猫の命を守る防災グッズとは?
日本は世界有数の災害大国。いつ自分とペットが被災してもおかしくありません。人間用はもちろん、愛犬・愛猫用の防災グッズも用意しておきましょう。
ただし、正しい知識なしにグッズをそろえると、いざ災害が発生したとき、避難の妨げになったり役に立たなかったするおそれがあります。
LDKがさまざまな猫用防災グッズをテスト
災害時でもネコの命と健康を守るために、マイクロチップと共に備えておきたい猫用防災グッズ。
でも、新興メーカーから定番ブランドまで、さまざまなメーカーが猫用防災グッズを展開しており、どれを選べばいいか分からないですよね。
そこで、雑誌「LDK」特別編集ムック「ネコDK デラックス 2025」が、猫用防災グッズを比較テスト。災害時・避難時に活躍する、マストアイテムを探しました!
猫の防災グッズ、必要なものリストは?
まずは、ネコと災害を乗り越えるためにそろえておきたい「ネコの防災用品」を必要レベル別に解説します。
絶対に必要レベル
- 1:キャットフード
- 2:持病用の薬
- 3:水
- 4:キャリー
- 5:ソフトケージ
- 6:ポータブルトイレ
- 7:ネコ砂
ネコの防災用品で必ず必要なのは、上に挙げている7つ。ひとつでも欠けているなら今すぐ用意してください。
とくに見逃しがちなのがソフトケージ。同行避難時、ネコがポータブルトイレで用を足すときに必須です。
必要レベル
- 8:お皿
- 9:首輪
できればそろえるレベル
- 10:おやつ
- 11:リード
- 12:ビニール袋
- 13:タオル
避難時は人間とネコの防災用品、そしてネコを持ち運ぶことになります。実際にこれらを携行して避難できるか確かめましょう(ネコは同じ重さのペットボトルなどで代用)。
重くて移動するのが難しいなら、スーツケースやカートにするなど運搬方法を変える必要があります。
防災用品は保管方法も重要。グッズをひとまとめにして、いざというときすぐ取り出せる場所に置いておきましょう。
猫の防災グッズの選び方、保管のコツは?
ここでは、ねこ用防災グッズの3大ポイントをご紹介します。
1:本当に必要なものだけそろえる
避難時に使えそうなものをあれもこれもとそろえると、荷物が重くなりがち。迅速に避難するには、できるだけ身軽にすることが大事です。
まずは絶対必要なものをそろえ、余裕があるならアイテムを増やしましょう。
ポイント:セットではなくひとつずつそろえる
ネコの防災用品セットは、商品によって品数や価格が大きく異なります。
いずれにしろ不必要なものが含まれていたり、単品ずつそろえるより割高だったりするのでおすすめできません。
2:すぐ運び出せる場所にまとめておく
キャリーは玄関、ソフトケージは物置、フードは台所……と防災用品を分散させていると、いざというときスムーズに避難できません。
防災用品はできるだけひとまとめにして、玄関付近の収納スペースなど、すぐ取り出せる場所に保管を。
3:猫とセットで運び出せるか確認
人間用とねこ用の防災用品、そしてねこをセットにするとかなりの重量に。これらを持ち運べるか確かめましょう。
とくにひとり暮らしや多頭飼いの場合は運搬が大変なので、シミュレーションしておくことが大切です。
災害対策としてマイクロチップの装着を
災害時はネコが興奮しやすく、どうしても脱走・逸走のリスクが高くなります。
マイクロチップが埋め込まれていれば、ネコが迷子になったとき再会しやすくなるので、ぜひ装着を検討してください。
装着の副作用は極めて起きにくく低リスクです。
マイクロチップは直径1〜2mm、長さ10mm程度
マイクロチップは生体適合ガラスで覆われ、電池は不使用。一度装着すれば生涯使えます。
装着は一瞬で終わり、痛みはほとんどない
獣医師が専用の注入機でマイクロチップを装着します。埋め込む場所は、首の後ろ側です。
猫の防災グッズのおすすめは?
