なじみのない生クリーム買うときちょっと迷いませんか?
パスタやスープなどのお料理に使ったり、パンケーキやフルーツにふんわり盛ったり、コクのある味はもちろん、見た目も魅力的なホイップクリームです。
でも、それほどしょっちゅう使う方でないと、クリームはあまりなじみのない食材かもしれません。たまに買うときは、何で選んでいいのかちょっと迷ってしまいます。
売り場を見ると何種類も並んでいますが、量は同じくらいでも、お値段はけっこう違います。ブランドとノーブランドとの違いでしょうか…?
クリームの味とお値段の違い。それは「脂肪の種類」と「乳脂肪の量」なんです。
クリームの選び方は実はとってもシンプルです
何種類もあるクリームですが、選び方はむずかしくありません。まずは1つめのポイントが“脂肪の種類”です。
クリームといえばもちろん牛乳からできていると思うかもしれませんが、「乳脂肪」でできたものと、「植物性脂肪」でできたものと2種類あります。
乳脂肪タイプと植物性タイプ、それぞれにメリットがあり、乳脂肪タイプは牛乳本来のコクや香りがあり、口溶けもなめらか。でもそのぶんお値段は高めです。
一方、植物性脂肪タイプは、さっぱりしていてコクは弱め、後味などは乳脂肪タイプにはやや劣ります。でもお値段は手ごろです。
あれ、コレどっち?見分けるにはココをチェック
クリームの種類を見分けるのはカンタン。製品のパッケージのウラ側の表示です。「種類別」や「名称」の欄をチェックしてみてください。
乳脂肪タイプ
→ 種類別欄に「クリーム(乳成分を含む)」
植物性タイプ
→ 名称欄に「乳等を主要原料とする食品」
と書いてあるはずです。
▼こちらは乳脂肪タイプ
▼こちらは植物性タイプ
ちなみに、乳脂肪タイプと植物性タイプでは、扱いやすさの面でも違いがあります。
乳脂肪タイプ
→ 泡立てすぎると分離しやすく、扱いに注意が必要
植物性タイプ
→ 分離や型崩れがしにくく、手軽に使える
そのほか、植物性タイプはカロリーがやや低めなどの長所もありますよ。
“乳脂肪の濃さ”で味とお値段は変わります
次に、クリーム選びの2つめのポイント「乳脂肪の濃度」です。
乳脂肪タイプは、脂肪の濃さに違いがあります。20%程度のライトなものから、45%以上の濃厚なものまであり、乳脂肪が多いものほどコクがあります(乳脂肪が多いものほどお値段も高めに)。
また、乳脂肪の量によって泡立てやすさも違います。低いほど泡立ちにくく、高いほどしっかり硬い泡ができます。
乳脂肪[低い]
→ 低いものほど泡立ちにくく、ゆるめの泡
乳脂肪[高い]
→ 短時間でしっかり泡立つが、分離もしやすい
扱いやすさの面では35~40%くらいのものが失敗しづらく、初心者の方にはおすすめですよ。
用途にあった“濃さ”を選びましょう
クリームを失敗なく使うには、用途に合った濃度を選ぶことも大切です。
用途の違いを見てみましょう。
▼乳脂肪 20~30%タイプ
中沢乳業
パントリークリーム
実勢価格:194円
ほとんど泡立たず、泡立ててもカプチーノの泡のような粗めのクリームに。コーヒーやスープなどに濃厚なミルクとして入れるのに向いています。
▼乳脂肪 35%タイプ
タカナシ乳業
特選北海道 純生クリーム35
実勢価格:322円
泡立てるとゆるめのクリームに。硬くなりすぎず、分離もしにくいです。グラタンや、とろりとした食感を活かすようなケーキに向いています。
▼乳脂肪 40%タイプ
タカナシ乳業
特選北海道 純生クリーム42
実勢価格:430円
泡立てても分離しにくく使いやすいです。ちょうどいい濃厚さで、ムースなどのスイーツのほか、カルボナーラなどクリーム系の料理にも向いています。
▼乳脂肪 45%タイプ
タカナシ乳業
特選北海道 純生クリーム47
実勢価格:452円
短時間でピンとしたツノが立つくらいしっかりした泡ができます。ただし泡立てすぎると分離しやすいのが弱点。デコレーションケーキに向いています。
このように、乳脂肪タイプは濃度がいろいろあります。用途に合わせて、ちょうどよい濃さのクリームを選ぶと失敗がありませんよ。
これでうまくいく!ホイップ成功5つのコツ
最後に、クリーム泡立てのコツをご紹介したいと思います。植物性タイプはそれほど心配はありませんが、乳脂肪タイプはちょっとしたコツがあります。
[泡立ての5つのコツ]
1. しっかり冷やす
クリームが冷えていると混ぜたときに空気が入りやすくなり、よく泡立ちます。泡立てる前も泡立て中も、しっかり冷やしましょう。
2. 少し残しておく
泡立てすぎたときの調整用に、全部ボウルに入れずに少し残しておきましょう。これがあると多少のやり直しがききます。
3. 仕上げは手で混ぜる
ハンドミキサーは便利ですが、力が強くて混ぜすぎてしまうことも。もし使うなら最初だけにして、後半は手で混ぜたほうが失敗が少ないです。
4. 後半は手前をメインに泡立てる
混ぜすぎたときのために、ゆるめの部分を調整用に残しておきます。後半は手前側をメインに泡立てましょう。
5. ちょっとゆるいかな? くらいでストップ
ある程度泡立ってくると、あっという間に硬くなることがあります。また時間がたつとやや硬くなるので、もう少しかなと思うくらいがちょうどいい感じです。
最大のコツは、“冷やすこと”と“混ぜすぎないこと”です。こまめに状態をチェックしながら泡立てましょう。
以上、クリーム選びのポイントをご紹介しました。用途によっても、味の好みによっても、どのクリームを選ぶかが変わってきます。売り場でしっかり見極めて、美味しいふわふわクリームをお楽しみください!