大学卒業までの教育費は、 私立・国公立で大きな差が!
子どもが生まれたらすぐに考えたいのが、将来かかる教育費のこと。もしも親に万一の事があったときに、お金がないことを理由に子どもが夢をあきらめるといったことのないよう、きちんと準備をすることが大切です。
子どもにどれぐらいの教育費がかかるかは進む道によってまちまちですが、2020年度の文部科学省の調査によると、大学・短大への進学率は58.6%となっています。およそ6割近くが大学に行くことを考えると、幼稚園~大学卒業までの期間にどれぐらいお金がかかるかを把握して、それをベースに準備しておくと安心です。
(出典)文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査」
上の表は幼稚園~高校までにかかる公立・私立それぞれの費用の一覧です。一目でわかるのが、公立と私立の費用の差。とくに小学校の6年間合計では、公立と私立との差は約5倍にもなります。
「うちの子は公立に入れよう」と考えていても、環境の整った私立に通わせたいと気持ちが変わる場合もあります。とくに高校は、およそ3割が私立に通うというデータもあります。中学までは公立の可能性が高くても、高校は私立に入学する可能性があると考えておくとよいかもしれません。
そう考えると、教育費の準備がますます不安になるかもしれません。しかし、私立高校の授業料に関しては朗報があります。2020年(令和2年)度より就学支援金制度が拡充され、年収目安590万円以下の世帯について授業料が実質無償化となったのです(世帯状況によって年収目安は変わる)。
これは、子を持つ親にとって嬉しい制度変更ですが、就学支援金の申請から実際に受け取るタイミングが異なり、授業料を一時的ではありますが各家庭で負担しなくてはなりません。
ですから、私立高校の授業料が実質無償化となったといっても、ある程度の教育費の準備はしておくべきです。
また、授業料以外の塾代や習い事の費用についても考慮しておく必要があるでしょう。
最もお金のかかる大学時代に向け、「児童手当」+αの備えが必須
幼稚園~高校までは公立に通い、大きな費用負担がないケースが多いかもしれませんが、大学ではそうはいかないことがほとんどです。国公立に入学すれば負担は小さくなりますが、大学進学者の約8割は私立大学に入学することになります。
大学費用は国公立で約500万円、私立理系になると800万円以上にもなります。
さらに、子どもが一人暮らしをすると約450万円がプラスされます。この金額を家計から賄うことは非常に難しいでしょう。
そんな中、大学資金のベースとなるのが、生まれてから中学卒業まで給付される「児童手当」。児童手当は3歳未満まで一人当たり月額1万5000円、3歳~小学校卒業までは1万円(第3子以降は1万5000円)、中学卒業までは1万円を受け取ることができます。
これをすべて使わないでおけば約200万円になり、大学資金に使うことができます。そのため、児童手当は原則として使わずに丸々貯金しておくようにしましょう。
ここまで読んでいただくと、いったいどれぐらいの費用が必要になりそうか、児童手当をすべて貯めたという前提であとどれくらいの金額が必要か、イメージがわいたのではないでしょうか。
不足分は銀行貯金で貯めていくという方法もありますが、王道といえるのが「学資保険」です。ここからは、いよいよ本題の学資保険について解説します。
教育資金を貯めることに特化した学資保険
学資保険は教育資金作りに活用できる貯蓄型保険です。
子どもの進学時期に合わせて給付金や満期保険金を受け取れ、入学金や学費などに使うことができます。
教育資金を計画的に準備するのは簡単ではありませんが、学資保険は教育資金作りに特化した商品設計となっているため、確実に教育資金を準備できるのがメリットです。
将来の備えはこれで万全! 失敗しない学資保険の3大ポイント
選び方1: 学資保険は返戻率100%以上で選ぶ
学資保険を選ぶ際に最大のポイントとなるのが返戻率です。
返戻率とは、払い込む保険料の総額に対して将来受け取れるお金の総額がどれくらいあるかを表した数値です。
商品によって返戻率は異なりますが、高ければ高いほど貯蓄性に優れています。最低でも100%以上から選びましょう。
返戻率は、保険会社が提示しますが、下記のように自分で計算することもできます。
選び方2:給付金支払いの時期に注意
学資保険は、商品によって祝金や満期保険金の受け取りパターンの設定が違います(商品の中で選べるものも)。大学入学前に一括で受け取る、18歳~22歳の間に毎年祝金が受け取れる、中学、高校などの入学時にも祝金が受け取れるなど、タイプはさまざま。推薦入学のようなケースも対応できるように、受取時期に融通が利く商品を選ぶことが重要です。
選び方3:短期払いで返戻率アップ!家計の負担軽減も
返戻率は加入のタイミングや支払方法を工夫することでアップさせることができます。たとえば明治安田生命「つみたて学資」の場合、下図のように若いうちから加入したり、まとめて保険料を支払うことで返戻率がアップします。
※保険契約の型:Ⅰ型/契約者:25歳 男性/被保険者(子ども):0歳/21歳満期/基準保険金額:75万円・50万円/月掛保険料[口座振替料率]、一括払込は10歳払込満了[新年掛]/保険料率:2019年9月1日現在
ここまで解説した学資保険の選び方のポイントを踏まえて、プロが選んだ5商品の内容と評価のポイントをご紹介していきます。学資保険検討者の方は、ぜひチェックしてください!
