電気自動車、現行車種10モデルを試乗しました
ここ数年で急速に進化をしているEV(電気自動車)。興味はあるけど「実際に乗ってみたらどうなんだろう?」と思っている方も多いかもしれません。
そこで今回は、未来のクルマの現実を探るため、現在購入できるEVの中でも人気モデルを10台集めて電気だけで2000km実走。プロと編集部が本音でレビューします!
今回は「ファーストカー」タイプの中から、テスラ「Model 3」をレビュー。「インテリア」「コネクテッド」「先進装備」をチェックしていきます。
▼テスラ「Model 3」の前編記事はこちら。
EV界の黒船! 常に進化を続けるハイテクマシン! テスラ「Model 3」
テスラ
Model 3
実勢価格:389万円~
サイズ・重量:全長4694×全幅1849×全高1443mm・1844kg
駆動方式:4WD
電動機:-
定格出力:-
最高出力:-
最大トルク:-
バッテリー容量:-
走行可能距離(WLTPモード):567km
タイヤサイズ:235/35ZR20
タイヤサイズ:前205/45R17、後225/45R17
▼評価
一充電走行距離:448km~
電費:4km/kWh(一般道)8.26km/kWh(高速)
バッテリー:〇
走り:〇
取り回し:〇
コネクテッド:◎
先進技術:◎
総合評価:A+
テスラ「Model 3」は世界的に有名なイーロン・マスクがCEOを務めるテスラが、2016年に発表したセダンタイプのEVがモデル3です。
それまで販売してきた車種よりもボディをコンパクトにすることで取り回し性能を向上させています。特にアメリカなどに比べ、道路が狭く複雑な日本においてはモデル3のボディサイズは有効といえます。
大幅値下げで魅力が倍増!
日本仕様の生産を上海工場に移管したことにより、車両価格を大幅に値下げしました。
2021年2月に「スタンダートレンジ プラス」は82万円、「ロングレンジ」に至っては何と150万2000円価格を下げました。これにより国産のEVと勝負できるレベルになってきたといえます。購入しやすくなったことは大きなニュース!その中でオススメは「ロングレンジ」。パワーも航続距離もテスラを味わえる好バランスのグレードです。
インテリア:まさに「ザ・シンプル」のデザイン
ドアを開けて目に飛び込んでくるのがインパネ中央に“鎮座”する15インチのタッチスクリーンです。まさに「ザ・シンプル」といえるデザイン。
基本ハザードスイッチ以外はハードキーはなく、ヘッドライトからエアコン、オーディオ&ナビなどの機能を全てタッチ操作で行うことができます。
タッチスクリーンでほとんどの操作をこなすため、あるはずのメーター類が存在しません。シフトなどが備わるステアリングとモニターしかない、驚くほどシンプルなインテリアです。
ステアリングにはローラー式スイッチが!
12の電動調整機構を持つフロントシートは全グレードでレザー仕様、大型でゆったりとくつろぐことができます。ガラスルーフで室内は明るく開放的!
コネクテッド1:タッチパネルにほぼ全ての機能を集約
カーナビ機能は元々Googleマップをベースに開発しているので、地図の自動更新やリアルタイムの交通情報の取得など多機能です。ナビ機能も大画面で使えます。各機能の階層自体はそれほど深くはありませんが、あまりにも多機能すぎてユーザーが覚えることが多いことが悩みといえます。
通信で最新のソフトウエアにアップデート。これがテスラ最大の魅力といえます。
LTE回線は搭載済み、月額990円のプランならばストリーミングも使い放題です。
コネクテッド2:スマホで行える基本的なコネクテッドはほぼ網羅
ホテルなどでバレーサービスにクルマを預ける際に機能を制限する「バレーモード」などもあります。またエンジンOFF/ONやキーロック操作というセキュリティに関する遠隔操もできます。前後のトランクも開けられます。
一年中乗る前から室内は快適状態に! エアコンだけでなく、冬場などではシートヒーターや霜取りなどもスマホ側から遠隔操作できます。
先進装備:常に最新の先進技術をアップデート
日本ではまだβ版ですが、クルマをスマホ側で遠隔操作しガレージから出庫し駐車できる「サモン(summon)」にも対応しています。
「オートパイロット」機能は手放しがまだできないレベル2です。ただハードウエアは将来を見据えた仕様なので、今後のアップデートに期待できます。
まとめ:今回の大幅値下げで購入が現実的!
試乗した「パフォーマンス」は0-100㎞/hまでの加速時間はわずか3.4秒(いわゆるスポーツカーで6秒台くらい)。アクセルを調子に乗って深く(強く)踏み込むと、そこは未体験ゾーンともいえる世界。ただし、曲がる止まるといった性能も抜群という訳ではないので、ドライバーにもある意味の自制心が求められます。
また、EVが持つ高い静粛性やタッチスクリーンに代表される先進性はなかなか他社は真似ができないものです。単なる高級車に乗るのは飽きた、人とは違うモビリティ体験をしたいと思っている人にはモデル3はピッタリの1台といえるでしょう。
以上、テスラ「Model 3」のご紹介でした。他のモデルも解説していくのでぜひチェックしてみてくださいね!
『家電批評』2021年5月号
晋遊舎
『家電批評』
2021年5月号
「家電批評」2021年5月号の特集「電気自動車10大メーカー グランプリ2021」では、現行車種10モデルの本音レビューを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。