しっかり使いこなせる!iPad&iPhoneの最新活用術
最新iPad Proが登場し、買うかどうか悩んでいる人は多いのでは? ただ、iPadを買ってもネットサーフィンするだけで「もちぐされている」人もたくさん。さらには、iPhoneでさえ使いこなせていないという人も……。
そこで、iPad・iPhoneの「最新活用術」を大公開! 自分にベストな選び方をはじめ、上手く使いこなせる方法やアプリ、アクセサリなどを紹介します。
今回は、最新Apple Musicで始まった「ロスレス配信」について解説します。サウンドプロデューサーの大澤大輔さんにご協力いただきました。
トレンドの遅れを挽回!進化した「Apple Music」
Apple
Apple Music
基本月額:980円(学生は480円)
iPhoneユーザーにお馴染みのApple Music。実は音楽サブスクではアマゾンミュージックを筆頭に「高音質化」や「立体音響」など新しいトレンドが広まっていましたが、Appleは遅れをとっていました。
しかし、今回、一気にキャッチアップ。Apple Musicも「空間オーディオ」としてこのトレンドに対応しました。
さらに、従来の圧縮された音よりも高音質なサウンドを楽しめるロスレス配信も始まっています。
Apple Musicで始まった「ロスレス配信」って?
これまで音楽配信では通信回線への負担を抑えるために圧縮(ロッシー)した音声データを使用していました。CDに比べると大幅にデータ量が少ないため、音楽愛好家を中心に音質面で不満をもつユーザーがいたのも事実です。
そこで始まったのが、アマゾンミュージックHDに代表される圧縮前のデータに音声を復元できる「可逆圧縮」に対応する音楽配信です。
そのトレンドにApple Musicも対応。CDやDVDオーディオ相当の「ロスレス」や、さらにデータ量の多い「ハイレゾロスレス」の名称で可逆圧縮による配信が始まりました。
ロスレスを高音質で楽しむには有線接続が必要
ロスレスやハイレゾを聴くには有線接続のイヤホン・ヘッドホンが必要です。また、iPhoneはイヤホン端子を廃止した機種が多いので、有線イヤホンを使うには外部DACも必要になります。
しかし、Apple製品はハイレゾには非対応。また断線しやすいとのクチコミも目立ちます。音質にこだわるならオーディオメーカーのDACを導入しましょう(ハイレゾの是非とは別にDAC内部のチップやDACの構造は音質に影響を与えます)。
試しに、価格帯の違う外部DACを聴き比べたので参考にしてみてください。
1:Lotoo「PAW S1」
Lotoo
PAW S1
実勢価格:2万9700円~
▼テスト結果
音質 :◎
機能性:○
Lotoo「PAW S1」は、ディスプレイ搭載など高機能。アップデートした感覚を味わえると、音質面も識者から好評でした。
2:HIDIZS「S8」
HIDIZS
S8
実勢価格:9900円~
▼テスト結果
音質 :○
機能性:△
ハイレゾ対応のHIDIZS「S8」。試聴では、ヴォーカルものには適していましたが全体的に音が派手すぎるという結果になりました。
3:Apple「Lightning-3.5mm」
Apple
Lightning-3.5mm
ヘッドフォンジャックアダプタ
実勢価格:1100円~
▼テスト結果
音質 :○
機能性:△
Apple「Lightning-3.5mm ヘッドフォンジャックアダプタ」は、断線するとの声多数です。でも「価格に比べてこんなにまともな音だなんて」と識者が驚くほどでした。
なお、ここに取り上げたHIDIZSやLotooのDACはUSB-Cケーブルも同梱しているのでiPad ProやPCでも使えます。
ロスレス配信には2種類ある
Apple Musicのロスレス配信はロスレスとロスレスよりデータが大きなハイレゾロスレスの2種類。対応楽曲は再生画面やアルバムの画面にマークが表示されます。
圧縮された従来の配信では一曲(3分として)あたり6MB程度ですが、ロスレスで36MB、ハイレゾでは145MBにもなります。
ただし、データの仕様と音楽制作のクオリティは必ずしも一致しません。ハイクオリティな「ハイレゾロスレス」もあれば、クオリティは高くない「ハイレゾロスレス」もあります。
ロスレスとハイレゾの差はほぼわからない
本音の家電ガイド『家電批評』でイヤホンを検証してきたサウンドプロデューサーの大澤さんによると、「16ビット(CD音質)より24ビット(DVDオーディオ)のほうが音の立体感や情報量が優れている。しかし、ロスレス(48kHz)とハイレゾ(96kHzや192kHz)の違いを聞き分けることはプロでも難しい」とのこと。
また、Apple自身は「AAC(従来の圧縮音源)とロスレスオーディオの違いは実際には区別がつきにくい」としています。つまり、違いを感じられなくても耳が悪いと悩む必要はありません。違いを感じたらラッキーくらいに考えておきましょう。
商用音楽の制作過程で高いサンプルレートを散々採用しましたが、最終作品で同じ規格同士を聴き比べた場合、そこに聴き分けられる差がほとんどありませんでした。
※〇〇ビット……16ビットと24ビットでは音の大小を256倍きめ細かく表現できます。人間の耳は小さな音は遠く、大きな音は近くに感じるのでビット深度が増えると立体感が向上します。
※〇〇kHz……サンプリング周波数のこと。アナログの波形をデジタルデータに記録する処理を行う1秒あたりの頻度を示します。数字が大きいほど高精度そうですが、聴覚の範囲では44.1kHzでも96kHzでも同じ波形を理論上再現できます。
データ量が大きいので設定に注意!
ハイレゾは3分間の楽曲で最大145MBにもなるので、モバイル通信でのストリーミングは要注意! 逆に言えば5Gの容量無制限プランが本領を発揮できる使い方とも言えますね。
【まとめ】Apple Musicの配信は3種類に
以上、ロスレス配信についての紹介でした。
今回のアップデートで、Apple Musicはステレオのロッシー(圧縮)配信、ステレオのロスレス(ハイレゾ)、Dolby Atmossの空間オーディオの3つのフォーマットで配信されるようになりました。
空間オーディオとハイレゾの両方に対応するアルバムもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
進化したApple Musicを活用して、iPhoneでもっと音楽を満喫していきましょう!
▼iPhoneで音楽を楽しみたい方は、前編のこちらもご覧ください
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