使い安さで選ぼう
自転車ライトといえば、昔は備え付けのものを使うのが一般的でしたが、今では使用目的に適したさまざまな製品が数多く流通しています。自転車の単なる備品に過ぎない自転車ライトですが、時には事故を防ぐための大きな役割を果たしてくれます。
夜間走行では点灯が道路交通法で義務付けられている自転車ライトは、なんといっても使いやすい製品が一番です。以下に使い方で選ぶポイントを2点紹介しましょう。
バッテリー方式で選ぶ
自転車ライトを点灯させるためのバッテリーは「電池式」「充電式」に大別されます。そして「電池式」はさらに「ボタン電池式」と「乾電池式」に区分されます。「ボタン電池式」にはライト本体が「軽い」というメリットがありますが「暗い」というデメリットもあります。「乾電池式」はこれが真逆になり「明るく、重い」ことが特徴です。「充電式」には市販の自転車に備え付けの「ダイナモ式」があり、これは前輪タイヤの回転駆動と連動してペダルを漕ぐと同時に充電するので便利でしょう。
しかし、タイヤ回転に抵抗が生じるので長時間走行には不向きです。自宅で充電できるバッテリー着脱式は便利で走行も軽快ですが、充電が切れると走行不能になるので、長時間走行には予備のバッテリーが必要です。
取り付け方で選ぶ
着脱式の自転車ライトは、ライトを本体に装着する「取り付け方」も重要な選択ポイントとなります。夜間走行では、自転車を降りてライトを外し懐中電灯として利用するケースもあるので、着脱が簡単で懐中電灯としての機能を充分に果たしてくれる製品を選ぶことが大切です
機能で選ぼう
自転車での夜間走行は思わぬ危険が潜んでいます。夜道で子どもや動物などが急に飛び出して事故となることも少なくありません。危険度が高まる自転車の夜間走行が多い人には、やはり万一の場合を考え「機能重視」の視点で選びたいものです。
そこで「明るさ」と「防水機能」という2つの重要な機能をキーワードに、危険を防ぐための自転車ライトを選択するのがよいでしょう。
明るさで選ぶ
自転車ライトを使う目的の第一は、なんといっても夜間走行中に行き先を照らして事故を防ぐこと。すなわち「より明るいこと」が自転車ライトの重要条件といってもよいでしょう。自転車ライトの明るさについては、各都道府県の「道路交通法施行細則」で「夜間に前方10mの距離にある交通上の障害物を確認することができる明るさ」と定められています(一部地域で前方5m)。
また、明るさは「ルーメン」という単位で表記されているので、何ルーメンの製品なのかを確認する必要があります。ちなみに、前方10mを視認できる明るさは「300ルーメン以上」とされています。
防水機能で選ぶ
防水機能も自転車ライトの重要な選択肢です。雨具を着の雨中走行が多いのなら、しっかりした防水機能のある自転車ライトが必要です。
また、商品に防水機能と表記されていても、すぐに水漏れしてしまう安価な製品では意味がありません。多少価格が高めでも、買い替えを考えると防水機能に優れた製品を選ぶのが賢明でしょう。
5m・10m先を明るく照らす 自転車ライトで夜間走行を安全に
自転車で暗い夜道を走るのに欠かせないのが明るい「自転車ライト」です。街灯が少なかったり、車があまり通らない道なら、自転車ライトだけが頼り。また、20km/h以上の速度で走るような場合にも、明るい自転車ライトがないと障害物に早めに気づくことができず、危険です。
そこで、夜道が苦手な人にもオススメできる明るさをもった、400ルーメンクラスの自転車ライトを10製品集めて、5m・10m先の明るさやバッテリーの持ちなどをテストしました。
結果の詳細は各製品ごとに解説しますが、照度は5mの距離で100ルクス以上、バッテリーは明かりを抑えたローモードで10時間以上という好成績を残した自転車ライトも複数含まれています。
ハンドルバーに簡単に取り付けできるので、ロードバイク、クロスバイク、MTB、ミニベロ、e-Bikeといったスポーツサイクルユーザーはもちろん、シティサイクルや電動自転車のサブライトとしても活躍してくれます。
明るさ・バッテリーともに 最高評価はGVOLT70
詳細なランキングのまえに、第1位になった自転車ライトを紹介します。
キャットアイ
GVOLT70
実勢価格:5045円
「照度(5m)」1位、「バッテリー」は「ハイモード/ローモード」ともに1位と、圧倒的な評価でした。光束は260ルーメンと最小数値ながら、照度テストは好成績、バッテリーの持ちは他を圧倒しています。
続いて、10製品の自転車ライトをどのようにテストしたのかを紹介します。
まっ暗な地下室を利用し 異なる距離で照度を計測
テストした自転車ライトは光束が260~500ルーメンの製品です。光束は昨今、自転車ライトのスペックを表す数値として定着しています。しかし、比較的スペックの近い製品でも、ライトで照らされた夜道の見え方はまったく異なります。そこで今回は、実際に照らされた場所の照度を測定して比較を行いました。
実際の走行中には視線は手元ではなく遠くに向けることから、壁から5mと10mの距離で点灯して測定しています。
