安いドラム式洗濯機は実用レベル? 10万円前後モデルを検証
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安いドラム式洗濯機。低価格は魅力ですが、「安くても、汚れは落ちるの?」「乾燥はしっかりできる?」と不安に感じていませんか。
そこで今回は、10万円前後のお手頃モデルが実用レベルなのか、実機を集めて検証。数ある格安モデルの中から注目の4製品をテストし、おすすめ順に紹介します。
安いドラム式洗濯機の選び方:価格だけでなく総保有コストで考える
選び方1:乾燥方式をチェックする
格安モデルは乾燥機能を割り切っていることが多いです。乾燥機能を省くか、ヒーター式を採用するかのどちらか。
除湿した乾いた空気で乾燥させるヒートポンプ式は、省エネで衣類にやさしいのが特長。ただ、本体価格が高くなりがちです。
いっぽう、ヒーター式はヒーターで温めた温風で乾燥させる方式。本体価格が比較的安い製品に多く採用されています。
乾燥機能をフル活用する家庭ならヒートポンプ式がよいでしょうが、乾燥は補助的に使う程度なら、本体価格を抑えたヒーター式という選択もありです。

図左:ヒートポンプ式、図右:ヒーター式
ヒートポンプ式は除湿して乾いた空気で乾燥、ヒーター式は加熱して温風で乾燥します。
選び方2:汚れ落ちが気になるなら、温水洗浄の有無を確認
一般的に、温水洗浄を使うと汚れ落ちがよくなります。汚れ落ちが気になる場合は、温水洗浄機能があるかどうかを確認しておくと安心です。ただし、温水洗浄は水を温めるぶん電気代は高くなります。
選び方3:電気代を含めた総保有コストで考える
ヒーター式は本体価格が比較的安いものの、電気代はヒートポンプ式よりも高くなります。このため、乾燥をよく使う場合はランニングコストがかさみます。本体価格だけでなく、乾燥機能を使う頻度や使用年数も踏まえて判断しましょう。
選び方4:サイズと開閉方向を確認する
本体の高さや開口部の大きさは製品によって差があります。高さを抑えたモデルは設置時の圧迫感が少ない一方、開口部の位置も低くなるため、立ったままだと洗濯物を出し入れしにくいと感じる場合があります。
また、置き場所に合わせて、ドアが右開き・左開きのどちらがよいかも検討しましょう。
選び方5:自動投入など使い勝手の装備を見る
洗剤・柔軟剤の自動投入の有無など、搭載機能によって使い勝手は大きく変わります。格安モデルでは柔軟剤の自動投入が省かれていることもあるので、購入前に確認しておきましょう。
また、操作パネルの表示が番号のみでわかりにくい製品もあるため、操作系の作りもチェックしておきたいポイントです。
安いドラム式洗濯機のテスト方法
雑誌『家電批評』編集部が、10万円クラスの安いドラム式洗濯乾燥機4製品を実際に使って検証しました。所定の洗濯物量・水温・洗剤量にて、標準コースで洗濯・乾燥を行っています。
テスト1:洗浄力(40点満点)
人工汚染布とリアル汚れ(カレー・口紅・赤土)を測色し、洗浄率で評価しました。
※記事に掲載している各製品の温水洗浄率は参考値で、評価は標準洗浄の結果をもとに行っています。
テスト2:乾燥力(30点満点)
衣類重量から算出した乾燥率と手ざわりで評価しました。Tシャツ・ワイシャツ・チノパン・パーカー・ブラウス・エプロン・タオル・薄手のバスタオルを実際に触って乾燥具合を確認しています。
テスト3:生地の傷みにくさ(10点満点)
所定の寸法・個数の穴をくり抜いた綿布を洗濯し、穴のフチからほつれ出た糸の本数で傷みにくさを判定しました。糸の本数が少ないほど生地が傷みにくい傾向にあります。
テスト4:電気代(10点満点)
消費電力から算出して評価しました(1kWh=31円で計算)。
テスト5:使い勝手(10点満点)
操作パネルの表示のわかりやすさや設定のしやすさ、洗剤・柔軟剤の自動投入、排水フィルターの手入れのしやすさなどを確認しました。
以上、検証では計100点満点でジャッジしました。なお、本記事では5段階の星評価に換算してランキングを作成しています。
それでは、各製品の詳しいテスト結果をランキング形式で見ていきましょう。
【比較】安いドラム式洗濯機のおすすめランキング
