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※情報は『家電批評』2020年6月号掲載時のものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。
「夏用」、「冬用」、「オールシーズン」 車のタイヤは大きく分けて3種類あります
冬を迎えるたびに、雪で立ち往生しないようにとスタッドレスタイヤに履き替えている人は多いのではないでしょうか?
そんな人のなかでウインタースポーツが好きで、雪山に頻繁に出掛けるという人以外には、オールシーズンタイヤを履くことをオススメします。
夏用タイヤに近いハンドリング性能や快適性を備えながら、雪道に対応できるため一年を通じてそのまま使えるのが特徴。夏でも冬でも一年を通して安定した性能を発揮するタイヤのことで、夏用タイヤのハンドリングのよさや快適性を犠牲にすることなく、雪道での走破性を加味した性能となっています。最近のタイヤ市場で注目を集めているんです。
と、その前にそもそも自動車のタイヤには3種類のタイプがあります。
詳しく説明していきましょう。
タイプ1:「夏用タイヤ」快適性やエコを求める人向き
回転方向に沿った縦溝(リブ)が特徴で、操縦安定性や排水性に優れています。スポーツ/コンフォート/エコなどいろいろなタイプがあります。
タイプ2:「冬用タイヤ(スタッドレス)」積雪地方では必須のタイヤ
縦溝と横溝(ラグ)が組み合わさり、四角形のブロックが並べられたパターンを採用。表面にはサイプと呼ばれる細かい溝が刻まれています。
タイプ3:「オールシーズンタイヤ」一年を通じて使える全天候型
排水性と操縦安定性を両立させたV 字型の溝が主流。
夏用タイヤより深い溝を採用し、スタッドレスよりも硬いゴムを採用することで剛性を高めています。
▼各タイヤタイプの特徴
それでは、今回特集するオールシーズンタイヤについて詳しく解説していきましょう。
夏でも冬でも履き替えないで安全ドライブ!
オールシーズンタイヤが初めて販売されたのは1977年のこと。グッドイヤーが「ティエンポ」という名のオールシーズンタイヤを発売すると、欧米で瞬く間に大ヒット。それというのも、寒冷な地域があり標高差の大きいヨーロッパまたは広大なアメリカでは、長距離ドライブ時にさまざまな状況の路面を走ることになり、通常路面から積雪路面まで性能を発揮するタイヤは、待ち望まれていたものだったからです。
実際にランドローバーやジープといった欧米を代表するSUVブランドが、純正タイヤとしてオールシーズンタイヤを採用するなど実績は十分といえます。
ただし、オールシーズンタイヤは圧雪路には対応するものの、アイスバーンなどは苦手としているため、冬場の豪雪地帯ではスタッドレスタイヤは欠かせません。
逆にいうと、年に数回しか雪は降らず、翌日には解けてしまうような地域では、オールシーズンタイヤで十分に対応できるといえます。
オールシーズンタイヤはこんな人におすすめ!
・夏用、冬用と2種類用意するのは面倒
・履き替えたタイヤの保管場所がない
・突然の降雪に慌てるのはイヤだ
・雪道でも安全にドライブしたい!
オールシーズンタイヤの選び方は 「通常路面走行」を重視する
選び方1:通常路面で夏用タイヤに匹敵する性能を備える
オールシーズンタイヤ=全天候型のため、雪上での性能を気にするのは当然ですが、実はオールシーズンタイヤにとってのメインステージは通常路面。夏用タイヤとしての性能です。雪上や凍結路面でのグリップ力、制動性を重視したスタッドレスタイヤとの違いは、まさにそこにあります。
少し前までのオールシーズンタイヤでは、欧州向けはハンドリング性能を、北米向けは直進安定性を重視するといった、販売する地域ごとに合わせた設計をしていました。しかし、近年ではグローバル展開を強く意識しており、タイヤに求められる特性も、地域色を出さず、全世界で共通しているといえるでしょう。
ただし、ブランドや銘柄によってどの性能に重きを置いているかなど、キャラクター作りに違いが見られます。タイヤのフィーリングは、実際に履いて走らせてみないとわからないとはいえ、オールシーズンタイヤを選ぶ際には、通常路面でのハンドリングや快適性などを重視すべきです。
また、どのようなトレッドパターンかという点も判断基準となります。そのため、技術に裏付けされた設計を見抜くことも大切なのです。
▼ドライ性能
▼ウエット性能
また、排水性に優れたV 字デザインを採用することで、ウエット路面での安定感を確保しています。タイヤの性能で重要な要素の1つがウエット時の排水性。V字型の溝が効率よく路面の水を吐き出し、雨天走行時の安全性を高めます。もちろんドライ時のハンドリング性能や静粛性なども重要といえます。
