汗は見た目もニオイもNG 制汗剤で爽やかに
高温多湿な日本の夏。気をつけたいのが汗のケアですね。暑いときに汗を書くのは体温調節のため。体にとっては必要不可欠なシステムですが、日本の夏は湿度が高いので、かいた汗がなかなか引きません。汗で服が汚れて見栄えも悪く、さらにはだんだんイヤなニオイが……。
実は、かいた汗そのものにはニオイはありません。では、汗をかくと臭う、あのイヤなニオイは何が原因なのでしょうか。
ニオイの原因は「常在菌」 汗をかく季節は繁殖しやすいんです
私たちの皮膚には、さまざまな雑菌が住んでいます。この雑菌たちは「常在菌」と呼ばれ、人間の肌に常に存在する微生物のことです。この常在菌は、皮脂膜を作り、肌の潤いや健康を保つ役割をしています。
常在菌は、汗や皮脂などを餌にして分解物をつくりますが、この分解物が、あのイヤ~なニオイの原因なんです。当然、汗をたくさんかく季節は菌が繁殖しやすいので、ニオイに悩まされることが多くなるわけです。
周りの人に、クサイと思われるのも、服がワキ汗で濡れてみっともないのもイヤ!! というわけで、この季節、効果のある制汗剤で汗を抑えて快適に過ごしたいですね。でも、種類が多くてどれを選んだらよいのかわからない……とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決すべく、ドラッグストアやネット通販などで手に入る「スプレー」「スティック」「ロールオン」「手塗り」の4タイプの制汗剤30製品を集め比較検証しました!
制汗剤は主に4タイプ 選び方はこちらです
では、検証の前に、まずは制汗剤の主な種類について知っておきましょう。求める効果によって使うべき制汗剤は変わってきます。各タイプの特徴をチェックして、自分に合ったものを選ぶのがオススメです。
①スプレータイプ
薬剤を霧状に噴射するタイプの製品です。ガス圧でパウダーを噴射するエアゾール式と、薬液をポンプで噴射するミスト式があります。手間なくサッと使いたいならオススメです。
このタイプは製品の種類が最も多く、比較的簡単に手に入ります。直接ワキに手を触れないので、手を汚さず気軽に使用できるのが便利。ただ、効果や持続時間はやや控えめのものが多いようで、運動後や出先でのとっさのケアに向いていると言えるでしょう。香り付きの製品も多いので、ちょっとした香水のようにも使用できるのがポイントです。
メリット:使いたいとき、すぐに使える。直接肌に触れずに使える
デメリット:持続時間はやや短め
②スティックタイプ
手軽さと持続力を兼ね備えているのが、スティックタイプです。半固形の薬剤を体温で溶かしながら直接ワキに塗り込みます。リップクリームのような繰り出し式で、これも手を汚さずに使用できるのが嬉しいところ。コンパクトで持ち運びにも便利なタイプが多いんです。
クリームのように肌に密着しますが、繰り出し式の半固形タイプなので、効果が薄れたと感じたらサッと塗り直しができる手軽さが魅力です。反面、乾くと肌に白く残るものもあり、服に薬剤が付着してしまうこともあるので注意が必要です。
メリット:コンパクトで持ち運びに便利
デメリット:製品によっては肌に白く残るものもある
③ロールオンタイプ
スティックタイプ同様、ワキに直接当てて使用します。ボトル上部のボールが転がることによって薬液が皮膚につく仕組みになっています。
肌に直接塗る制汗剤ですが、スプレーやスティックタイプと同様に手を汚さずに使うことができます。薬液が素早く肌に浸透し即効性が高いのが特徴です。
アルコールやメントール入りの製品が多く、塗ったときのスーッとした爽快感が気持ちいいですが、汗止め効果はそこそこかも。肌が濡れるため、しっかりと乾かさないと服が汚れてしまうので注意しましょう。
メリット:先端のボールで、誰でも簡単にムラなく塗れる
デメリット:薬液を乾かすのに時間が必要
④手塗りタイプ
薬剤を直接手に取り肌に塗ります。肌への密着力が高く、4タイプの中で薬効成分が最も濃い製品です。
持続時間が長く、1度塗ればしばらく効果がありますが、刺激が強く肌への負担が大きい点も。
また、使用後に手や指を洗わなくてはならないなど不便な点もあり、使いたいときに気軽に使えないのが玉に瑕かも。でも、効果の高さは一番なので、汗の量が多い、体臭が気になるなど、手間がかかってもしっかりケアしたい人にオススメです。
メリット:効果や持続時間が長いものが多い
デメリット:使った後に手を洗う必要がある
知っておくと便利! 効果的な制汗剤の使い方
同じ制汗剤を使うなら、効果的に使いたいですよね。上手な使い方をご紹介しておきましょう。
①入浴後の使用が効果的!
冒頭でお伝えしたように、ニオイの発生源は肌に棲んでいる菌。汗や皮膚の汚れをエサにして繁殖し、ニオイのもとである分解物をつくります。ということは……制汗剤は、入浴後の使用が効果的なんです!
制汗剤を使うのは、ニオイの原因となる雑菌が少ないことが大前提となります。ベストなタイミングは夜。お風呂で体をしっかり洗った後、肌の雑菌が少ない状態で使用するのがベストです。さらに朝、出かける前にもう一度使用すれば、日中の汗対策は万全ですよ。
②ボディシートを併用しよう
ニオわないようにするには、肌を清潔に保つのが大切です。制汗剤を使うときはボディシートを併用しましょう。しっかり拭いて除菌してから使えば、消臭効果が倍増しますよ。
③制汗剤の使用は1日3回まで!
