Amazonランキングの上位中心に レーダー探知機15台を一斉テスト!
レーダー探知機は、自動車の運転席付近に取り付けておくことで、自動速度違反取締装置(通称:オービス)のレーダー波を受信して警告してくれる機器です。さらに、無線受信機能を搭載していれば、パトカーなどの接近も感知できます。
自動車用のレーダー探知機自体は、かなり昔から存在しています。しかし、レーダー波を出さない非レーダー式のオービスが登場し、従来のレーダー探知機では対応できなくなりました。
現行のオービスの種類と特徴を確認していきましょう。
レーダー方式のオービス
レーダー方式1.レーダー式
道路上に照射システムを設置してレーダーを照射し、反射した電波から速度を計測します。常に電波を出しているため、レーダー探知機ですぐに検知できます。かつては主流でしたが、現在では減少傾向です。
ただし、超小型で4Dマルチトラッキングレーダーを用いた「SENSYS SSS」といった新型も登場しています。
レーダー方式2.Hシステム
現在、もっとも設置数が多いオービスです。基本はレーダー式と同様で、四角形の白いレーダーアンテナでレーダーを照射し、反射電波で速度を計測します。
ただし、照射パターンを変えて検知されにくく改良されています。写真撮影もフィルム式からデジタルに進化し、撮影データはすぐに管轄警察に転送されます。
レーダー方式3.移動式小型オービス
超小型で持ち運んで設置できるオービスです。三脚にカメラを乗せた小型タイプや、ロボットのような中型タイプが存在します。基本はレーダーを照射して速度を計測しますが、レーダー探知機では検知できない方式も存在します。
主要幹線道路の固定オービスの先に設置し、ダブルオービスとして取り締まりを行うこともあります。
非レーダー方式のオービス
非レーダー方式1.ループコイル式
磁場を発生させるループコイル装置を6.9m間隔で3本路面に埋め込み、通過速度を計測します。1つめと2つめ、2つめと3つめの2度計測を行うことができ、両方とも速度超過だった場合にはその先にあるカメラで撮影を行います。
ループコイルは埋め込まれていて目立たず、レーダー照射もないのでレーダー探知機では検知できません。
非レーダー方式2.LHシステム
ループコイル方式とHシステムを合体させたオービスです。速度の計測は路面に埋め込まれたループコイルで行い、撮影は上部に設置されているデジタルカメラで行います。撮影データはHシステムと同じく、すぐに管轄警察に転送されます。
こちらもレーダー照射がないため、従来のレーダー探知機では検知できません。
非レーダー方式3.レーザー式
速度計測をレーザースキャン方式で行うオービスです。今年から固定式も登場しましたが、ループコイル式やLHシステムの撮影ユニットが流用されていることもあります。
レーダー照射はないため、レーダー探知機では検知できません。都内でも今年7月から移動式が導入され、予告看板を出さないことで話題となりました。
このように、従来のレーダー探知機では検出できないオービスが増えています。
そこで、登場したのが“GPSレーダー探知機”です。レーダー波は今までどおり受信し、非レーダー式はGPS情報でフォローするという方式が現在の主流です。
タイプや給電方法に注目
他にも、レーダー探知機は選ぶ際のポイントがあります。特にタイプ毎の特徴や給電方法による違いをおさえることが大切です。
タイプ毎のレーダー探知機の違い
レーダー探知機の形状は、一体型、ミラー型、セパレート型の3つに加え、ドライブレコーダー一体型、液晶なし型に分けることができます。
一体型はアンテナと液晶が一緒になった便利なタイプ。タッチパネルなど感覚的に操作できるのが特徴です。
ミラー型はルームミラーに取り付けるタイプなので、ダッシュボードにあまり物を載せたくない方にぴったり。ただし、ルームミラーが使いづらくなる点がデメリットです。
そしてアンテナと画面を別々に設置するのがセパレート型。このタイプには、アンテナを受信感度が高いところに設置しやすいというメリットと、取り付け作業が面倒というデメリットがあります。
ドライブレコーダーも同時に検討しているのなら、ドライブレコーダー一体型も視野に入れてみてください。これひとつでドライブレコーダーとレーダー探知機両方の機能を使用できるので、見た目もコンパクトにまとめることができます。
最後の液晶なし型はディスプレイなしで、音だけで通知するタイプ。探知できるレーダーが少ないことなど情報量ではデメリットがありますが、安さや初期設定の簡単さがメリットです。
給電はシガーソケットやソーラーから
給電方法はシガーソケットとソーラーなどがあります。
シガーソケットからの給電は差し込むだけで簡単にできるのがポイント。ただしシガーソケットから延びるコードにより、やや車内の見栄えが悪くなる点には注意が必要です。
その点、ソーラーパネルからの給電ならコードがなく車内もスッキリとした見た目になります。難しい配線作業も不要なので、取り付けも簡単です。さらに、車からの電源供給によりバッテリーが上がることを懸念する人も安心。しかし、太陽からの給電にはどうしても限りがあるため、機能性が限定されている点がデメリットです。
ここまでレーダー探知機の基礎知識をご紹介してきました。とはいえ、いざ購入しようとカー用品店に行ってみると、かなりの数が並んでいます。いったいどれがよくて、何を基準に選べばいいのでしょう?
そこで、今回はAmazonランキングで上位の製品を中心に、発売時期やレーダー探知機のタイプ、価格帯など、なるべくバリエーションが出るように選出した15台のレーダー探知機を一斉テストしました。
なお、本テストは、過去、家電批評編集部で行ってきたテストの中でも、一位二位を争うほど、時間も、コストも、労力もかける結果となりました。
おそらく、日本一ガチでテストしているレーダー探知機テストだと自負しております。その辺もぜひ感じていただけるとテストチーム一同、幸いです。
都内と埼玉県をまたいで設定した、1周112㎞のコースを周回。都度、どこでどんな警告・通知が出たかを細かく記録しました。
レーダー探知機って、怪しくない? 違法じゃないの?
