「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」ってどんな製品?
パイオニアの車載AV機器ブランドである「カロッツェリア」が提供する車載カーナビゲーションシリーズには、先進技術を盛り込んだ「サイバーナビ」と、分かりやすさと親しみやすさに重点をおいた「楽ナビ」の2つがあります。
2023年3月に発売された楽ナビは15機種ありますが、今回はその中で最もハイエンドな「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」をカーグッズのプロと検証。
「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」は9V型と大画面で、車内Wi-Fiを構築できるネットワークスティックを同梱。DVD/CD/SD/USBの再生にも対応しています。
「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」の実力は?
カロッツェリア
楽ナビ
AVIC-RQ920-DC
実勢価格:19万3992円
サイズ:幅236×奥行161×高さ134m
重量:2.4kg
画面サイズ:9V型HD
画素数:276万4800画素(水平1280×垂直720×3)
新発売となった15機種の楽ナビは、大きくネットワークスティックが同梱のモデルと別売りのモデルに分かれており、画面サイズはそれぞれ7V型、8V型、9V型が用意されています。
ネットワークスティック同梱で9V型という、楽ナビの魅力を最大限に享受できる「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」の性能をガチ検証しました。
それでは気になる結果を見ていきましょう!
テスト1:車内Wi-Fiは便利なの?
結果:ドライブ中に通信量を気にせずストリーミングを楽しめた!
ドコモのデータ通信を用いて利用できる車載向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」に加入すると、車内でLTEのデータ通信が定額使い放題になります。
同乗者みんな(最大5台まで)で動画や音楽のストリーミングをしたり、ゲームのオンラインプレイをしても、通信量を気にする心配はありません。
家族や友人と長距離ドライブしたときや渋滞中でも、飽きずに楽しめます。
料金は1日:550円、1カ月:1650円、1年:1万3200円の3種類用意されています。
車をたまにしか使わない人でも、1日だけ契約することで料金を抑えられるのはありがたいです。
ただしエンジン始動時の30分後、走行後停車時の60分後はWi-Fiはオフになる、という制約があります。
車を止めてテレワークをしたい営業マンやキャンプ場で楽しみたい人には向きません。
ちなみに平日の午後にお台場付近で通信速度を計測したところ、12Mbpsを記録。
Webサイトのほか、You Tubeなどの動画サイトも問題なく見られました。
テスト2:直感的に操作できる「Doメニュー」は使いやすい?
結果:簡単に、素早く、最新情報を探せた!
「AVIC-RQ920-DC」に備わる通信機能(「docomo in Car Connect」への契約は不要で最大3年使用可能)は、まるでPC上でGoogle検索しているように最新情報やキーワードで目的地を探すことができます。
画面下のトップメニューボタンを押すだけで、行き先を入力する検索窓を出せます。
検索時に面倒と思うことのひとつが、「メニュー→目的地→場所の名前」などいくつかボタンを押さなければならないことなので、このシステムはとてもラクでした。
「横浜市 ラーメン」などand検索もできるので、探したい情報を絞ることもできます。
検索でよく使うことが多い駐車場、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアはDoメニュー上にボタンが設置されているので、簡単に検索可能です。
駐車場の満空情報を表示する機能は便利ですが、Doメニューではなく別メニューから検索しないと表示されないのは、少し残念です。
ガソリンスタンドは最新価格情報が表示(以下画像、赤線部参照)されるので、安い価格の場所に行くことができます。
ガソリン価格をいちいちスマホで調べる必要がないのはありがたいです。
コンビニエンスストアは、酒やタバコの取り扱いなど細かい情報(以下画像、赤破線部参照)も表示。
さらに目的地までのルートを案内しているときは、道路の左右どちら側にあるのかまで分かるので、せっかく着いたのに道路の反対側にあって入りづらい、ということもありません。
ちなみに地図上に回避エリアを設定して、そこを極力避けたルートを探索することもできます。
通りたくない場所があるときに便利です。
テスト3:ルート探索や案内は親切なの?
結果:曲がる場所を間違えさせない工夫がスゴい!
