完成度が高いと噂の「KOOV」を1ヶ月使って検証しました!
子どもが気軽に遊べて1人でも学べることを前提としてつくられている「KOOV」。子どもの目線に立っているから、日本語表記や解説の表現がやさしくて説明も丁寧! と、わかりやすさはこれまでの子ども向けロボットプログラミング教材の上をいっているようです。
見た目のかわいさと作り込まれたアプリの完成度が高いという評判から、プログラミング未経験者の大人でも「とっつきやすそう」と、『家電批評』編集長が発売前に予約購入。ひと月ほど使ってその実力を検証したところ、オススメする3つの理由が見えてきました。まずは、「KOOV」がどんな商品なのかをご説明します。
自由に遊んで直感的に学べるロボット・プログラミング学習キット
「KOOV」の対象年齢は8歳以上で、子どもが自由に遊びながら、楽しく学習できることを目的とした製品。ブロックで組み立てたロボットにプログラムを転送して動かすことで、体系的にプログラミング学習ができます。プログラミング学習は、パソコンかタブレットに専用アプリをインストールして行います。
キットには2つのタイプがあって、購入したのは基本のスターターキットに拡張パーツセットが同梱してあるアドバンスキット。全23種類のロボットレシピ(順次拡充予定)が学習可能です。中にはこんなパーツが入っています。
ソニー
KOOV アドバンスキット EKV-200A
実勢価格:5万3870円
対象年齢:8歳以上
電源:単3形アルカリ乾電池×3本(別売)
ピース(ブロック+付属パーツ):302
電子パーツ(コアを含む):24
学習コース(順次拡充予定):2
ロボットレシピ(順次更新予定):23
コア(本体)。プログラムを受け取るコンピュータ部分です。
動力源となるバッテリーボックスは単3乾電池で動きます。
DCモーター。車型のロボットを動かすときなどに使うパーツです。
サーボモーターはロボットの手足や首など、関節部分に使います。
全4色(白、赤、緑、青)あるLEDライト。
※青はスターターキットに同梱せず
明るさを検知して、暗くなったら動くなどできる光センサー。
赤外線フォトリフレクタは、手を近づけると反応するなど対象との距離を測ることができます。
縦横奥行きの3次元の動きを検知できる加速度センサー。
ブザーで音程などを調整し、音の表現を行います。
ソニー・グローバルエデュケーションのコーポレートカラーを使用したブロック。7種類の形状があります。
基本セットのスターターキットは、14種類のロボットレシピ(順次拡充予定)が学習でき、これに拡張パーツセットを買い足せばロボットレシピも増えます。
ソニー
KOOV スターターキット EKV-120S
実勢価格:4万1800円
対象年齢:8歳以上
電源:単3形アルカリ乾電池×3本(別売)
ピース(ブロック+付属パーツ):172
電子パーツ(コアを含む):16
学習コース(順次拡充予定):2
ロボットレシピ(順次更新予定):14
KOOV 拡張パーツセット EKV-080E
実勢価格:2万5629円
対象年齢:8歳以上
ピース(ブロック+付属パーツ):130
電子パーツ(コアを含む):8
※拡張パーツセットだけでは利用できません
【オススメの理由①】「ゲーム感覚」でわかりやすい!
編集長と一緒に試したライターの8歳と12歳の子ども達に見せたところ、「すぐやりたい!」と、とても意欲的でした。小学3年生の男の子は、ロボットレシピで表示される説明図をマウスでグリグリ動かしながら、楽しそうにロボットを組み立てていました。
プログラミングについても、すぐに理解していた様子。「誰かに教えてもらう必要がなく、子どもが1人でも学習できる“優しさ”がいいですね」と、親世代の評価も上々でした。自分でつくったブロックのロボットに自分で動きを与えられてゲーム感覚で遊べるから、子どもでもわかりやすかったようです。
そういえば、昔プラモデルを作って「動けばもっと楽しいのに」と感じていたのを思い出しました。実際にブロックを組み立てて、プログラムを作って、動いたときの感動は大人も想像以上でした。
カラフルなブロックを組み立てます。
パソコンにアプリをインストールしてプログラミング。
ブロックが動くと、大人でも結構感動します!
【オススメの理由②】ロボットレシピがわかりやすい!
ロボットレシピでのブロック組み立て説明図も素晴らしいです。説明図は3D表示されていて、自由に回転や拡大縮小が可能。さらに、説明図がすべて動画になっているから、どのブロックとどのブロックが組み合わさってどういう形になるかということが、とてもわかりやすいんです。
また、説明の文章の漢字にはルビが振られており、漢字が読めない小学校低学年の子どもでも問題なく学習できるようになっています。
アドバンスキットのロボットレシピは22種類(最終的に32種類に増える予定)。プログラムも予め組まれていて、お手本に沿って学習できます。
最初にミッションのゴールが提示され、次に必要なプログラミングブロックを解説。その後実際のプログラミングという手順になっていて、子どもが独学でできるようになっています。
3Dイラストなので、わかりづらい場合はイラストを動かせばOKです。
クルクル動かせるから、見えづらい場所もバッチリ!
赤外線フォトリフレクタ+DCモーターを使って作った機関車。白い紙に黒い線で線路を書くと、それに沿って動きました。
バイオリンは弓を動かしてさまざまな音を出せますが、演奏は難しいです。
LEDを光らせながら上下に不思議な動きをするUFO。
【さらに、オリジナルロボットも作れます!】
「機関車」をベースにLEDを組み込みトラックを作ってみました。自由に作るのは結構難しく、左右対称に組むのに苦労しました。
【オススメの理由③】プログラミングがわかりやすい!
キーボードに慣れていない子どもでも、マウスでブロックを手順通りに配置するだけでいいので、プログラミングが容易です。未経験の大人にも非常に勉強になり、初心者でも段階を踏んでプログラミングの基礎を学ぶことができます。
段階的にプログラミングを学習していく「がくしゅうコース」は2つのコースから成り、「はじめてのロボットプログラミング」では、電子パーツの役割、プログラミングの組み方まで、ひとつひとつ丁寧に教えてくれます。
後半では、「へんすう」や「らんすう」も出てくるので、この辺りまで来るとちょっと難易度があがります。それ自体は理解できても、子どもが自由に使いこなせるかというと実際には厳しいかも……。
ゲームのようにミッションをクリアしながら、プログラミングの方法をゼロから学べる「はじめてのロボットプログラミング」。
概念もわかりやすく解説してくれます。
プログラミング言語がコレ。
ドラッグ&ドロップで動かして、日本語のブロックを組み合わせて作ります。
最後におまけとして、安くブロックの拡張ができる非公式な裏ワザをご紹介します。「KOOV」のブロックは、学習教材を開発・販売しているアーテックと共同開発したもので、アーテックのブロックと互換性があるんです。よって、色は異なりますが、アーテックブロックを使って拡張が可能! しかも安くすみます。
アーテック
ArTecブロック バケツパステル112ピース
実勢価格:1818円
カラーは左のソニーの方がシャレています。
形状は同じなので、しっかりとハマりました。
以上3つの理由から、子どもが1人でもプログラミングを学べる「KOOV」は超オススメなことがわかりました。子どもにプログラミングの基礎を学ばせたいが、自分が教える時間はないという方には特に推奨します。ちなみに、脳の柔軟性が高い子どもの頃のほうが吸収しやすいらしいです。