25年目の“今”頑張り続けて、ついに俺たちの時代が来た!
── 本誌の「上半期ブレイク大賞」はタイムマシーン3号が受賞しました。おめでとうございます!
関太(以下、関):いやー、ありがとうございます。
山本浩司(以下、山本):昨年から仕事がとにかく順調で。今日もこのインタビューまでに6本の仕事を終えていますし。すごい疲れた……。
関:もしかしたら、マネージャーが歩合制なんじゃないか。芸人に1本仕事を入れたらいくらみたいな。本当にちゃんと忙しくなって休みもないくらい。ぶっちゃけゆっくり休みたい……。
山本:でも、運が向いてきました。誰も傷つけない〝全方向型〟が求められる時代にタイムマシーン3号がドンピシャみたいな(笑)。
タイムとYouTube
── テレビにラジオとご活躍ですね。
山本:ありがたいことにユーチューブの登録者数も90万人を突破して。ただ、自分がお気に入りの動画はあまり伸びなくて、そんなに気合が入ってないのが人気になったり、複雑なんだよなぁ。
関:なんだその顔は。嫌いなのかよ、ユーチューブ。こんなにいっぱい見ていただいてるのに。
山本:そんなことはないけど(笑)。
── ユーチューブはコロナ禍から?
関:いえ、僕らは2019年1月にチャンネルを開設しました。そこで漫才のネタをアップしていくなかで、徐々に若い世代の方にも僕らを知ってもらえるようになって。
山本:そのうちにネタの一部分を切り取ったショート動画をアップしたら、いきなり登録者数が倍に増えてビックリ。コロナ禍で仕事が少なくなったとき、自宅でコツコツと頑張った甲斐があったなと。
── あのショート、山本さんが作ってたんですか?
山本:そうですよ。コツコツと動画の構成を考えたり、テロップ入れたりして。そこから芸人のユーチューブみたいにひねりにひねった企画動画を作ろうかという話になったんです。
関:でも、そのときにカメラマンを担当してくれていた後輩芸人が「それよりも関さんが〝食べる〟のを見せる動画ってどうですか」と。関が好きなマクドナルドベスト3みたいな。
山本:最初は「そんな動画上げてどうすんの?」と返したんですけど。
関:そうそう。バーガーを食べるだけで面白いこと何も言えないよって。
山本:ただ、バーガーを食べる動画でもボケは入れていくわけで、それがなんだか漫才っぽい感じになっていたらしい。周囲はそう言うんだけど、俺たちにしたら何が楽しいんだという話で(笑)。
関:そうしたら、コメント欄で「こういうのが欲しかった」みたいな好意的な内容が多くて。
山本:それでコメントを参考にしながら「食べるシリーズ」や「料理シリーズ」なんかが生まれて、今のような動画になっていった感じですね。
関:本当にコメント欄に育ててもらったチャンネルだと思っています。正直、僕らの主体性よりも視聴者さんの意思を大事にしている(笑)。
── ユーチューバーになったりして?
山本:僕らの主戦場はテレビだと思っているので、それはないです。ぶっちゃけ、ユーチューブは全体の仕事量の5%くらいですから。
関:そうそう。空き時間でパパッと撮影するくらい。ただ、ユーチューブも遊びじゃなく、漫才やフリートークだという意識でやってます。
タイムと好きな家電
── タイムが好きな家電は?
山本:とにかくカッコイイ家電かな。
── ユーチューブで公開した山本さんのご自宅もバルミューダとか、オシャレな家電がいっぱいでした。
山本:幸いでもないですが、独り身なので自分の好みだけで選べます。運びやすいとか、使いやすいとかはどうでもいいんです。ちなみに、最近引っ越しをしたんですけど、マーシャルのスピーカーを買いました。見つけた瞬間にひと目ぼれで。
関:迷わないからいいよね。僕は子どもが生まれてから、「音が静か」とか「風が優しい」みたいに子ども基準で家電一式を買い換えました。ルンバも買ったけど、帰宅したときに「僕がいない間にこんなにキレイにしてくれて」と感動していますよ。
── 山本さんも将来のお相手を見据えて、カッコイイ以外の家電にも興味を持っておいた方がいいのでは?
