初心者は扱いやすいナイロンラインを選ぼう
釣り糸には主に、ナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインの3種類ありますが、初心者におすすめなのが「ナイロンライン」です。
釣れる・釣れない人の違いはライン選びにあり!
管理釣り場で釣り人を観察していると「釣れる・釣れない人」の差が大きいことに気づきます。その原因のひとつが「ライン選び」にあります。
もちろんロッドやリール、そしてアングラーのテクニックという要素もありますが、とくにトラウトフィッシングでは「ライン選びが釣果を大きく左右する」とよく言われます。
管理釣り場で釣れる魚はトラウト、つまりニジマスが中心となります。この魚は口が柔らかいため、硬くて伸縮性に欠けるラインでは口切れしてしまいます。そこでナイロンラインの登場となります。
ナイロンラインはトラブルが少ないため初心者でも扱いやすいのが特徴です。また魚にバレにくいなどメリットが多いのでベテランでも愛用している人が多いラインだと言えます。
初心者向けナイロンラインをプロとテスト
一口にナイロンラインと言っても、今回紹介する「エリアトラウト用」や「フカセ釣り用」など、釣り方・魚種によってさまざまな種類があります。ではどんなポイントでラインを選べばよいのでしょうか?
そこでサンロクマルでは、ナイロンラインを厳選し、「柔軟さ」「強さ」「コスパ」の3点を徹底チェック。初心者でも扱いやすいナイロンラインを探し出しました。
選び方のポイントと採点方法をあわせて見ていきましょう。
選び方1:柔軟さ[配点35点]
巻きグセがつきづらいかどうか。硬くないかどうか。引っ張ってみてヨレないかどうか。山口氏には実際に試してもらい、詳細なインタビューを実施。採点を行いました。
選び方2:強さ[配点35点]
いわゆるラインの持つ「引っ張り強さ」や「根ズレに対する強さ」です。こちらは商品スペックの表記や実際の使用感、引っ張ってみた感じなどを参考に比較しました。
選び方3:コスパ[配点30点]
価格が安いかどうか、1商品で2回以上ライン交換ができるかどうか。価格に見合った商品かどうかなどコスパについて山口氏とスタッフで協議して採点しました。
ちなみに、エリアトラウト用のラインは主に3~5lbが使われますが、今回は比較する上で3llbのものに統一しています。
ナイロンラインのおすすめランキング
360編集部がナイロンラインの検証を行ったところ、1位は東レの「トラウトリアルファイター ナイロン スーパーハード 100m 3lb」でした。2位はバリバス「ナイロンライン スーパートラウトアドバンス 100m」でした。
商品 | ||||||||
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東レトラウトリアルファイター ナイロン スーパーハード 100m 3lb
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3lb |
100m |
ナチュラル |
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バリバスナイロンライン スーパートラウトアドバンス 100m
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3lb |
100m |
ミスティブラウン |
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ユニチカシルバースレッド トラウトクリアー 150m ナチュラルクリアー
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3lb |
150m |
ナチュラルクリアー |
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サンライントラウティスト WILD 150m 0.8号 3lb
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3lb |
150m |
スーパーマットグリーン |
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ダイワプレッソライン TYPE-N
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3lb |
100m |
ファインオレンジ |
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サンヨーナイロンAPPLOUD GT-R トラウト スーパーリミテッド 100m
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3lb |
100m |
カムフラージュカラーリーフシルバー |
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ヤマトヨテグスナイロンライン バーサタイルデザイン2ナイロン 300m
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3lb |
300m |
ブラウン |
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ラパララピズム モノ 150m クリア RPZM150M
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3lb |
150m |
クリア |
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ゴーセンFATA レゾネーターナイロン 100m 3lb
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3lb |
100m |
ミラージュクリア |
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ラインシステムFULL ZONE 300m
![]() |
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3lb |
300m |
透明 |
【1位】東レ「トラウトリアルファイター ナイロン スーパーハード 100m 3lb」
- 東レトラウトリアルファイター ナイロン スーパーハード 100m 3lb
- 最安価格: ¥1,080〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 100m
- カラー
- ナチュラル
- DIA.