レーダー探知機はオービスや取り締まりを回避するためのものではなく、あくまでも安全運転を促すための機器。国内ではレーダー探知機を取り締まる法律はなく、違法ではありません。
ちなみに、オービスも違反車を捕まえることではなく、速度が出てしまいがちな場所で、速度の出しすぎを抑えることが真の目的なのです。
【基礎知識】国内のシェアは3社 同時テストでわかった各社の特徴
現在、国内のレーダー探知機のシェアは3社が占めており、必然的にこの3社の製品から選ぶことになります。
製品を選ぶ際にはスペックだけでなく、口コミも参考にする人は多いでしょう。しかし、口コミでもわからないことがあります。今回、3社のレーダー探知機を1台ずつ、合計3台を同時設置してテストしましたが、同時テストで初めてわかった各メーカーの傾向があります。
そこで、製品選びをよりスムーズにするため、まずは各メーカーの特徴を把握しておくといいでしょう。
人気のコムテックはカーロケ無線に弱い
コムテック製のレーダー探知機はモデルが違っても待受画面や設定メニューがほぼ共通化されているので、使い勝手は3社の中で一番です。
美麗なマルチカラーLEDイルミネーションが特徴的ですが、非搭載モデルもあります。
設定メニューがわかりやすく使い勝手は抜群ですが、他社製品と比べてカーロケ無線への反応が鈍く、パトカーがかなり接近しないと通知されなかったり、1台だけ通知されないことがあります。
また、設定で数種類のプリセットが用意されていますが、コムテック製品のみ初期設定で全項目がオンとなっているため、そのままでは通知がやや多過ぎます。
コストはかかるけど高機能なユピテル
ユピテル製のレーダー探知機は、3社の中でも精度で頭ひとつ飛び出ています。その自信の表れか、GPSデータの更新はユピテルのみ有料となります。また、実用性が高い独自機能が多いのも特徴です。
パッケージでは全然目立っていませんが、自動キャンセル機能「iキャンセル」が非常に便利です。
レーダー感知が誤通知だと思われる場合、同じ場所を次に通った際に自動キャンセルしてくれるのはユピテル製だけです。
悪くないけど一歩出遅れているセルスター
セルスター製のレーダー探知機はよけいな機能を減らし、価格を抑える傾向があります。ただし、小型オービスのレーダー波をリアルタイム受信する製品が存在せず、他社より一歩出遅れている感があります。
また、精度は悪くないのですが、高速走行時の減速に弱いという特徴があり、高速道路で一時的に誤通知が増えてしまいます。
【選び方】重要なポイントは4つ
初心者はパッケージで選んではダメ!
それでは、実際にどうレーダー探知機を選べばいいのでしょうか?
パッケージにはいろいろな数字や機能が並んでおり、なんだかスゴそうに見えます。しかし、実際に重要なのはパッケージでは見えない部分ばかり。テストしてわかったレーダー探知機選びのポイントは、大きく4つありました。
【チェックポイント:①探知機としての精度】
ひとつ目のポイントはその“精度”です。レーダー探知機である以上、レーダーをきちんと受信してくれなければ始まりませんが、こればかりは使ってみないとわかりません。
しかし、パッケージでも確認すべき点がいくつかあり、まず気をつけたいのが「小型オービス対応」の文字です。
パッケージに「移動式小型オービス対応」の文字があっても、それだけで安心してはいけません。
「小型オービス対応」にはGPS情報+レーダー受信の「ダブル対応」と、「GPS情報のみ」の2種類があります。GPS情報のみでは新たな取締地点が増えても、情報が更新されるまでにタイムラグが生じてしまいます。
また、パッケージには一番数字が大きい「GPSデータ登録件数」が一番先に書かれていますが、本当に重要なのは「取締情報件数」のほうです。「GPSデータ登録件数」はその多くがエリア情報で、多すぎても通知がうるさくなるだけです。
GPSデータ登録件数と同様にパッケージに記載されており、数が多いとスゴそうに見えるのが無線の受信バンド数です。
現在、業界最多で18バンドに対応していますが、不要なものも多く、初期設定でいくつかがオフになっているメーカーもあります。本当に重要なのは、取り締まり機で採用されている「Xバンド」などの5バンド程度です。
【チェックポイント:②使い勝手や画面の見やすさ】
2つめのポイントは“使い勝手”です。これには操作性だけでなく、画面の見やすさも含まれます。
まずは操作性ですが、レーダー探知機は付属のリモコンで操作するのが一般的です。しかし、このリモコンがなかなか曲者で、どのリモコンも感度はよくありません。
特にひとりで運転中には、信号待ちなどの短時間で操作しなければなりません。このため、タッチパネルや本体ボタンを搭載しているモデルの方が快適です。
続いて画面の見やすさですが、特に大きく異なる点がフルマップの対応、つまり地図の表示です。表示できるほうがオービスや取り締まりポイントの方向や距離がつかめます。
警告が現在の路線上のものなのか、進行方向が同じ別路線のものなのかは、マップがないと判断できません。この差は使い勝手にかなり大きく影響しますが、地図データの更新に料金がかかるというデメリットもあります。
また、併せて確認したいのが、LEDフラッシュです。LEDフラッシュを搭載したモデルは音声通知と画面表示だけでなく、LEDも点滅して注意を促してくれます。LEDの色で警戒レベルもわかるので非常に便利です。
【チェックポイント:③設置・設定のしやすさ】
3つめのポイントは、“設置・設定のしやすさ”です。
レーダー探知機には大きく、「一体型」「ミラー型」「セパレート」の3タイプがあります。一体型はダッシュボードに固定して、シガーソケットにつなぐだけなので設置は簡単です。
一方、ミラー型やセパレートは配線がかなり面倒です。設置に関しては最初の1回だけなので、ショップに頼んで有料で取り付けてもらう方が無難でしょう。
設定に関しては、最初にしっかりと設定すれば……と思いがちですが、実は割と多用します。できるだけわかりやすいモデルが最適です。
プリセットを利用していると、どうしても不要な通知が気になりだします。
例えば、路駐する気がなくても「駐禁重点エリア」や、普通車なのに「過積載取締機」が通知されます。
最終的にはほとんどの人が、必要な通知だけをオンにして使うマニュアル設定に行き着くでしょう。
【チェックポイント:④独自機能&更新の手軽さ】
各社とも他社との差別化を図るため、さまざまな機能をレーダー探知機に搭載しています。このため、近年のレーダー探知機は非常に多機能になっており、選ぶ際にも目移りしてしまいがちです。
しかし、本当に実用的な機能は少なく、テスト時にも便利だと感じた機能は、「無線対応」と「自動キャンセル」「公開取締情報のリアルタイム表示」程度です。
GPSデータの更新は、パソコンで更新データをダウンロードし、microSDカードにコピーする方式が一般的です。
更新データが入ったmicroSDカードをレーダー探知機に挿入して起動すれば、あとは自動で更新が行われます。基本的に月1回の作業ですが、正直けっこう面倒です。
Wi-Fi搭載モデルなら、自宅のWi-Fiやスマホのテザリングを使って、直接データを更新できます。
Wi-Fiカードを利用しての対応でもいいので、Wi-Fiに対応したモデルを選ぶのがおすすめです。
先にもすこし触れましたが、自動ドアなどの誤通知地点に対して、ユピテル製品のみ自動キャンセル機能を搭載しています。
コムテック製品はキャンセルポイントとして通知されますが、登録自体は手動です。でも、走りながらの操作はかなり困難で、なかなか登録できないことが多いでしょう。
セルスター製品は一定のエリア全体で通知をキャンセルする「キャンセルエリア」方式なので、あまり使い勝手がいいとはいえません。
このほか、実用的なのがユピテル製レーダー探知機に搭載されている「取締路線リアルタイム表示」です。全モデル対応ではないですが、公開取締情報を元に取締路線を点滅表示してくれます。
【テスト方法】3台同時設置で 22カ所のオービス地点を通過!
