4G非対応の「ガラケー」が使えなくなる!
いまガラケーを使っている人は、じきに使えなくなるということをご存じでしょうか?
大手携帯キャリアの3Gサービス終了に伴い、4G非対応のフィーチャーフォン(ガラケー)やスマホは使用不能に。そのため、もしご両親などが昔の機種をずっと使っている場合は、注意が必要です。
ただし、終了間際の救済措置で無料 交換機が提供される可能性もあります。
▼サービス終了の日
- au :すでに終了
- ソフトバンク:2024年1月まで
- NTTドコモ :2026年3月まで
「ガラホ」とガラケーとの違いは?
そもそも「ガラホ」とは?
「ガラホ」とは、「Androidベースの4G対応ガラケー」のこと。懐かしい小さな画面は、ガラケーの雰囲気のままです。4G対応ですが、スマホのように自分で好き勝手にアプリを入れるような使い方はできず(裏ワザはありますが)、UIや使用感もほぼガラケーです。
「ガラホ」のメリットは?
ガラホのメリットは、主に次の4つです。
1. 操作と形がガラケーとほぼ同じ
2. スマホより悩まず使える
3. 見守りや安心サービスも搭載
4. 教えるのも難しくない
もしも年をとった親がスマホに拒否反応を示すなら、無理に替える必要はありません。ただし、前述のとおり3Gのサービス終了が迫っているため(auはすでに終了)、昔から機種変更していないガラケーは、4G対応のガラホに変更する必要があります。
そこでおすすめなのが、親も子どもも安心な機能を多数備えたシニア向け4G対応ガラホです。
シニア向け4G対応ガラホのおすすめポイント
ワンタッチで即電話できる
シニア向けガラホには、登録した相手にワンタッチで電話をかけられるボタンがあります。今やスマホに慣れきった多くの人は、つい画面を押したくなるでしょうが、操作はあくまでボタンです。
ブザー付きで安全性も◎
どのシニア向けガラホにも緊急用のブザーが搭載されています。音やボタン配置は機種によって異なりますが、「1:警報を鳴らす 2:登録した人にメールで通知する」という機能は同じです。
「ガラホ」を使うべき人は?
そもそもスマホとガラホの違いは?
それではまず、スマホとガラホの違いを見てみましょう。
なお、次から記載する月額料金は、大手3キャリアを割引なし、ネット最低限、通話定額なしで比較したときの最安値となります。
【スマートフォン】LINEやネット派の親におすすめ
操作方法 :タッチパネル
アプリ :入れられる
電話 :定額 ¥1,870~
月額料金 :高い(月額:¥3,278~)
回線 :5G(最新モデル)
ネットの見やすさ:見やすい
バッテリー :基本、毎日充電
スマホの最大のメリットは、画面が大きくネットを使いやすいこと。高齢者でも、ネットでニュースや趣味のサイトを見たり、SMSやLINEで頻繁に家族とコミュニケーションをとったりしている方なら、スマホのほうが便利だと感じる可能性が高いです。
なお、使い方をレクチャーする側としては、シニア向けスマホなど自分が使ったことのない機種だと苦労することもあります。
祖父は高齢ですが、iPhoneを使いこなしてます。
【ガラホ】電話メインの親におすすめ
操作方法 :物理ボタン
アプリ :入れられない
電話 :定額 ¥1,870円
月額料金 :安い(月額:¥1,408~)
回線 :4G
ネットの見やすさ:見にくい
バッテリー :約1週間と長持ち
普段の使用がほぼ電話で、ネットをあまり使わないなら、スマホよりガラホが向いています。また、健康の不安や物忘れが増えたり、今後認知症になってスマホの使い方がわからなくなったりする可能性も考えると、やはりガラホがおすすめです。
使い慣れたものなので教える苦労はありませんが、スマホより操作は面倒。親に代わって各種設定をする場合には、意外と時間を要すかもしれません。
認知症の母でもガラホならまだ使えます。
ネットを使うかどうかがポイント
現在ガラケーを使っている親から携帯電話の買い替えを相談されたら、まずはネットを使うかどうかで判断しましょう。
もし電話がメインなら、無理にスマホにする必要はありません。使い慣れた形で迷わず使えるのはガラホの大きなメリットです。特に親が高齢になるほど認知症の心配も出てきますが、使い続けてきた形のガラホなら、使える可能性も高いです。
また、「スマホのほうが親の見守りに便利そう」と考える人もいるようですが、それは幻想。キャリアが用意しているGPSの見守り(位置情報共有)サービスはガラホでも使えます。ただし、見守る側の子どもが、親とキャリアをそろえる必要はあります。
ただし注意点もあります
