お尻や股間の痛みはサドルの交換で軽減できる?
最近では、スポーツ用自転車での自転車通勤や通学をする人が増え、お尻や股間の痛みに悩む人も増えているようです。じつはそうした痛みの原因のひとつとして「サドル」が挙げられます。
サドルは自転車に乗るときに、長時間かつ広く体に接する部分です。しかし自転車を買った時のサドルのままでは体に合っていないことも多く、股間や骨盤が圧迫され、それが痛みの原因になります。
じつはサドルにはさまざまな種類があり、自分に合ったタイプに交換することで、痛みを軽減させることができます。
ロングライド派はサドル交換が必須
ツーリングを楽しむロングライド派にとってもサドルの選択は重要です。とくにリラックスポジションでのんびり走りたい人は、座面が広いものを選ぶことをおすすめします。
走行スピードは考慮しましょう。レース志向の人は、他人よりも速くですが、レジャー志向の人ならば、自分との対話でラクしてもいいかもしれません。心地よい、気持ちいい自転車ライフを楽しめばいいと思いますよ。
サドルの種類にはどんなものがあるの?
それではサドルにどんな種類があるか、実際に見て行きましょう。
1:縦座面の形
横から見た縦座面のバリエーションです。
[フラットタイプ]
フラットタイプは座面が平らなサドルです。ポジションの前後移動がしやすく、前傾姿勢が比較的取りやすいサドルと言えます。
[ウエーブタイプ]
横から見て反っているのがラウンドタイプです。お尻のホールド力が強く、しっかりとお尻を包んでくれます。安定感があり、ペダリングもしやすくなりますが、反面お尻への圧迫度も高いといえます。
お尻は、まさに十人十色。私の場合は、若い頃は、固めが好みでしたが、中年になると、ちょっと柔らかめも試したくなります。背筋、腹筋の衰えでしょうね。
他に縦から見て平らか丸まっているかというバリエーションもあります。平らなものは「お尻を面で支える」ためポジション移動がしやすく、下の写真のように凸型に丸まっているタイプはお尻を固定するためペダリングがしやすくなります。
※画像はAmazonより
GORIX(ゴリックス)
自転車 低反発 サドル
厚手クッション やわらかタイプ
実勢価格:2098円
2:サドルの幅
サドルの横幅が狭いタイプと広いタイプの2種類に分かれます。
[幅が狭いタイプ]
幅が狭いタイプはポジションの前後移動がしやすく、前傾姿勢を取ることが多い人におすすめです。
[幅が広いタイプ]
幅が広いタイプはお尻にしっかりフィットするので安定感があります。体が大きい人や、のんびり走行を楽しみたい人におすすめです。
だんだん自転車に乗れてくると、自然と前傾になる場合が多いかと。まずは、角度は変えずに、水平のママ、前後に最大1cmぐらいを目処に動かして試してみましょう。
リラックスポジション
前傾ポジション
トレック(ボントレガー)は、乗車姿勢を、前傾のきつい順から
1. トライアスロンやTT(タイムトライアル)
2. レース
3. パフォーマンス
4. フィットネス
5. コンフォート
に分類しています。それぐらい乗車姿勢はサドル選びに影響します。
またスペシャライズドでは、同じサドルでも幅を143mm/155mm/168mmの3タイプを用意しています。同メーカーではフィッティングがテストできます。
▼スペシャライズドオンラインショップ
https://www.specialized-onlinestore.jp/shop/pages/retul.aspx
本格的に自転車を趣味にするならば、例えばこういうサービスを使ってある程度の範囲を絞り込んだほうが、最適解の近道だと思っています。
3:パッドの厚み
サドルにはさまざまなパッドの厚みのタイプがあります。
[パッドが厚いタイプ]
厚みがあるタイプは比較的クッション性が高く、長時間の走行でもお尻が痛くなりにくいという特徴があります。
[パッドが薄いタイプ]
比較的座面が硬く、反発力が小さいため、ペダリングがしやすく、スピード走行を求める人におすすめです。
自分に合ったサドルの選び方は?
基本的なサドルの種類を紹介しましたが。では実際どんなサドルを選べば良いのか? ポイントを紹介します。
1:穴あきかどうか?
