今が一番面白い! 一眼カメラの魅力って?
写真を撮るならスマホが断然有利ですが、「一眼カメラ」ってなぜかカッコいいんですよね。ありふれた日常も、カメラで撮ればちょっと特別に。しかも最近のカメラって、結構いいと思うんです。
そこで本音の家電ガイド『家電批評』が、本気の趣味として始めるカメラの魅力をお届け。カメラの基本や撮り方、おすすめの機種から周辺アイテムまで紹介します。
今回は、予約殺到で品薄状態のニコン「Z fc」に注目。話題の新製品はガチで買いなのか本音でレビューしてみたいと思います。なお、検証には写真家の豊田慶記さんにご協力いただきました。
※試作機による製品検証のため、実際の製品とは異なる場合があります。
予約殺到のレトロカメラ! ニコン「Z fc」
ニコン
Z fc
ブラック
実勢価格:11万6820円(ボディ)
サイズ・質量:約W134.5×D43.5×H93.5mm・約445g
ISO感度:100~51200(ステップ幅:1/3ステップ)
EVF:0.39型XGA OLED・約236万ドット・約1.02倍
モニター:3型・約104万ドット・タッチ対応・バリアングル
最大解像度/4K UHD:3840×2160(30p)
イメージセンサー:APS-C
画素数:約2088万画素
連写(AF-C時):約11コマ/秒
USB充電:対応
ニコンから、まるでフィルムカメラのようなクラシカルデザインのミラーレス一眼「Z fc」が登場しました。
実際に持ってみると、手の大きな人でも持て余し気味の大きさ。グリップをもたないフラットなボディなので、ストラップで肩掛けにするか、別売りの専用エクステンショングリップ「Zfc-GR1」を組み合わせるとよさそうです。
ダイヤルの操作感やファインダーの覗き心地は良好でした。
イチバンの強みは画質のきれいさ
まず感心したのは画質のすばらしさです。キットのズームレンズは画面の隅々までシャープに描いてくれますし、単焦点レンズについても文句のない素敵な写り。写真が上手くなったように感じます。
また、日常の何気ない「あ、キレイ」と思った光景を捉えたりするのが得意なカメラに感じました。それに、レンズを向けられても威圧感が少ないのもいいところです。
レンズ:NIKKOR Z 28mm/F2.8/2.5秒/絞り優先 オート:F3.2/1/1600秒/ISO200/露出補正:プラス 2.3段補正/ピクチャーコントロール:オート
上の写真は、バリアングル液晶を使って低い位置から花を空に抜いて撮影しました。こうした表現はスマホでは難しく、カメラが得意とする分野。外撮りでこそ真価を発揮します。
逆に不得手なのは、走り回るペットを撮るようなとき。こうした動く被写体が不得意なのは、このカメラが、というよりもニコンのミラーレス全般の傾向です。でも、失敗がそれほど気にならないカメラでもあります。ピンボケは写真ならではの表現なので楽しいですよ!
▼撮影したのはこのレンズ
ニコン
NIKKOR Z 28mm
f/2.8(Special Edition)
想定価格:4万2790円
ニコン「FM2」発売時のマニュアルレンズにインスパイアされたデザインです。他のZレンズについても、何を買っても間違いのない実力派がそろっています。
そのほか検証で気づいたポイント
画質のすばらしさの他に、こんな特徴もありました。
ポイント1:旧ロゴからわかる「情熱」
ロゴ字体はFM2発売当時を再現。製品に古いロゴを使うのは物凄く大変なことなので、この部分だけを見てもニコンの情熱が伝わってきます。
ポイント2:丁寧な操作が必要かも
シャッターダイヤルがファインダー部にめり込んで配置されています。操作性は正直イマイチでした。
ポイント3:「良ファインダー」の血統
覗き心地の良いファインダーと言えば、カメラ好きの間ではニコンが定番。Z fcにもその血統が受け継がれています。
ライバル機「X-T30」と比べてみました
ライバル機の富士フイルム「X-T30」とも比べてみました。
富士フイルム「X-T30」
富士フイルム
X-T30
実勢価格:7万9990円(ボディ)
富士フイルム「X-T30」は撮影の知識は必要ですが、表現力が豊かなので写真の勉強をしたいならおすすめです。一方、ファインダーの覗き心地やAE/AWBなどオートの性能についてはニコンの方が賢いので、ビギナーには「Z fc」のほうがおすすめです。
上位モデルと同じ撮影性能をもっているのも特徴です。
まとめ:外撮りで真価発揮の画質良好な一台!
検証の結果、ニコン「Z fc」は画質良好で日常の光景を上手に捉えられる優秀な一台であることがわかりました。
不満な点を挙げるとすれば、狙い通りにAFしてくれないところがあり、ビギナーにはやや優しくない点。正直なところAFについてはソニーなどのほうが明確に優れています。
またレンズ交換時などでセンサーに付いたホコリが少し取れにくい印象があるので、ブロアは持ち歩いたほうが良さそうです。
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以上、ニコン「Z fc」の紹介でした。画質良好でレトロなデザインも魅力。気になったらチェックしてみてくださいね。
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アナログスタイルの操作系は、初心者にはやや手強いかもしれません。