“快眠温度”を保つというレイコップの新感覚製品
世の中には、枕やマットレスなど「快眠」を売りにするアイテムがたくさんあります。
下記の枕のように安くていいものもありますが、効果があると人気のマットレスなどは、比較的、高級品が多め……。
いくら口コミが良くても、必ずしも自分に合うとは限らないし、マットレスなどはホイホイと買い換えるようなアイテムではないので、購入の際はいろいろと悩ましいですよね。
そんな中、布団クリーナーで一躍有名になったレイコップから「ふとんコンディショナー」なる商品が登場して話題になりました。
「ふとんコンディショナーって何? 布団乾燥機のこと?」と思われるかもしれませんが、レイコップのコチラの製品は温度を調整するための装置と専用のマットレスがセットになっていて、布団の中を快眠温度と言われる33℃にキープするという「快眠アイテム」です。
レイコップ
ふとんコンディショナー
futocon [フトコン]
実勢価格:10万7800円
※検証時:13万8240円
サイズ:本体463.5×223.5×526.5mm、エアマット1980×1010×45mm
重量:本体7.2kg(調節ユニット除く)、エアマット5.4kg
快眠温度を保つ「睡眠ケアモード」のほか、除菌・ダニ対策・脱臭を行う「寝具ケアモード」が搭載されていて、マットレスを清潔に保つことができる、とのこと。
パッと見、なんだかよさそうな快眠グッズという感じですが、決してお安い商品ではないので、効果の程が気になりますよね。そこで、実際に「フトコン」購入して、本当に快眠できるのかガチで検証してみました。
ガチで使ってみたら最初でつまずきました…
「フトコン」を取り寄せて、いざ検証スタート! ……と意気込んだものの、担当編集は初っ端からやや挫折感を感じることに。
「フトコン」をまずベッドや布団の上に設置しなければいけないのですが、本体自体がかなり大きい!
寝室が広々としているお宅ならば問題ないと思いますが、一般的な寝室では、まず搬入や設置場所の確保に困るかもしれません。
また、家電の扱いに慣れた編集部員であってもスムーズに取り付けられたとは言い難く、性能云々の前に「初期設置のハードルが高いなぁ」というのが正直な感想でした。
そんなこんなで四苦八苦しながら設置し、やっと使い心地の検証スタートです。
専用マットレスは好みの問題が…
「フトコン」はマットレスの中に搭載されたセンサーの情報に基づいて風量やヒーターの発熱を調整し、最適な温度を保つ、という仕様です。
そのため専用のマットレスが付属している訳ですが、このマットレスを一番上に敷いて寝ることになります。
マットレスの中には東洋紡と共同開発したという三層構造体「エアスペーサー®」が入っています。
96%が空気の層で構成された「エアマット」でカラダの負担を軽減する仕様になっているそうですが……どうも固い。
マットレスの上に直接寝ることになるので、この固さや寝心地が自分のカラダにフィットすればいいですが、相性が悪いと快眠どころではなくなる恐れが。
寝具の質感は好みによるところが大きいのに、固めの専用エアーマット一択というのはちょっと残念な気がします。
寝る前の事前準備もメンドウです…
「睡眠モード」を使うには10分間の余熱が必要なのですが、正直、この余熱時の動作音がちょっとうるさいんです……。
そして寝る前の10分って、意外と長く感じられるんですよね。
毎日、規則正しく就寝する人は事前に余裕をもってセットできると思いますが、そうでない人にとっては「げっ、これから10分待ちか」という状況になることも。
なおかつ、睡眠時間も設定しなければいけないので、「事前準備が煩わしいなぁ」というのが率直な感想でした。
結局、温度調整は手動?!
「フトコン」には7段階の温度調整機能がついています。
季節や住環境、個人の体温などによって快適に眠れる温度は異なるわけで、自分好みの温度に変えられるのはうれしいのですが、「快眠温度の33℃にキープ」がコンセプトなのに、結局、自分で温度調整するのかと思うと、何だか本末転倒な気が……。
ちなみに今回の検証では、デフォルトの33℃では暑すぎると感じる人が続出。
温度を下げたら快適に眠れた人がいた反面、寒く感じてよく眠れなかった人もいました。「快眠温度」の調整はどうも、一筋縄ではいかないようです。
コストは一晩約50円となっているけど…
レイコップの公式サイトによると、一晩の使用にかかる電気料は約50円とのこと。ちなみに、布団を33℃に保てるのは「室温18℃~27℃の条件下で」だそうです。
地域や気候、住環境にもよりますが、夏や冬などは室温が条件外になりやすいので、快適に眠るためには冷暖房の併用が必要になる場合も。実際のランニングコストは、もう少し高めに見積もっておくと安心かもしれません。
編集部員がさらにリアルな快眠度を計測したら…
使用感は上記の通りなのですが、より詳しく快眠度を検証するため、寝付きの悪い編集部員が「フトコン」を自宅に持ち帰り、睡眠の質の変化をアプリで計測してみました。
計測結果を見ると、「フトコン」を使用した時の方が覚醒時間が増えて眠りが浅めに……。
寝具が変わった違和感からか、残念ながら編集部員の睡眠の質は下がってしまいました。
睡眠時の温度管理は快眠の条件のひとつではあるものの、総合的な使い勝手や効果、下がったとは言え10万円超えの価格を考慮すると「即買うべき」とは言い難い……というのが検証を終えた後での正直な評価です。
しかし、「フトコン」は条件さえフィットすれば快眠できる要素を含んでいる製品なので、今後の進化に期待してレビュー終えたいと思います。
フトコンを導入すれば一気に良い眠りになるというわけではないですね……。