不器用さんでも楽しめる編み物がじわじわ人気
おうち時間の増加で、趣味に打ち込む人が増えています。そんな趣味の中でもいまちょっとしたブームが到来しているのが、編み物。
ブームの理由には、編み物は不器用さんでも始めるのが簡単で役立つものもできて楽しいこと、100均・300均などでも気軽に道具がそろうこと、動画サイトで編み物のコンテンツが充実していることなどが挙げられます。
そこでテストする女性誌『LDK』が、編み物のいまを大調査! かぎ針編みで3つの編み方をマスターすればできる、シュシュやアクリルたわし、スヌードなど簡単な編み物を紹介します。
今回は、かぎ針の編み方の基本その3「長編み」です。
1本の編み針で編めて簡単な「かぎ針編み」の基本
編み物を始めるにあたって、押さえておきたいのが編み物の基本です。2本の棒に糸をかけて編む棒針編みはセーターなどの大物向き。一方、1本のかぎ針で糸を引っかけて編むかぎ針編みはコースターなどの小物づくりに向いています。
針先にかぎが付いた針1本で編むかぎ針編みは、少ない道具で簡単に始めることができ、針に糸をかける回数によって編み方が変わり、編地は固く厚みができます。
1:かぎ針編みに必要なのは「かぎ針」と「毛糸」
かぎ針編みに必要なかぎ針と毛糸は、レシピに書いてあるものをそのまま使うといいです。
イメージどおりに編むには材料を自己流で選ばないこと。レシピには毛糸のメーカー、色、針の太さなどが記載されているので、それを使うようにしましょう。
かぎ針と毛糸の目安
毛糸の太さにより最適な針のサイズが違うため、間違った組み合わせになると完成品の大きさが変わってしまいます。初心者は自分でアレンジはせず、レシピに記載の毛糸や針を使いましょう。
かぎ針と毛糸の組み合わせで大きさが変わる
上の写真は同じ毛糸を違う針で編んだモチーフ。同じ毛糸なのに針の大きさが違うと、仕上がりサイズも変わってしまうことがわかります。
かぎ針はメーカー品が使いやすいけど100均の物でも編める
クロバー
かぎ針 アミュレ 8/0号
実勢価格:715円
クロバー「かぎ針 アミュレ 8/0号」は、針が抜きやすくてスイスイ編めます。
ツクリエ
かぎ針 No.7/No.8
実勢価格:110円
ツクリエ「かぎ針 No.7/No.8」は、1本に2つのかぎがついています。
ダイソー
かぎ針 7/0号
実勢価格:110円
ダイソー「かぎ針 7/0号」は、パッと見はメーカー品と変わりません。
2:毛糸の選び方
毛糸についているラベルには、あらゆる情報が記載されています。毛糸を選ぶときにはラベルをチェックします。
気になるレシピで編みたいなら、ラベルの5つのポイントを確認しましょう。
基本:レシピ指定の毛糸を買うとき
1つ目のチェックポイントは毛糸の名称(ブランド名)が記載された糸の名称、2つ目は毛糸の重量と長さが記載された重量と長さ。同じ重さでも糸長が長いほうが、細い毛糸ということになります。
3つ目は色番号とロット。ロットとは毛糸を染めたときの釜の番号。ロットが違うと染めの状態が変わるため、微妙に色が異なります。ひとつの作品は同じロットの毛糸を買いましょう。
応用:指定外の毛糸で作るとき
4つ目は品質。「アクリル100%」など糸の素材が記載されています。5つ目は使用針。適した針の号数が記載されています。レシピに記載されている「使用針」とこちらに記載されている使用針が同じだと毛糸の太さもレシピに近いといえます。
3:「マーカー」と「とじ針」があると便利
クロバー
とじ針セット Petit(プチ)
実勢価格:660円
クロバー
段数マーカー
実勢価格:605円
ダイソー
目印リング フックタイプ
実勢価格:110円
毛糸とかぎ針以外に、目数や段数の目印となるマーカー(リング)や、糸の始末に使うとじ針もそろえましょう。
4:初心者は明るい糸を選ぶことがポイント
最初は編み目が見やすい明るい色の毛糸を使うといいでしょう。慣れないうちは、目数・段数、針を入れる場所が見やすいため、明るい色の毛糸のほうが編みやすいです。