プロと雑誌『家電批評』編集部が実際に比較検証してわかった、安いドラム式洗濯機のおすすめランキングです。1位は日本美的「Comfee' CD-105DA1」、2位はTCL「10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A」でした。以下は洗浄力・乾燥力・生地の傷みにくさ・電気代・使い勝手などを比べた当サイト独自の結果です。
| 商品 | 総合評価順 | 安い順で並びかえる | 洗浄力 | 乾燥力 | 電気代 | 使い勝手 | 幅 | 奥行 | 高さ | 重量 | 容量 | 温水洗浄 | 乾燥方式 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本美的Comfee’ CD-105DA1
![]() |
|
595mm |
605mm |
895mm |
65kg |
10kg(洗濯)、5kg(乾燥) |
◯ |
ヒーター |
|||||
TCL10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A
![]() |
|
600mm |
615mm |
865mm |
73kg |
10kg(洗濯)、5kg(乾燥) |
◯ |
ヒーター(水冷除湿式) |
|||||
ニトリ10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2
![]() |
|
600mm |
595mm |
857mm |
76.4kg(約) |
10kg(洗濯)、5kg(乾燥) |
◯ |
ヒーター |
|||||
ハイアールDeLAITO Step JW-FP100A
![]() |
|
595mm |
593mm |
943mm |
79kg |
10kg(洗濯)、5kg(乾燥) |
◯ |
PTCヒーター |
【1位】日本美的「Comfee’ CD-105DA1」
- 日本美的Comfee’ CD-105DA1
- 最安価格: ¥99,800〜
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地の傷みにくさ
- 電気代
- 使い勝手
- 幅
- 595mm
- 奥行
- 605mm
- 高さ
- 895mm
- 重量
- 65kg
- 容量
- 10kg(洗濯)、5kg(乾燥)
- 温水洗浄
- ◯
- 乾燥方式
- ヒーター
- 型番
- CD-105DA1(W)
<洗浄力>苦手な汚れが少なくどれもソコソコ落ちる
洗浄力(標準コース)
| 人工汚染布 | 38.9% | |
| リアル汚れ | カレー | 84.8% |
| 口紅 | 89.2% | |
| 赤土 | 79.9% | |
洗浄力(温水洗浄「60℃」、参考値)
| 人工汚染布 | 53.4% | |
| リアル汚れ | カレー | 90.3% |
| 口紅 | 95% | |
| 赤土 | 93% | |
洗浄力は、検証4製品中No.1の実力です。特に頭一つ抜けていたのが人工汚染布のテスト結果で、他製品が30%台前半に止まるなか、40%近い洗浄率を記録しました。
リアル汚れのテスト結果でも、カレーと口紅の汚れ落ちは抜群です。赤土こそ視認できるほど色が残りましたが、それでも他製品と同等に落としています。なお、リアル汚れの結果は、ハイエンド機と比べても悪くありません。
人工汚染布の洗浄率:38.9%
Before

After

一般的な衣類の汚れを再現した人工汚染布のテスト結果は、ハイエンド機に比べてかなり低い数値です。汚れ落ちが心配な場合は、電気代は上がりますが温水洗浄を使うのがよさそうです。
リアル汚れの洗浄率:84.6%(平均)
[カレーの汚れ]
Before

After

[口紅の汚れ]
Before

After

[赤土の汚れ]
Before

After

カレー・口紅・赤土のリアルな汚れを付けて洗濯した結果、赤土以外は見た目でほとんどわからないレベルまで落とせました。
<乾燥力>厚手の衣類以外はほぼ乾いた
衣類乾燥が難しい厚手の衣類は湿っていた