なお、ライトのスペックをあらわす単位には光束(ルーメン)と照度(ルクス)、光度(カンデラ)がありますが、それぞれの違いは以下のとおり。
光束:光源から照射される光の量、単位は「ルーメン(Lm)」
光度:光源から照射される光の強さ、単位は「カンデラ(cd)」
照度:面を照射した光の明るさ、単位は「ルクス(lux)」
照度を調べることで、10m先がどのくらいの明るさで見えるのか、左右にどのくらい光が広がるのか、製品ごとの特性を知ることができます。
照度のテストにはまっ暗な地下室を使用しました。ハンドルに見立てたバーの高さは地上から約85cmです。この写真も、自転車ライトの明かりだけで撮影しています。
10m先までしっかり照らせるように、ライトは地面と平行に取り付けています。
詳細なテスト項目と配点を確認していきましょう。
5m・10mの距離で2箇所の照度を計測
【明るさ……60pt】
暗室にした地下室で5m・10mの距離から壁を照らし、照度を測定。高さ1m、中心と右に1m離れた位置とで測定することで、光の広がりも確認しました。壁には距離の目安となるマークも付いているので参考にしてください。
障害物として置いたカラーコーンがハッキリ見えるかも確認しています。
配点は以下のとおりです。
●照度(ハイモード/距離5m/高さ1m/中心):10
●照度(ハイモード/距離5m/高さ1m/右側1m):10
●照度(ハイモード/距離10m/高さ1m/中心):10
●照度(ハイモード/距離10m/高さ1m/右側1m):10
●広がり:10
●見え方:10
ライトが消えるまで点灯し続けました
【バッテリー……20pt】
点灯モード数は製品によって2~4とバラつきがあったため、もっとも明るいハイモードともっとも暗いローモードに絞って点灯時間を測定しました。
フル充電した状態で点灯し、バッテリー切れで消えるまでの時間を記録しました。
配点は以下のとおりです。
●ハイモード:10
●ローモード:10
配光やモードなどを使用して評価
【使用感……20pt】
自転車に取り付けての夜間走行や、歩行者となって対向からまぶしさを確認するなどのテストを行い、実際の使用感を評価しました。
点灯+点滅モードは日中に正面からの視認性がよく、夜間も一瞬ライトが消える通常の点滅に比べて安全だったこと、対向時に点滅ほどまぶしすぎることがなかったことから、このモードを備えたライトに加点しています。
配点は以下のとおりです。
●モード数:5
●点灯+点滅モード:5
●日中の視認性:5
●対向時のまぶしさ:5
あわせて、ロードバイクでよく見るハンドルバー下側に取り付けた際に、対向からどのくらいまぶしく見えるかもチェックしています。
注目のランキングはこちらです。
明るいうえに点灯時間も最長 キャットアイ「GVOLT70」
10製品のなかで、唯一ハンドルバー下側取り付けの専用ライトであるキャットアイ「GVOLT70」がベストバイです。光束は260ルーメンですが、距離5メートルで中心の照度は最高の197ルクスを記録しました。
上方向への光をカットすることで、向かってくる歩行者や車のドライバーがまぶしくないという特性があります。
もうひとつ驚かされたのが点灯時間の長さです。ハイモードで7時間以上、ローモードでは39時間以上と、他を圧倒。すべてのモードでライトが消える直前まで明るさが変わりませんでした。
取り付けも簡単で、文句なしの最高評価です。
キャットアイ
GVOLT70
実勢価格:5045円
サイズ:約35.94×106.5×46.5mm
重量:96.5g
光束:約260ルーメン
光源:高輝度白色LED 1灯
モード数:点灯 3、点滅 2(点灯+点滅 1)
■各モードの照度
- モード : 5m(中心/1m): 10m(中心/1m)
- ハイ :197/56 :41/27
- ミドル :155/41 :33/22
- ロー :34/11 :9/6
- デイタイムハイパーコンスタント :100/30 :27/18
- 点滅 :17/5 :4/3
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :7時間29分
- ミドルモード:10時間10分
- ローモード :39時間21分
■採点結果
- 明るさ :43/60
- バッテリー:20/20
- 使用感 :19/20
- 合計 :82/100
ライトカバーは上方向への光を抑えるため、上側がカット加工をされています。下側と左右にも加工が施されていますが、こちらには光がしっかり広がります。
電源ボタンはハンドルバーの下側に取り付けた際に表面になるように配置されているのは、専用設計ならでは。長押しで点灯し、前回使用時のモードを記憶してくれます。給電はmicro USB Type-Bで、ラバー製のカバーが付いています。