今回のテストでは3メーカーのレーダー探知機を1台ずつ、3台同時に設置して1周112㎞のコースを周回しました。3台×5周で15台をテストし、走行距離は合計で500㎞超えとなりました。
テストコースは一般道・高速道路の両方を使い、なるべく多種類のオービスを通過するよう設定しました。反対車線のオービスも含め、合計22カ所のオービス地点を通過しています。
ちなみに、移動式小型オービスの設置目撃地点もコースに3カ所含めましたが、残念ながら今回のテスト中には遭遇できませんでした。
なお、テストは助手席の記録係が通知をリアルタイムに記録すると同時に、後部座席に設置したビデオカメラで全行程を撮影しました。リアルタイムの記録と体感、録画映像をもとに検証しています。
【採点方法】4ポイント・合計100点で採点!
レーダー探知機15台のランキングを作成するにあたり、まずは、レーダー探知機選びの4つのポイントを、さらにいくつかの確認項目に分けています。それぞれの確認項目は、その重要度によって配点を決めています。
たとえば、「小型オービスの対応」はダブル対応なら満点で10点としていますが、初回のみ必要となる「設置のしやすさ」は満点でも2点と、重要な確認項目ほど配点を高くしています。
また、確認項目は、スペック上の多機能さが、そのまま高得点にならないように設定しています。たとえば、単に「どれだけ多機能か?」ではなく、「実用性が高い独自機能がどの程度あるか?」といった感じで、あくまでも実際に使ってどうかという部分を重要視しています。
なお、テストは初期設定のモードで行い、警告&通知数は大きく「オービス&レーダー関連の警告」「取締情報の通知」「エリア情報の通知」の3種類に分けて集計しています。通知の中には距離に応じて繰り返されるものがあるので、この場合は初回のみカウントしています。さらに、音声や警告音が鳴らずに画面表示だけの通知は、運転中に画面を常に見ていられないので、ノーカウントとしています。
それではいよいよ、レーダー探知機15台のランキングを発表していきましょう。
【1位】ユピテル SUPER CAT W51 高精度ながら低価格のウェブ限定モデル
第1位は、ユピテルの「SUPER CAT W51」です。このモデルは、最上位モデルの無線受信機能を最低限の3バンドに絞り、ウェブ限定で低価格にて販売されています。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT W51
実勢価格:1万4801円
タイプ:一体型
ディスプレイ:ワイド3.6インチタッチパネル
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:14万件以上
取締情報件数:5万4000件以上
対応無線バンド数:3バンド
GPS測位衛星:75基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー/照度センサー
主な機能:iキャンセル/公開取締情報リアルタイム表示/ログ機能/投稿機能
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:有料
外形寸法:W106×H60×D17mm
重量:本体 約123g
消費電流:最大360mA以下
なお実際のテストは、2017年発売の前モデルである「SUPER CAT W50」で行っています。このモデルはユピテル50周年記念モデルとして、ウェブ限定で低価格にて販売されました。同じ2017年の最上位モデル「GWR303sd」をベースにしており、無線受信機能をカットして低価格化しています。
この50周年記念モデルが好評だったため、翌年に引き続き後継機となる「SUPER CAT W51」が登場しました。W50とW51の大きな違いは、まずGPS測位衛星の数と登録件数で、どちらもW51の方が増えています。さらに、W50では非搭載だった無線受信機能ですが、W51では最低限必要な3バンドに対応しています。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT W50
発売:2017年3月
それでは、「SUPER CAT W50」で実際に行ったテストの結果を見ていきましょう。
画面はフルマップ表示で、画面下にテロップ、左下に写真&CGが、さらに右上のスコープにその方向が表示されます。また、画面の左にあるロゴのLEDも警告に合わせて点滅するので、警告に気づきやすいでしょう。
最上位モデルがベースとなっているだけあり、検出率は96%と精度は文句なしです。エリア情報がノーマルモードではオフになっているため、総通知数は平均の178よりかなり少なめです。
注目すべきはオービス&レーダー関連の通知数です。レーダー受信数が多いモデルでも、その場で明確に誤通知だと判断できないため、結果として検出率は高めになります。しかし、このモデルは通知数が平均の半分程度なので、よけいなレーダーを拾っていないといえます。
誤通知も一般道を走行中に、首都高速のオービスを通知したり、高速道走行時に下道情報を2回だけ通知した程度で、本当に数えるほどでした。
機能も充実しており、タッチパネル搭載で小型オービスはもちろん「ダブル対応」です。特許を取得している誤通知自動キャンセル機能の「iキャンセル」や、公開取締情報のリアルタイム表示も搭載しています。
Wi-Fi機能は搭載していませんが無線機能付カードには対応しており、更新も手間なく行うことができます。なお、新たな取締地点を追加したり、共有する機能も搭載していますが、この機能はGPSデータの更新やWi-Fi接続が必要となるため、あまり実用的とはいえません。
記念モデルとして価格を下げるため、外箱は簡易パッケージとなり、内容物も最小限の構成です。
気になる点は、最上位モデルからカットされた無線受信機能です。しかし、W50は完全に非搭載でしたが、後継機のW51では最低限必要な3バンドに対応しています。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 39/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 25/25
- 設置・設定のしやすさ: 13/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 10/20
- 合計: 87/100
もし、対応バンド数の少なさが気になるという人は、ベース機である最上位モデルがおすすめです。なお、W51は同年発売の「GWR403sd」がベースとなっていますが、現在ではさらに後継機の「GWR503sd」が登場しています。
テストで第1位となったモデルのベースとなった最上位モデルなので、レーダー受信の精度は間違いありません。さらに、最新モデルで登録件数や受信衛星数も増えており、無線受信も17バンドに対応しています。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT
GWR503sd
実勢価格:2万6800円
発売:2017年1月
タイプ:一体型
ディスプレイ:ワイド3.6インチタッチパネル
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:18万9000件以上
取締情報件数:5万5000件以上
対応無線バンド数:17バンド
GPS測位衛星:79基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー/照度センサー
主な機能:iキャンセル/公開取締情報リアルタイム表示/ログ機能/投稿機能
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:有料
外形寸法:W106×H60×D17mm
重量:本体 約125g
消費電流:最大410mA以下
ユピテル製品のみデータ更新が有料です
なお、ユピテルは3社で唯一、GPSデータの更新が有料となります。データ更新の際にはまず、「My Yupiteru」に会員登録する必要があります。
