自分に合った手帳の堅実な選び方
秋本番になると書店や文房具店では来年版の手帳が大量に見られるようになります。
定番は、毎年人気の日本能率協会マネジメントセンターの「NOLTY」やコクヨの「ジブン手帳」、豊富なラインナップの高橋書店の手帳など。
しかし、本当に自分に合った手帳はなかなか見つけにくいもの。そこで、今回は手帳の選び方を手帳選びのプロに細かく教えていただきました!
ご協力いただいたのは、手帳評論家の舘神龍彦さん、「毎日、文房具。」編集長の高橋拓也さん、ビジネストレーナーの西野浩輝さんです。
「売り切れる!」とお店に急ぐ前に、こちらを是非お読みください!
賢い手帳の選び方初心者編
①デザインや大きさを決める
まずは小さいサイズを選びましょう。
たっぷり書ける大きいサイズがいいだろうと思いがちですが、書く習慣がない人はあまり大きいサイズだと持て余してしまいます。
ビジネスバッグ、プライベートのバッグの両方に入るサイズにするのがベターです。
②使い方のルールを決める
使い方のルールは自分なりに、簡単に続けられるものにします。
どのページに何を書くかなどのルールを決めることで、初めて手帳が”習慣”になります。
「青色は仕事、赤色はプライベートで書くなど決めましょう」と舘神さんも言うように、あれもこれもと頑張らず、無理なく守れるルールだけを残しましょう。
③会社のスケジュール表と合わせる
会社のスケジューラがバーチカルタイプなら、手帳もバーチカルタイプを選びましょう。頭のなかで時間の流れを統一できて、分かりやすくなります。
バーチカルタイプとは、時間軸をページの縦に取り、1日が縦長の帯のようになっているもの。「時間管理がうまくなりたいなら、バーチカルタイプを使ってみましょう」と高橋さんもおすすめです。
④一度に何冊も使わない
仕事用とプライベート用は分けずに使うのがミソ。分けてしまうと、どちらに書いたかわからなくなります。
⑤売り切れ前に購入する
人気の手帳は発売後すぐに売り切れてしまうことがあるので、後悔する前に素早く購入を心がけましょう。
迷っている手帳はすべて購入し、使って比較してみたほうがいいというプロの意見もありました。
⑥仕事が変わったら買い直す
異動や転勤など、仕事の内容が変わったら手帳も替えましょう。
手帳の使い方を見直すことで、新しい仕事がスムーズに進むこともあります。
「わからないことは、職場の人や文房具店の店員に質問してみましょう」と西野さんも言うように、一人であれこれ考えるより他の知恵を借りることで、新たな見方ができることもありますよ。
賢い手帳の選び方中~上級者編
①今の手帳を省みる
手帳を変える場合は、今使っている手帳の気に入っている点、使いづらい点を把握して吟味しましょう。
毎年改善しながらグレードアップしていくことで、自分の使いやすい手帳にたどり着けます。
②カスタマイズしてオリジナル手帳を作る
リフィル式は色々なシリーズが出ていてカスタマイズが可能です。
付箋なども活用しながら、1年に1回使い勝手を振り返り、足したり引いたりして自分だけのオリジナル手帳を作っていきましょう。
項目別着目点「ココに着目して選ぶべし!」
3人の識者に、5項目に分けて選び方のポイントを伺いました。
[選び方の項目]
①書きやすさ
②わかりやすさ
③使いやすさ
④収納スペース
⑤サイズなどの豊富さ
それではひとつずつ解説します!
①書きやすさ
書きやすさでは、まずは開き具合からチェックします。
普通の製本だと、開いてから中央部分を押さえないと盛り上がって書きにくいですが、糸かがり製本の手帳なら、自然と180度に近い平らな状態に開くので、開いてすぐに書き始められます。
次に書くスペースの大きさ、カレンダー部分の数字の大きさや見やすさ(フォントの形や色)を見てみましょう。
文字が書きやすかったり目になじみやすければ、飽きずに使い続けられます。
②わかりやすさ
フォーマットは分かりやすいものを選びます。代表的なフォーマットは次の通り。
月間ブロック:カレンダーのような形状で1ヶ月の予定を一覧できます
週間バーチカル:1週間軸と時間軸がついて時間ごとのスケジュール管理に特化しています
週間レフト:左ページに1週間の予定、右ページにToDoなどを書けるフリースペースがあります
ガントチャート:縦軸がプロジェクト、横軸が日程で工程管理がしやすいのが特徴です
これら基本を複数組み合わせたものもあります。
基本的なことですが、端に月が印刷してあるか、インデックスがついているかも結構重要です。
③使いやすさ
持ちやすさ、汚れにくさ、ベルトの有無や形状などを考えます。
厚みやサイズも重要で、小型ならスーツの内ポケットにも入りやすいですが、あまりに小さいと今度は読みにくくなります。
④収納スペース
カードや名刺を手帳に収納する人は、収納の数や位置もチェックしましょう。
ペンホルダーの有無やスムーズに入れやすいかどうかなども、可能なら実際に触わって確かめてみるのがGOOD。
⑤サイズなどの豊富さ
サイズやカバーデザインが豊富なら、自分好みの一冊を選びやすいですね。いつも使うものなので、デザインや色もお気に入りを持ちたいもの。
[おまけ]スマホアプリは手帳の代わりになる?
今はスマホのアプリでスケジュール管理している人も多いですよね。
上の画像はスマホアプリの「Yahoo!かんたんカレンダー」(右)と、「Googleカレンダー」(左)。スタンプ機能やWEB版との連携機能が特徴です。
手帳を持ち歩かずともスマホ1つで済んでしまうアプリは便利ですが、アナログの手帳にしかできないこともあります。
例えば、図などが素早く書ける、欄外を活用できる、複数の情報を混在できるなどです。
使い勝手に応じて、アナログとデジタルを同時に活用するのもアリですね。
[ご協力いただいた手帳のプロはこちら!]
手帳評論家の舘神龍彦さん(左)、「毎日、文房具。」編集長の高橋拓也さん(中)、ビジネストレーナーの西野浩輝さん(右)
舘神龍彦さんは手帳の選び方や使い方に関する書籍を多く出されています。もっと手帳を詳しく知りたい方はこちらもチェック。
左:『iPhone手帳術』、右:『手帳の選び方・使い方』(ともに えい出版社)
手帳の選び方は、自分の使いやすさを重視すること。使いやすさも人それぞれにこだわりがあるので、今回の記事を参考に、最適な一冊をお選びください。