穴あきタイプは股間へ圧迫がかからないような作りになっています。また通気性も良いため、夏場の蒸れやすい季節にも向いています。ただし圧力が中心以外にかかるため合わない人も。
2:ノーズは長いか・短いか?
ノーズとは簡単に言えば、サドルの全長のこと。ロングノーズ(通常のサドル)とショートノーズの大きく2種類があります。
長さはロングノーズが全長280mm前後で、ショートノーズが250mm前後と約30mmの差。またショートノーズはロングノーズに比べ座面の幅が広くなる傾向があります。通常サドルは130mm程度ですが、ショートノーズは140~160mm程度の幅を持ちます。
※画像は楽天より
セラ サンマルコ(selle sanmarco)
SHORTFIT Open-Fit Dynamic
277MW401
実勢価格:1万2012円
ショートノーズのサドル(長さ25cm、幅14.4cm)
ショートノーズは「前乗り」を前提としたサドルです。前乗りとはニュートラルポジション(標準ポジション)にセッティングされたサドルに対し、前方寄りに着座すること。
前乗りは、登りや平坦巡行(平地を速い速度で走り続けること)が多い人や運動強度が高い人などが行います。
つまり運動強度が低く、速度もそれほど速くない…という人にはショートノズルは必要ありません。
通常のサドルでは股間や尿道が痛くなりやすい、という人にはショートノーズがおすすめです。
ただしショートノーズは全長が短いため、ポジションの移動幅が狭く、ライディング中によくポジションを変更する人には向いていません。
繰り返しますが、十人十色。私のオススメが貴方のベストではないかも知れません。さらに言うと、同じサドルでもシートポストとのセッティングでの前後、角度などで、驚くほど変わります。
3:レールの素材は?
レールの素材は金属素材とカーボン素材の大きく2種類があります。
1:金属素材
Mach Burst
自転車サドル ブラック&ホワイト
実勢価格:1880円
金属素材は頑丈ですが、比較的重め。軽量で高価なチタン製なども多数あります。
2:カーボン素材
JIMAITEAM
自転車用サドル
実勢価格:4499円
カーボン素材は軽量で振動吸収力が高いです。ただしやや価格が高め。締め付けトルクの管理など、やや取り扱いに注意が必要。シートポストによっては取り付け不可な場合も。
初心者の方なら、まず安価な金属素材のサドルでいろいろ試し、自分に合った形を見つけてからカーボン素材にグレードアップすることをおすすめします。
サドル16製品をランキング化!採点基準は?
さて今回は、初心者向けに1万円以下のサドル16製品を選んでランキングにしました。採点項目は以下の3つです。
検証1:乗りやすさ[配点40点]
・ノーマルポジションで乗りやすいかどうか?
・全長が長すぎないか、幅が広すぎないか?
・お尻や股間が痛くなりにくいか?
・パッドが硬すぎないか? 柔らかすぎないか?
などいくつかのポイントをチェックし、総合的に判断しました。
検証2:素材・作り[配点40点]
パッドやレールの素材をチェック。耐久性があるかどうか、通常のライドに十分な品質かをチェック。
また全体的にしっかりとした作りがなされているかについても細かい部分をチェックしました。
検証3:コスパ[配点20点]
上記の検証項目1、2を踏まえた上で、価格とのつり合いが取れているかどうかをチェックしました。
なお、読者のみなさんにサドルの長さや幅が分かりやすいように、各商品を方眼紙の上に載せ撮影しています。また、それぞれのサドルに向いている人の特徴も記載しているので参考にしてみてください。
それではランキングスタートです!