登録後に利用機器のシリアルナンバーを登録し、さらにプラン契約を行います。プランは年間の4860円と、35日間の972円の2通りが用意されています。
契約完了後はすぐに更新データをダウンロードできますが、microSDへの更新ファイルの配置は手動で行う必要があります。なお、地図データの更新は別料金となります。
【2位】ユピテル SUPER CAT A720 配線は面倒くさいけどかなり優秀!
第2位もユピテル製のレーダー探知機ですが、「SUPER CAT A720」は今回テストした15台の中ではもっとも高額な製品でした。現在は価格が大きく下がりましたが、テスト時の購入価格は3万4900円でした。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT A720
実勢価格:1万7500円
発売:2017年4月
タイプ:セパレート
ディスプレイ:ワイド3.6インチタッチパネル
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:13万6000件
取締情報件数:5万3000件
対応無線バンド数:14バンド
GPS測位衛星:70基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー/照度センサー
主な機能:iキャンセル/公開取締情報リアルタイム表示/ログ機能/投稿機能
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:有料
外形寸法:本体 W106×H60×D12mm/アンテナ部:W61×H21×D49mm
重量:本体 約98g/アンテナ部:約107g
消費電流:最大350mA以下
画面はフルマップ表示で、テロップと写真&CGに加えて、右上のスコープにその方向も表示されます。画面の左にあるロゴのLEDも警告に合わせて点滅し、LEDの色で警戒度もわかるようになっています。
もともと高額なモデルだけあって、探知機としての精度も優秀です。オービス&レーダー関連や取締情報の通知数は平均よりやや少なく、よけいなレーダーは受信していないようです。ただ、LEDがしばらく点滅しっ放しで、逆に気になりすぎる場面もありました。
エリア情報がノーマルモードではオフになっているため、総通知数は平均の178より少なめです。1位の「W50」ほどではありませんが、オービス&レーダー関連の通知数が少ないにもかかわらず、検出率は97%でした。
高額な製品だけあって機能面でも充実しており、iキャンセルももちろん搭載しています。タッチパネル搭載で手軽に操作でき、カスタマイズ性も高いので思いどおりに動作するよう設定できます。
無線機能付カードを利用すれば、無線でデータの更新も行えます。また、自分で用意したメロディを警告音として利用できます。
なお、本体とアンテナ部が独立したセパレートタイプなので配線が多く、自分で取り付けるのはかなり困難です。購入ショップに頼んで、配線が隠れる“裏取り”で設置してもらうべきでしょう。
欲しい機能は網羅しており、間違った通知が少なく精度も抜群。もともとかなり高価な製品なので、価格が大きく下がったいまが狙い目といえます。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 38/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 23/25
- 設置・設定のしやすさ: 11/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 10/20
- 合計: 82/100
【3位】コムテック ZERO 805V リモコン&タッチ対応で検出率も優秀
第3位となったのは、コムテックの「ZERO 805V」です。4.0インチと大きめの画面はタッチパネルになっていますが、リモコンも付属しているので、好みや場面で操作方法を使い分けることができます。
コムテック(COMTEC)
ZERO 805V
実勢価格:2万2190円
発売:2018年3月
タイプ:一体型
ディスプレイ:4.0インチタッチパネル
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:16万5000件
取締情報件数:6万件
対応無線バンド数:18バンド
GPS測位衛星:75基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/照度センサー
主な機能:取締共有機能/公開取締情報対応/ログ機能/セーフティドライブ
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:無料
外形寸法:W109.5×H64×D19.8mm
重量:132g
消費電流:最大500mA以下
フルマップ表示にも対応していますが、マップが表示されるのはオービスの警告時のみです。それ以外は、CGと文字での警告となります。
コムテック製品は初期設定で全通知がオンになっているため、エリア情報が他社製よりはるかに多いのですが、このモデルは特に多いと感じました。実際に135件というエリア情報は15台中最多でした。かなりうるさく感じますが、設定で項目ごとにオン/オフが可能です。
不要な通知もやや多く、検出率は92%です。ただ、オービス&レーダー関連や取締情報の通知数は平均以下なので、よけいなレーダーはあまり拾ってはいないようです。明らかに不要だった通知は、ほとんどが高速道路での一般道情報でした。
気になるのは、コムテック製品に共通した“カーロケへの反応の鈍さ”です。他社のレーダー探知機より、遅れて通知されることが多々あります。また、この価格ならコムテックの特徴でもあるLEDイルミネーションが欲しいところです。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 30/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 14/25
- 設置・設定のしやすさ: 10/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 15/20
- 合計: 69/100
コムテック製品は無料&専用アプリでデータ更新は手軽です
コムテック製のレーダー探知機は、無料でGPS情報の更新が行えます。会員登録も不要で、専用のWindows向けアプリをダウンロードして利用できます。
ワンクリックDL for microSD
https://www.e-comtec.co.jp/1click/
更新方法も簡単で、レーダー探知機のモデルを選んで、microSDを挿入したドライブを指定するだけ。これで更新用microSDが完成します。なお、専用アプリを使わずに手動で更新用microSDを作ることも可能です。
4位: 【4位】ユピテル SUPER CAT A130
1番下のグレードだけど性能はトップクラス
第4位は3台のモデルが同点となりました。1台目はユピテルの「SUPER CAT A130」です。2018年モデルのユピテル製レーダー探知機としては、一番下のグレードとなります。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT A130
実勢価格:1万8146円
発売:2018年1月
タイプ:一体型
ディスプレイ:ワイド3.6インチ液晶
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:14万件
取締情報件数:5万4000件
対応無線バンド数:14バンド
GPS測位衛星:60基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー/照度センサー
主な機能:iキャンセル/公開取締情報リアルタイム表示/ログ機能/投稿機能
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:有料
外形寸法:W106×H60×D17mm
重量:約120g
消費電流:最大370mA以下