1:キャットフード
普段から多めにストックしておく
ペットフードを備蓄している避難所はごくわずか。災害時は物流が滞るうえ、人間の食料が優先されるので、ペットフードを入手しづらくなります。
最低でも1週間分のフードを備蓄しましょう。ただし、防災専用とする必要はナシ。
ドライフードを2袋以上ストックし、1袋使い切ったらもう1袋購入──いわゆるローリングストックならムダがありません。
最低でも1週間分のドライフードを用意
【◯】ドライフード
質量あたりの栄養価が高く、4kgのネコなら1日40〜70g程度が目安。大量に持ち運ぶ必要がありません。
【✕】ウエットフード
80%前後が水分で栄養価が高くありません。4kgのネコなら1日2〜3袋程度は与える必要があり、荷物がかさばります。
ドライフードをローリングストックしよう
最低でも2袋はフードをストックし、賞味期限が早いものから食べましょう。
1袋使い切ったら予備を購入します。
2:持病用の薬
持病があるネコは最低1週間分の薬を備蓄
動物病院が被災すると、ペットの薬を手に入れるのが困難になります。持病があるネコは命に関わるので、最低でも1週間分はストックを用意しておきましょう。
なくなったら買い足すのではなく「残り1週間分」になったら買い求めます。フード同様、ローリングストックすれば、ムダなく使えます。
皮下点滴が必要なネコは、輸液剤のストックも忘れずに。
3:水
最低5日分必要だけど人間用の水を共用すればOK
健康なネコが1日に必要な水分量は、体重1kgあたり50〜60ml程度。防災用の水は、500mlのペットボトル1本あれば十分です。
ただし、水はとくに重い防災用品。ネコ用に用意するのではなく、人間用のものを共用すれば荷物がかさばりません。
ちなみに一般的なミネラルウォーターの賞味期限は2〜3年程度。長期保存水の場合は5〜7年程度持ちます。
4:キャリー
避難用のキャリーはリュックかカートタイプを
標準的なネコの体重は5kg前後。片手で持つタイプのキャリーに入れ、防災用品と一緒に持ち運ぶのはハードです。
そこで重宝するのが、リュックやカートタイプ。とくにひとり暮らしや多頭飼いをしているなら、こうした持ち運びやすいキャリーが必要です。
購入前には、リードを固定できるフックがあるか、内側からファスナーが開きにくいか、確認を。
【△】片手で持つキャリー
避難所までの距離にもよりますが、ネコが入ったキャリーを片手で持って歩くのはハード。とくに多頭の場合は大変です。
RoBeKaU「キャスター付き 猫用リュック」
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- おすすめポイント
-
- カート付きだから重いネコでも無理なく運べる
- 広さに余裕がある
- 内部からファスナーを開けにくい
- 型番
- JPJ-CW-SS-0067
内部にもゆとりあり
内部は十分な広さがあり、標準的な体型のネコなら2匹入れることができます。
カートになるから移動がラクちん
ショルダーベルトにはチェストベルトが付いていて、背負いやすいのが◯。
ネコが重くて持ち運ぶのが難しい場合は、カートにして使えばOKです。
CHINSUKIDA「猫 2匹 リュック 分離可」
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- おすすめポイント
-
- 3通りの持ち運び方ができる
- ネコが脱走しにくい作り
- 上下を分離できる
- 型番
- 8030
多頭飼いしている人におすすめ
とくに多頭飼いしている人におすすめ。上下を分離させ別々に持ち運ぶことも可能です。
収納力がありたっぷり物が入る
上段にネコ用の防災用品を収納し、下段にネコを入れるという使い方もできます。
5:ソフトケージ
キャリーでは排泄させるのが難しい
近年、多くの避難所がペットを受け入れています。しかし人間とペットのエリアは分かれていて、“同室避難”できるのはごく一部。
そこで必要なのが、ソフトケージ。ポータブルトイレを入れられるので、好きなときに排泄できます。体を伸ばしたり立ち上がったり、好きな体勢をとれるのもメリットです。
できるだけ持ち運びやすく、丈夫な製品を選びましょう。
ほとんどの避難所は同室避難できない
避難所の大半は人間とペットのエリアが分かれています。基本的にネコは1日中キャリーやケージの中で過ごすことになります。
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- おすすめポイント
-
- ネコの体勢を制限しない! 避難用ケージにピッタリ
- 芯材や生地がしっかりしている
- 中はゆとりがある
- がっかりポイント
-
- やや持ち運びにくい印象
- 幅
- 80cm
- 奥行
- 52cm
- 高さ
- 66cm
- 型番
- POSC-800A
折りたたみ時
折りたたんだときは、幅53×厚さ6×高さ57cm。分厚くないのは良いですが、やや持ち運びにくい印象です。
6:ポータブルトイレ
ソフトケージにフィットするサイズを選ぼう
避難時、ネコのトイレ代わりになる段ボールがすぐ見つかるとは限りません。持ち運び可能なポータブルトイレを必ず用意しておきましょう。
まずはソフトケージのサイズをチェックし、それにフィットする製品を探してください。
なかにはフタ付きのトイレもありますが、避難時はあまり利点にならず、オーソドックスな長方形の製品がおすすめです。
ポータブルトイレとソフトケージはセットで
ネコにリードを付け、外でポータブルトイレを使うのは逸走のリスクあり。トイレはケージ内で使うのが基本です。
猫壱「ポータブルトイレ」
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- おすすめポイント
-
- 完成度が高く問題点が見当たらない
- 折りたたむとコンパクトになる
- ポリエステル生地で汚れを簡単に落とせる
- 幅
- 38cm