編み物の始め方
それでは、実際に編み物の始め方をご紹介します。まずは、毛糸を中から引き出し、すり抜けないようしっかり指にかけます。
毛糸の引き出し方
1:毛糸玉の上から糸端を見つける
毛糸玉の上を軽く押しつぶすと、中に詰まっている糸端が見つけやすくなります。
2:毛糸玉の中から糸を引き出す
中から糸端を見つけたら、糸を引き出します。かたまりで出てくる場合もあります。
持ち方
1:糸がすべらないよう各指に絡ませる
糸端を10cmぐらい残し小指から各指の手のひら側と甲側に交互に糸を絡ませます。
2:人差し指を立てて糸を張る
人差し指まで糸がきたら手のひら側に引き、親指と中指でつまんで持ちます。
3:針を糸に当てて編み始める
右手で針を鉛筆持ちし、つまんだ糸の向こう側から針を当てて編み始めていきます。
▼基本の「鎖編み」「細編み」はこちら
編み方の基本3「長編み」をマスターしよう
ここからは、編み方の基本中の基本ともいえる「長編み」の編み方を解説します。
使用アイテムはこちら
クローバー
かぎ針 アミュレ6/0号
実勢価格:715円
ハマナカ
リッチモア
パーセント col.109
実勢価格:616円
「長編み」の編み方
必要な目数だけ鎖を編み、作り目とします。こちらも細編みと同様に2号ぐらい太い針で緩めに編むのもオススメです。
作り目の鎖に加えて「立ち上がり」の鎖も3目編み、針を回転させて針先に糸を引っかけます。
立ち上がりの鎖3目は長編み1目と同じと考えます。
作り目の端から2目め(立ち上がりの鎖から数えて5目め)、イラストの濃い赤い部分2本(鎖の半目と裏山)に針を入れます。
目数をちゃんと数えましょう!
針の背で糸を押すようにして針先をくるりと回転させて、ループ2本(鎖の半目と裏山の2本)から糸を引き出します。
糸を引き出しているところ。イラストのように濃い赤い部分(鎖の半目と裏山のループ)にくぐらせて糸を引き出します。
針先に糸をかけて、針にかかっているループのうち2本にくぐらせて糸を引き出します。全部のループにはくぐらせません。
さらに針を回転させ針先に糸をかけて、針に残った2本のループに一度にくぐらせて糸を引き出します。
ループに糸をくぐらせて引き出しているところ。引き出すと長編み1目が編めたことになります。
立ち上がりの鎖編み3目も目数に数えるので、これで2目編めたことになります。以降2〜8を繰り返して編み進めます。
1段めが編み終わりました。次の段の立ち上がりの鎖3目を編んだら、針は刺したまま編地の右側を奥へ押しながら裏返します。
裏返して編地を持ち替えたら、2段めは編地の裏側を見ながら編みます。針先を回転させて糸をかけます。
糸をかけた針を前段の端から2目め(長編みの頭。イラストでは濃い赤い色の目)に針を入れます。以降2〜8を繰り返します。
端から1目めを拾わないようにしましょう!
編み終わりは失敗しがちなポイント!
ここでは、失敗しがちなポイントをご紹介します。端が真っすぐにならないのは編み終わりに問題アリ。長編みや細編みは編み終わりで拾う目を間違いやすいため、編み目の増減が起こって端がガタついてしまいます。
失敗しがちポイント1:細編み2段目の終わり
前段の頭の糸2本を拾います。その下にある前段の立ち上がりの目まで拾わないよう注意! 拾うと目が増えてしまいます。
失敗しがちポイント2:長編み2段目の終わり
細編みとは違い立ち上がりの目を拾います。前段の立ち上がりの鎖の3目めの裏山と鎖半目を拾います。
※ご紹介した編み方は、すべて右手で編むことを推奨・紹介しています。
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以上、編み物の基本その3、長編みの紹介でした。
長編みは高さが出るから編みがはかどって、ふんわり仕上がります。目数をちゃんと数える、端から1目を拾わないようにするなど、注意すべき点は多々ありますが、確実にマスターできると腕が上がります。
指定と同じ毛糸がなくても同じ太さを選べばOK!