画面はフルマップ表示の左下に警告CGが表示され、右下に方向と距離が表示されます。なお、右下の四角枠は警戒レベルによって背景色が変化するようになっています。
価格帯の上位モデルと比べると、タッチパネルやLEDフラッシュ、ファームウェアの自動チェック機能やガリレオ衛星の受信対応などが省かれています。とはいえ、どれもレーダー探知機本来の性能にはさほど影響がありません。検出率も98%でトップクラスです。
ユピテル製品の中では、オービス&レーダー関連の通知数がやや多いので、若干よけいなレーダーを受信しているようですが、明らかに不要だった通知は15台中もっとも少なく3件のみです。なお、エリア情報の数をみるためにオールモードでテストしたため、エリア情報が他のユピテル製より多くなっています。
カーロケにも敏感に反応しており、単にパトカーの接近を知らせてくれるだけでなく、並走追尾なのか、すれ違いなのかまで判別できます。
タッチパネルは非搭載なのでリモコンで操作しますが、2018年モデルでもリモコン感度はやはりやや鈍いままです。さらに、インターフェイスまわりが一新されており、以前と比べてやや使いにくく感じます。一番下のクラスなので、設定できる項目も少なめです。
去年の発売当初ではユピテル製の中でも低価格な製品でしたが、1年経った今でも価格がほとんど変わらず、現在ではお得感はありません。しかし、一番下のクラスでもユピテル製品は検出率が高いということを照明してくれました。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 39/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 14/25
- 設置・設定のしやすさ: 5/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 9/20
- 合計: 67/100
4位: 【4位】ユピテル SUPER CAT A520
ミラー型で場所を取らず精度も高い!
第4位の2台目は、ユピテルの「SUPER CAT A520」です。場所を取らずに設置できるミラー型の中でも、ユピテル製の精度の高さは健在でした。セパレートタイプの製品も同様ですが、ミラー型のモデルは同じ年の最上位モデルをベースに作られています。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT A520
実勢価格:1万7966円
発売:2017年4月
タイプ:ミラー型
ディスプレイ:ワイド3.2インチ液晶
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:13万6000件
取締情報件数:5万3000件
対応無線バンド数:14バンド
GPS測位衛星:70基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー/照度センサー
主な機能:iキャンセル/公開取締情報リアルタイム表示/ログ機能/投稿機能
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:有料
外形寸法:W270×H80×D17mm
重量:約330g
消費電流:最大320mA以下
画面はフルマップの左下に警告写真&CG、右上のスコープにその方向が表示され、画面下のテロップにテキストというユピテル製ではおなじみの構成です。テロップ部分は警戒度で色が変わります。
ミラー型なのでタッチパネルを搭載というわけにはいきませんが、その他の機能は充実しています。なにより、ミラー型で小型オービスにダブル対応しているのは、ユピテルの製品だけなのもポイントです。
オービス&レーダー関連の通知数は44件と平均より少なく、信頼できる数字です。取締情報は83件とほぼ平均値ですが、不要な通知は6件のみで優秀です。カーロケも他社製品より敏感で、テスト中も真っ先に通知していました。
ミラータイプなのでタッチパネルやLEDフラッシュは非搭載です。リモコンのみの操作ですが、本体の背面にリモコンを収納できるのは便利です。ちなみに他の製品では、マジックテープでリモコンをどこかに貼り付けておく方式が一般的です。
バックミラーとしては、液晶が埋め込まれているので全体的にやや暗めです。ミラーは拡大鏡が採用されていて、後続車がかなり近くに見えます。普段、広角ミラーを使っている人などは、リアウインドウ部分しか見えない視野の狭さになかなか慣れないかもしれません。
ミラータイプのレーダー探知機は人気ですが、最新モデルはどうしても高価になってしまうので、A520のような型落ちを狙うのもおすすめです。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 34/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 13/25
- 設置・設定のしやすさ: 12/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 8/20
- 合計: 67/100
4位: 【4位】コムテック ZERO 704V
ボタンでも操作できてLEDイルミ搭載
第4位の3台目は、コムテックの「ZERO 704V」です。前モデルの703Vからわずか半年で登場したモデルですが、移動式小型オービスの識別に対応しています。とはいえ、レーダー波で識別するのではなく、GPS情報を分類しているようです。
コムテック(COMTEC)
ZERO 704V
実勢価格:1万8474円
発売:2017年7月
タイプ:一体型
ディスプレイ:3.2インチタッチパネル
小型オービス対応:ダブル対応
GPSデータ件数:16万5000件
取締情報件数:6万件
対応無線バンド数:18バンド
GPS測位衛星:59基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/照度センサー
主な機能:レーダーキャンセルポイント/公開取締情報対応/ログ機能/セーフティドライブサポート
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:無料
外形寸法:W102×H57×D23.8mm
重量:118g
消費電流:最大500mA以下
画面はオービス警告時にのみマップが表示され、その他の警告はCGとなります。なお、本体両側にタッチボタンを搭載しており、画面自体もタッチパネルとなっています。さらに、リモコンも付属しているので、さまざまな操作方法で利用できます。
精度としては89%とそこそこで、オービス&レーダー関連の通知が94件と多めです。自動ドアなどをレーダーとして拾っているようです。
レーダー受信の誤通知に関しては、再び同じ場所を通った際に、「レーダーキャンセルポイント」として通知され、その場で登録は可能ですが、手作業なので面倒くさいかもしれません。
警告時にはLEDの点滅でも知らせてくれますが、面積が広いLEDイルミネーションはかなり効果的です。
コムテック製品の特徴でもあるLEDイルミネーションはかなり綺麗です。LEDの色で警戒度がわかりますが、設定でカラーを変更することも可能です。
小型オービスにはダブル対応、タッチパネル搭載、無線機能付カード対応でこの価格なら、買って損はしないでしょう。しかも、ユピテルとは違って、データ更新も無料です。オートバックスで1位になっていたのも納得です。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 23/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 19/25
- 設置・設定のしやすさ: 10/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 15/20
- 合計: 67/100
なお、これから発表する7位以降の製品は、小型オービス対応がGPS情報のみのものがほとんどです。残念ながら、いまあえて選ぶ必要性があまり感じられません。
7位: 【7位】セルスター AR-363GM