山本:まあいずれはね。でも、家電は本当に便利になってるのは実感していますよ。乾燥機付きドラム式洗濯機を買ったときは「革命!」と思いましたもん。洗濯して乾燥するまでの動線がほぼ必要なくて「あれ、いつ物干しざお使った?」というくらいです。
関:最近気になっているのはパナソニックのレイアウトフリーテレビ。土台にキャスターが付いていて、好きな場所に移動できるんです。今は子どもがテレビを触るのを防ぐために柵で囲ってるんですが、ちょうど画面下のテロップにかかって気持ちが悪いんですよ。
山本:僕は引っ越して部屋が広くなったので、狙っているのはロボット掃除機かな。
関:若い頃はお金がなかったので「家電」は欲しい物の優先順位に入ってこなかったけど、今は頑張れば買えるというのもあって、選ぶのも楽しいです。冷蔵庫は奥さんが喜ぶから少し高いのを買おうとか。
山本:本当に買えるようになって、家電に興味津々です。メーカーさん、お仕事お待ちしてますよ(笑)。
タイムの今とこれから
── まもなく「THE SECOND~漫才トーナメント~2024」の決勝戦(取材当日は決勝直前)ですね。
山本:昨年に始まると聞いたときは単純にしんどかったなぁ。
関:マジで余計なことをしてくれたなと(笑)。やっとM‒1という戦場から帰ってきたのにまた行くのと。
山本:単独ライブも久しくしてないし、ネタは古いものになるなとギリギリまで迷ったんです。でも、タイムマシーン3号という芸人を考えたときに出場しない理由がなかった。それでも、予選から「16」に残ることで意外にやれるなという実感もあって。ただ、金属バットに負けたとき、僕らのような状況はちょっとダメなんだろうとは感じました。
関:金属バットはしっかり“現役”だし、M-1ラストが終わった16年目だし。それで決勝の日は後輩たちと先輩のマシンガンズさんの応援で盛り上がりました。
── 今年の「THE SECOND(ザ・セカンド)」はファイナル進出を決めました。
山本:ありがとうございます。ただ、問題なのは僕らの応援を後輩がしてくれるのかと。
関:それはしてくれるみたい。ただ、去年と同じ場所で応援するらしく、その予約を俺に頼んできたけど。
山本:まあお前の知り合いのバーだもんね。
── 昨年から1年。気合十分ですか?
山本:負けたから1年漫才に向き合うとかは一切してきませんでした。
関:そもそも、僕は1回目の大会で勝っても負けても終わりだと思ってたので、最初は出ないという話もあったくらい。
山本:ただ、まだ面白いネタがあるし、前回の大会で「意外にやれる」という実感もあったので。僕が関を口説いて出てみようと。
関:結果ファイナルまで残れて、周囲も応援してくれて。
山本:有吉(弘行)さんに「決勝くらいで報告してくるな」と言われましたけど(苦笑)。
関: 有吉さんらしいよね。あと不安なのが、大会の前日に『お笑い向上委員会』の3本撮りが入ってます……。
山本:忙しすぎて、大会にそこまで向き合えないのがねぇ。
関:でも、売れない芸人さんが大会で活躍して食えるようになるというのはすごくいいことだと思っています。そういう意味で、大会を盛り上げるために頑張りたいですね。
今後の目標と夢
── これからの目標や夢はありますか?
山本:これが、コンビとして将来の夢や目標を相談したことは1回もないんです。
関:僕らは「今ウケればいい」というスタンスですから。いっぱい夢破れてきましたから、目標を立てるとしんどいじゃないですか。
山本:昔は「夢も持たないなんて」と怒られたこともあります。
関:当時はうるせぇなと思ってました(笑)。売れてない先輩によく言われたけど、全く説得力がないですから。今も昔も、僕らは目の前の仕事を一歩一歩こなしていくだけです。
山本:カッコよく言ってるけど、圧倒的なさぼり癖だから。でも、それを積み重ねて家電批評の「ブレイク大賞」も獲れたわけですから、今後も変わらずにこのスタンスを続けていきます!
タイムマシーン3号 プロフィール
関太(せきふとし)
(写真左)
1979年8月5日生まれ。群馬県吾妻郡六合村出身。趣味は漫画、特技はダーツ。コンビ名の「3号」は当時の関さんが一食に食べるご飯の量が3合だったから。
山本浩司(やまもとこうじ)
(写真右)
1979年6月22日生まれ。新潟県出身。趣味はゴルフ、観葉植物。特技はサッカー、けん玉。料理も好きで自身のYouTubeや料理アプリのクッキング企画でも活躍。