選び方2:V字型の溝デザインが雨と雪に効くかどうかの雪上性能
溝が広く、深いトレッドパターンを採用していること、低温下でも性能が低下しないコンパウンドを採用していることは、オールシーズンタイヤにも共通したポイント。
雪上では横方向の溝デザインよる剪断性(雪を断ち切る性能)が有効ですが、夏用タイヤに求められる排水性はストレートグルーブの溝デザインが有利。最近では両方のよさを両立させたV字型のパターンがトレンドになっています。
スタッドレスでおなじみの波形サイプは、タイヤを積雪路面にしっかりと接地させるために有効な技術です。
選び方3:耐久性は夏と冬で使用限度が違うので注意が必要
オールシーズンタイヤは一般的なタイヤよりトレッド面に刻まれた溝が深く、スタッドレスタイ
ヤのような軟らかい(摩耗しやすい)コンパウンドを採用していないため、ロングライフという傾向があります。
ただし、トレッド面が50%以上摩耗した場合、夏用タイヤとしては使えますが、冬用タイヤとしての性能が著しく落ちるため、雪道での使用はNG。冬前には交換するようにしましょう。
ちなみに、冬用タイヤとしての使用限度である残り溝50%を判断するサインをプラットホームといいます。
選び方4:ラインナップが豊富かどうか
サイズラインナップも重要なポイント。
とはいっても、数が多ければいいというわけではありません。最近になってオールシーズンタイヤを発売した日本ブランドのサイズラインナップは、多いとはいえませんが、需要の高いサイズは確実に展開しています。
また、海外ブランドであってもグッドイヤーは軽乗用車用の13インチをリリースしています。
購入前に知っておきたい オールシーズンタイヤの豆知識
スノーフレークマーク
欧州で冬用タイヤとして性能が認められると打刻される印のことで、このマークのあるタイヤは、日本でも高速道路の「冬用タイヤ規制」時にそのまま走行することができます。
ただし、高速道路の一部区間で行われる「チェーン規制」の際にはタイヤチェーン装着が必要(スタッドレスタイヤも同様)。
ちなみにM+S(マッド アンド スノー)表記も冬用タイヤ規制に対応しています。
専門タイヤに勝ることはない
オールシーズンタイヤは降雪時に対応できる性能が備わっているため、突然の雪で立ち往生することはないし、乾いた路面でもストレスなく走ることができますが、決して万能ではありません。
コンフォート性に特化したタイヤに快適性では敵わないし、スポーツ性にこだわったタイヤと比べてハンドリング性能は劣ります。
走り方やクルマの使い方に合わせた選択が必須です。
それでは、おすすめのタイヤをご紹介していきます。
価格と性能のバランスが一番で初心者に最適 GOODYEAR Vector 4Seasons Hybrid
GOODYEAR
Vector 4Seasons Hybrid
実勢価格:5470円~/1本(編集部調べ)
推奨車種/セダン、ワゴン、ミニバン、コンパクト、軽自動車
サイズ/145/80R13 75S~225/40R18 92H(全45種)
オールシーズンタイヤを40年以上前からリリースし「どこでも行ける、なんでもできる」をうたう米国ジープブランドに採用されるなど、グッドイヤーはオールシーズンタイヤのパイオニアです。
そして、日本でオールシーズンタイヤの定番となっているのが、そのグッドイヤーの「ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド」です。
技術面の特徴は、V字型の溝にリブを組み合わせた王道ともいえるトレッドパターンです。また、降雪時など低温でも性能を発揮するオールウェザーシリカコンパウンドを使いながらも、トレッド面の剛性を高めてグリップ力と操縦性を両立させた、サイプ側面の3Dワッフルブレードの採用など注目すべき点は数多くあります。
そのフィーリングは、ドライ路面ではまさに夏用タイヤそのもの。正確さにあふれるハンドリングはもちろん、トレッド、ケース含めてうまく両立された剛性感が夏用タイヤとしての質感を高めていることに感心。シャーベット路面ではグリップ不足を感じさせず、ハンドリングも優秀と好印象です。
軽乗用車用の13インチサイズまで取りそろえ、全45サイズを設定しているところも、他のオールシーズンタイヤに対して大きなアドバンテージといえます。
テストしたシャーベット状の路面でも十分にグリップ力を発揮。安定した走りで安全性を高めます。
雪上性能:スタッドレスタイヤに迫る雪上性能
スタッドレスタイヤと夏用タイヤ、ベクター フォーシーズンズ ハイブリッドのコーナリングを比した合成写真。
雪上でスタッドレスタイヤに近いコーナリング性能が期待できます。一方で、スタッドレスタイヤよりも剛性感が高く、ハンドリングも安定しています
通常路面:高剛性と優れた排水性で安心感あり!