精度は高いけど小型オービスはGPSのみ
第7位はセルスター製のミラー型レーダー探知機「AR-363GM」です。精度は94%と高めですが、残念なことに小型オービスの対応はGPSのみです。
セルスター工業
AR-363GM
実勢価格:3万7180円
発売:2016年1月
タイプ:ミラー型
ディスプレイ:3.2インチMVA液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:12万8000件
取締情報件数:4万3500件
対応無線バンド数:17バンド
GPS測位衛星:59基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー
主な機能:レーダーキャンセルメモリー/公開取締情報対応/ログ機能
通信対応:Wi-Fi内蔵
データ更新:無料
外形寸法:W272.6×H80×D19.6mm
重量:315g
消費電流:非公開
画面はマップ上にアイコンが表示され、さらに画面上部にテロップ、左上にCGが表示されます。
検出率は94%と高めです。各通知数、不要な通知数ともに比較的優秀な数字です。不要な通知はほぼ高速道の料金所での減速後にモードが戻ってしまい、発生しています。
他のミラータイプ製品と同様に、この製品もバックミラーとしては暗めです。こちらも拡大鏡が採用されており、視野は広くはありません。
昨年の夏よりも品薄になっており、価格は上がってしまっています。精度は高いのですが、小型オービスの対応がGPSのみなので、あまりおすすめはできません。ただ、Wi-Fiを内蔵しているので、更新は非常に手軽です。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 25/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 15/25
- 設置・設定のしやすさ: 7/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 17/20
- 合計: 64/100
セルスターも更新は無料、でもデータは手動で配置します
セルスター製レーダー探知機のGPSデータ更新は無料で行え、会員登録も不要です。「MyCellstar」でモデルを選ぶと、利用できる更新データが表示されダウンロードできます。
MyCellstar
https://www.mycellstar.jp
ダウンロードした更新データは自分でmicroSD内に配置する必要はありますが、比較的手軽に行えます。
8位: 【8位】セルスター AR-373GS
Wi-Fi内蔵だけどコスパは微妙です
第8位はセルスター製のセパレートタイプ「AR-373GS」です。セルスター製としては高価格帯です。Wi-Fiを内蔵しているのは便利ですが、小型オービスへの対応はGPS情報のみ。この価格ならダブル対応がほしいところです。
セルスター工業
AR-373GS
実勢価格:2万3535円
発売:2016年3月
タイプ:セパレート
ディスプレイ:3.2インチMVA液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:12万8000件
取締情報件数:4万3500件
対応無線バンド数:17バンド
GPS測位衛星:59基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/気圧センサー
主な機能:レーダーキャンセルメモリー/公開取締情報対応/ログ機能
通信対応:Wi-Fi内蔵
データ更新:無料
外形寸法:本体 W110×H56×D18.3mm/アンテナ:W73×H22.5×D49mm
重量:本体 106g/アンテナ:124g
消費電流:非公開
画面はマップ上にアイコン、画面上部にテロップ、左上にCGというセルスターおなじみの構成です。
他のセルスター製品同様に、高速道の料金所などで減速すると、しばらくオールモードに変わってしまいます。検出率は93%でした。
セパレートタイプで本体とアンテナ部が分かれているため、自分で取り付けるのはかなり大変です。取り付けは購入時にショップに頼むべきでしょう。
ただし、ショップでの取り付け料金も考慮すると、この価格なら小型オービスにダブル対応した製品がほかにいくつもあります。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 23/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 16/25
- 設置・設定のしやすさ: 6/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 16/20
- 合計: 61/100
9位: 【9位】コムテック ZERO 903VS
精度と小型オービス対応が残念です
第9位はコムテック製の「ZERO 903VS」です。名前を見ると上位モデルだと思ってしまいますが、小型オービスへの対応はGPSのみで性能的には上位モデルではありません。
コムテック(COMTEC)
ZERO 903VS
実勢価格:1万6800円
発売:2017年3月
タイプ:一体型
ディスプレイ:3.2インチMVA液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:16万件
取締情報件数:4万件
対応無線バンド数:18バンド
GPS測位衛星:57基
搭載センサー:Gセンサー/ジャイロセンサー/照度センサー
主な機能:レーダーキャンセルポイント/公開取締情報対応/ログ機能/取締共有機能/セーフティドライブサポート
通信対応:Wi-Fi内蔵
データ更新:無料
外形寸法:W105×H56.7×D22.9mm
重量:138g
消費電流:最大350mA以下
画面は右側にCGで警告が表示され、LEDが点滅します。マップにアイコンも表示されますが、初期設定ではよけいな情報が多すぎます。
初期状態ではエリア情報もすべてオンなので、通知数はかなり多めです。高速道路でも不要な下道情報が多く、意味不明な取締回避の通知もありました。不要な通知は15台中2番目に多い結果となっています。
リモコン以外にも、本体の右側面にあるレバーで操作できます。
使い勝手は悪くはないのですが、レバーの上下と押し込みの3通りで操作するため、慣れるまでは操作方法に悩む場面があります。また、押し込み時に誤操作になりがちです。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 10/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 21/25
- 設置・設定のしやすさ: 11/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 17/20
- 合計: 59/100
10位: 【10位】ユピテル SUPER CAT A30
精度は高いけど画面が一緒で寂しいです
第10位はユピテルの「SUPER CAT A30」です。ユピテル製レーダー探知機の中でも飛び抜けて安い製品ですが、あらゆる部分で廉価版っぽさが出てしまっています。
ユピテル(Yupiteru)
SUPER CAT A30
実勢価格:1万3000円
発売:2016年4月
タイプ:一体型
ディスプレイ:3.2インチワイド液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:13万1000件
取締情報件数:5万1000件
対応無線バンド数:2バンド
GPS測位衛星:59基
搭載センサー:Gセンサー
主な機能:iキャンセル/ログ機能
通信対応:無線機能付カード対応
データ更新:有料
外形寸法:W102×H55×D21mm
重量:110g
消費電流:最大240mA以下
警告の表示は画面下のテロップのみでいつでも一緒です。通知がどのあたりのものなのか、距離感や方向がまったくわかりません。
検出率は94%と高い数字ですが、オービス&レーダー関連の通知がわずか18で、平均の53.5と比べてかなり少なめです。不要な通知も少ないけど、全体の数自体がやや不安な数字です。
