そもそもUSB DACアンプって何に使うもの?
USB DACはデジタル信号をアナログに変換してくれるのに対し、アンプは音楽信号を増幅させるのに用いられるオーディオアイテムです。それら2つの機能を併せ持ち、音質の向上を図れるのが「USB DACアンプ」です。
今回検証するCREATIVEの「Sound Blaster X5」は、最上位モデルでありながら、初心者でも使い方がわかりやすく、手に届く価格帯として評判です。また、X5はフルバランス設計で信号伝送時に乗ったノイズを打ち消してくれる優れもの。音にこだわりたいけど何から手をつけたらいいかわからない、という人に向いているようです。
CREATIVEの最上位モデル「Sound Blaster X5」の実力は?
- クリエイティブSound Blaster X5
- 検証時価格: ¥39,800〜
昨年末に登場したCREATIVE「Sound Blaster X5」は、シリーズ初のデュアルDAC&デュアルXAMPヘッドホンバイアンプによるフルバランス設計で、オーディオファイルグレードヘッドホンでの高音質ハイレゾ再生が可能なUSB DACアンプの最上位モデルです。
130dB DNRの高ダイナミック レンジとTHD+N 0.00018%という低さの全高調波歪率のCirrus Logic CS43198 DACを採用、最大32bit/384kHz PCMハイレゾオーディオやDSD256ロスレスオーディオ再生を提供します。
受賞歴を誇るフルディスクリートXAMPヘッドホンバイアンプも2つ搭載しており、AB級動作で増幅からアウトプットまでの全体に渡って左右チャンネルと各チャンネルの±信号を完全にセパレートしたフルバランス設計を採用。バランスヘッドホンでゲームや音楽を楽しむことができます。
CREATIVEの高度なオーディオエンジニアリングとデザイン技術によって、DACとXAMPをデュアルで構成し、回路内干渉やノイズ、クロストークを効果的に排除してくれるそうです。
今回はオーディオライター・ゴン川野さん、東京音研放送サービス代表の原田裕弘さん、AV機器ジャーナリストの小寺信良さんという3名の音のプロとあわせて、オーディオ関連機器を多数比較検証してきた家電批評編集部で、本製品の実力をチェックしました。
テスト1:使い勝手はいいの?
結果:設定が簡単で使い勝手はかなりいい!
ノートPCをデスクトップで使用する場合、オーディオまわりを強化するならUSBを使うしかありませんが、USB DACに拡張ボックス的な役割を強く持たせたのが「Sound Blaster X5」のポジションになります。
USB DACとしては、PCで再生するハイレゾオーディオを高品位にアナログ変換してパワーアンプやアクティブスピーカーに出力する、あるいはヘッドホンで聴く場合のターミナルとなるものです。
USB Type-Cなど接続方法も多彩。光入力も備えることで、テレビ音声やNetflixなどのサブスクサービスをヘッドホンで、あるいは手元のスピーカーで聴くという用途にも使えます。
Bluetooth接続もあり、スマートフォンから音楽ストリーミングサービスの楽曲を再生することもできます。また、マイク入力も備えており、リモート会議の際にラベリアマイク(ピンマイク) などのセッティングもスムーズなため、音楽視聴以外に録音や仕事用途にもフル活用できます。
さらに、他の「Sound Blaster」シリーズと同様、専用アプリのイコライザーで音の調整も可能です。
ノートPCに対してごちゃごちゃ配線すると、ノートPCを持って出かける時に沢山のケーブルを外し、またデスクで使う際には全部を間違いなく接続しなければなりません。しかし「Sound Blaster X5」に全部つないでおけば、パソコンとはUSBケーブル1本で接続すればオーディオまわりは完了で、「Sound Blaster X5」の電源接続も不要です。
すべてのコントロールが前面にあるので、モニター台の下に設置するなどすれば、デスクの上にもすっきり置けます。
ノートPCをメインに使っており、そのPCを外にも持ち出す人、ノートPCでもちゃんとしたオーディオで聴きたいという人には、使い勝手のいい機器であると評価できました!
リモートワーク中心で仕事をしている人や、動画配信をしている人に特におすすめです。
テスト2:ゲーム・映画・音楽の音質はいいの?
続いて、音質評価のプロである原田裕弘さんとゴン川野さんが、ノートPCとスピーカーを直接つなげた時の音と、ノートPCから「Sound Blaster X5」経由でスピーカーで鳴らした音を聴き比べました。
検証では、専用アプリで選択できるプリセットの3つのサウンドモード「gaming」「movie」「music」で聴いた時の音を評価しました。
結果:音は向上! ただし、どのモードも、高音がやや伸び悩みました
ゲーム、音楽、映画、どのモードも全体的に音質は向上しました。
ただし高音の伸びに関してはプロの評価があと一歩。特に映画と音楽モードは、プリセットの音の設定が極端でした。
PCとスピーカーを直接つなぐより、「Sound Blaster X5」を経由した方が音色が若干良くなりました。
「普段からスペックの高いヘッドホンで音楽を聴いている人にとっては音質は物足りないかも」との評価も。ですが、専用アプリのイコライザーで音色や音のバランスを好みに近づけることができるので、改善の余地はあります。
「ゲーミング用のヘッドセットで音楽も聴きたい」という人には向いているでしょう。
CREATIVE「Sound Blaster X5」のテスト結果まとめ
CREATIVE「Sound Blaster X5 SB-X-5」
- クリエイティブSound Blaster X5
- 検証時価格: ¥39,800〜
- 使い勝手
- 音質(ゲーム)
- 音質(映画)
- 音質(音楽)
CREATIVE「Sound Blaster X5」は、接続方法が豊富で、光入力、マイク入力などにも対応しており、娯楽から仕事まで多用途に活躍してくれます。音質に関しては自分でカスタマイズが必要なものの、操作性がシンプルで使いやすいため、USB DAC初心者にもおすすめできる1台です!
- おすすめポイント
-
- 入力切り替えが不要
- 接続方法が多彩
- イコライザで調整可能
- PCとつなげば電源接続は不要
- ハイレゾ音源が再生できる
- バランスヘッドホンを利用できる
- がっかりポイント
-
- プリセットの音質がイマイチ
- コーデックはSBCのみ
- 幅
- 216mm
- 奥行
- 170mm
- 高さ
- 72mm
- 重量
- 879g(約)
- 電源
- USBバスパワーまたはUSB電源アダプター(5V1A)
- PCインターフェイス
- USB-C(USB C-Aケーブル付属)
▼テスト結果
総合評価 | 合計 | 使い勝手 | 音質 (ゲーム) |
音質 (映画) |
音質 (音楽) |
A | 19/25点 | 10/10点 | 3.5/5点 | 3/5点 | 2.5/5点 |
CREATIVE「Sound Blaster X5」は、こんな人におすすめ!
- PCなどの音を〝ちょっと〟向上させたい人
- 音質をカスタマイズすることに手間を感じない人
- 自宅で仕事・宅録などの作業が多い人
- PCデスクの上をスッキリさせたい人
- バランスヘッドホンの音質でゲームを戦いたい
以上、CREATIVE「Sound Blaster X5」のレビューでした。使い勝手のいいUSB DACアンプを探している人は、ぜひチェックしてみてくださいね!
Bluetooth接続できるのは便利ですが、本体のコーデックはSBC対応でハイレゾ音源は再生できません。