メンズ一年中使えるエアリズムはどれ?
3製品をプロと徹底テストしました

吸水速乾性となめらかさで、今や季節を問わず愛用されるエアリズム。現在は基本の「エアリズム」のほか、通気性を向上させた「エアリズム メッシュ」、一部の縫製をなくした「エアリズム シームレス」の3タイプがあります。

※画像は公式サイトより

しかし、この3製品に見た目の違いはほとんどありません。そこで今回は、エアリズム3製品の隠された実力差を明らかにすべく、スタイリスト、ライター、ブランドプレスなどのファッション業界で活躍する5名のプロにご協力いただき、様々な角度から検証してみることにしました。

ご協力いただいたのはこちらの方々です。

写真左:スタイリスト 伊藤良輔さん
写真中:スタイリスト 池田未来さん
写真右:スタイリスト 井田正明さん

写真左:ライター 力石恒元さん
写真右:ブランドプレス 高畑誠さん

今回テストしたのは以下の9項目です。

①サイズ感と縫製・色とネックの種類、②伸縮性、③襟元、④生地感と肌触りについては、ファッションのプロが実際に手に取ったり、着てみることで採点。

⑤蒸れにくさは、サーモグラフィー(使用機器:FLIRONE PRO for iOS)を使用して、日中に平均気温約30℃の屋外を30分間歩いたあとで計測。

⑥臭気性はニオイセンサーを使用(使用機器:ニオイセンサーPOLFA/KALMOR)。ちなみに、常温時は200と無臭で、開放型の喫煙室だと約300程度となります。

共に社内の検証専門チームや大学の実験室などで本格的に測定してより正確な数値を算出しました。

⑦吸収性
エアリズム3種のボディ部分を短冊状にカット。先端を水につけ、5分間で吸水した高さをmm単位で計測。

⑧速乾性
室温25℃の室内で、洗濯後ハンガーで吊るした状態で干しておいた後、完全に乾くまでの時間を計測。

⑨通気性
布が風を通す力を専門の機器で計測。今回はエアリズムを100の基準値としたときの比較値で算出。

「吸収性」「速乾性」「通気性」の3項目はインナーに求める3大機能であるため、徹底的に検証しています。

そして、各製品を下記の4段階で評価し、得点式(ひとり20点満点×5人=100点満点)で採点した結果で下記の格付けが決定します。

S評価:ユニクロに見えないレベル! 大人の男性が着てサマになります。
A評価:ユニクロでこの値段にしては良い。大人が着ても問題ありません。
B評価:ダメとまではいえませんが、商品としては可もなく不可もなく。


それでは早速、ファッションのプロがガチで検証して格付けした内容を詳しくみていきましょう。

S評価【S評価】満遍なく高い数値だった
シームレスVネックTが最強です

3タイプをテストした結果、総合的に最も高評価だったのは「シームレス」タイプでした。どんなところが他よりも抜きん出ていたのか、項目ごとに説明していきます。

ユニクロ(UNIQLO):エアリズム シームレスVネックT:Tシャツ

ユニクロ(UNIQLO)
エアリズム
シームレスVネックT
実勢価格:1620円

まず、サイズ感と縫製については、着丈、袖丈が基本型やメッシュよりもやや短めに設定されています。襟も折り返し縫製がない分、Vゾーンが微妙に深くなっています。タイト感はさほど変わりませんが、サイズ感がややコンパクトな印象です



色とネックの種類はこちら。

伸縮性については、こちらも体感ではエアリズムとほとんど変わりません。

襟元は、生地端を折り返さない上にさらに縫い目さえもなく完全なカットオフ。ちなみにこちらは胴回りも縫い目がない仕様となっています。

生地感と肌触りについては、エアと呼ぶにふさわしいストレスを感じない軽量感があります。滑らかさにおいては基本型とメッシュの中間といったところ。しかし、着たときに感じる「軽さ」は3種類の中でも最強。他に比べて、ストレスのなさも群を抜いています。

肝心の通気性・速乾性・吸収性についてはどうでしょうか?