対応バンド数が2バンドだけなので、受信できる無線の種類は多くありません。でも、他のユピテル製品同様に、カーロケへの反応は敏感です。
1万円ちょっとでお手頃ですがあまりにも廉価版っぽさが強く、なにより画面が全部一緒なのは寂し過ぎます。小型オービス対応もGPS情報のみなので、いまあえて選ぶ必要性は感じられません。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 25/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 7/25
- 設置・設定のしやすさ: 13/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 4/20
- 合計: 49/100
11位: 【11位】コムテック ZERO 502M
レーダー受信だらけで役に立ちません
第11位はコムテックの「ZERO 502M」です。小型オービス対応はGPSのみですが、コムテック製のミラー型としてちょっと期待していたのですが、とんでもありませんでした。レーダー受信が頻繁すぎて、正直なところどれが正しいのかまるでわかりません。
コムテック(COMTEC)
ZERO 502M
実勢価格:1万8559円
発売:2016年10月
タイプ:ミラー型
ディスプレイ:3.0インチMVA液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:16万件
取締情報件数:4万1000件
対応無線バンド数:18バンド
GPS測位衛星:59基
搭載センサー:Gセンサー
主な機能:レーダーキャンセルポイント/セーフティドライブサポート
通信対応:非対応
データ更新:無料
外形寸法:W300×H80×D17.8mm
重量:335g
消費電流:最大350mA以下
警告時には右側にCDが表示されます。なお、このモデルはミラー型なので、オービスの際もマップは表示されません。
オービス&レーダー関連の通知数が、平均の約4倍と明らかに多すぎます。確実に誤通知と断定できないため、計算上で検出率は96%と高めになっていますが、そのほとんどが誤通知だと思われます。
操作はミラー下部の3つのボタンで行え、一見便利そうに見えます。しかし、ボタン自体が見えないので、毎回手探りで全ボタンの位置を確認してから操作しないとなりません。
人気のミラー型ですが、オービス&レーダー受信の通知数が208件で精度にかなりの不安があります。次回同じ場所を通った際に、そのほとんどがレーダーキャンセルポイントとして通知され、手作業で登録しなければならないかと思うとかなり大変です。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 18/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 9/25
- 設置・設定のしやすさ: 11/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 10/20
- 合計: 48/100
12位: 【12位】セルスター AR-333RA
検出率は悪くはないけど特徴もない!
第12位はセルスターの「AR-333RA」です。今回検証した15台中、もっとも特徴がなかったモデルが、このモデルでした。
セルスター工業
AR-333RA
実勢価格:1万3894円
発売:2016年1月
タイプ:一体型
ディスプレイ:3.2インチMVA液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:9万9000件
取締情報件数:4万2500件
対応無線バンド数:17バンド
GPS測位衛星:59基
搭載センサー:Gセンサー
主な機能:レーダーキャンセルメモリー/公開取締情報対応
通信対応:非対応
データ更新:無料
外形寸法:W101.5×H56×D23.5mm
重量:115g
消費電流:非公開
フルマップには対応しておらず、警告時にはレーダースコープ画面に切り替わり、左側にCGが表示されます。
他のセルスター製品同様、取締情報は平均の85.3よりやや多く、オービス&レーダー関連は逆にやや少なめです。精度も無難な90%でした。
やはり高速道走行時の減速で、オールモードに切り替わってしまいます。他のセルスター製品と比べても特にひどいわけではないのですが、ほかに特徴がないので目立ってしまいます。なお、明らかな誤通知はほとんどが高速での下道情報でした。
無難な機能と性能で無難な価格ですが、これといった特徴が見当たりません。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 17/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 8/25
- 設置・設定のしやすさ: 11/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 10/20
- 合計: 46/100
12位: 【12位】コムテック ZERO 602V
Amazonで1位でもおすすめできません!
同着で12位だった製品がもうひとつあります。それが、コムテックの「ZERO 602V」です。じつはこの製品、去年のAmazonランキングで一時期、レーダー探知機本体としてはトップだったモデルです。
そんなに売れているのなら、さぞかし高性能に違いないとテストしてみましたが、残念すぎる結果となりました。
コムテック(COMTEC)
ZERO 602V
実勢価格:1万990円
発売:2016年4月
タイプ:一体型
ディスプレイ:3.2インチMVA液晶
小型オービス対応:GPS情報のみ
GPSデータ件数:12万2000件
取締情報件数:4万件
対応無線バンド数:18バンド
GPS測位衛星:57基
搭載センサー:Gセンサー/照度センサー
主な機能:レーダーキャンセルポイント/公開取締情報対応/セーフティドライブサポート
通信対応:非対応
データ更新:無料
外形寸法:W105×H57×D22.8mm
重量:134g
消費電流:最大350mA以下
警告時には画面右側にCGが表示されます。オービスの場合は画面左側にマップが表示されます。
エリア情報は多めでしたが、ほかの通知数は平均以下です。しかし、誤通知も多く、精度としては85%でさほどいい成績とはいえません。カーロケへの鈍感さも発揮しており、1台だけ通知されない場面もありました。
コムテック製のレーダー探知機といえば、美麗なマルチカラーLEDイルミネーションが特徴。警告内容によってLEDの色が変わるため、警戒度が直感的にわかりやすいのが魅力です。でも、ZERO 602VにはLEDイルミネーションは搭載されておらず、オービス警告の際に画面上部に赤い帯が出る程度です。
さらに、ZERO 602VのOSは「Windows Embedded Compact CE」をベースにしています。実はこのOSをベースにしているモデルは、頻繁にフリーズしたり、本体が熱くなったりとトラブルが多いのです。実際にテスト中にもフリーズして無言になったり、GPSを測位できないことが数回ありました。一度は本体裏にあるリセットボタンを押すまで復旧しないことも……。
小型オービスへの対応もGPSデータのみだし、タッチパネルもなければWi-Fiカードにも対応していません。正直なところ、価格以外にいいところが見当たりません。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 15/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 7/25
- 設置・設定のしやすさ: 11/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 13/20
- 合計: 46/100
14位: 【14位】セルスター VA-02R
小型オービスはGPSのみで誤通知も多い!
