり
一度に広い範囲が処理できるので、時間はかかりませんでした。
焼き上がりもほかと特に変わりなく、やわらかに。
▼洗いやすさ
両手タイプですが、本体は大きくて持ちづらいです。洗浄ブラシがついているので洗いやすいかと思いきや、奥まで洗いきれませんでした。説明書がないので考えながら分解するのがややストレスになりました。
7位: 刃が入りにくくて洗いづらい
片手タイプの「ウォームタイム」
ウォームタイム
肉筋切り器 ミートテンダライザー 肉たたき 調理小道具 肉刺し 筋切り
実勢価格:1350円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
6/15 | 4/5 | 1.5/5 | 0.5/5 |
6位に続き、今度は片手タイプの「ウォームタイム」が第7位に。仕上がりはやわらかくなったものの、刃が丸くて太い針のようになっていて肉に刺さりにくく、使いにくさが目立ちました。
剣山のように無数の針があるものの、太すぎて刃が奥まで入りません。両手で力を入れても刺さらないので片手では使用できませんでした。
また、分解ができず、指で押しながら針を出さないといけないのでキケン。刃の隙間に水が入ってしまうのも不衛生でした。
8位: 切れ味悪くてお肉が潰れちゃう
「iLifeTech」
iLifeTech
肉筋切り器 (オレンジ)
実勢価格:1100円
▼テスト結果
総合結果 | 仕上がり | 使いやすさ | 洗いやすさ |
4/15 | 2/5 | 1.5/5 | 0.5/5 |
残念ながら今回のワーストは「iLifeTech」。刺さりにくく力が必要なので、肉が潰れてしまいました。
7位と同じ形状で分解できません。使い心地も7位の「ウォームタイム」よりさらに刺さりにくく、ハンマーで叩いているような感触。持ち上げると肉が刃にくっついてしまいました。
ただ、調理後の肉は包丁で下処理したものよりもやわらかく、他と比べて仕上がりでは大きな差はありませんでした。
ミートソフターがあれば 安いお肉もワンランクアップ!
検証テストをしてみた結果、焼き上がりにはどれもほぼ差が出ませんでした。どの製品でも、包丁ですじ切りするよりは圧倒的にやわらかく、処理をしないよりもずっと歯ごたえがやわらかに! 評価が分かれたのは、使いやすさやお手入れの面でした。
「下村工業」のようなミートソフターなら片手でラクに処理できて、分解して洗えるので衛生面も安心です。硬いお肉もひと手間加えるだけで、ぐっと美味しくなりますよ!
軽くて作業がとてもスムーズです!