質感や色が抜群の「セライタリア」
セライタリア(SELLE ITALIA)
TURBO 1980 FeC BWN
実勢価格:7609円
サイズ:幅146×長さ275mm
重量:295g
トップ材質:レザー(ヌバック)
PU革、ポリエステル、スチール
カラーバリエーション:全24色
▼検証結果
- 乗りやすさ: 39/40点
- 素材・作り: 40/40点
- コスパ: 18/20点
- 総合: 97/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 80年代が好きでちょっとクラシックな自転車に乗っている人。尿道が痛くはならない人。
第1位は初代TURBO発売当初のデザインの復刻版セライタリア「TURBO1980」。セライタリアのサドルの中では比較的安価で、お求めやすくなっています。
表面はスエード張りで雰囲も抜群。硬さはやや硬めですが、全体に丸みのあるフォルムで、お尻に負担をかけにくくなっています。
レール素材は耐久性に優れた「FeC Alloy」を採用しています。
セライタリアの復刻版は、嬉しいニュースでしたね。僕はフライト派ですけれど。セライタリアのターボといえば、レーシング用サドルの原点で、ツール・ド・フランスの覇者イノーやインデュラインらも使っていた名品。40年前のサドルなので、現代のレーシングサドルに比べるとやや重量があったり、尿道を圧迫しないための穴がなかったりしますが、座ってみると「これしかない!」と感じる人も少なくないはず。だから復刻が実現したわけです。あれこれ、サドル沼にハマっている人は別モデルのフライトと共に一度は試してもらいたい製品です。
抜群のデザインと快適性を備えた「プロロゴ」
プロロゴ(Prologo)
Kappa Evo PAS Hard Black コンフォートサドル
実勢価格:4780円
サイズ:幅15×高さ7.5×長さ27.3×幅14.7cm
重量:295g
▼検証結果
- 乗りやすさ: 39/40点
- 素材・作り: 38/40点
- コスパ: 19/20点
- 総合: 96/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 尿道が圧迫されて痛みを感じる人。プロロゴサドルを試してみたい人。
第2位は軽量な「プロロゴ」のサドル。
中距離ライドに最適な形状で、クッション性も抜群。PAペダルストロークとより快適なポジションを確保しながら、骨盤領域の圧力ピークと麻痺を排除するテクノロジーが採用されています。
レビューでは「軽く吸い付く感じ」「ペダリングがしやすい」「抜群のデザイン、快適性」など高評価のものがほとんどでした。
2006年創業のプロロゴ。サドルといえば、イタリア! 100年以上続く、「セライタリア」や80年の「サンマルコ」が有名ですが、プロロゴもイタリアのサドルメーカーです。このモデルは、プロロゴのなかではクッション性があるコンフォートモデルですが、コストパフォーマンスに優れプロロゴらしさを感じることができるのではないかと思います。クロスバイクなどに取り付けるには最適なサドルじゃないかと。
長い溝&穴で痛みを軽減の「VELO」
ベロ(VELO)
Plush VL3147 男性向けサドル
実勢価格:2856円
サイズ:長さ28.6×幅17.8×高さ8.9cm
重量:約415g
材質:樹脂、スチール、フェイクレザー
カラーバリエーション:ブラウン、ブラック
▼検証結果
- 乗りやすさ: 38/40点
- 素材・作り: 37/40点
- コスパ: 20/20点
- 総合: 95/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 尿道の痛みがひどい人。
第3位は「ベロ(VELO)」。男性向けと表示されているように、男性の脚の太さなどを考慮し、座り心地とペダリングのしやすさを付き給したサドルです。
特徴は幅広ベースとフロントからバッグまで伸びた溝とセンターホール。これにより圧迫感の軽減を図っています。
レビューでは「硬さがちょうど良い」「お尻が痛くならない」など高評価が中心。ただ中には「板のように感じる」など、人によって合う、合わないなど評価が大きく分かれるようです。
VELOは、フランス語で「自転車」の意味。ミニベロ(小径車)とかのベロです。VELOは台湾にあるメーカー。今や世界シェアNO1のGIANTや新城幸也選手も乗るMERIDAも台湾メーカーです。海外の有名ブランドのOEM生産をしてノウハウを蓄積していることもあって、台湾の自転車製品は、低価格な割に高品質なものが多い印象。同メーカーも、同価格帯のサドルと比べると高品質ですね。ただの製品の場合、裏側は雑な感じでタッカー(ホッチキス)で止められています。見える部分でないので気にならない人はいいかもしれませんが……。
お尻や尿道の痛みを感じる人にオススメの「GORIX」
GORIX(ゴリックス)
自転車 低反発 サドル
厚手クッション やわらかタイプ
実勢価格:2098円
サイズ:幅15×高さ7.5×長さ27.5×レール幅(先-先)5cm