- 0.117㎜
- 型番
- A74B
細くて柔軟、かつしなやかさがあるトラウト専用ライン
細くて柔軟、かつしなやかさがあるトラウト専用ラインです。伸びが少ないとのメーカー解説ですが、実際に使用してみたところ伸び感は普通でした。
色はナチュラルカラーなので魚に警戒されることがありません。
ヨレ具合は全く問題なし。細くてナチュラルカラーなので、魚にも見えにくく、トラウトフィッシングにオススメのラインだと言えます。また同じ強度でも細いので初心者でも飛距離を稼ぐことができます。
【2位】バリバス「ナイロンライン スーパートラウトアドバンス 100m」
- バリバスナイロンライン スーパートラウトアドバンス 100m
- 最安価格: ¥806〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 100m
- カラー
- ミスティブラウン
- DIA.
- 0.128mm
- 型番
- Does Not Apply
柔らかさに優れ、強さも問題なし
柔らかさに優れたラインです。強さもバッチリ。実際に引っ張ってみると伸びが大きく、魚が掛かってもバレにくい特徴を持っています。
較的細い部類のラインなので、軽いルアーでも遠くまで飛ばすことができます。何度か使ってもヨレ感が少なく、初心者におすすめです。
性能的にはほぼ1位商品と同じと考えてよいでしょう。ただ価格が1位商品より高めなので、コスパの点で2位に落としました。
【3位】ユニチカ「シルバースレッド トラウトクリアー 150m ナチュラルクリアー」
- ユニチカシルバースレッド トラウトクリアー 150m ナチュラルクリアー
- 最安価格: ¥946〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 150m
- カラー
- ナチュラルクリアー
- DIA.
- 0.148㎜
コスパに優れたライン
150mで1千円ちょっとと、コスパに優れたラインです。柔軟性は全く問題なし。伸びは第2位商品とほぼ同じです。
75mのところにマーキングされているので、ライン交換の目安になるのが便利です。
コスパに優れた商品です。ただ1、2位商品と比べて若干太いのがデメリットですね。他は伸び感やヨレ具合など実際チェックしましたが合格点でした。
【4位】サンライン「トラウティスト WILD 150m 0.8号 3lb」
- サンライントラウティスト WILD 150m 0.8号 3lb
- 最安価格: ¥846〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 150m
- カラー
- スーパーマットグリーン
- DIA.
- 0.148㎜
- 型番
- 0
高視認性カラーで見やすい
サンラインは日本ではトップクラスのラインメーカーです。全長150mで75mなら2回分取れるのでコスパに優れたラインだと言えます。
高視認性カラーで写真のように見やすいラインになっています。ライン軌道がよくわかり、ロングキャストや複雑な流れの中でもルアーを見失うことがありません。
太さは3位商品とほぼ同じです。着色でナイロンの性質が変わりますが、このラインの場合若干硬めに感じます。ただ気になるほどではありません。
【5位】ダイワ「プレッソライン TYPE-N」
- ダイワプレッソライン TYPE-N
- 最安価格: ¥765〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 100m
- カラー
- ファインオレンジ
- 参考号数
- 0.8号
- 型番
- 04625323
トラブルが比較的少なく初心者でも扱いやすい
色着きのナイロンラインです。着色されているので、若干硬いように感じます。また実際に引っ張ってみると伸縮性は高い方ではないと感じます。
商品説明では「伸びのMAX状態からの粘り強い」とされています。トラブルが比較的少ないので初心者でも扱いやすいラインだと言えます。
糸グセがつきにくいラインだと感じました。さらに強さも十分合格点。ただしオレンジ色は太陽の下では見えにくいことがあり視認性に関しては△。やや硬いという面もあり、コスパはやや低評価となりました。
【6位】サンヨーナイロン「APPLOUD GT-R トラウト スーパーリミテッド 100m」
- サンヨーナイロンAPPLOUD GT-R トラウト スーパーリミテッド 100m
- 最安価格: ¥1,000〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 100m
- カラー
- カムフラージュカラーリーフシルバー
- 参考号数
- 0.65号
- 型番
- 940301
通常よりワンランク細い
ワンランク細くて(通常のナイロン約7%)、強力は同レベルのナイロンラインです。実際見てみても太さが細いことが分かります。
伸縮性はやや低いと感じました。ナイロンにしてはハリがあるラインです。ヨレ感は少なく扱いやすいと思います。5位商品と比べると価格がやや高めなので順位を下げました。
【7位】ヤマトヨテグス「ナイロンライン バーサタイルデザイン2ナイロン 300m」