省エネ性能で劣り、衣類の縮みや傷みも心配なヒーター式乾燥ですが、60℃の温風でしっかり乾かせるのはメリットです。乾燥前後の重さから算出した乾燥率は、厚手のパーカーとチノパン以外100%で、ほとんどの衣類が乾きました。
触って乾燥具合を確認した評価は以下のとおりです。
| Tシャツ | ◯ |
| ワイシャツ | ◯ |
| チノパン | △ |
| パーカー | △ |
| ブラウス | ◎ |
| エプロン | ◎ |
| タオル | ◎ |
| 薄手のバスタオル | ◎ |
パーカーとチノパンの一部が湿っていたほか、ワイシャツなどの縫い目に湿気が残っていました。
<生地の傷みにくさ>やさしくはないが大きな傷みもなし
Before

After

穴を開けた生地を洗い、糸のほつれ具合で傷みやすさを判定するテストでは、洗浄力の高さが裏目に出たのか、今回テストした4製品中ワーストの結果でした。ただし、ハイエンド機と比べてもそれほど悪い結果ではありません。
<ここはイマイチ>電気代は洗濯~乾燥で100円超え。安いとはいえない
一般的に、ヒーター式はヒートポンプ式よりも電気代が高くなりがちです。なかでも、今回比較した4製品のうち日本美的「Comfee’ CD-105DA1」は消費電力がかなり大きいです。乾燥の頻度が少なければ許容範囲ですが、毎日乾燥を使う家庭では電気代が無視できない金額になります。
ハイエンドモデルと格安機の比較(実測)
| 洗い すすぎ 脱水 |
乾燥 | 電気代合計 | |
| 日立 「ビッグドラム BD-STX130M」 |
6.6円 | 38.8円 | 45.4円(参考) |
| TCL 「10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A」 |
1.1円 | 73.8円 | 74.9円(電気代1位) |
| 日本美的 「Comfee' CD-105DA1」 |
2.4円 | 104.0円 | 106.5円(電気代3位) |
<使い勝手>操作は慣れが必要だが,洗剤の自動投入は快適
洗剤の量や乾燥レベルを調節する際に、説明書を見ないと表示の意味がわからないなど、操作面でやや不便さを感じました。ただ、一度覚えて慣れてしまえば問題はなさそうです。
洗剤・柔軟剤の自動投入機能は使いやすく、使い勝手は上々です。

右側がコース選択、左側が詳細設定です。ただし「D1(やさしく)」など番号で表示されるものがあり難解……。

洗剤・柔軟剤の自動投入は手前に引き出すタイプ。天面を開けるタイプより設置スペースの面で有利です。

排水フィルターは各製品ほぼ違いはなし。フィルター取り出し前にホースで水を捨てる作業がやや手間です。
【2位】TCL「10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A」
- TCL10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A
- 最安価格: ¥86,130〜
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地の傷みにくさ
- 電気代
- 使い勝手
- 幅
- 600mm
- 奥行
- 615mm
- 高さ
- 865mm
- 重量
- 73kg
- 容量
- 10kg(洗濯)、5kg(乾燥)
- 温水洗浄
- ◯
- 乾燥方式
- ヒーター(水冷除湿式)
- 型番
- TW-DVK10A
<洗浄力>皮脂汚れには弱いもののほかはまずまず
洗浄力(標準コース)
| 人工汚染布 | 28.7% | |
| リアル汚れ | カレー | 77.1% |
| 口紅 | 88.1% | |
| 赤土 | 76.8% | |
洗浄力(温水洗浄「60℃」、参考値)
| 人工汚染布 | 53.2% | |
| リアル汚れ | カレー | 92.3% |
| 口紅 | 96.1% | |
| 赤土 | 92.8% | |
人工汚染布の洗浄率はイマイチでしたが、リアル汚れは他製品と遜色ない汚れ落ちでした。
人工汚染布の洗浄率:28.7%
Before