将来的なことを考えたら「あえてガラホ」も大いにアリ。ですが、注意点もあるのでご紹介します。
1:親自身ではなく自分(子ども)名義で契約してもらう
親が高齢だと、近い将来認知症になったり店舗に行けなくなったりで、解約手続きが面倒になることも。それに、キャリアからのお知らせ等で電話を受けた際に、何かの契約をしてしまうおそれもあります。それらを防ぐ目的で、契約は自分名義にするのがベスト。
2:プラン次第では支払いが2カ月にまとめられる
大手3キャリアでは、1カ月の料金が5000円未満だと2カ月分まとめての引き落とし(請求は1カ月単位)に。これを知らないと、通帳だけを見て「こんな高いの!?」と驚いたり、「今月請求されてない……」と不安になったりする場合があるので覚えておきましょう。
それではガラホの特徴と使うべき人をふまえた上で、どのガラホがおすすめなのでしょうか? 大手メーカーの3製品を、使いやすさや機能で比較しました。
大手キャリアの「ガラホ」でおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ガラホのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
【1位】ソフトバンク「かんたん携帯11」
- ソフトバンクかんたん携帯11
- 検証時価格: ¥38,880〜
- ボタンの使いやすさ
- カメラ
- 通話
- あんしん機能
- パケット機能の利用制限
- 見守りサービス
- ブザー機能
- 迷惑電話対策
- バッテリー残量の通知
ソフトバンク「かんたん携帯11」は、ボタンの押しやすさとわかりやすさでベストです。ボタンにアイコンを極力使っていないのもポイント。写真がキレイなので、カメラをよく使う人にもよさそうです。
- おすすめポイント
-
- 見やすく押しやすい四角い大きなボタン
- 使いやすくて明るくきれいに撮れるカメラ
- 安否確認に便利なメール機能あり
- ボタンサイズ(縦)
- 6mm
- ボタンサイズ(横)
- 1.2cm
- 防水・防塵性能
- IPX5/8、IP5X
- あんしん機能
- 詐欺ウォール、 リモートサポート
ボタンの使いやすさ:優秀
このあと紹介するauの機種と同じく、四角い大きなボタンが押しやすいです。数字と平仮名の表示が大きく見やすいのも◎。
カメラ:良好
明るくパッと見は一番キレイ。ピントが合うと四角い枠が出て、音が鳴るのもわかりやすいです。
通話:良好
- スムーズトーク
- くっきりトーク
- スロートーク
- 最大音量は小さめ
ユニークな通話機能を多数搭載。音量は小さめですが、声ははっきりしています。
あんしん機能:良好
- 詐欺ウォール
- リモートサポート
ワンクリック詐欺対策ができる機能や、リモートでのサポートなどを搭載。
パケット機能の利用制限:良好
データ通信を制限する機能あり。制限はアプリごとに指定できるので、通信できないと困るアプリは残せます。
防水・防塵
IPX5/8 IP5X
見守りサービス:優秀
位置情報共有サービス「位置ナビ」に対応するほか、安否確認に便利な「読んだよメール」「元気だよメール」機能あり。
ブザー機能:優秀
地震警報のような、恐怖感を煽られる音。音量も大きいので、周囲に気づいてもらいやすそうです。
迷惑電話対策:合格
事前に「4Gケータイセキュリティパックプラス」か「迷惑電話ブロック」に申し込めばブロック機能が使えます。
バッテリー残量の通知:合格
お知らせ機能はありませんが、バッテリー消費を抑える機能あり。iPhoneのスクリーンタイム的な機能もあります。
【2位】au「かんたんケータイ KYF41」
- auかんたん ケータイ KYF41
- 検証時価格: ¥33,000〜
- ボタンの使いやすさ
- カメラ
- 通話
- あんしん機能
- パケット機能の利用制限
- 見守りサービス
- ブザー機能
- 迷惑電話対策
- バッテリー残量の通知
au「かんたん ケータイ KYF41」は、ソフトバンクにあと一歩及ばず。何かあったときに連絡先を教えてくれる“だけ”のあんしん機能が少し残念ですが、そこ以外は優秀でした。
ブザーの音量も大きいので、よく外出する親に持たせたい一台です。
- おすすめポイント
-
- よく使う受話器ボタンが大きくて押しやすい
- 3製品中でもっとも大きいブザー音
- ボタンサイズ(縦)
- 6mm
- ボタンサイズ(横)
- 1.2cm
- 防水・防塵性能
- IPX5/8、IP5X
- あんしん機能
- 通話録音、あとから録音、被害防止支援
ボタンの使いやすさ:優秀
四角くフラットなボタンは面積も大きく押しやすいです。一番使用頻度の高い受話器ボタンが大きいのも好印象。