- ヤマトヨテグスナイロンライン バーサタイルデザイン2ナイロン 300m
- 最安価格: ¥771〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 300m
- カラー
- ブラウン
- 参考号数
- 0.8号
いろいろな釣り向けのライン
300mでワンコインを切る低価格。「どうしてこんなに安いの?」と一瞬目を疑ってしまうナイロンラインですが、ブランド的には全く問題ありません。
太さや伸び感は普通、強度も問題なし。全魚種対応と記されていているので、トラウト用というようよりはいろいろな釣り向けのラインと考えたほうがよいでしょう。
コスパ最強です。ただ若干ヨレが大きいように感じました。さまざまな魚種対応ということで、今回はランキングを落としました。
【8位】ラパラ「ラピズム モノ 150m クリア RPZM150M」
- ラパララピズム モノ 150m クリア RPZM150M
- 検証時価格: ¥625〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 150m
- カラー
- クリア
- 参考号数
- 0.5号
- 型番
- RPZM150M03CL
若干切れやすく強度に問題あり
エリアトラウト用に開発されたラインです。150mコスパは上々。他商品と比べて伸び感が少なめ。号数表記では0.5号で結構細いラインだと言えます。
コスパは良いと思います。ただ若干切れやすく、強度に問題があると感じました。海外商品なので商品ごとにバラつきがあるのかもしれません。ラインは少々硬く、ヨレ感は強めです。
【9位】ゴーセン「FATA レゾネーターナイロン 100m 3lb」
- ゴーセンFATA レゾネーターナイロン 100m 3lb
- 検証時価格: ¥1,137〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 100m
- カラー
- ミラージュクリア
- 参考号数
- 0.6号
- 型番
- GL1030G3
特殊カラーを採用でフィールドに溶け込みやすい
太さは若干細めのラインです。「ミラージュクリア」特殊カラーを採用しています。フィールドに溶け込みやすいカラーだと言えます。
伸び感、しなやかさは普通。引っ張ってのヨレは結構感じました。100mで1000円を越えるのでコスパ的には△となりました。
【10位】ラインシステム「FULL ZONE 300m」
- ラインシステムFULL ZONE 300m
- 最安価格: ¥659〜
- 柔軟さ
- 強さ
- コスパ
- lb test
- 3lb
- 全長
- 300m
- カラー
- 透明
- 参考号数
- 0.8号
- 型番
- 030008
75mのマーキングで4回程度巻ける
こちらも300mと長めの商品で、75mのマーキングで4回程度巻けます。ただ7位の300mの商品と比べると倍以上の値段なので、コスパがそれほどよいというわけではありません。
太さは若干太め。伸び感は普通で、硬さは若干硬めに感じました。
ライン自体は大きな問題はありませんが、届いた商品はラインの巻き方が雑で、糸が2か所から出ていたため、どちらから引き出せばよいか迷ってしまいました。製品としてのクオリティはやや落ちます。
そもそもナイロンラインとは?
ライントラブルが少ないのが特徴のナイロンライン。ナイロンラインは柔らかくてしなやかなので扱いやすく、ベテランから初心者まで広く使われています。
ナイロンラインのメリット・デメリット
メリット
- 伸縮性が非常に高い
- 結束強度が高い
- 強い糸グセがつきにくい
ナイロンラインは、伸びがあるラインなので掛かった魚が暴れても、その衝撃を吸収してくれます。魚が掛かってもバラシにくい理由はここにあります。
ナイロンラインには適度な硬さがあるため、次のスナップのような金具類と結んだ時の結束強度がフロロラインと比べて強いのが特徴です。
ワイルドシーン
クイックスナップ
また、ナイロンラインは適度なコシとしなやかさを合わせ持っているため強い糸グセがつきにくく、比較的ライントラブルが少なくて済みます。初心者でも扱いやすいのはこの理由からです。
ちなみに釣具店やネットで販売されているビギナー向け糸付きリールや釣りセットに巻いてあるのはほとんどがナイロンラインです。ナイロンラインはあらゆる釣りでほぼ使用可能な万能ラインと言えます。
デメリット
- 劣化が早い
- PEラインやフロロカーボンに比べて感度が低い
ナイロンラインは吸水性があるため、他の種類のラインに比べて劣化しやすいのが特徴です。また紫外線や高い温度にも弱いため、炎天下の釣りでは劣化がさらに進みます。そのためナイロンラインは釣行の後に必ず状態をチェックし、2~3回の釣行でラインを替える必要があります。
そこでおすすめなのが下のような「高速リサイクラー」。ラインを短時間で巻いたり外したりすることができます。交換が多いナイロンラインにとって必需品と言えるでしょう。
第一精工
高速リサイクラー
また、ナイロンラインは特有の伸びの性質があるため、PEラインやフロロカーボンに比べて「魚のアタリ」が分かりにくいという特徴があります。
ナイロンラインの選び方は?