照度は5mの距離で中心197ルクスを記録。カバーがカット加工されているため照らされたカベが矢印のようなかたちで明るくなりました。なお、画像のように高さ約1mから上は暗くなるため、本製品のみ高さ約70cmの位置で照度を測定しています。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れると左右がだいぶ広く照らされるようになりました。中心の41ルクスは3番めの明るさです。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル)
■照度(距離10m/モード:ロー)
照射される光を上からとらえると、真っ直ぐな光のほかに左右にも広がっているのがわかります。
■配光
上方向への光がカットされているため、10m離れて点灯したライトを正面から見てもあまりまぶしく感じません。日中を想定して明るい部屋でローモードで点灯すると、光は小さいですがしっかり確認できました。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル、ローの点灯モードのほか、点灯+点滅のデイタイムハイパーコンスタント、点滅という5つのモードがあります。
実際にハンドルバーの下側に取り付けるとこんな感じ。視界に入るハンドルバーの上側がスッキリしました。ブラケットをハンドルバーに固定すれば、本体は簡単に着脱できます。
光束は260ルーメンと10製品中最小でしたが、照度はすべての測定結果が上位の評価という意外な結果になりました。これはカバーのカット加工により、光の照射範囲が上手にコントロールされているため。配光的に目線の高さが多少暗くなってはしまいますが、夜道をしっかり照らしてくれるのに正面から見てもまぶしすぎない、理想的な自転車ライトといえます。
街灯のない夜道も10m先まで照らす キャットアイ「VOLT400XC」
GVOLT70よりも上方向へ光が広がったキャットアイ「VOLT400XC」が第2位です。10mなら真正面の照度はこちらが上でした。
着脱しやすいラバーバンドタイプで、複数の自転車で使えます。
キャットアイ
VOLT400XC
実勢価格:3955円
サイズ:93.1×30.3×40mm
重量:95g
光束:約400ルーメン
光源:高輝度LED 1灯
モード数:点灯 2、点滅 2(点灯+点滅 1)
■各モードの照度
- モード : 5m(中心/1m): 10m(中心/1m)
- ハイ :165/30 :48/44
- ロー :35/7 :10/9
- デイタイムハイパーコンスタント :57/11 :17/17
- 点滅 :11/2 :3/3
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード:2時間49分
- ローモード:14時間53分
■採点結果
- 明るさ :44/60
- バッテリー:11/20
- 使用感 :17/20
- 合計 :72/100
カバーにカット加工はありません。夜道では1~2m先よりも5mくらい先のほうが明るく見えました。
長押しで点灯し、前回使用時のモードを記憶してくれます。給電はmicro USB Type-Bで、ラバー製のカバーが付いています。
5mの距離の中心照度は165ルクスで第1位のGVOLT70に次ぐ明るさでした。この距離だと円のように広がっています。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ロー)
5mでは照度さがありましたが、10mまで離れると中心と右側1mの照度はほとんど同じになりました。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ロー)
照射した光を上から見ると、光源から少し離れた位置から明るくなっているのがわかります。
■配光
ハイモードにして正面から光を見ると、暗がりで10m離れても相当な明るさでした。明るい部屋でもローモードでしっかり確認できます。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ローの点灯モードのほか、点灯+点滅のデイタイムハイパーコンスタント、点滅という4つのモードがあります。
本体にラバーバンドが取り付けられており、着脱は簡単でした。しっかり固定されるので走行中にグラつく心配もありません。なお、ハンドル下側に取り付けた場合も正面から見たまぶしさはとくに変わりませんでした。
メインライトとして十分な明るさですが、ハイモードで約3時間というバッテリーの持ちは心配。ローモードなら約15時間点灯、着脱がしやすく、コンパクトで95gと軽いことから、サブライトや緊急用の携帯ライトとしても重宝します。
夜道でもしっかり視界を確保 キャットアイ「AMPP500」
第3位のキャットアイ「AMPP500」は、暗闇を照らすと光源から横方向へ光が広がるのがハッキリわかるほどのワイドな配光でした。これは同社のオプティキューブ テクノロジーによるもの。夜道を走ってみると、特に5mぐらい先が明るく視界が開けました。
キャットアイ
AMPP500
実勢価格:4766円
サイズ:100×34×37mm