- 奥行
- 28cm
- 高さ
- 13cm
- 型番
- 黒
折りたたみ時
折りたたむと非常にコンパクト。厚みもなくかさばりにくいのが◯です。
ナラネコ「どこでもネコトイレ 普通サイズ」
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- おすすめポイント
-
- 運びやすい工夫が施されている
- スコップとスコップを入れるポケット付き
- がっかりポイント
-
- さまざまな工夫があるも避難時は意味がなさそう
- 幅
- 40cm
- 奥行
- 30cm
- 高さ
- 12cm
- 型番
- DNT-001
折りたたみ時
折りたたむのも組み立てるのも簡単。スコップを入れられるポケット付きです。
7:猫砂
いつも使っている猫砂を備蓄しておく
災害時は新聞紙をネコ砂代わりにする手もありますが、嫌がって排泄を我慢してしまうことも。ポータブルトイレに目一杯入る量を用意しておきましょう。
システムトイレを使っている場合は、鉱物系のネコ砂を災害用にストックしておきます。
8:お皿
折りたたみできるペット用の皿がベスト
お皿は陶製だと重くてかさばりやすく、紙製だと数が必要。100均などで販売されているペット用のポータブル食器がおすすめです。
折りたためるのでかさばりにくいですし、繰り返し使えます。フード用、水用の2つを用意しておきましょう。
9:首輪
連絡先がわかる首輪を装着させよう
首輪を装着したネコは、一般的に飼いネコと認識されます。災害発生時に万が一脱走・逸走した場合、保護してもらえる可能性が高くなります。
ポイントは連絡先入りの首輪にすること。迷子だと思った人が、連絡してきやすくなります。
最近は無料で名前や電話番号を刻印してくれたり、QRコードを読み取ると飼い主の連絡先がわかるペンダントもあります。
特徴のない首輪は目印になりにくい
そのネコの特徴になりにくいシンプルな首輪だけ付けるのはNG。連絡先がわかるアクセサリーをつけましょう。
- アップリンクにくQR
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QRコード付きのペンダントをプラスするなどしましょう。
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-
- ネコの名前はもちろん飼い主の連絡先もひと目でわかる
- サイズ調整可能でジャストフィットさせられる
- 英数字・漢字・ひらがな・カタカナに対応
10:おやつ
ストレスで主食のフードを食べないときに重宝する
デリケートなネコは、地震や避難などによるストレスで食欲が低下しがち。普段の主食をまったく口にしなくなることも考えられます。
そこで嗜好性の高いおやつを用意しておきましょう。とくに栄養価が高い総合栄養食タイプがおすすめです。
嗜好性の高い液状タイプがおすすめです。
11:リード
平常時から装着させて慣らしておきたい
ネコと一緒に避難するときや避難所で過ごすときは、脱走・逸走防止のためにリードを付けるのが基本。長すぎるとネコの動きを制御するのが難しいので、130cm前後のものがおすすめです。
平常時、定期的にリードを装着させ、慣らしておきましよう。
ハーネスを使うのもありです。
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- 型番
- CWMK-L-DST
12:ビニール袋
ロールタイプならかさばらず1個あたりの枚数も多い
使用済みのネコ砂やウンチ、食べ残しのフードなどを処理するには、ビニール袋が欠かせません。ただしネコ用・人間用と分ける必要はナシ。
おすすめは100均などで販売されているロールタイプ。枚数が多いうえにサイズもちょうどよく、かさばりません。
13:タオル
ネコの緊張緩和に役立つし冬場は寒さ対策にもなる
ネコは外出すると不安になるもの。周囲にたくさんの人やペットがいれば、なおさらです。
ソフトケージをタオルで覆って周りが見えなくなるようにすれば、多少緊張がほぐれます。タオルにネコのニオイが付いているとなお良し。
自分のニオイが付いたタオルだとより安心します。
猫の防災グッズ まとめ
以上、猫の防災グッズの選び方とおすすめアイテムのご紹介でした!
大切な愛猫を災害から守るため、いざというときの備えは万全にしておきたいもの。ねこと災害を乗り越えるためには、防災用品を正しく選ぶ&保管することが大切です。
本記事では13種類のねこ用防災用品をご紹介しましたが、とくにキャットフード・持病用の薬・水・キャリー・ソフトケージ・ポータブルトイレ・ネコ砂の7つはねこの命と健康を守るための必須アイテム。
防災用品をそろえる際は、この7つのうちひとつでも不足はないか、しっかりチェックしましょう。
そんな必須アイテムのなかでも、迅速な避難を助けるキャリーと緊急時の家となるソフトケージは飼い主が扱いやすく、ねこのストレスになりにくいものが理想です。
防災用キャリー部門のベストバイとなったRoBeKaU「キャスター付き 猫用リュック」は、リュックにもカートにもなる優れもの。
開口部が大きくねこを出し入れしやすいうえに、内部はゆとりがあるのも嬉しいポイント。リードフックが2つ付いているので、2匹のねこを一緒に運ぶことができます。
防災用ソフトケージ部門のベストバイは、アイリスオーヤマの「折りたたみソフトケージ Lサイズ」。中は広く、ポータブルトイレを置いても横たわれるほどゆとりがあります。
芯材や生地がしっかりしていて、耐久性が高そうなのも好印象です。
本記事を参考に、ねこの命と健康を守る防災グッズを選んでみてくださいね。
【防災用キャリー】猫の防災グッズのおすすめ
RoBeKaU
キャスター付き
猫用リュック
【防災用ソフトケージ】猫の防災グッズのおすすめ
アイリスオーヤマ
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ひとつでも欠けていてはなりません。