重量:約330g
材質:PU革、ポリエステル、スチール
カラーバリエーション:全24色
▼検証結果
- 乗りやすさ: 38/40点
- 素材・作り: 38/40点
- コスパ: 19/20点
- 総合: 95/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- とりあえず、サドルを交換してみたい人。カラーも豊富で選びやすい。
同点3位は「GORIX」のサドル。低反発タイプで、厚手のクッション素材、張りのある柔らかい反発素材を使用。地面からの衝撃を和らげてお尻の痛みを軽減してくれるサドルです。バックは大きなラウンド形状となっています。
自転車全般、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、ミニベロなどに使用可能です。
座面はホールと、ホールに続くセンター全体へ、大きく溝が入っています。尿道への圧迫感を感じる人にオススメ。またカラーバリエーションが豊富なのも魅力です。
どっかで観た定番サドルの形状と酷似していますね。穴あきタイプですが、オーソドックスなタイプです。サドルの変更によって、どれぐらい感触、感覚、感動が違うのかを知る入り口にはいいサドルだと思います。
5位: ロングライドも可能な「EC90」
EC90
自転車サドル
MTBロードバイク レーシングサドル
実勢価格:2998円
サイズ:長さ24cm×幅14.3cm
重量:約200g
材質:マイクロファイバー強化PUレザー+ダブルステンレススチールレール
▼検証結果
- 乗りやすさ: 38/40点
- 素材・作り: 37/40点
- コスパ: 18/20点
- 総合: 94/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 長距離サイクリングが多い人。
第5位は流線形が印象的なスポーツタイプの「EC90」。
衝撃吸収性に優れており、長距離サイクリングでも快適です。
真ん中の空洞を設けることで通気性を向上させ、坐骨神経領域や前立腺への圧迫を軽減してくれます。
「EC90」なんて聞くとEASTON? って思います。ネット時代にいいネーミングだと思います。おそらく、たぶん、スペシャライズドのパワーサドルに酷似しています。そのため乗車ポジションをあまり変化させない人に向いています。本家スペシャライズドパワーサドルと比べるとすべすべツルツルです。これは好みかと。ショートノーズタイプのサドルで、そこそこのクオリティを持っていますが、座面と土台の繋ぎ目が服にこすれる可能性あり。作りの点でやや減点になりました。
6位: 通気性に優れた「GZQIRUN」
GZQIRUN
自転車シートサドル
実勢価格:3188円
サイズ:長さ24×幅14.3cm
重量:199g
材質:カバー/マイクロファイバー強化PUレザー
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、レッド
▼検証結果
- 乗りやすさ: 38/40点
- 素材・作り: 35/40点
- コスパ: 20/20点
- 総合: 93/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 前乗りポジションな人。
第6位は「GZQIRUN」。199gと軽量で、中央部には長さ11cmの大きめの穴が空いていて、十分な通気性を確保。素材には「人工脂肪ゲル」を採用し、坐骨神経領域への圧迫を軽減させています。
ショートノーズタイプのサドルです。レビューではコスパの良さを評価するものがいくつか見られました。ただしパットはやや硬めで、長時間乗る人には不向きというレビューも。他にも「プラスチックが剥がれた」など作りの雑さを報告するものがありました。
スペシャライズドのパワーサドルから始まった「ショートノズル」。本家だと安いモデルでも1万5000円ぐらい、高いモデルだと4万円ぐらいはするので、「ちょっとお試しで流行りのショートノズルも使ってみたい」なんて場合には、いいかもしれません。ですが、ノーズの部分の革が裏までカバーしていなく、ベースのプラスチック部分の引っかかりが気になります。レーパンなどは繰り返し擦れて切れてしまったりしそうです。
7位: カーボン製でも痛くない超軽量の「JIMAITEAM」
JIMAITEAM
自転車用サドル
実勢価格:4490円
サイズ:長さ25.4×幅14×高さ4.8cm
重量:約150g
材質:炭素繊維、レザー
カラーバリエーション:ブラック、ピンク、ホワイト、レッド
▼検証結果
- 乗りやすさ: 37/40点
- 素材・作り: 36/40点
- コスパ: 19/20点
- 総合: 92/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 軽量化が好きな人。
第7位は超軽量でカーボン仕様の「JIMAITEAM」。
通気性、耐摩耗性、耐引裂性に優れた素材を使っていて、快適な乗り心地を体験できます。