After

温水時の洗いから脱水までの電気代は、標準の約1円から約30円に跳ね上がります。しかし、汚れ落ちは改善するので使うほうがよさそう。
<乾燥力>薄手の衣類もわずかに湿っていた
厚手の衣類は念入りに乾燥を

| Tシャツ | ◯ |
| ワイシャツ | ◯ |
| チノパン | △ |
| パーカー | △ |
| ブラウス | ◎ |
| エプロン | ◎ |
| タオル | ◎ |
| 薄手のバスタオル | ◎ |
今回テストした全洗濯物を数値上(重量計算上)はほぼ完全乾燥に近い結果となりました。しかし、実際に触ってみるとチノパンのポケット内やパーカーのフード部分などが一部湿っていました。Tシャツやワイシャツの湿気残りも気になります(表の◎〜△は触った実感です)。
<生地の傷みにくさ>温水洗浄をしなければ負担は少ない
ほつれた糸は4製品中最少
Before

After

糸のほつれが少なく生地にはやさしそうです。なお、温水洗浄だと40%程度ほつれが増加します。
<使い勝手>自分好みに調節したいときは説明書が必要
操作性は改善の余地あり

操作は左のダイヤルでコース選択、右のパネルで設定の変更という仕様。他製品のように使えないボタンが消灯しないので、どのコースで何を変更できるのかわかりにくいです。柔軟剤の自動投入がない点もマイナスです。
【3位】ニトリ「10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2」
- ニトリ10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2
- 最安価格: ¥99,900〜
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地の傷みにくさ
- 電気代
- 使い勝手
- 幅
- 600mm
- 奥行
- 595mm
- 高さ
- 857mm
- 重量
- 76.4kg(約)
- 容量
- 10kg(洗濯)、5kg(乾燥)
- 温水洗浄
- ◯
- 乾燥方式
- ヒーター
<洗浄力>他製品と同等だけれどリアル汚れ(カレー)はイマイチ
洗浄力(標準コース)
| 人工汚染布 | 32.4% | |
| リアル汚れ | カレー | 64.5% |
| 口紅 | 87% | |
| 赤土 | 77.3% | |
洗浄力(温水洗浄「60℃」、参考値)
| 人工汚染布 | 38.9% | |
| リアル汚れ | カレー | 81.6% |
| 口紅 | 94.2% | |
| 赤土 | 93.5% | |
洗浄率は他製品と同等レベルで悪くありませんが、カレーの汚れ落ちだけが弱めでした。
人工汚染布の洗浄率:32.4%
Before

After

リアル汚れの洗浄率:76.2%(平均)
洗浄率(カレー)
| ニトリ 「10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2」 |
64.5% |
| 日本美的 「Comfee’ CD-105DA1」 |
84.8% |
[カレーの汚れ]
Before

After

[口紅の汚れ]
Before

After

[赤土の汚れ]
Before

After

<乾燥力>チノパンとパーカー以外しっかり乾いた
フード裏や袖口が湿っていた

| Tシャツ | ◎ |
| ワイシャツ | ◯ |
| チノパン | △ |
| パーカー | △ |
| ブラウス | ◎ |
| エプロン | ◎ |
| タオル | ◎ |
| 薄手のバスタオル | ◎ |
乾燥率の数値はチノパンとパーカーを除き完全乾燥でした。触って確かめてもこの2つには湿っている部分がありました。このほか、ワイシャツも縫い目部分などに湿気残りを感じました。
洗濯物を少なくする、乾燥時間をより長くするなど、使い方に工夫が必要です。
<生地の傷みにくさ>運転時間の長さの割に傷みは少ない
糸のほつれが少なめ
Before

After

洗濯乾燥で5時間近くかかる割に、糸のほつれは少なめでした。生地を傷めにくい製品のなかには洗浄力が低いものもありますが、テスト結果を見る限り、ニトリ「10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2」は比較した他製品と同等の洗浄力でした。
<サイズ>洗濯機置き場の空間の圧迫感が少ない

