オフィスの28℃と家庭の28℃は意味合いがまったく違います
そもそも推奨されている「28℃」は、オフィスでの設定温度を上げることで、環境への配慮を狙ったものです。対して家庭での28℃は電気代節約の意味合いが強く、微妙に目的が異なります。
つまり、家庭では「28℃」設定にしていたからといって、電気代があまり下がらないようでは意味がなく、逆に言えば効率の良いエアコン運転で電気代が節約できれば、無理して28℃設定にする必要もありません。
【28℃設定の落とし穴】忘れちゃいけないのが「除湿」です
東京消防庁のデータでは、熱中症患者の約4割は室内で発生しています。その中には28℃台で「湿度高い」ケースが含まれていました。実は設定温度28℃ではうまく除湿ができないことがあり、エアコンがついているのに熱中症になるという可能性が出てきてしまうのです。
最新のエアコンには自動での除湿はもちろん、人と物の温度を区別し、西日の窓を集中的に冷やす機種もあります。気流制御も細かく、センサーもかなり向上してます。7年以上前の機種なら、買い替えるのが手っ取り早いかもしれません。
以前はヒーターで温めて室温を維持していたために消費電力が大きかったのですが、現在はモーターの排熱で温める方式や、室外機から暖気を取り込む方式があり、昔ほど電気代はかからなくなりました。ただ下位モデルには搭載されないことが多いので注意が必要です。
[NG①]早く冷やしたいからとりあえず5分だけ「最強」に→逆効果
エアコンのスイッチをオンにすると、まず室外機が動き出し、熱交換器を冷やし出します。そこで十分に冷える前に風量を上げてしまうと、ファンが回ると、温風が撒き散らされ、逆効果になります。
風量を最強にしても、最初から設定温度の風は出ません
早く風を浴びたいがために温度を下げて風量を上げても、冷却機が冷えるまでは温かい風。効果が薄く余計な電力を使ってしまうことになります。
実は一番効率の良い「自動運転」
今では各メーカーともに自動運転を推奨する流れにあります。エアコンの技術が進歩したため、効率よく部屋の温度を下げる運動はエアコンにお任せが結局近道なのです。
温度を下げるのも効果ナシ
冷却機は設定温度によらず冷却する温度は一定で、冷却し続ける時間が長くなるだけ。つまり温度を下げても早く涼しくはなりません。
[NG②]扇風機の同時利用はやみくもに天井に向けても効果薄
エアコンを効率よく運転させるための定番として、扇風機やサーキュレーターを同時利用する冷房術が普及してきました。しかし、それも正しい使い方でないと思ったほど効果が上がりません。
やみくもに扇風機を置くだけじゃダメです。とくにエアコンに向けてもあまり意味がありません。扇風機の設置は、吸った冷気を壁や天井に流し、エアコンに再び循環させるような場所を意識しましょう。
エアコンから出た冷気が天井を伝って向かいの壁を這い、床に流れていきます。それを扇風機で流して循環させるのがポイントです。
[NG③]帰宅後すぐに冷房ON!では中々部屋は冷えません
夜帰宅後は部屋でいきなりエアコンをかけるのは、昼の熱気がこもっているので非効率。送風&換気でまずは熱気を外に逃がしましょう。
扇風機を外に向けるのも排熱効果あり
すばやく換気するなら扇風機を外に向け換気扇代わりにするとより効果的です。
自動運転×サーキュレーター、もしくは扇風機を使って効率よく部屋を冷却します。扇風機は首の角度が大きい方が有利です。
[NG④]寝室とリビングで同じ使い方ではいけません
快適な睡眠を取るために、寝室のエアコン設定には気をつけたいところ。そのためには、入眠時と起床時の適切な温度設定を覚える必要があります。
入眠時は涼しく、目覚めは温度高めが良い
入眠時から3時間前後は眠りが深く、また体温が低い方がより眠りが深いというデータもあります。逆に起床時は温度高め・湿度低めで布団の中との温度差を少なくするのがポイントです。
2時間前運転&布団を冷やす
壁や天井には日中の日差しで熱がたまっているので、およそ就寝2時間前から部屋を冷やすことで室温の急上昇を防げます。
また、長時間、風が体に当たるのを防ぐため、天井や壁に向けて扇風機を回し間接冷房となるように設置しましょう。
ベッドに直接風を当てるのではなく、壁や天井に向けるのがポイントです。
風がダイレクトに当たっていると、涼しいを通り越して寒い。
タイマー&間接風で快眠環境にするのが理想です。
いかがでしたでしょうか? 以上のエアコン活用術を駆使すれば、無理せず快適に省エネできると思いますので、ぜひ試してみてください。
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