エアリズムよりも通気性が良く、メッシュタイプよりも汗を吸いやすいです。乾きやすさでもメッシュをしのぎます。

蒸れにくさ

サーモグラフィでは熱のこもり具合は最も低い結果に。通常よりも開いた胸元が物理的に空気の通りを良くしているのも、ひとつの要因と考えられます。


臭気性

吸汗性こそ2位でしたが、熱がこもりにくく、また通気性が高いことから、臭気が溜まりにいようで、数値も3つのエアリズム中、最も低い結果になりました



すべての結果において満遍なく高い数値をマークしたシームレスVネックT。着心地の良さも「縫い目のなさ」というアドバンテージがあり、一年中使える最強インナーに決定しました。さすがは最新モデルです。

A評価【A評価】総合力でやや劣るも
吸水性は唯一だったVネックT

シームレスに続いて高評価だったのがVネックT。基本性能に偽りなしですが、シームレスに比べると総合的な力ではやや劣ります。実験結果もメッシュと大差ないですが、唯一吸水性では他を圧倒しました。

エアリズム:Vネック/クルーネックT:Tシャツ

ユニクロ(UNIQLO)
エアリズム
Vネック/クルーネックT
実勢価格:853円

サイズ感と縫製については、エアリズムはそもそもが下着なので、やはりシルエットはTシャツなどと比べるとタイトに設計されています。着丈もパンツインが前提で長め。前身頃と後身頃が分かれて縫製されているのがやや残念なところです



色とネックの種類はこちら。

伸縮性は高評価で、ポリエステル88%に対してポリウレタンは12%と多く混紡されていて伸縮性が高いです。自然な風合いを目指したといいますが、天然の風合い感はありません。

襟元は上の写真のとおり。生地の端を折り込むような手法で、非常に薄く仕上げてはいます。とはいえ、縫製の段差は肌で感じられます。

生地感と肌触りは、非常に目の細かいリブ編みが施されているので肌触りは実に滑らか。ピタピタですが、生地にかなりの伸縮性があるので、窮屈感を感じることはありません。他に比べ、吸い付くような感覚としっとりさがあります。

通気性・速乾性・吸収性の評価がこちら。

吸水性=汗を吸う力については3タイプ中最も高かったのですが、通気性の面ではかなり差がついた結果に。

蒸れにくさ

サーモグラフィでは熱のこもりは2位でした。でも、吸水性が高い=熱の原因を素早く吸収するので、それだけにカラダの熱の低下も早いという結果に。しっかり汗を吸い込み、熱もそこまでこもりません。

臭気性

吸水性が高い分汗を吸うので、臭気値がやや高く、消臭効果が追いついていません。水分は発散できても、臭いが残るということだと考えられます。

B評価【B評価】通気性に期待するも
結果はふるわなかったメッシュ

より高い通気性を期待したメッシュ。しかし、結果はさほどでもありませんでした。肌触りも基本型やシームレスより良いとは言い難いですが、唯一さらっとした質感では魅力でした。

エアリズム:メッシュ Vネック/クルーネックT:Tシャツ

ユニクロ(UNIQLO)
エアリズム
メッシュ Vネック/クルーネックT
実勢価格:1069円

メッシュはその名のとおり、エアリズムの基本機能はそのままに、生地をメッシュ織りにしたもの。サイズ感は基本型とほぼ同じで、身頃はタイトに、そして着丈も長めにとられている印象です。ストレッチ性の高さもさほど大差は見られません



色とネックの種類はこちら。

伸縮性については、いたって普通。基本のVネックTに比べて伸縮性を与えるポリウレタンを6%に抑えています。しかし、メッシュ編みになっているためか、そこまで大きく伸縮性がなくなったとは感じません。

襟元は基本型と同じ折り込むような襟の縫製を採用。メッシュ生地がより薄手な分、極わずかに縫製の段差も薄い印象に。

生地感と肌触りは良好。より薄手なメッシュ生地を使っているからか、袖を通したときからすでに軽さを感じさせます。通気性は高いですが、滑らかな肌触りという点では一番優秀さを感じます。微妙な凹凸はあるものの、その分ベタつき感はありません。

通気性・速乾性・吸収性は、3モデル中平均値は最も低い結果に。しかし、肌感覚ではデータ上の差ほど汗を吸わない感覚はありません。

蒸れにくさ

通気性ではまずまずの結果でしたが、サーモグラフィ測定では最下位。メッシュで風は通しても、汗をかいたあと熱の低下においてはやや弱い印象です。エアリズムメッシュ自体は乾きますが、体熱は別物でした。

臭気性

臭気値は2位。メッシュ編みだけに発散性の高さを期待しましたが、通気性が2位という数値通り、臭いの発散性についても結果はイマイチでした。

テストの結果、大人がオンオフ問わず着用できる最強のエアリズムは「シームレス」タイプでした。最大の特徴である、縫い目がないことによる着心地の良さは圧倒的。それに加え襟元の段差がないので白シャツの下でも透けにくく、しかもベージュだとほぼ目立たちません。ぜひ購入時の参考にしてみて下さい。