短期払いで返戻率アップ!|日本生命「ニッセイ学資保険」
日本生命
ニッセイ学資保険
受け取り回数は基本5回。1回目にまとまった金額を受け取れるのでお金のかかりがちな入学初年度に活用できます。
5年短期払いにすれば返戻率がぐっと上がるのもポイント。
▼月払保険料の例
年齢・性別 | 月払保険料 |
30歳男性 | 1万3350円 |
30歳女性 | 1万3290円 |
40歳男性 | 1万3520円 |
40歳女性 | 1万3390円 |
▼保険料条件
こども祝金 | 被保険者 | 受取総額 | 保険期間 | 保険料払込期間 | 払方 | 保険料の払込免除 |
なし | 0歳 | 300万円 | 18歳満了 | 18歳払済 | 月払 | あり |
少額から契約できて活用しやすい|ソニー生命「学資保険(無配当)」
ソニー生命
学資保険(無配当)
Ⅰ型~Ⅲ型がありニーズに合わせて選択できます。なかでも5回に分けて学資金を受け取れるⅢ型が返戻率などの面で人気があります。Ⅲ型は受取総額50万円、保険料も毎月3000円からと少額契約も可能です。
▼月払保険料の例
年齢・性別 | 月払保険料 |
30歳男性 | 1万3530円 |
30歳女性 | 1万3482円 |
40歳男性 | 1万3692円 |
40歳女性 | 1万3572円 |
▼保険料条件
型 | 被保険者 | 受取総額 | 保険期間 | 保険料払込期間 | 払方 |
III型 | 0歳 | 300万円 | 22歳満了 | 18歳払済 | 月払 |
返戻率100%以上で大学入学金を確保できます。
高額割引適用でお得に!|明治安田生命 「つみたて学資」
明治安田生命
つみたて学資
満18歳(子どもの誕生日が10月2日~4月1日の間にある場合は満17歳)の誕生日以降、最初に到来する10月1日が受取日なので、推薦入学にも間に合う点が高評価。
基準保険金額を70万円以上に設定すると、高額割引が適用され返戻率がアップします。
▼月払保険料の例
年齢・性別 | 月払保険料 |
30歳男性 | 1万4929円 |
30歳女性 | 1万4886円 |
40歳男性 | 1万5073円 |
40歳女性 | 1万4968円 |
▼保険料条件
被保険者 | 受取総額 | 基準保険金額 | 保険期間 | 保険料払込期間 | 払方 | 保険料払込免除特約 | 型 |
0歳 | 280万円 | 70万円 | 21歳満期 | 15歳払済 | 月払 | 付加 | I型 |
高額割引が適用されれば返戻率が比較的高水準になります。
4位: 保険料の割引制度あり|住友生命「たのしみキャンバス」
住友生命
たのしみキャンバス
月々の保険料が一定額を超えると「たのしみランク」という保険料割引制度があるほか、学資金(年金)を受け取るタイミングを10歳~18歳までの間で1歳単位で選択できます。また、5年ごとの利差配当もあります。
▼月払保険料の例
子どもの性別 | 月払保険料 |
男の子 | 2万145円 |
女の子 | 2万145円 |
▼保険料条件
被保険者 | 受取総額 | 保険料払込期間 | 年金支払開始 | 第1回年金倍額型 5年確定年金・基本年金額 |
払方 |
0歳 | 300万円 | 12歳満了 | 18歳 | 50万円 | 月払、口座振替扱 |
大手で返戻率が比較的高水準な点がポイントです。
5位: 受け取り方法は2種類!|フコク生命「みらいのつばさ」
フコク生命
みらいのつばさ
2種類の受取方法と3種類の払込期間から選べます。
貯蓄性を重視するなら「ジャンプ型」がおすすめ。
兄弟割引が適用されると保険料が割り引かれるのもうれしいポイントです。
▼月払保険料の例
年齢・性別 | 月払保険料 |
30歳男性 | 1万4421円 |
30歳女性 | 1万4371円 |
40歳男性 | 1万4590円 |
40歳女性 | 1万4466円 |
▼保険料条件
被保険者 | 受取総額 | 保険期間 | 保険料払込期間 | 払方 | プラン |
0歳 | 300万円 | 22歳満了 | 17歳払済 | 月払 | J(ジャンプ)型 |
祝金受取時期、保険料払込期間ともにバリエーションが豊富です。
おわりに
ここまで、保険のプロが選ぶおすすめの学資保険ランキングをご紹介しました。学資保険を選ぶ際には、返戻率のほか、学資金の受取回数やタイミング、付帯サービスの有無など、内容を総合的に見て判断することをおすすめします。
子どもの教育資金はかなり高額ですが、選ぶ学校が公立なのか私立なのかによって必要な金額は変わります。子どもの進学先については早めに考え、学資保険に加入する場合はその金額を上手に貯めて・使える商品選びをするようにしましょう
また、今回の外貨建て保険とは別に、医療保険や収入保障保険などのランキングをサンロクマルで公開中です! 気になる方はぜひそちらもあわせてご確認くださいね!
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