重量:117g
光束:約500ルーメン
光源:高輝度白色LED 1灯
モード数:点灯 2、点滅 2(点灯+点滅 1)
■各モードの照度
- モード : 5m(中心/1m): 10m(中心/1m)
- ハイ :159/55 :49/44
- ロー :88/32 :29/25
- デイタイムハイパーコンスタント :96/36 :30/28
- 点滅 :13/5 :4/4
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード:1時間49分
- ローモード:3時間23分
■採点結果
- 明るさ :47/60
- バッテリー:4/20
- 使用感 :15/20
- 合計 :66/100
カバーは中心がクリアになっており、この形どおり円形に照らされました。カバーがサイドまで回り込んでいて、並走する自動車にも存在をアピールできます。
スイッチは本体の表面にあり、長押しで点灯し、前回使用時のモードを記憶してくれます。給電は本体の裏面で、micro USB Type-Bです。ラバー製のカバーも付属しており水は入りにくいですが、防水性能については公表されていないため雨天時の使用は注意してください。
5mでの中心照度は3番めの明るさ。ライトの後方からは光が広がって見えましたが、この距離だと意外と明るく照らされている範囲が狭くなります。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mの中心照度は10製品中トップの明るさでした。右側1mの距離でも照度はほとんど変わらず、遠くほど広範囲を照らしてくれます。夜道を走行していても10mほど先がハッキリ見えました。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ロー)
上から見ると真っすぐに照射される強い光と、左右に広がる光があるのがわかります。
■配光
ハイモードにした状態で正面から見るととてもまぶしく、周囲のものがほとんど見えなくなりました。日中を想定して室内を明るくした際も、ローで十分な視認性でした。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ローの点灯モードのほか、点灯+点滅のデイタイムハイパーコンスタント、点滅という4つのモードがあります。
ハンドルバーに専用のブラケットを取り付ければ、本体の着脱は簡単。充電時に電源が近くになくてもすぐ本体だけ取り外せます。下側に取り付けた場合も正面から見たまぶしさは特に変わりませんでした。
文句のない明るさのライトですが、残念なのは点灯時間の短さ。ハイモードで2時間弱、ローモードでも約3時間半では、日が落ちてからも長時間走る可能性のあるライドには不安が残ります。
続けて定番のキャットアイからもう1製品を紹介します。
光がムラなく広がり昼夜ともに明るい Bontrager「Bontrager Ion 450 R Front Bike Light」
白っぽい光のライトが多かったなか、暖色系のやさしい光が印象的だったBontrager「Bontrager Ion 450 R Front Bike Light」が第3位です。光源が丸いカバーで覆われているため5メートルの距離では1.5メートルほどの円が照射されましたが、10メートルまで離れると上方向、横方向ともに2メートル以上明るく照らしてくれました。
メーカーでは事故防止にデイライトを推奨しており、日中でも視認しやすい光になっています。
Bontrager
Bontrager Ion 450 R Front Bike Light
実勢価格:8470円
サイズ:約70×28×43mm(実測値)
重量:100g
光束:約450ルーメン
光源:高出力CREE LED
モード数:点灯 3、点滅 2(点灯+点滅 1)
■各モードの照度
- モード : 5m(中心/1m): 10m(中心/1m)
- ハイ :116/37 :39/25
- ミドル :51/16 :17/12
- ロー :27/8 :8/6
- ナイトフラッシュ:35/11 :10/8
- デイフラッシュ :75/26 :25/19
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :4時間23分
- ミドルモード:6時間40分
- ローモード :8時間19分
■採点結果
- 明るさ :37/60
- バッテリー:11/20
- 使用感 :18/20
- 合計 :66/100
カバーが丸いため照射範囲も円になります。赤いカバーでサイドからの視認性も上々です。
本体表面のスイッチは長押しで点灯し、前回使用時のモードを記憶してくれます。裏面にある給電はmicro USB Type-Bで、ラバー製のカバーが付いています。