ナイロンラインに表記されている号数とlbをチェック
ナイロンラインを買うと商品にlb(ポンド)もしくは号数が書いてあります。この2つに関して十分理解しておく必要があります。
上の写真を見てください。これはトラウト用のナイロンラインですが、3lbと表示されています。lb(ポンド)はそのラインが何ポンドの重さまで耐えられるのかを示す単位です。
1bl=453.592gですから、3lb=1360.776g、つまり約1.3㎏の引きまで耐えられるということを表しています。
一方、その横の#0.8と書かれたものが号数です。号数とはラインの太さを表す単位で、0.8号、1号、2号、3号と数字が大きくなるにつれラインが太くなっていきます。
号数はそれぞれ標準直径が決まっています。それが号数の下の「dia(DIA.)」と記されたもの。このラインの場合は0.148mmとなります。
つまり号数とlbは本来別のもの、つまり同じ3lbでもラインによって太さが異なるということになりますので注意が必要です。
ラインを比較するときの基準になるので、この2つの表記はしっかり覚えておきましょう。
ネットで購入したいなら実釣レポートを参考に
ラインをネットで購入したいなら次の2点に注意しましょう。
ネット購入時の注意点
- まず号数やlbをよくチェック
- レビューの実釣レポートを参考にする
実釣レポートは耐久性やヨレ具合、飛距離、水の中での視認性など細かく報告されているので参考にするとよいでしょう。
ただし耐久性に関しては、レビュアーが釣る場所や釣行回数に大きく影響するので、その人が「どこで」「どのくらい」釣りをしたかを合わせてチェックする必要があります。
ライン選びでよくあるQ&A
初心者でも扱いやすいトラウト用ナイロンラインのランキングをお送りしてきましたが、最後に、山口氏にいくつかのギモンに答えてもらいましょう。
トラウトラインは他の釣りでも使える?
基本的に使えますが、ベストではありません。たとえば磯からのウキ釣りやフカセ釣りでもナイロンラインを使いますが、ラインの使用号数がトラウトとは異なります。またナイロンはそれぞれの釣りに合わせた特徴を持っているので、できればその釣りの専用ラインを用いるのが良いでしょう。
ラインの交換時、ナイロンをすべて変えるべきですか?
ナイロンは水を含みやすいので、2~3回の釣行で巻き替えるのがベストです。ただすべて替えるのはもったいない、という人には裏巻きという方法があります。リールから他のスプールを2回経由してリールの先端を逆転させる。もしくはリールから他のリールに巻いて移す。これなら未使用のラインを新たに使うことができます。
「アイリーフィッシングクラブ」をチェック!
今回監修いただいた、山口氏が所属する横浜発のフィッシングアパレルブランド「irie fishing club(アイリーフィッシングクラブ)」のInstagramのオフィシャルアカウントがコチラです。
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釣り人ならではの遊び心と実用性満載の商品が並んでいます! ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
ナイロンラインの売れ筋ランキングもチェック!
以上、ナイロンラインのおすすめランキングでした。本ランキングを参考に、自分に合った釣り糸・ラインを見つけてくださいね。
ナイロンラインのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
100mで1000円ちょっとと、他と比べて若干高めですが、それに見合ったラインだと思います。トラウトはもちろん他の釣りにも使える汎用性の高いタイプです。