ルート探索は素早く行われ、独自の渋滞情報を加味して合計最大6本の異なるルートを提示してくれます。
おすすめ、距離の短さや高速道路を使わないなど、自分好みの条件で選べるのが便利です。
また、曲がる交差点に近づくにつれて、信号の数を画面表示と音声でカウントダウンして教えてくれます。
カウントダウンの数字は大きくて分かりやすいので、曲がる交差点を間違えることはないでしょう
「○○m」とだけ表示するよりも、安心感が格段にアップしています
走行車線が複雑で迷いやすい都市部の交差点の一部では、リアルなイラストともに進行方向や走行レーンを案内。
通る車線を間違えてアタフタすることはありません。
特にわかりにくい都市高速への入口もイラストで表示されるので、スムーズに高速道路へと入れます。
高速道路上では通過するランプや出口、分岐場所をわかりやすく表示。
迷いやすい都市高速での走行時も安心です。
高速道路と並行する一般道から高速道路に入ってみると、地図上ではちゃんと高速道路上を走行。
逆に都市高速からの出口から降りて並行する一般道に降りてみると、案内を一般道へと自動切り替え。自車位置精度が高いことがわかり、安心して案内してもらえました。
この自車位置精度の高さは、スマホナビには絶対に真似できません。
テスト4:そのほか気になったポイントもチェック!
結果:エンタメ性や拡張機能性も高かった!
地図画面は視点の高いアングル+50m以下のスケールに変えることで、建物や交差点がよりリアルに描写されます。
目印がより分かりやすくなるだけでなく、地図を見るのも楽しくなりますね。
スマホとBluetooth接続して音楽を車内スピーカーから鳴らしたり……。
地上デジタルTVの番組は高画質なハイビジョン画質で視聴できます。
高機能のスピーカーと組み合わせればいい音で楽しめ、TV画面も美しく見やすいですね。
画面下の操作キー部分はフラットで、高級感があるデザイン。
よく見ると小さなシボがついており、ボタンを押す感触があるので押し間違える可能性は低いです。
パネルを押したときの反応も良好で、操作時のストレスは感じません。
検索時の音声認識機能は搭載してほしかったですね。
オプションのバックカメラユニットを取り付ければ、バック時に背後の映像を映し出せます(※この映像では楽ナビ専用ドライブレコーダー「VREC-DC810DC」をバックカメラとして使用)。
安全に車を動かすことができます。
さらにHDMI入出力に対応しており、スマホの映像をカーナビの画面に映し出したり、さらにFire TV Stickを組み合わせれば、YouTubeなど動画配信サービスも楽しめます。これをカーナビ経由でリアモニターにも映し出したりできます。
720pと高画質なので、美しく迫力ある画面が楽しめます。
まとめ:車内Wi-Fiと検索のしやすさに魅力を感じる人にオススメ!
以上が、カロッツェリア「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」の検証結果です。
これまで発売された楽ナビの特徴であるナビとしての信頼性に加えて、車内Wi-Fiという大きな魅力が加わりました。
さらにオンラインによるDoメニューは目的地検索能力を大幅に引き上げましたし、車内Wi-Fiの実現はドライブの楽しさをいっそう高めてくれます。
1998年に楽ナビが発売されてから25年も経ちましたが、まだまだ進化していることに驚かされました。
カロッツェリア
楽ナビ
AVIC-RQ920-DC
実勢価格:19万3992円
サイズ:幅236×奥行161×高さ134m
重量:2.4kg
画面サイズ:9V型HD
画素数:276万4800画素(水平1280×垂直720×3)
▼評価
総合評価 | 総合点 | 操作の しやすさ |
画面の 見やすさ |
検索の しやすさ |
走行時の ナビ能力 |
そのほかの 機能 |
A+ | 43/50点 | 8/10点 | 10/10点 | 8/10点 | 9/10点 | 8/10点 |
最後に、カロッツェリア「楽ナビ AVIC-RQ920-DC」のよかった点と残念だった点をまとめました。
▼よかった点
- 車内でWi-Fiが使い放題になる
- よく使う検索項目が一発で表示できる
- ガソリン価格情報や満空情報がありがたい
- 9V型は画面が大きくて見やすい
- 大きい文字でどこを曲がればいいかハッキリわかる
▼残念だった点
- 条件によっては車内Wi-Fiが使えない
- 音声認識機能がない(マイクはハンズフリー用のみ)
- 地図データの更新頻度を増やしてほしい(現在は最大年2回配信)
知らない場所に行っても場所を間違えにくく、頼もしいカーナビです
車内Wi-Fiは料金が抑えられ、特に同乗者には非常に喜ばれるでしょう
実勢価格は発売直後ということもあり、19万3992円です。
「ちょっと高いかな」と感じるなら、若干画面が小さい8V型の「楽ナビ AVIC-RL920-DC」(実勢価格17万5811円)、7V型の「楽ナビ AVIC-RW920-DC」(実勢価格16万5000円)などもラインナップされています。検討してみるのもありかもしれませんね。
ちなみにサイバーナビなら、30分や60分の制約はありません