夜間走行をしてみると光源から左右にも光が広がるように見えましたが、5mでは中心が明るく2mより外は影になりました。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れると明かりが均一に近づきました。ミドルでも右側1mの照度が12ルクスと、しっかり照らしてくれます。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル)
■照度(距離10m/モード:ロー)
上から見ると光源では光が均一に広がっているのがわかります。
■配光
暗い場所で明るく光るのはもちろん、明るい場所でも対向車から視認性がいいライトです。ローでも日中に離れた距離から存在を確認できます。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル、ローの点灯モードのほか、ナイトフラッシュ、デイフラッシュという5つのモードがあります。
ラバー製のQuick Connect ブラケットが付属しており、ハンドルバーへの着脱は簡単です。使い勝手のいいライトですが、ローでも10時間点灯できなかったのは残念でした。
5位: 6つのモードで明るさを調整
SERFAS「USL-450」
第5位のSERFAS「USL-450」は、5mの距離で中心の照度が100ルクスを超えた5製品のうちのひとつです。10mの距離では中心、右側1mともに照度がほぼ変わらず、光が均一に広がっていることがわかります。
点灯が4、点滅が2あるモード数は10製品中最多でした。
SERFAS
USL-450
実勢価格:3776円
サイズ:約103×28×32mm(実測値)
重量:162g
光束:約450ルーメン
モード数:点灯 4、点滅 2
■各モードの照度
- モード : 5m(中心/1m): 10m(中心/1m)
- ハイ :119/59 :38/35
- ミドル1 :54/27 :17/16
- ミドル2 :19/15 :9/9
- ロー :13/7 :4/4
- 日中点滅ハイ:12/5 :5/6
- 日中点滅ロー:17/9 :2/5
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :2時間21分
- ミドルモード:3時間26分
- ローモード :13時間37分
■採点結果
- 明るさ :43/60
- バッテリー:9/20
- 使用感 :12/20
- 合計 :64/100
カバーにカット加工はされていませんが、本体の表面がひさしのようにカバーよりも少し飛び出ています。
本体表面のスイッチは長押しで点灯、さらに長押しで点滅になります。スイッチは前回使用時のモードを記憶してくれます。裏面にある給電はmicro USB Type-Bで、ラバー製のカバーが付いています。防水仕様はIPX4です。
5mの中心照度は100ルクス超え。数値的にはキャットアイの上位3製品におよびませんでしたが、白が強いためか目視では同じくらい明るく見えました。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル1)
■照度(距離5m/モード:ミドル2)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れると中心と右側1mの照度がほぼ同じになりました。中心から上方向と左右方向に2m以上光に照らされています。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル1)
■照度(距離10m/モード:ミドル2)
■照度(距離10m/モード:ロー)
上から見ると強い光がほぼ一直線に照射されているのがわかります。
■配光
正面から見ると光が拡散しており、周りが見えないほど。しばらく目がチカチカしました。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル1、ミドル2、ローの点灯モードのほか、日中点滅ハイ、日中点滅ローという6つのモードがあります。
夜道では光が自然に広がり、5mくらいまでが同じように明るく見えました。ハンドルには専用のブラケットを固定し、本体は簡単に着脱できます。ハンドルの下側に取り付けて正面から見ると、ひさしがなくなるためかまぶしく感じられました。
続く第6位も、四角いボディのゴツめのライトです。
6位: 目の前に光の輪が広がりました
キャットアイ「VOLT400」
夜道では光源を中心に大きな円を描くように照らされるのが印象的だったのが、第6位のキャットアイ「VOLT400」です。1~2m先がとても明るかった反面、5m、10m先はだんだんと照度が下がってしまいました。
光の広がりはオプティーキューブ テクノロジーの丸型配光ならではですが、今回のテストのようなシチュエーションではほかの3製品より下の評価となってしまいました。
キャットアイ
VOLT400
実勢価格:5548円
サイズ:111.3×30.6×41.3mm
重量:120g
光束:約400ルーメン
光源:高輝度LED 1灯
モード数:点灯 3、点滅 2(点灯+点滅 1)
■各モードの照度
