家電ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」を上半期ベストバイに選定した理由

 
ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」を上半期ベストバイに選定した理由 イメージ
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ソニー
α7 Ⅳ ILCE-7M4
実勢価格:29万6010円

サイズ:W131.3×H69.7×D96.4mm (グリップからモニターまで)
重量:約658g(バッテリーとメモリカードを含む)
マウント:Eマウント
イメージセンサー:Exmor R CMOSセンサー(約3300万画素)

競合機種より画質がよく欠点のないオールラウンダー

ソニーのフルサイズミラーレス「α7」の第4世代となるソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」は、カメラ専門店のマップカメラでは2021年度いちばん売れたミラーレスカメラだそう。

第3世代までの「α7」は「性能の割に価格が安いものの、使い心地はいまひとつ」というコスパ型のカメラでした。

ところが、「α7 Ⅳ」は一気に約7万円も売り出し価格が上がり、30万円前後の価格にクラスチェンジしています。

前モデルの「α7 Ⅲ」と比べると、イメージセンサーが高画素化され、フラッグシップ機と同じ最新世代の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載したことで操作レスポンスが大きく向上。

さらに操作部材やファインダー、メニュー画面など使い心地を左右するパーツも一新されており、使ってみると、撮影体験全体が一気に底上げされていることを実感できます。

もちろん、30万円のカメラは一般的な感覚では「かなり高価」ですが、この価格では“全部入りのフルサイズミラーレス“を作ることは難しいです。イメージセンサーの埃除去システムの貧弱さや、最高画質の「非圧縮/ロスレスRAW」では連写速度が低下してしまうなどのデメリットも見られます。

しかし、『家電批評』2022年3月号で競合機種と撮り比べたところ、突出したところがない替わりに一般的な撮影には大きな弱点もなく、「これ一台でなんでも撮れりる」というオールラウンダーとして大変優秀でした。

園部大輔 氏
山岳写真家/イラストレーター
園部大輔 氏 のコメント

この価格帯のフルサイズ一眼としてはなんでもこなせる優等生的なモデル。旅行や風景、4K動画、スポーツなどもしっかり撮れる機種です。

ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」のテスト結果とメリット/デメリット

テスト結果

画質 オートフォーカス 機能 モニター/EVF 操作性 動画 総合得点
19 18 18.5 17 17.5 17 107
(20点満点) (20点満点) (20点満点) (20点満点) (20点満点) (20点満点) (120点満点)

ベストバイに選定した理由として、メリットとデメリットは以下のとおりです。

▼メリット

  • 30万円前後の競合機種(Z6/EOS R6)より高画素
  • 高性能なオートフォーカス
  • α7 Ⅲより改善された操作性
  • CFexpress Type Aカードを使えば秒間10コマの連写を長時間維持できる

▼デメリット

  • イメージセンサーに埃がつきやすい
  • 30万円前後の競合機種(Z6/EOS R6)に連写速度で劣る
  • ロスレスRAW形式、無圧縮RAW形式では連写速度が低下する
  • ボディ内RAW現像に対応していない

テストのハイライト

画質/オートフォーカス/機能/モニター・EVF/操作性をそれぞれ20点満点で採点。オートフォーカスは競馬や競艇などの動体撮影を重視して検証しています。採点は山岳撮影家の園部大輔さんが担当しました。

【画質テスト】3300万画素のゆとりがポイント

【画質テスト】3300万画素のゆとりがポイント イメージ

競合モデルより画素数が多いため、風景や望遠撮影で強みを発揮。また、最新の画像処理エンジンに搭載された「クリエイティブルック」により鮮やかで見栄えのする仕上がりを簡単に得られるのも便利です。

▼画質評価:19/20点

【オートフォーカスのテスト】最先端ではないがスポーツも撮影できるAF性能

【オートフォーカスのテスト】最先端ではないがスポーツも撮影できるAF性能 イメージ

被写体を自動で追随するリアルタイムトラッキングが使いやすく、スポーツや乗り物といった動き物の撮影を簡単にできます。

▼オートフォーカス性能:18/20点

【操作性テスト】ファインダーやボタンなど前世代の不満解消

【操作性テスト】ファインダーやボタンなど前世代の不満解消 イメージ

前モデルよりボタンやダイヤルの押しやすさ・回しやすさなどが著しく改善。ファインダーの見やすさ含め、撮影体験として老舗のキヤノンやニコンにかなり迫っていました。

▼操作性評価:17.5/20点

テストの詳細はこちら

家電競合製品と比較

基本性能が高く不満が少ない ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」

基本性能が高く不満が少ない ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」 イメージ
 
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ソニー
α7 Ⅳ ILCE-7M4
実勢価格:29万6010円​

▼総合得点:90点

ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」は、パナソニック「LUMIX S5」には連写、ニコン「Z 6Ⅱ」にはAF、キヤノン「EOS R6」には画質で勝ります。比較的低価格な交換レンズが豊富なのも◎です。

A+評価2010万画素なのが惜しい キヤノン「EOS R6」

2010万画素なのが惜しい キヤノン「EOS R6」 イメージ

キヤノン
EOS R6
実勢価格:30万1950円​

▼総合得点:87点

キヤノン「EOS R6」は、手ブレ補正や連写速度、被写体認識などでソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」を上回ります。しかし、画質やバッテリー持ちで減点になりました。

パナソニック「LUMIX S5」:画質や操作性の良さで25万円クラスなら1位

パナソニック「LUMIX S5」:画質や操作性の良さで25万円クラスなら1位 イメージ
 
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パナソニック
LUMIX S5
実勢価格:22万783円​

▼総合得点:87点

パナソニック「LUMIX S5」​は、2000万画素クラスのカメラとしては極めて高画質。ただし、連写が最高で秒間7コマと遅めなのが弱点です。

A評価AF性能がやや物足りない ニコン「Z 6Ⅱ」

AF性能がやや物足りない ニコン「Z 6Ⅱ」 イメージ

ニコン
Z 6Ⅱ
実勢価格:24万1560円​

▼総合得点:82点

ニコン「Z 6Ⅱ」は、ボディの質感や画質、ファインダーはとても優秀ですが、キヤノン「EOS R6」やソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」よりAFの信頼性が低めです。

以上、30万円クラスフルサイズミラーレス部門でベストバイに選ばれた、ソニー「α7 Ⅳ ILCE-7M4」の紹介でした。2021年度、専門店で一番売れたカメラはテストでも超優等生で、納得の実力。おすすめの一台です。

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