ニトリ「10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2」の大きな特徴は、本体のコンパクトさ。ほかの3製品より高さを抑えています。一方で、開口部の位置が低く、開口部のサイズも小さいため、立ったままだと洗濯物をやや出し入れしにくいと感じました。
【4位】ハイアール「DeLAITO Step JW-FP100A」
- ハイアールDeLAITO Step JW-FP100A
- 最安価格: ¥99,800〜
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地の傷みにくさ
- 電気代
- 使い勝手
- 幅
- 595mm
- 奥行
- 593mm
- 高さ
- 943mm
- 重量
- 79kg
- 容量
- 10kg(洗濯)、5kg(乾燥)
- 温水洗浄
- ◯
- 乾燥方式
- PTCヒーター
- 型番
- JW-FP100A(W)
<洗浄力>性能はソコソコだけれど苦手な汚れなし
洗浄力(標準コース)
| 人工汚染布 | 32.3% | |
| リアル汚れ | カレー | 72.9% |
| 口紅 | 88.9% | |
| 赤土 | 73.7% | |
洗浄力(温水洗浄「60℃」、参考値)
| 人工汚染布 | 52.8% | |
| リアル汚れ | カレー | 90.1% |
| 口紅 | 97.7% | |
| 赤土 | 81.7% | |
人工汚染布、リアル汚れのテストとも最下位はなく、満遍なくスコアを積み上げました。
人工汚染布の洗浄率:32.3%
Before

After

<乾燥力>数値上は完全乾燥! 触ると湿った衣類も
| Tシャツ | ◎ |
| ワイシャツ | ◎ |
| チノパン | △ |
| パーカー | △ |
| ブラウス | ◎ |
| エプロン | ◎ |
| タオル | ◎ |
| 薄手のバスタオル | ◎ |
計算上はほぼ完全乾燥に近い結果となりました。しかし実際に触ってみると、チノパンとパーカーは湿った部分がありましたが、ほかはカラッとしています。ただし、乾燥に4時間半かかるのが微妙です。
<ここはイマイチ>電気代は洗濯も乾燥も今回テストした4製品ではワースト
| TCL 「10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A」 |
74.9円(2.417kWh) |
| ニトリ 「10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2」 |
97.6円(3.147kWh) |
|
日本美的 「Comfee’ CD-105DA1」 |
106.5円(3.434kWh) |
| ハイアール 「DeLAITO Step JW-FP100A」 |
110.5円(3.564kWh) |
異常な発熱を抑えるPTCヒーターがウリの乾燥機能です。しかし、1回あたり乾燥だけで電気代が107.1円かかります。さらに、洗いから脱水までの電気代も3.4円と割高です(ほかの製品は1〜2円台)。洗浄力が高ければまだ納得できるのですが……。
1回あたりの電気代が高いため、使う回数が増えるほど本体価格の安さというメリットは薄れていきます。
<使い勝手>パネルの反応がよく覚えることも少なめ
タッチボタンの反応もいい

ダイヤルとタッチパネルの併用はやや面倒ですが、表示は比較的わかりやすいです。
【番外編】コスパで選ぶなら15万円のニトリという選択も!
今回テストした10万円前後の安いドラム式洗濯機は、総じて電気代(ランニングコスト)が高めという結果でした。もし予算をあと5万円ほど上乗せできるなら、ニトリの「12kgヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機 ND120HL1」も検討してみてはいかがでしょうか。ヒートポンプ式乾燥を搭載しながら15万円(検証時)で買える、コスパの高いモデルです。
- ニトリ12kgヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機 ND120HL1
- 最安価格: ¥149,900〜
格安機は総じて洗浄力が低く電気代も高め。予算が許すなら、15万円で買えるニトリのヒートポンプ式乾燥の機種を選ぶほうが幸せになれそうです。
【コラム】10万円ドラム式「安さのカラクリ」
品質が悪い? 機能が少ない? 激安の理由をプロが解説
経営ジャーナリストの坂口孝則さんが、長年電機メーカーにいた経験から、10万円クラスの格安ドラム式洗濯機の安さの秘密を解き明かします。