- モード : 5m(中心/1m): 10m(中心/1m)
- ハイ :91/10 :26/17
- ミドル :28/3 :8/5
- ロー :16/2 :5/3
- デイタイムハイパーコンスタント :52/6 :15/10
- 点滅 :5/1 :2/1
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :2時間41分
- ミドルモード:10時間34分
- ローモード :19時間50分
■採点結果
- 明るさ :28/60
- バッテリー:13/20
- 使用感 :19/20
- 合計 :60/100
カバーには特別な処理はされておらず、オプティーキューブ テクノロジーにより上下左右に同じように光が広がります。そのためハンドルバーの下側につけても配光が変わりません。
本体表面のスイッチは長押しで点灯し、前回使用時のモードを記憶してくれます。給電はmicro USB Type-Bで、ラバー製のカバーが付いています。
5mの距離では1mほどの円が照らされました。中心の照度は91ルクスとそれなりの明るさです。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れても照らされた円のサイズは2mほどでした。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル)
■照度(距離10m/モード:ロー)
光を上から見ると光源に近いほど明るく、左右にも広がっているのがわかります。
■配光
同じキャットアイ製品のVOLT400XC、AMPP500と比べるとまぶしさはひかえめでした。光が拡散する感じもあまりありません。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル、ローの点灯モードのほか、点灯+点滅のデイタイムハイパーコンスタント、点滅という5つのモードがあります。
ハンドルバーには専用のブラケットを取り付けます。本体の着脱は簡単です。
下側への取り付け用には、他社からも専用のマウントが販売されており、サイクルコンピューター用のブラケットに装着することも可能です。下側に取り付けても配光が変わらないため、よく利用されます。
ハイモードこそあまり持ちませんが、ミドルモードで約10時間、ローモードで20時間弱というバッテリーもちのよさは、VOLT400XC、AMPP500に勝りました。
それでは、上位の紹介に戻ります。続いてはAMPP500と同点で第3位となった製品です。
6位: ローモードなら最長18時間点灯
Gaciron「V9C400」
第6位のGaciron「V9C400」は、400ルーメンで3500円というコスパのよさがネットでも話題の自転車ライトです。夜道では正面の1~5mくらい先までが均一に照らされ、路上の障害物もハッキリ確認できました。一方で上方向、横方向への広がりは控えめ。バッテリー持ちのよさも魅力です。
Gaciron(ガシロン)
V9C400
実勢価格:3500円
サイズ:97×33.8×30.7mm
重量:120g
光束:約400ルーメン
モード数:点灯 3、点滅 1
■各モードの照度
- モード: 5m(中心/1m):10m(中心/1m)
- ハイ :86/33 :28/23
- ミドル: 37/14 :12/10
- ロー :16/6 :6/5
- 点滅 :87/34 :29/24
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :3時間57分
- ミドルモード:8時間48分
- ローモード :18時間42分
■採点結果
- 明るさ :33/60
- バッテリー:15/20
- 使用感 :12/20
- 合計 :60/100
カバーに緑の枠が取り付けられており、光も少し緑がかった色になります。また、本体の表面がひさしのようにカバーよりも少し飛び出ています。
スイッチは本体の表面にあり、長押しで点灯し、前回使用時のモードを記憶してくれます。給電は本体の裏面で、micro USB Type-B。防水仕様はIPX3相当です。
5mまで近づいても100ルクスを超えませんでしたが、現場ではかなり明るく照らされているように見えました。左右方向も中心から1m離れると暗くなっていきます。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れると中心と右側1mの照度がほぼ同じになりました。こうした照射の特性は第5位のUSL-450とよく似ていました。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル)
■照度(距離10m/モード:ロー)
カバーの影響で光源付近が緑がかっているのがわかります。
■配光
正面から見ると光が拡散しており、周りが見えないほど。緑の枠の効果で白さが多少軽減されているためか、AMPP500、USL-450と比べるとまぶしさはひかえめでした。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル、ローの点灯モードと点滅モードという4つのモードがあります。