また耐振動性と緩衝性能があり、十分な強度を持っているフルカーボンファイバーシートを採用しており、凸凹道でも快適に愛車を乗りこなすことができます。
レビューでは「カーボン製でもお尻が痛くない」「初ライドでも66kmを平然と乗れる」などほぼ高評価が並んでいました。
お尻とかお股が痛くなるのは、自転車乗り「あるある」なのですが、初心者は痛くなるからといってクッション性を上げがちになります。クッション性があるがゆえに、どっしり座ってしまって痛くなるという悪循環に陥ることがあるかもしれません。一度試してもらいたいのは、硬めのサドル。この製品は価格も安めでお試しにぴったり。革の裏側の処理がやや雑だったり、レールもカーボン製で真円でないので、シートポストのクランプとの相性があったり、耐久性にやや疑問が残りますが……。
7位: メッシュタイプで通気性バツグンの「Vertu」
Vertu
スパイダー メッシュ スポーツサドル
実勢価格:1140円
サイズ:約28×13×7cm、レール幅5cm(外側-外側)
材質:カーボン
▼検証結果
- 乗りやすさ: 37/40点
- 素材・作り: 37/40点
- コスパ: 18/20点
- 総合: 92/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 軽さ、クッション性に疑問を持った人。
同点7位は1000円ちょっとで買える「Vertu」。メッシュタイプで通気性バツグン。軽量なのも高評価でした。
特徴としてはクッション性が低く、適度なしなりを持っている点。
レビューでは「反り返る形状がお尻をピタッとホールドする」「良い意味でしなりがあるのでお尻への負担が少ない」といったものがありました。中には「高グレードのサドルより相性が良かった」というものも。
TIOGAのスパイダーにデザインが非常によく似たサドルですね。「クッションは不要」という意味で、ぜひ1回みなさんに試してもらいたい商品です。ウェアへの攻撃性は高めです。またサドル自体は、濡れても大丈夫なので通勤などにも向いていますが、ただ、雨天時に走ると、砂混じりの跳ね上げがお尻を直撃します!
9位: 長距離ライディングに対応の「fabric」
fabric(ファブリック)
サドル SCOOP SHALLOW SPORT
実勢価格:6980円
サイズ:長さ28.2cm×幅14.2cm
重量:360g
材質:レール/スチール、ベース/フレキシブルPP
▼検証結果
- 乗りやすさ: 37/40点
- 素材・作り: 37/40点
- コスパ: 17/20点
- 総合: 91/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 前後のポジション移動がある人。お股の圧で痛みが無い人。
第9位は「fabric」。fabricは英国のバイクブランド Charge Bikes が立ち上げたデザイン性の高い自転車パーツブランドです。
シャロー形状で一般的なライディングはもちろん、長時間のライディングにも対応します。
表側はもちろん、裏側の作りもしっかりしており全体的に安っぽく見えません。
レビューでは「座り心地が良い」「耐久性が高い」という高評価の一方、「「前乗りで尿道が痛くなった」「ちょくちょくポジションを変える座り方には不向き」といったもの意見もありました。
セライタリアのSLRに非常に良く似たサドルですが、全体的な作りはしっかりしていてかなり良いと思います。イタリア製なんとなくの傾向ですが、やや身長のある人(=股下が長い)向けなのかも? と思っています。
10位: 滑りにくい素材の「DRBIKE」
DRBIKE
自転車サドル
実勢価格:1880円
本体重量:約276g
材質:レザー/スチール
▼検証結果
- 乗りやすさ: 36/40点
- 素材・作り: 36/40点
- コスパ: 18/20点
- 総合: 90/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- どっしり座るポジション変更が少ない人向け。
第10位の「DRBIKE 」は比較的柔らかいクッション性のサドルです。お尻への負担も軽く、長時間のライディングにも対応します。
特徴的なのはサドル表面の素材。滑りにくい素材でできているためお尻のホールド力はありますが、ポジションを頻繁に変える人には不向きです。
レビューでも「ピタッとした密着感」、「すべらない素材でしっくりする」などの意見が寄せられていました。
このサドルは、銘品と云われるサドルのイイトコ取り製品ですね。オリジナルのイイトコ取りしている分、特化した性能は無いかもしれませんが、このサドルを使ってみたら、自分に何が必要なのかは感じ取れるかと。安い割にそれなりによくできた商品だと思います。
11位: さまざまなタイプの自転車に合う「Mach Burst」
Mach Burst
自転車サドル ブラック&ホワイト
実勢価格:1880円
サイズ:幅14.5×長さ28cm
重量:約330g
材質:シート/ポリウレタン樹脂・PU、レール/スチールレール