制汗剤の成分には、金属粒子が含まれているものもあります。肌にいい成分とは言えないため、汗をかいたからといって何度も使用するのは避ける方がベター。使いすぎは肌荒れの原因にもなってしまいます。
④お風呂で汗をかき「臭わない汗」をつくる!
長い間、汗を抑えると、老廃物が蓄積されて雑菌の増えやすい「悪い汗」になってしまいます。制汗剤を使った日は、お風呂でしっかりと汗をかき、菌の増えにくい「よい汗」をかくように心がけましょう。
⑤粉タイプは靴の消臭にも!
制汗剤に使われるミョウバンは殺菌力が高く、消臭剤としても優秀です。粉末は湿気取り効果もあるので、あくまでも裏ワザ的な使い方ですが、靴に振りかけておけば消臭効果が期待できます。
いよいよテスト! ベストな制汗剤はどれ?
種類が多くてどれがいいのかわからない制汗剤。今回は編集部員が30製品を実際に使い検証しました。識者の協力を得て4つの項目でテストし、100点満点で採点しました。
①消臭力:40点
片方のワキに制汗剤を塗った状態で1日過ごしたTシャツを、臭気判定士がチェック。イヤなニオイが抑えられているかを判定してもらいました。
②持続力:20点
編集部員に制汗剤を使用してもらい、実際の使用感を中心に採点。使用後約8時間、定期的に制汗剤の持続力を確認し、評価しました。
③汗止力:20点
こちらも編集部員による使用感チェックにて採点。普段と比べてどれだけ汗をかかず快適に過ごせたかを評価の基準としました。
④即効性:20点
Tシャツと同じ素材の布片にアンモニア液を振りかけた後、制汗剤を使用。アンモニアのニオイが軽減されているかどうかをチェックしました。
ご協力いただいた識者は……
臭気判定士・石川英一さん。
日本でも数少ない臭気判定士で、臭いの原因まで特定できる「ニオイ」のスペシャリストです。
さあ、それでは30製品をテストしてわかった、各タイプ別ベスト制汗剤を発表いたします!
総合1位はスプレータイプ! 直塗りにも劣らぬ消臭力
検証の結果、ベスト制汗剤に選ばれたのはコーセーコスメポート「エスカラット 薬用デオドラントパウダースプレー」です!
一般的に持続力に欠けるスプレータイプながら、持続力、そして消臭力項目が満点! いろいろなお店で手に入れやすいので「気軽に使える」点も高い評価を得ました。
コーセーコスメポート
エスカラット 薬用デオドラントパウダースプレー
実勢価格:462円
内容量:180g
タイプ:スプレー
ベストの理由①:肌サラサラでムレを感じない快適さ
出てくる汗を完全にストップするわけではありませんが、汗をかいてもベタつかず、ムレないので快適に過ごせます。
ベストの理由②:常識を覆す消臭力
石川さんも「汗のニオイが全くしない! スプレータイプでここまでの消臭力は正直驚きです」と言うほどの消臭力。さらに、持続力でも満点を獲得するなど、これまでのスプレータイプの常識を覆す製品です。
ベストの理由③:スプレータイプだからどこでも使える!
サッと取り出して速攻汗ケアが可能。場所や時間を選ばずどこでもすぐ使えるのは、スプレータイプならではの強みですね。
「エスカラット」は、汗のニオイをほとんど感じないレベルまで低減し、消臭力・持続力の2つで満点を獲得した実力の持ち主。スプレータイプの弱点を見事に克服した逸品です。
自信を持ってオススメできるベストバイです!
気軽に試せる スティックならコレ!
トップバリュ
薬用デオドラントスティック
実勢価格:591円
内容量:17g
タイプ:スティック
コスパ抜群! 初めて制汗剤を使う人には試しやすい製品です。でも、価格が安くても、内容には妥協なし! 殺菌・制汗・保湿と、汗対策に必要な成分は全て含まれていて、頼もしい実力派。
また、手に入れやすいのも高ポイント。お試し買いでも後悔なしですよ。
使用時の快感が やみつきになる!
花王
メンズビオレ 薬用デオドラントZ ロールオン
実勢価格:544円
内容量:55ml
タイプ:ロールオン
大きいボールで気持ちよく塗れる製品。塗り広げた際のスーッとした爽快感は他のタイプにはない大きな魅力。
そして、液体なので即効性は抜群! 消臭力でも高いスコアを獲得した、十分オススメできる製品です。
効果は折り紙付き 老舗の名品
日邦薬品工業
オドレミン
実勢価格:1367円
内容量:25ml
タイプ:手塗り
全ての項目で高い点数を出し、老舗メーカーの力を見せつけた製品。また、手塗りタイプの煩わしさが一切ない点は大きな評価ポイントとなりました。
手を洗う手間がかからないので手軽にケアでき、しかも高い効果を得られます。出先でもしっかりケアしたい方にオススメ。
歴史を感じるパッケージデザインも魅力の一品です。
各タイプの1位製品は、気になるニオイを減らす「消臭力」の高さが共通していました。どの製品も高い効果のある、買って損はないオススメの制汗剤ですよ。ぜひ、この夏を快適に過ごすための制汗剤選びの参考にしてくださいね