第14位はセルスターの「VA-02R」です。テスト時には最新の2018年モデルでしたが、高速道・一般道の切り替えがうまくいかず、不要な取締情報を連発してしまいました。
セルスター工業
VA-02R
実勢価格:1万3729円
発売:2018年4月
タイプ:一体型
ディスプレイ:3.2インチMVA液晶
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:10万9000件
取締情報件数:4万9000件
対応無線バンド数:17バンド
GPS測位衛星:76基
搭載センサー:Gセンサー
主な機能:レーダーキャンセルメモリー/公開取締情報対応
通信対応:非対応
データ更新:無料
外形寸法:W101×H56×D24.5mm
重量:111g
消費電流:非公開
警告時には画面がレーダースコープに切り替わり、左上にCGが表示されます。その他のGPS情報もアイコンで表示されます。
エリア情報は標準でオフなので少なめですが、取締情報数がかなり多くて誤通知も多めです。精度は88%と振るいませんでした。誤通知はほとんどが高速道での下道情報でした。
セルスター製品共通の弱点ですが、高速道走行時に料金所やパーキング、渋滞などで車速が落ちるとオールモードに変わってしまいます。その後の誤通知は他のセルスター製品の中でもかなり多めでした。
なお、この製品ですがホームページを見ると、新型取締機をW警告といった記述があります。あまり詳しくない人だと、小型オービスにダブル対応しているように見えてしまいます。しかし、実際にはGPS情報のみの対応で、警告を事前と直前にダブルで行うということです。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 18/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 5/25
- 設置・設定のしやすさ: 10/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 10/20
- 合計: 43/100
15位: 【15位】セルスター GR-81/B
レーダー探知機ではなくGPSレシーバー
第15位はセルスターの「GR-81/B」です。Amazonランキングで上位だったので今回のテストに含めましたが、本製品はレーダー探知機ではなく「GPSレシーバー」です。
セルスター工業
GR-81/B
実勢価格:5410円
発売:2013年6月
タイプ:ソケット型
小型オービス対応:GPSのみ
GPSデータ件数:1万6000件
GPS測位衛星:56基
データ更新:無料
外形寸法:W45×D24.6×H55mm
重量:63g
消費電流:非公開
画面はなく、シガーソケットに挿すだけで利用できます。手軽ですがレーダーは探知できず、GPSの位置情報に従って音声で警告してくれます。
センサーもモードもないので、高速道路か一般道かもおかまいなしに通知します。このため、不要な警告や誤通知も必然的に多くなってしまいます。
画面もなく、もともとの機能も少ないため、ほかのレーダー探知機と比較すること自体が酷かもしれません。当然ながら結果は最下位です。でも、価格と手軽さでみると、思ったより良さそうな印象です。最初からこういうものだと分かったうえで、レンタカー用に購入するなら十分アリな製品です。
▼テスト結果
- 探知機としての精度: 1/40
- 使い勝手・画面の見やすさ: 2/25
- 設置・設定のしやすさ: 3/15
- 独自機能&更新の手軽さ: 8/20
- 合計: 14/100
【テストを終えて】レーダー探知機は一長一短! 都市部ではその恩恵はやや薄いかも……
レーダー探知機のランキング、いかがでしたでしょうか?
今回、一斉テストを行いましたが、感じたのは“一長一短”ということです。全体的にみて、飛び抜けていいモデルや悪いモデルはひと握りといった印象です。
性能でみるとユピテルなのですが、価格が高くて更新も有料です。コストがかかってもしっかり対策したい人には向いていますが、なるべく安く抑えたいという人には不向きです。更新が無料のコムテックとセルスターですが、現在はコムテックのほうが勢いがあります。
コムテック製のレーダー探知機は使いやすく、画面も格好いいのですが、ネックはカーロケの鈍感さです。一方、セルスター製は検出精度やカーロケへの敏感さなどバランスはいいのですが、小型オービスにダブル対応しておらず、高速道での減速に弱いのが難点です。
とはいえ、不思議なことに、どのモデルでも設置しているだけで、自然と速度は控えめになります。安全運転を促すという点では、性能に関係なく確かに効果的です。
ただ、レーダー探知機の恩恵は、都市部よりも郊外のほうが大きそうです。都市部は渋滞が多く、そもそも速度がさほど出せないこともありますが、警戒エリアが多くて通知が頻繁すぎます。高速道か一般道かを見分けるための気圧センサーも、上下に入り組んだ首都高などではうまく働いてくれないようです。
最新の移動式小型オービスには対抗手段がまだない
なお、冒頭で触れた“全国で導入が増えているレーザー方式の移動式小型オービス”ですが、残念ながら現在のレーダー探知機では検知できません。しかし、海外ではレーザー方式はわりと一般的で、海外製の“レーザー探知機”は存在します。
Cobra
XRS-9370
実勢価格:1万9835円
※こちらの商品は現在在庫切れとなっております
ですが、移動式小型オービスに関する情報サイト「移動式オービスガイド」にて、国内のレーザー式オービスに対し、米国で普及しているレーザー探知機が有効かのテストを行っていますが、結論からいうと海外製レーザー探知機では無反応のようです。
移動式オービスガイド
https://orbis-ido.com/
情報が後追いにはなってしまいますが、当面はこまめにGPS情報を更新しつつ、国内メーカーのレーザー対応を待つしかなさそうです。