▼検証結果
- 乗りやすさ: 36/40点
- 素材・作り: 36/40点
- コスパ: 17/20点
- 総合: 89/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 白いサドルに変更したい人。ややどっしり座る人。
第11位は「Mach Burst」。ロードバイク以外に、クロスバイク、マウンテンバイク、折りたたみ自転車などさまざまな自転車に対応するサドルです。
座骨痛対策のため比較的サドルの幅が広く、ポジション出しもラク。中央部に会陰痛対策のカットアウト(穴あき)が施されています。クッションは比較的柔らかめ。サドル表面には凹凸が付けられ、ポジションのズレを防いでくれます。
リピーターも多く、レビューでは「100km乗ってもラク」「お尻にフィットする」など高評価のものが多く見られました。
安い。クッションが厚めのコンフォートサドル。コスパがいいのとカラーも、5種類あるので自分の自転車とのカラーコーディネートもしやすいかも。
12位: 厚めで体が大きい人向けの「SELLE SMP」
SELLE SMP(セラSMP)
TRK ミディアム カラー サドル
TRKMED-NE
実勢価格:8900円
サイズ:奥行28×幅16×高さ7.5cm
本体重量:約395g
材質:トップ/ポリウレタン、ベース/ナイロン、レール/スチール
▼検証結果
- 乗りやすさ: 36/40点
- 素材・作り: 36/40点
- コスパ: 16/20点
- 総合: 88/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- 体重が重め、またはお尻が大きい人。
第12位は「SELLE SMP」のサドル。かなり厚めでお尻との接触面も広いのが特徴です。ただし真ん中に穴があるので、通気性は問題ありません。形状は体の大きい人向き。しっかりとお尻をホールドしてくれます。
レビューでは「前立腺の痛みがなくなった」「股間への負担が少なくなった」「長時間のライディングでも問題なし」とおおむね高評価でした。
大きいサドルです。故にお尻が大きくて、重い人向けです。例外的にママチャリからスポーツバイクに乗り換えた人が、どうしてもサドルに違和感を覚えるならばチョイスしてもいいかも知れません。
13位: 通勤や街乗りにおすすめの「OUXI」
OUXI
自転車サドル
実勢価格:1880円
サイズ:長さ28×幅16×高さ8cm
重量:500g
材質:ポリウレタン、PVC他
カラーバリエーション:グレー、ブルー、レッド
▼検証結果
- 乗りやすさ: 35/40点
- 素材・作り: 34/40点
- コスパ: 18/20点
- 総合: 87/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- ゲルが好きな人。シートポストに櫓(やぐら)がついていないママチャリとかの人。
第13位は「OUXI」のサドル。2千円を切るコスパの良さが魅力です。枕の底にダブルスチールスプリングを備え、弾力性や靭性、凸凹道への高い対応力を備えています。
クッションは柔らかめ。衝撃吸収力に優れたシーとクッション。表面には滑り止めも施されいます。
防水カバーやレンチが付属。防水性に優れているので通勤や普段の街乗りにおすすめです。
けっこう厚めで、指で強く押すと2cmぐらいは沈み込みます。また、ママチャリなどに採用されているシートポスト用のヤグラも、さらに親切なことにスパナも同梱されているので、ほとんどの自転車でも取り付けができます。ちなみに自転車には非常に色々な規格が存在しますが、サドルレールの幅だけは、ロードバイクもマウンテンバイクもクロスバイクもママチャリも共通なので互換性があったりします。サドルのカバーも同梱されているのが◎。
14位: 凸凹道での痛みを軽減してくれる「COOWOO」
COOWOO
自転車サドル
実勢価格:1598円
サイズ:長さ26×幅15.5×高さ6cm
重量:500g
材質:Puレザー、シリコン、ウレタンフォームパッド他
カラーバリエーション:ブラウン、ブラック
▼検証結果
- 乗りやすさ: 34/40点
- 素材・作り: 34/40点
- コスパ: 18/20点
- 総合: 86/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- ママチャリでやや前傾で乗る人。
第14位は「COOWOO」。比較的安価でコスパに優れたサドルです。
フロントサイドが狭く設計されており、ライディング時に太ももをこすりにくい構造になっています。
また弾力性の高いポリウレタンフォームシートを採用。衝撃吸収性を備えているため、凸凹道での痛みを軽減。また防塵、防水性や日焼けに対する耐性も備えています。
ママチャリにも付けることができるヤグラが同梱されています。ママチャリのサドルと比較すればフロントサイドなども全体的に細めと言えますが、ロードバイクの標準的なサドルとしては、随分と幅広です。ママチャリでやや前傾に乗る人向けじゃないでしょうか?
