倍率だけじゃ満足できない使いやすさと視野も大切
双眼鏡といえば、倍率が高いものを選びたくなりますが、それだけが正しい選び方とは限りません。倍率が高くなると手ブレを起こしやすく、視野の広さや明るさとのトレードオフとなります。
そこで今回は初心者が最初の1台として気軽に買える価格で、倍率7倍~10倍の製品をメインにセレクト。Amazonでレビュー数の多い人気の6製品です。そして、それぞれの「使いやすさ」「倍率機能」「視野の広さ」をテストして検証しました。
TEST1 使いやすさ
持ち運びしやすいサイズか、見口(接眼部分)の高さ調節ができるか、持っても滑らないかなどの使いやすさをチェックしました。
TEST2 倍率機能
文字通り双眼鏡の倍率についての評価。高倍率の方が高評価ですが、表記スペック通りの見え方を実感できるかどうかも評価しました。
TEST3 視野の広さ
双眼鏡をのぞき込んだときの視野の広さについてチェック。視野の広さは、レンズの大きさや倍率によって違いが出ます。
これら3つのテスト結果からS、A、B、Cの4段階で総合的に格付けしました。
S評価となった初心者“必携”の双眼鏡がこちらです!
【S評価】超軽量でピント調節不要ケンコーの双眼鏡が5つ星!
ケンコー
New SG 7×18 DH FF WP
実勢価格:3072円
倍率:7倍
対物レンズ有効径:18mm
サイズ:高さ80×幅110(眼幅最大時)×厚さ31mm
重量:141g
[テスト結果はこちら]
常時持ち歩いても邪魔にならないほど軽量でコンパクトなサイズ。さらに、フリーフォーカスなので初心者やピント調節が面倒な人にピッタリな1台です。
双眼鏡にこだわりのある方にとってフリーフォーカスは物足りないかもしれませんが、視野の広さはコンサートなどを観る用途としては十分。この価格帯としては満足度の高いスグレモノと言えます。
フリーフォーカスでピント調節不要なため、初心者でも簡単に扱えます。遠くの物もしっかり拡大され、視野の広さも十分にあって満足!
141グラムという軽量さで、折りたたむと手のひらに収まるほどのコンパクトサイズ。女性の手にも収まります。
防水機能付きなので内部に水が入りにくい。アウトドアでの使用も安心です。雨に降られても大丈夫!
初心者を煩わせるピント合わせが不要で視界もクッキリ。おまけに軽量。初心者必携の1台です。
【A評価】あらゆる用途で使える万能タイプのペンタックス
ペンタックス
双眼鏡 タンクローR
実勢価格:3980円
倍率:8倍
対物レンズ有効径:21mm
サイズ:高さ83×幅110×厚さ48mm
重量:210g
[テスト結果はこちら]
視界がクリアでピントも合わせやすくコンサートやスポーツ観戦などで幅広く活用できます。握りやすい&見口の高さ調節もワンタッチで高評価。あらゆる用途で使える万能タイプの双眼鏡です。
外装がラバーコートなので滑りにくく衝撃にも強い! 上部の曲面も手になじみやすく、握りやすいんです。
見口のゴムはポップアップ式。上下に動かして調節するので裸眼と眼鏡の両方で使いやすい作りです。
【A評価】大きめピントリングが大活躍とにかく軽いオリンパス
オリンパス
双眼鏡 8X21 DPC I
実勢価格:3641円
倍率:8倍
対物レンズ有効径:21mm
サイズ:高さ82×幅107×厚さ41mm
重量:170g
[テスト結果はこちら]
軽量で持ちやすくレンズの性能も問題なし。見口のゴムは折り曲げて調節ができ、中央のピントリングは大きめで動かしやすいんです。とにかく軽くてコンパクト!
中央のピントリングが大きめ! しかも動きも滑らかなので、ピント調節が簡単にできます。
見口はゴムを折り曲げて調整。カンタンに折れ曲がりますが、やや手間がかかり微調節が難しいかも。
【B評価】動き回る対象を見るならSGODDEがおすすめ
SGODDE
双眼鏡 10×50
実勢価格:2899円
倍率:10倍
対物レンズ有効径:50mm
サイズ:高さ175×幅190×厚さ70mm
重量:790g
[テスト結果はこちら]
この価格帯の機種では圧倒的に視野が広いので広範囲が楽々見えます。それは対物レンズが大きいから。でも、そのぶん携帯性は著しく劣ります。
ズッシリと大きくて重い本格派です。
じっくりと腰を据えての使用にピッタリですが、子どもの運動会や野鳥観察など、動き回る対象を追いかけて見る場面にも適しています。
三脚が使えるようにブラケットも付いています。中央のグレーの部分が三脚の取付部分です。
【B評価】おしゃれ感も求めるならボディがキレイなニコン
ニコン
双眼鏡アキュロンT01 8×21
実勢価格:3700円
倍率:8倍
対物レンズ有効径:21mm
サイズ:高さ87×幅104×厚さ34mm
重量:195g
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ボディの鮮やかな色とツヤ加工、見口が回転式なのも含めデザイン面に優れていますが、機能は平均的です。
見口が回転式で微調節が可能です。
でも、見口のすぐ下にある視度調節リングにも指がかかって一緒に回ってしまうこともあるのが気になりました。
C評価: 【C評価】高倍率に期待したけど…
やや期待はずれだったKikako
Kikako
双眼鏡
実勢価格:2000円
倍率:22倍
対物レンズ有効径:32mm
サイズ:高さ134×幅117×厚さ39mm
重量:381g
[テスト結果はこちら]
視野が狭く歪曲も見られました。倍率も他製品の2倍以上には思えず、記載の数値ほど高倍率を感じませんでした。
初心者が双眼鏡を選ぶ場合、5つ星のケンコー「New SG7×18DH FF WP」のようにピント調節が不要で簡単に使えるものが最適です。
とはいえ、A評価とB評価の製品も基本性能に問題のない及第点以上の評価。握り心地や見口の調節方法の好み次第ではA評価やB評価の製品も十分選択肢になるはずです。あなた好みの双眼鏡をぜひ見つけてみてください!