家電量販店では、パナソニック、日立、シャープなど高価格帯の製品が多く並んでいます。
「洗濯機は20年使うか」日本メーカーの過剰
「20年は使えるものにしなきゃねえ」。25年前、私は新卒で総合電機メーカーに入社しました。びっくりしたのが、表向きで保証している年数と、実際の耐久年数の違いでした。保証期間は通常1年。追加費用を払っても5年です。ただ、試験ではべらぼうな回数をシミュレーションします。毎日24時間使い続けても大丈夫なように、家電製品の外装プラスチック部品は20年耐えられます。
「先輩、こ、こんな丈夫にする必要あるンすかね?」「だって、すぐ壊れたら◯◯◯タイマーなんて揶揄されるだろ」「それも保証期間を過ぎてるわけだから……」。こうして日本家電の仕様は過剰に、そして耐久期間も極めて長くなりました。
私が結婚した15年前、ドラム式洗濯乾燥機を買いに行きました。30万円前後の国産品です。一方で、そのころから海外家電が日本に浸潤し、ここ数年で10万円台のドラム式洗濯機が売れ筋になっていました。今回はその安さの秘密を解き明かします。
結論からいえば10万円前後のドラム式洗濯機は「安かろう悪かろう」ではなく、日本メーカーの過剰品質・過剰機能との差額が可視化されたものといえます。そして品質を下げた、というよりも、価値の再定義といえるでしょう。
まず、乾燥方式は割り切っています。乾燥機能を外すか、ヒーター式に置き換えるかの2択です。乾燥をフル活用する家庭ならヒートポンプ機がいいでしょうが、乾燥が補助ならば魅力的です。温水洗浄をウリにするものもありますが、小型のヒーター+温度センサー+制御ソフトで実現できてコストは高くありません。
中国メーカーはその構成部材の生産規模による効率化を実現しています。中国の有名メーカーはいずれもコンプレッサーやモーターを自社グループで内製する、いわゆる垂直統合型です。しかも、主要部材のモーター、インバーター制御基板、ベアリング、鋼板、樹脂が中国国内で生産され安価に調達できます。
さらに中国メーカーは、同一プラットフォームで複数の価格帯やブランドを展開する手法も使えます。たとえば美的集団の場合、海外では東芝は高価格帯、Mideaは中価格帯、Comfee'は若年層向けの低価格帯という感じにブランドを使い分けています。そうすると開発の一部を共通化できて、その後、減価償却費用も薄くなります。
私は「日本家電の仕様や耐久性は過剰になっていった」と書きました。その点で、機能の選択と集中も注目したいところです。大型カラー液晶、遠隔操作、振動制御ダンパーなど、ほとんどが排除されています。
日本と中国のタッグによる販売面での工夫
ところで現在では、かつての日本家電ブランドの相当数は中国・台湾資本になっています。東芝ライフスタイル、AQUA(旧三洋電機の白物家電事業)、シャープなどです。そして日本ブランドは使い続けるから、「日本の信頼感」+「中国や台湾系グループの調達、生産インフラ」の結合が、彼らの強みになっていくでしょう。
さらに、ヤマダ電機はPBで10万円台のドラム式洗濯機を実現していました(テスト直前に値上がりしたため非掲載)。これは中国資本のODM(※)と組むことで、中間流通のコスト削減を図ったものです。仕様も洗剤自動投入が非搭載だったり、容量を9kgと割り切ったりしています。こうすると、広告費や営業コスト、メーカー粗利すらも圧縮できるでしょう。ニトリもテレビでハイセンスなどの中国メーカーとタッグを先行させ、その後、洗濯機で価格破壊を進めています。
※ODMとは、委託者のブランドで販売する製品の設計・開発から製造まで実施していること。Original Design Manufacturingの略称です。
現在、洗濯機の国内出荷は年間で約400万台とされ、緩やかな減少が続いています。ただ、そのなかでもドラム式洗濯乾燥機は約100万台であり、微増が続いているのです。実質賃金が伸びない日本において「台数増だが金額減」の傾向にあります。つまり、日本のメーカーが品質を過剰し続けた一方で、消費者のなかには安さや割り切りを求める層が相当数おり、中国の10万円機の登場によって、この層を奪われたともいえます。
なお、これは日本メーカーの失敗を意味しません。低価格機では早晩に中国メーカーにシェアを奪われるだろうから、高価格帯で勝負するしかありません。そして念のためですが、私は10万円台製品を激推ししているわけではありません。総保有コストで考えてほしいのです。ヒーター式乾燥の電気代はヒートポンプの倍前後、毎日使うならば年に1万円超の差が出ます。10年で本体差額を取り返すでしょう。
ここで話を冒頭に戻します。本当に、20年使う前提なら日本メーカーの上位機がいい。乾燥は補助と割り切るなら10万円機。その分岐点をどこに置くかは、各家庭の暮らし方で決まります。『家電批評』をちゃんと読んで決めましょう。
安いドラム式洗濯機のよくある質問
汚れ落ちが気になるときはどうすればいいですか?
温水洗浄を使えば汚れ落ちが上がり、ハイエンドの標準洗浄並みになります。たとえば日本美的「Comfee’ CD-105DA1」は人工汚染布の洗浄率が38.9%から53.4%に上がりました。ただし、温水洗浄は電気代が上がります。
安いドラム式でも温水洗浄を使えば汚れ落ちがアップ!
今回テストに使用した人工汚染布の汚れ落ちは、ハイエンド機であれば50%台を超えるものもあります。しかし安いドラム式洗濯機4製品の洗浄力はどれも低く、テスト用の人工汚染布の汚れ落ちは20〜30%台でした。
ただし、温水洗浄を使えば汚れ落ちが上がり、ハイエンド機の標準洗浄並みの実力を発揮します。
温水洗浄比較(日本美的「Comfee’ CD-105DA1」)
| 標準洗浄→温水洗浄 | |
| 人工汚染布 | 38.9%→53.4% |
| カレー | 84.8%→ 90.3% |
| 口紅 | 89.2%→95.0% |
| 赤土 | 79.9%→93.0% |
標準洗浄