特徴的なVシェイプドトレッドは、緻密に計算された設計によって路面の水を効率よく排水、飛散させます。ウエット時でも安定したグリップ力を生み出し高い運動性能を提供します
サイプ側面にワッフル状凹凸をデザインした3Dワッフルブレードは、互いに効果的に支え合うことでブロック剛性を確保。ハンドリングにおける正確性が生まれます
サイズだけで選んじゃダメ!
SUVに対応した専用タイヤを用意
グッドイヤーはSUV向けのアシュアランス ウェザーレディもラインナップ。
排水性を狙ってアウト側リブに設けたエボルビングトラクショングルーブなどが特徴で、重量級のSUVに合わせたトレッドパターンを採用しています。
夏用タイヤのウエット性能も耐久性も高い DUNLOP「ALL SEASON MAXX AS1」
DUNLOP
ALL SEASON MAXX AS1
実勢価格:6300円~/1本
推奨車種/セダン、ハッチバック、ミニバン、コンパクト、軽自動車
サイズ/155/70R13 75H~225/55R18 98H(全21種)
「急な雪にも慌てない長持ち夏用タイヤ」というコピーを掲げ、昨年秋にデビューしたばかりのモデル。
V 字をベースにしたトレッドパターンは、ドライ路面でのハンドリング、降雪時のグリップ感を確保しています。同社の夏用タイヤと比較してウエットブレーキ性能は10%アップしています。
通常路面:全方位で性能がアップ
幅広のリブ形状でドライ路面では正確なハンドリングを提供。ウエット性能を向上させるV字型シェイプ溝を採用しています。
ユニークなトレッドパターンは雪の剪断性をアップ 冬は雪をしっかりと踏みしめて、夏は優れたブレーキ性能を発揮 MICHELIN CROSSCLIMATE SERIES
MICHELIN
CROSSCLIMATE SERIES
実勢価格:1万2650円~/1本
推奨車種/セダン、ハッチバック/ハイブリッド、ミニバン、軽自動車、SUV、ステーションワゴン
サイズ/165/70R14 85T~275/45R20 110Y(全93種)
V字ベースながら剪断性を考慮したデザインが特徴。面取り加工が施されたトレッドブロックデザインは、ドライのブレーキ性能に寄与。
サイプを3D構造にして剛性感を確保し、夏用タイヤ感覚で使えることがポイント。
対応サイズは14~20インチまで豊富に用意しています。
通常路面:溝奥にもこだわるデザイン
溝底までデザインされたサイプを採用。しっかりと雪を踏みしめられるようにと直線を組み合わせたV字パターンで構成しています。
雪上およびウエット路面を重要視して開発した全天候型 PIRELLI「CINTURATO ALL SEASON PLUS」
PIRELLI
CINTURATO ALL SEASON PLUS
実勢価格:1万198円~/1本
推奨車種/乗用車
サイズ/165/60R15 77H ~225/50R17 93WXL(全20種)
明確なストレートグルーブを採用しながらオールシーズンをうたうモデル。従来モデルからコンパウンドを進化させています。
また、サイプ形状はストレートですが、3D 構造とすることで夏用タイヤに求められる剛性をしっかり確保しています。別名でハイパフォーマンス向け、SUV向けも設定。
通常路面:走行トラブルを防ぐ機能
釘などを拾ってもエア漏れを防ぎ、そのまま走行できるシールドインサイドを一部サイズに採用していて、安心度が高いのも特徴です。
熟成された安定感のある乗り味 FALKEN EUROWINTER HS449
FALKEN
EUROWINTER HS449
実勢価格:5050円~/1本
推奨車種/セダン、ミニバン、コンパクト、軽自動車
サイズ/165/55R14 72H~225/45R18 91H(全21種)
スタッドレスタイヤのようなトレッドデザインが特徴で、広い面に採用された波形サイプは立体構造とすることで剛性を確保しながら、しやなかさも与える真円プロファイルを採用。雪道はもちろん、
ドライ路面まで不足ない性能を提供。
サイズは14~18インチまでをラインナップ。
通常路面:想像以上にしなやかな印象
やわらかいコンパウンドが接地面積を広げてグリップ力を発揮。太めのリブと長いラグは雪上でのブレーキ性能を向上させています。
選び方を参考に自分に合った 最適なタイヤを選びましょう
以上、オールシーズンタイヤのおすすめ5選でした。
ぜひ購入前に検討してみてくださいね。