17種類のアルファ米をプロが実食して検証!
そもそもアルファ米というのは、お湯か水を注ぐだけで、煮炊きすることなく、美味しいご飯ができあがる米のことです。
尾西食品の公式サイトによると、アルファ米の“アルファ”は米に含まれるデンプンの状態を示しているとのこと。米は70~80%がデンプンでできていて、生デンプン(生米)はそのまま食べても美味しくなく、消化されにくいのはご存じのとおり。でも、水を含ませて熱を加えると(煮炊きすると)、美味しくて消化されやすいデンプンに変わります。これがアルファ化(糊化)デンプンです。
このアルファ化デンプン、放置しておくと再び生デンプンに戻っていきます。炊きたてのふっくらご飯がポロポロのご飯(冷やご飯)に変わるのは、アルファ化デンプンが生デンプンに戻る現象です。しかし、この生デンプンに再び熱を加えると、再度アルファ化し、風味は多少劣化するものの、ふっくらしたご飯に戻ります。
アルファ米は、このデンプンの特性を活かした食品です。加水加熱によって米のデンプンをアルファ化させたのち、乾燥処理を施すことでアルファ化デンプンのまま固定させています。生デンプンに戻ることはないので、風味が劣化することもありません。そこにお湯や水を加えると、煮炊きせずとも、柔らかく美味しいご飯ができあがる、というわけです。
では、実際問題として、味のほうはどうなっているのでしょうか。料理のプロ2名に検証していただきました。
検証方法は、料理のプロ2名が17種類のアルファ米製品をお湯と水の2通りの味を実食し、それぞれ味、被災時を想定した作りやすさ、保存性を10点満点で採点。さらに総合でA~Dの評価をつけていただきました。実食検証にあたっていただいた料理のプロがこちら。
料理家の風間章子さん。
スーパーエコごはん研究家の桃世真弓さん。
審査序盤から「美味しいものが増えている! 非常食のイメージが変わりました」と驚きのコメントを発したおふたりが高く評価した「アルファ米」とは……。
※一部の製品の価格が取材時より上がっております。記事内では現在の価格です。
こちらの記事では「レスキューフーズ」の食べ比べもしています。
また、実食中の様子をマンガにしましたので、こちらもぜひご覧ください。
ご飯と具のコンビネーション尾西の「五目ごはん」がスゴい!
ご飯としっかりした具が絶妙のコンビネーションを楽しめます。ベースのご飯も秀逸ですが、「五目の具の味がしっかり。噛むほどに美味しい!」(風間さん)とプロも太鼓判を押す仕上がりです。
尾西食品
五目ごはん
実勢価格:640円
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総合評価:A
味:9
作りやすさ:10
保存性:10
水でもお湯でもハイレベル尾西の「チキンライス」
お湯で作ると甘めに、水で作るとトマトの香りが前面に出た仕上がり。水でもお湯でもハイレベルの味です。体力、気力が落ち込んでいる時にこそ活力を与えてくれそうです。
尾西食品
チキンライス
実勢価格:680円
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総合評価:A
味:8
作りやすさ:10
保存性:10
その他の製品も美味しいごはんいっぱいでした。
尾西食品
白飯
実勢価格:680円
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総合評価:A
寸評:お湯でも水でも美味しさのクオリティは変わらず。安定のA評価を獲得!
サタケ
ちらし寿司
実勢価格:367円
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総合評価:A
寸評:寿司酢の酸味、甘さがしっかり出ていて味わいには高評価。疲れもとれそうです。
ヤギショー
白いご飯
実勢価格:500円
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総合評価:A
寸評:200gと通常の2食分が詰まったビッグタイプ。炊き上がりのようで美味!
B評価の注目はわかめごはんとドライカレー
尾西食品
わかめごはん
実勢価格:280円
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総合評価:B
寸評:わかめの香り、風味が全体になじんでいます。水でも及第点ですが、お湯の方がオススメ。ちょっと地味(?)なためか、7月15日現在価格が落ち着いています。
尾西食品
ドライカレー
実勢価格:300円
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総合評価:B
寸評:カレーヌードル、カレースナックを思わせる懐かしくもジャンキーな味。この記事を取材したマンガでは、劇中で作家さんが絶賛していました。
尾西食品
山菜おこわ
実勢価格:325円
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総合評価:B
寸評:山菜の味がしっかりと感じられます。もち米入りなので、水で作っても食感はグッド。こちらも、マンガ劇中で絶賛された一皿です。
尾西食品
えびピラフ
実勢価格:320円
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総合評価:B
寸評:水でもお湯でも安定した味わいですが、塩味が出がちなのでお湯で作りたい。
尾西食品
田舎ごはん
実勢価格:289円
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総合評価:B
寸評:全体が上品にまとめられていますが、具材が少なめに感じられるのが残念!
C評価: ちょっと物足りないC評価
牛丼はパンチが欲しいなら注目
尾西食品
赤飯
実勢価格:358円
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総合評価:C
寸評:米粒がべちゃっとした仕上がりで残念。水で作るとあずきの粉っぽさが出ます。
サタケ
しそわかめご飯
実勢価格:368円
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総合評価:C
寸評:ゴマの食感は楽しいものの、しそ、わかめの風味が感じられないのが残念!
サタケ
牛飯
実勢価格:300円
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総合評価:C
寸評:牛肉の風味、濃いめの甘辛さが前面に。若い男性にピッタリの仕上がりです。
サタケ
炒飯
実勢価格:300円
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総合評価:C
寸評:具材もパラパラした食感。ニンジンなどのフレーバーがちょっと残念な仕上がりです。
D評価: 昔の保存食のイメージに近い
ちょっと残念なものも…
サタケ
梅じゃこご飯
実勢価格:261円
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総合評価:D
寸評:ちりめんじゃこがやや生臭く感じられ、ポイントダウン。梅の風味がないのも残念。
サタケ
青菜ご飯
実勢価格:270円
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総合評価:D
寸評:青菜の食感がなく、全体的に味気ない印象。ベースの白飯にも満足感がないのは残念。
サタケ
白飯
実勢価格:250円
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総合評価:D
寸評:ご飯粒がポロポロとしていて食感はボソボソに近い。従来の非常食のイメージです。
以上、アルファ米比較の結果でした。
総じて、水でもお湯でも十分うまい「尾西食品」のアルファ米がスゴかったといえます。パサパサ・ボソボソという先入観をくつがえす仕上がりは高評価を連発。
備えあれば憂いなし。ここで紹介したアルファ米製品、ぜひ備蓄に加えていただくことをご検討してみてはいかがでしょうか。