温水洗浄

ヒーター式乾燥の電気代はどれくらいかかりますか?
今回の実測では、1回あたりの電気代(乾燥込み)はTCL「10kg コンパクトドラム式洗濯乾燥機 TW-DVK10A」が74.9円、ニトリ「10kgドラム式洗濯乾燥機 洗剤自動投入 ND100KL2」が97.6円、日本美的「Comfee’ CD-105DA1」が106.5円、ハイアール「DeLAITO Step JW-FP100A」が110.5円でした(1kWh=31円で計算)。雑誌『家電批評』が以前テストしたハイエンドのドラム式洗濯機、日立「ビッグドラム BD-STX130M」は洗い・すすぎ・脱水と乾燥を合わせて45.4円(参考値)だったため、乾燥を毎日使う家庭では無視できない差になります。
安いドラム式でも衣類はしっかり乾きますか?
乾燥率の数値上はほとんどの衣類がしっかり乾燥しましたが、実際に触って確かめるとチノパンとパーカーには湿った部分が残る製品がありました。このほか、ワイシャツの縫い目部分などに湿気残りを感じるケースも。厚手の衣類は念入りに乾燥させる、洗濯物を少なくする、乾燥時間をより長くするといった工夫が必要です。
安い本体を選べば結局おトクになりますか?
本体価格だけでなく総保有コストで考えるのがおすすめです。ヒーター式乾燥の電気代はヒートポンプのおよそ倍前後で、乾燥機を毎日使うならば差が出ます。20年乾燥機もしっかり使う前提なら日本メーカーのハイエンドモデル、乾燥は補助と割り切るなら10万円の格安機など、各家庭の使い方で検討しましょう。
格安モデルは共通して洗浄力が低く、特に乾燥を頻繁に使うなら、長期的な電気代の負担が大きくなります。乾燥機能にあまり頼らず、使用年数も長期化しないという人向けです。
【まとめ】安いドラム式洗濯機の検証テストを振り返り
以上、安いドラム式洗濯機のおすすめランキングでした。
今回の検証ではA評価以上の製品はありませんでしたが、10万円台の格安機は「乾燥はたまに」「初期費用を抑えたい」と割り切って使いたい人には向いています。
本体価格の安さだけで判断せず、乾燥をどれくらい使うか、何年使うつもりかを踏まえて選んでください。
安いドラム式洗濯機の売れ筋ランキングもチェック!
安いドラム式洗濯機のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。







子どもが服を泥だらけにして帰ってくるような家では、温水洗浄がおすすめです。