ハンドルには専用のブラケットを固定し、本体は簡単に着脱できます。ハンドルの下側に取り付けて正面から見ると、ひさしがなくなるためかまぶしく感じられました。
ローモードでは18時間以上点灯しており、手頃な価格で手に入るロングライドのお供としても重宝します。
8位: 横方向に光が広がるライトです
RAVEMEN「CR300」
カバーのカット加工で上方向への光を抑えている反面、横方向への広がりは特筆ものだったのが、第8位のRAVEMEN「CR300」です。照度はそれほど高くありませんが、5m、10mの距離ともに左右2m以上の範囲がしっかりと照らされていました。
RAVEMEN
CR300
実勢価格:4128円
サイズ:83.5×29×32mm
重量:92g
光束:約300ルーメン
光源:LG LED
モード数:点灯 3、点滅 2(点灯+点滅 2)
■各モードの照度
- モード :5m(中心/1m):10m(中心/1m)
- ハイ :59/36 :18/10
- ミドル :28/18 :9/7
- ロー :12/7 :4/3
- 点滅+点灯(間隔長):17/11 :5/4
- 点滅+点灯(間隔短): 7/4 :2/2
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :1時間55分
- ミドルモード:4時間41分
- ローモード :11時間39分
■採点結果
- 明るさ :27/60
- バッテリー:7/20
- 使用感 :20/20
- 合計 :54/100
カバーの上側がカット加工されており、対向車のドライバーや歩行者の目に直接光が入らないように考慮されています。
スイッチ、充電端子ともに本体後面に配置されており、端子はmicro USB Type-Bです。防水仕様はIPX6。
5mの中心照度が59ルクスは少々もの足りませんが、注目したいのは照射範囲。高さは1.5mくらいまでですが、左右方向は2mくらいまで明るく照らされています。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れても光が左右方向にしっかりと広がっています。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル)
■照度(距離10m/モード:ロー)
上から照射された光を見ると少しずつですが扇形に光が広がっていっています。
■配光
カット加工の効果で正面から見てもそれほどまぶしさは感じませんでした。それでも同じくカット加工されているGVOLT70よりは明るいです。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル、ローの点灯モードと、点滅+点灯(間隔長)、点滅+点灯(間隔短)という5つのモードがあります。
ハンドルバーにはラバーバンドで簡単に取り付けできます。本体だけを着脱することも可能です。
マウントアダプターのABM04を使えばサイクルコンピューター用のブラケット下に取り付けることも可能。本体は逆さにせずに取り付けられるため、カット加工が活かせます。
RAVEMEN
ABM04
実勢価格:300円
街灯のない夜道を走るならもう少し明るさがほしいですが、街灯があり交通量の多い往来を走るなら、対向者にとってもまぶしくなくちょうどいいライトです。
9位: デイタイムモードで日中もアピール
BLACKBURN「DAYBLAZER 400 FRONT」
第9位はBLACKBURN「DAYBLAZER 400 FRONT」です。BLITZデイタイムモードで点灯すると、前輪も明るくなるくらい光源から上下左右に光が広がります。10mでは照度こそ低めでしたが、広い範囲を照らしてくれました。
BLACKBURN
DAYBLAZER 400 FRONT
実勢価格:4400円
サイズ:82×38×19mm
重量:59g
光束:約400ルーメン
モード数:点灯 2、点滅 2(点灯+点滅 1)
■各モードの照度
- モード :5m(中心/1m) 10m(中心/1m)
- BLITZデイタイムモード:39/28 14/11
- ロー :21/14 7/7
- パルス :10/8 4/3
- ストロボ :10/7 4/3
■点灯時のバッテリー消費
- BLITZデイタイムモード:1時間24分
- ローモード :1時間24分
■採点結果
- 明るさ :24/60
- バッテリー:3/20
- 使用感 :18/20
- 合計 :45/100
カバーは中心の円だけクリアになっています。横方向にも光が拡散するため並走車からの視認性も高まります。
スイッチは表面、充電端子ともに本体後面に配置されています。端子はmicro USB Type-Bです。IP67と防塵防水性に優れています。
カベに5mまで近づいても、左右に1.5mほど光が広がっていました。