14位: 衝撃吸収性に優れた「SGODDE」
SGODDE
自転車サドル
実勢価格:1688円
サイズ:奥行27.9×幅15.8cm
本体重量:約451g
材質:puレザー/シリコンフィラー
▼検証結果
- 乗りやすさ: 34/40点
- 素材・作り: 35/40点
- コスパ: 17/20点
- 総合: 86/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- クッションが足り無いからお尻が痛いと感じている人。お尻ではなく、骨が痛いと感じている人向け。
同点14位の「SGODDE」は、PUレザーと人工脂肪ゲルを採用したサドル。表面は、耐摩耗性、滑り止め、防水に優れていて、人工脂肪ゲルによって前立腺や恥骨、坐骨神経痛の圧力を低減してくれます。
中空のデザインにより通気性は抜群。とくに夏場におすすめのサドルです。衝撃吸収性に優れているためMTBやトレッキングバイクに最適です。また、専用の防水カバー付きです。
オーソドックスなフィットネスやコンフォートタイプのサドルですね。ママチャリなどに付けてもよいかもしれません。お尻が痛いのか、筋肉が痛いのか、骨とか前立腺が痛いのかで分けられるとすると、後者の骨が痛いと感じる人向けでしょう。
16位: お尻が痛くなりにくい「ROCKBROS」
ROCKBROS(ロックブロス)
自転車サドル
実勢価格:2099円
サイズ:約長さ26×幅22×高さ10cm
重量:約618g
材質:PU
カラーバリエーション:レッド、ブルー、イエロー
▼検証結果
- 乗りやすさ: 33/40点
- 素材・作り: 35/40点
- コスパ: 17/20点
- 総合: 85/100点
- このサドルが向いている人のタイプ
- ママチャリな人。
第16位は「ROCKBROSS」。細身の競技用ではお尻が痛くなってしまう人におすすめのサドルです。
中心部に穴が設けられた中空設計。肉厚で高い弾力性を持ち、球状のサスペンションで衝撃を吸収してくれるため、長時間乗っていてもお尻が痛くなりにくいのが特徴です。
後部にはハンドルが付いています。商品説明ではロードバイクなどへの使用が推奨されていますが、重量が約618gと重め。横幅が大きめなので、見た目やスピード重視の人には不向きです。
これをロードバイクに付ける? 前傾のポジションが取りにくいし、幅広すぎて脚を動かすのにサドルの幅が邪魔になります。スポーツバイクというよりは、前傾しないで乗るママチャリなどに向いているサドルだと思います。
以上1万円以下で買えるサドル8製品のランキングでした。
最後は、義村氏にサドル選びについて語っていただきました。
【おわりに】プロが語るサドル選びについて
スーツで例えましょう。格安紳士服売り場の吊るしのスーツでもサイズがぴったりで似合うし、満足する人もいるのでしょう。
逆にオーダーメイドスーツじゃないと、駄目!という人もいるでしょう。靴がこの色だから、この色じゃなきゃと、色優先で選ぶ人もいるでしょう。
では、ありとあらゆるシーンで、万人に向けてベストというスーツってあるんでしょうか? 体型や体重も変わるし、TPOもあります。
ので、断言しますが、サドル選びは、沼!
全く同じ形状ならば、サドルレールは、より軽量のチタン製やカーボン製がいいのですが、値が張ります。
※画像はAmazonより
BROOKS(ブルックス)
B17 IMPERIAL サドル
実勢価格:1万3899円
BROOKS(ブルックス) B17みたいな、昔ながらの一枚革のサドルも、未だに人気なのは、そういう点、なんでしょうね。
痛みは、重要なシグナルだと考えています。無理せずに~で、その原因をサドルだけに限定しないでもらいたいですね。姿勢だったり、パンツだったりといろいろ、まさに十人十色だと思っています。