カメラ:微妙
このあと紹介するドコモの「らくらくフォン F-01M」と同様、ピントがわかりづらいです。青かぶりはありませんが、立体感のないのっぺりした写真に。
通話:良好
- 聞こえ調整(やわらかく/はっきりと)
- スロートーク
- 最大音量は小さめ
通常の通話音質は良好。こもった感じで聞こえる「やわらかく」の使い所は謎でした。
あんしん機能:微妙
- 通話録音/あとから録音
- 被害防止支援
通話後に録音するかを決められるのはうれしい機能ですが、そのほかが物足りず。
パケット機能の利用制限:良好
データ通信を制限する機能あり。ソフトバンクと同様、アプリごとに制限するアプリを指定できます。
防水・防塵
PX5/8 IP5X
見守りサービス:良好
位置情報共有サービス「安心ナビ」に対応。サブブランドのUQモバイルや格安プランのpovo 2.0などでも利用可能。
ブザー機能:優秀
最初は小さい音ですが、少しずつ音量が上がり、最終的には3製品で一番大きな音に聞こえました。
迷惑電話対策:合格
電話帳に未登録の電話があると、着信時に相手に警告のアナウンスを流してけん制。通話内容も自動で録音します。
バッテリー残量の通知:合格
ソフトバンクと同様、お知らせ機能はなし。代わりにバッテリー消費を抑える機能があります。
【3位】docomo「らくらくホン F-01M」
- docomoらくらくホン F-01M
- 検証時価格: ¥39,600〜
- ボタンの使いやすさ
- カメラ
- 通話
- あんしん機能
- パケット機能の利用制限
- 見守りサービス
- ブザー機能
- 迷惑電話対策
- バッテリー残量の通知
docomo「らくらくホン F-01M」は、ほかの2製品と比べて、ボタンの押しづらさやブザー音の小ささなど気になる点は多かったのです。しかしその一方、通話音量を大きくできたり、バッテリー残量を音で知らせてくれたりと、魅力も多いガラホです。
- おすすめポイント
-
- バッテリーが少なくなると音でお知らせ
- 危険なサイトに接続したときに画面上で警告してくれる
- がっかりポイント
-
- 写真は青みが強くピントも合わせにくい
- ボタンサイズ(縦)
- 6mm
- ボタンサイズ(横)
- 1.1cm
- 防水・防塵性能
- IPX5/8、IP6X
- あんしん機能
- 通話録音、ドコモあんしんスキャン、お薬アラーム
ボタンの使いやすさ:微妙
キーのサイズは他とさほど変わりませんが、四隅が丸く面積が小さいのと、縦のピッチが狭くかなり押しづらいです。
カメラ:難あり
見てのとおり、青かぶりがかなりヒドいです。ピントがどこに合っているかわかりづらいのも難点。
通話:良好
- はっきりボイス
- あわせるボイス
- 最大音量が大きい(8段階調節)
テストした筆者がまだ若いせいか、「はっきりボイス」の効果は感じとれず。音量の大きさは◎です。
あんしん機能:良好
- 通話録音
- ドコモあんしんスキャン
- お薬アラーム
通話録音のほか、危険なサイトに接続したときに画面上で警告する機能あり。
パケット機能の利用制限:良好
データ通信を制限する機能あり。ただしほかの2製品のような、アプリごとに指定できる機能はなし。
防水・防塵
IPX5/8 IP6X
見守りサービス:良好
位置情報共有サービス「イマドコサーチ」に対応。これまでは検索するたび料金が必要でしたが、2月より無料化。
ブザー機能:合格
「ピロピロ……」というやさしい音で、警報としては他の2製品より不満。ボタンが背面で使いづらいのも気になります。
迷惑電話対策:合格
電話帳未登録の電話の自動録音や、着信音の無音化、着信拒否などの設定が可能。着信時間を表示する機能も。
バッテリー残量の通知:良好
スマホのような画面通知は出ませんが、バッテリー残量が減ると音でお知らせしてくれるのが親切です。
以上、シニアにおすすめなガラホを探して、大手キャリアのガラホ3製品の比較検証でした。
検証の結果、機能に大きな差はありません。どれも位置情報共有サービスがあるので、見守りすることを考慮してこのサービスを利用するなら、親子で同じキャリアを選ぶのがおすすめです。
LINEやネットはあまり使わないし、電話メインで使うからスマートフォンはちょっと……というご両親には、ぜひ本記事を参考にして、シニア向けガラホをすすめてみてくださいね。
スマホアクセサリの売れ筋ランキングもチェック!
スマホアクセサリのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
昨年サービスを終了したauは、無料交換機がありました。