電気自動車、現行車種10モデルを試乗しました
ここ数年で急速に進化をしているEV(電気自動車)。興味はあるけど「実際に乗ってみたらどうなんだろう?」と思っている方も多いかもしれません。
そこで今回は、未来のクルマの現実を探るため、現在購入できるEVの中でも人気モデルを10台実走し、その内容をプロと編集部が本音でレビューしました!
今回は「ファーストカー」タイプの中から、日産「LEAF」をレビュー。「インテリア」「コネクテッド」「先進装備」をチェックしていきます。
▼日産「LEAF」についての前編記事「走り」「取り回し」「バッテリー」についてはこちら。
ガソリン車に一番近い感覚で乗れる 日産「LEAF」
日産
LEAF
(e +G)
実勢価格:290万6400円~
サイズ・重量:全長4480×全幅1790×全高1565mm・1680kg
駆動方式:FF
電動機:交流同期電動機
定格出力:85kw
最高出力:218ps/4600-5800rpm
最大トルク:340Nm/500-4000rpm
バッテリー容量:62kWh
走行可能距離(WLTCモード):458km
交流電力量消費率:161Wh/km
タイヤサイズ:215/50R17
▼評価
一充電走行距離:322km~
電費:6.4km/kWh(一般道)8km/kWh(高速)
バッテリー:◎
走り:○
取り回し:○
コネクテッド:◎
先進技術:◎
総合評価:B
2010年12月に日本で発売された初代に続き、2017年10月に2代目としてフルモデルチェンジを行ったのが現行型の「リーフ」です。
多彩なグレード構成で選ぶ楽しさも魅力
グレード数が非常に多く、迷ってしまうところですが、今回試乗した「e+(プラス)」は62kWhの大容量バッテリーを搭載することで航続距離の延長や走りの面でもメリットがあります。
もちろん価格は同グレード比で80万円以上上がってしまいますが、これ1台で近所への買い物から週末のドライブまですべてを実現したいのならばベストな選択肢だと思います。
基本的な先進安全装備は充実
充電料金に関しては現在「ZESP3」という充電サービスがあり、その中にある4つのプランの中から自分の利用ペースにあったものを選択できます。
基本的な先進安全装備は充実しており、これ1台でEVの楽しさから普段使いまですべてを味わえるのがリーフの最大の魅力といえます。
インテリア:EVに乗っている特別感がない普通さ
先進性という視点で見るとオーソドックスなインテリア。逆にいえば、これまでのクルマから違和感なく乗り換えが可能です。マイナーチェンジでナビは9型になっています。
荷室は普段使いならば十分の容量
荷室容量は435L。9インチのゴルフバッグが2個積載できます。後席のシートバックは6:4の分割可倒が可能ですが、段差がありフラットにするためにはオプションのラゲッジパックが必要です。
またe+のGグレードにはBOSEオーディオが標準装備されるのでスペースは若干狭くなります。
後席シートヒータースイッチは前席脇にあります。
コネクテッド1:EV専用ナビとコネクテッドを搭載
マイナーチェンジでディスプレイサイズが従来の7インチから9インチに拡大しました。
さらに通信を活用した新しいコネクテッド技術である「NissanConnect」の採用により携帯電話のように無線通信で地図の自動更新も行えます。通信による渋滞回避ルートの検索も可能です。
メーター左側の7インチの液晶ディスプレイにより多彩な情報が表示できます。
バッテリーの残量から到達できるエリアをナビ画面上に表示することができます。
コネクテッド2:EV専用アプリで車外から多彩な機能が使える
EV専用スマホアプリをインストールするだけで車外からリモートドアロックの状態や施錠、充電スポットの空き状況や走行ルートのナビへの転送など、多彩な機能を使うことができます。
車外からエアコンONや温度設定ができる
「乗る前エアコン」は乗車前にスマホ側から冷暖房、さらに温度調節の操作が行えます。
先進装備:駐車も自動で行えるプロパイロットが凄い
高速道路などの同一車線走行をサポートする「プロパイロット」のほか、自動駐車を可能にする「プロパイロットパーキング」はかなりの優れものです。
360度周辺を映し出す「インテリジェント アラウンドビューモニター」は移動物も検知するので急な飛び出しなども教えてくれます。
まとめ:普通車の感覚でEVに乗り換えたい人はこれ!
初代はEVであることを主張したデザインでしたが、現行モデルは見方によってはフツーのクルマにも見えます。先進性の高いEVに乗っていることを自慢したい人にとっては少し物足りないかもしれません。
同様にインテリアに関してもこれだ! というインパクトがないのも残念かもしれません。とはいえガソリン車からの乗り換えでもほぼ違和感ないのは強み。普通の感覚で運転したい人にオススメのEVです!
以上、日産「LEAF」の「インテリア」「コネクテッド」「最新装備」のご紹介でした。
『家電批評』2021年5月号
晋遊舎
『家電批評』
2021年5月号
「家電批評」2021年5月号の特集「電気自動車10大メーカー グランプリ2021」では、この他にも本音レビューを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。