■照度(距離5m/モード:BLITZデイタイムモード)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mの距離では中心と右側1mの照度の差がほとんどありません。
■照度(距離10m/モード:BLITZデイタイムモード)
■照度(距離10m/モード:ロー)
光源から左右に広く光が広がっているのがわかります。
■配光
光が上下左右に拡散するためか、それほどまぶしくなく光源の周囲もハッキリ見えました。なお、BLITZデイタイムモードは昼間の視認性に優れたモードでもあります。
■BLITZデイタイムモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
BLITZデイタイムモード、ローの点灯モードと、パルス、ストロボという4つのモードがあります。
ハンドルバーへの取り付けはラバーバンドで行います。
防塵防水性能が高いため薄暗い未舗装路や悪天候時にも力を発揮してくれる自転車ライトです。
10位: ヘルメットにも取り付け可
TOPEAK「HeadLux 450 USB」
2個のLEDを備えたコンパクトなTOPEAK「HeadLux 450 USB」は、横方向を広く照らしてくれました。照度は低めでしたが、前方を均一に照らします。軽いのでヘルメットに取り付けてサブライトとしても使えます。
TOPEAK
HeadLux 450 USB
実勢価格:3753円
サイズ:67×47×27mm
重量:73g
光束:約450ルーメン
光源:ホワイトLED 2個
モード数:点灯 3、点滅 1
■各モードの照度
- モード:5m(中心/1m):10m(中心/1m)
- ハイ :39/28 :12/12
- ミドル: 21/14 :7/7
- ロー :12/7 :4/4
- 点滅 :12/8 :4/4
■点灯時のバッテリー消費
- ハイモード :1時間21分
- ミドルモード:2時間38分
- ローモード :4時間19分
■採点結果
- 明るさ :27/60
- バッテリー:3/20
- 使用感 :14/20
- 合計 :44/100
カバーにカット加工は施されていません。ふたつのLEDが備わっています。
スイッチは表面、充電端子ともに本体後面に配置されています。端子はmicro USB Type-B、防水性能はIPX6です。
光が広範囲に広がり、中心から1m以上離れると目視では上位のライトと明るさの差がなくなります。
■照度(距離5m/モード:ハイ)
■照度(距離5m/モード:ミドル)
■照度(距離5m/モード:ロー)
10mまで離れると上方向と左右方向を2mくらい均一に照らしてくれました。
■照度(距離10m/モード:ハイ)
■照度(距離10m/モード:ミドル)
■照度(距離10m/モード:ロー)
照射された光は中心が多少明るく、左右にも広がっています。
■配光
ハイモードはそれなりに明るいですがまぶしさを感じるほどではありませんでした。明かりをつけた状態でもローモードで光を確認できます。
■ハイモード(夜間を想定)
■ローモード(日中を想定)
ハイ、ミドル、ローの点灯モードと点滅という4つのモードがあります。
パッケージにはハンドル用とヘルメット用のラバーストラップが同梱されており、その日のライドにあわせて使い分けができます。
どんな状況で使用するかによって 選ぶべきライトは変わります
最後に、明るさとバッテリー持ちで好成績を残した自転車ライトをまとめました。
■照度(5m):1位、バッテリー(ハイモード/ローモード):1位
キャットアイ
GVOLT70
実勢価格:5045円
光束は260ルーメンと最小数値ながら、照度で好成績を残しました。バッテリーの持ちは他を圧倒しています。
■照度(10m):1位、(5m)2位
キャットアイ
VOLT400XC
実勢価格:3955円
10m先もしっかり照らしてくれる光が視界に広がるので、夜道も安心して走れました。ハンドルをラバーバンドで巻いて止めるだけなので、複数の自転車での共用にも最適です。
■バッテリー(ハイモード):2位
Bontrager
Bontrager Ion 450 R Front Bike Light
実勢価格:8470円
ハイモードでも4時間以上点灯しました。帰宅中に思いがけず日が落ちてしまっても安全に家まで帰れます。こちらもハンドルにはラバーバンドで取り付けができます。
■バッテリー(ローモード):2位
キャットアイ
VOLT400
実勢価格:5548円
キャットアイの人気ライトは、ローモードで20時間弱点灯しました。カートリッジ式のバッテリーを採用しており、ライド中に予備と交換することもできます。
以上の4製品が上位の評価でした。今回のテストでは5mと10m先の照度を重視しましたが、ライドの時間や走る速度、道路の街灯の数、交通量などさまざまな要素によって最適な自転車ライトは変わってきます。状況によっては下位になったライトが最適という可能性もありますので、テスト結果をよく見て選んでください。