刃が回転してスクレーパーに姿を変えるユーティリティナイフ
今回取り上げるのは、アメリカでは「ユーティリティナイフ」と呼ばれるカテゴリーの製品である。日本では、こうしたツールはカッターに分類されるが、ここではナイフとしておこう。
「タフビルト」というブランド名の通り、いかにも頑丈に作られたホルダーは、「45.4g」というスペック重量よりもずっしりと重く感じられる。
刃を出し入れするボタンをわずかに押し込み前方にスライドすると、一見ノーマルに思えるカッターの、いやナイフの刃先が出てくる。
ただし、本領を発揮するのはここからだ。ボタンをさらに前方にスライドして戻すと、その刃先がクルリと90度回転して、スクレーパーに変身するのである。
もう一度、同じアクションをするとナイフに戻り、「切る」と「剥がす」の機能を瞬時に切り替えながら作業が可能だ。この巧妙な仕組みは、用がなくてもカチャカチャと動かしたくなる。
以前、ラッカー仕上げのテーブルに、うっかり瞬間接着剤を垂らして、広がった状態で固化させてしまったのだが、このスクレーパーで天板を傷つけることなく削り取ることができた。
DIYなどの工作用途には、この2イン1の組み合わせはとても合理的に思える。
TOUGHBUILT「スクレーパー&ユーティリティナイフ」
TOUGHBUILT「スクレーパー&ユーティリティナイフ」は、ワンアクションで刃先が90度回転し、ナイフにもスクレーパーにもなるアイデア製品。
- 型番
- Toughbilt - TB-H4S5-01
気になる構造や機構はどうなってる?
この状態では、一見するとオルファやNTカッターの大型モデルのようだが、折る刃式ではなく、切れ味が落ちたら1枚ずつ刃を交換するタイプになっている。
刃は、このように台形の一枚刃になっている。
中心に軸があり、ここを支点に90度回転することで、スクレーパーへと変身する。この回転メカが非常に興味深く、つい動かしたくなる。
これからも、ユニークなアイテムをどんどん紹介していきます!
今回は、アメリカの工具メーカーが放つ“TOUGH”な道具、TOUGHBUILT「スクレーパー&ユーティリティナイフ」をレビューしました。
まだまだ世の中には、メジャーではないけれど、ユニークで面白いモノがたくさんあるはず。これからも、『リアルグッドデザイン賞』では、そんなモノたちを発掘して、レビューしていきます!