Amazonでフルセットの浴衣が買えちゃいます
夏の気分を盛り上げてくれる、浴衣。帯や小物など、アイテムを個々に揃えるのは大変ですが、フルセットなら肌着だけ用意すれば大丈夫なので意外と簡単。花火大会シーズンを目前に控えた今でも間に合う、浴衣セットをご紹介します。
今回集めたフルセット浴衣は、Amazonで人気のあるブランドの商品をピックアップし3製品を比較しました。基本のセット内容として、浴衣、帯、下駄を必須条件とし、すべて1万円以下と同価格帯で揃えています。
浴衣セットのほかに用意が必要な肌着等は、それぞれの記事の最後にまとめているのでチェックしてみてください。
また、レディース浴衣が気になる方はこちらの記事もご覧ください。
レディース浴衣の記事はこちらから読めます。
浴衣のプロが品質をチェックしました
今回は、東京と大阪を中心に着付け教室を開催している「花京都きもの学院」の副学院長・真野珠美先生にご協力いただきました。
花京都きもの学院 公式サイトはこちら
プロも驚いた！格安浴衣の衝撃の品質格差
格安とはいえ、涼しく快適な着心地であることと、見た目もよいものを選びたいですよね。そこで、浴衣を選ぶ時に見るべき4つの観点から、プロに評価してもらいました。
［ポイント①：着付けのしやすさ］
初心者でも着付けがしやすいかどうか、帯の柔らかさや、ほどけにくさなどを総合的にチェックしました。
［ポイント②：縫製］
糸の色や縫い目の細かさなど、浴衣の縫われ方に注目しました。
［ポイント③：シルエット］
実際に着用した時にブカブカになっていないかなど、シルエットの美しさを評価しました。
［ポイント④：セット内容］
付属している小物の品質や、取り合わせが適切かどうかチェックしました。
対象となるのはすべて格安品ですが、その中でも浴衣や帯、小物でも品質に相当な違いがありました。それではメンズ浴衣の詳しいテスト結果を解説していきます。
プロもおすすめ！ この価格を出す価値のあるこだわりの良品
男着物の加藤商店
浴衣メンズセット5点セット着付けガイドブック付き
実勢価格：9385円
セット内容：浴衣（綿88％、麻12%）、角帯、下駄、腰紐、ガイドブック
テスト結果は以下のとおりです。
着付けのしやすさ：◎
縫製：◎
シルエット：◎
セット内容：◎
こちらが着用イメージです。浴衣、帯、腰紐、下駄、着付け方法が記載されたガイドブックと、必要なアイテムがすべてセットになっています。
後述しますが、美しく浴衣を着るのなら、初心者もベテランでも腰紐は必須アイテムなんです。あとは肌着だけ用意すればOK！
凛々しく決まる襟幅は、浴衣において譲れないポイントです。一般的に5.5cm程度ですが、こちらは合格！ これより狭いとイマイチな印象に見えてしまうんです。
「格安浴衣の中でも、加藤商店はちょっとこだわっている作り。綿角帯もよく締まります」と真野先生。綿の帯紐でほどけにくくなっています。
加藤商店の浴衣は、正統派な作りがプロから高評価を得ました。裾の長さや、縫い方も、着物の職人のやり方にならっています。
シルエットは立ち姿が美しく、麻が入っているので涼しげでした。
セット内容はいずれも品質もよく、付属の着付けガイドブックには着崩れの対処法も掲載しているので親切です。価格はひとつ抜けていますが、素人でも質の違いがわかるほど。この値段を出す価値のある良品です。浴衣は違う色柄も選べるので、お好みのものを選んでみてください。
加藤商店の浴衣を選べば間違いなし！ ですが、次に紹介するKYOETSUも十分候補になり得る製品でした。
格安浴衣のスタンダードコスパの高いKYOETSU
KYOETSU
メンズ浴衣4点セット
実勢価格：4290円
セット内容：浴衣（綿85％、麻15％）、角帯、下駄、腰紐
メンズ、レディースともに格安浴衣で人気の高いKYOETSUは、元々通販やレンタルを中心とした企業でしたが、最近急成長し業界でも注目されているベンチャーメーカーだそう。4点セットで4290円と今回の最安値でした。
着付けのしやすさ：◯
縫製：◯
シルエット：◯
セット内容：◯
格安浴衣の基準といえる、仕上がりでした。格安でもこれなら合格点とプロも評価しています。腰紐は良質で初心者も着付けやすく、基本の小物もすべて揃っていました。また、浴衣の横幅もきちんとあり、縫製も知識のある職人が作ったと思われる標準的な作りです。
「浴衣は欲しいけど値段がちょっと……」という方も、コストパフォーマンスの高いこちらの製品なら満足できますよ！
D評価: Amazonベストセラーだけど…
買うのはちょっと待って！
roshell
浴衣5点セット
実勢価格：4995円
セット内容：浴衣（綿100%）、帯、扇子、下駄、巾着袋
着付けのしやすさ：△
縫製：△
シルエット：△
セット内容：△
残念ながら、専門の職人が作ったとは考えづらい作りの雑さが目立ってしまったroshell。小物の点数は多いのですが、惜しい結果となりました。Amazonのベストセラーに選ばれているだけあって、期待していたのですが……。
襟幅が他の製品よりも1cmほど狭く、男らしさが出にくいと減点に。また力のかかる箇所を補強するための「力布」の位置が、本来あるべきでない場所に縫われているなど、浴衣の作りとしては随所に疑問が残りました。
またシルエットの観点では、とくに裄（背縫いから袖口までの長さ）の短さが目立ち、上半身もブカブカになってしまいました。
すでに結んだ形が作られた「作り帯」は、一見楽チンのようでいて逆効果に。マジックテープで固定しますが、プロでも着づらく、下に落ちやすいとの声も上がりました。
またセット内容に腰紐がないため、作り帯だけでは初心者にはかえって着付けが難しいとの指摘もあります。扇子や巾着袋よりも、腰紐をセットに入れてほしいところでした。
とはいえ、初心者でも結び方に悩まない作り帯を唯一採用していた点や、暑い日に便利な扇子をセットにするなど、パッケージとしては非常に好感が持てた製品でした。是非とも、今後の改善を期待しています。
お目当の浴衣が決まったら肌着の用意があるかチェック！
以上、ビギナーでも失敗しない浴衣セットのメンズ編のご紹介でした。
なお浴衣を着る時には、浴衣の下に肌着を着用します。もし「着物の肌着は一切持っていないよ」というビギナーさんは、今回紹介した浴衣セットのほかに、以下のアイテムが家にあるか確認しておきましょう。
［メンズ浴衣の場合］
・襟ぐりが広い肌着（V字のように外から見えにくいもの）
・ステテコ
・腰紐（浴衣のセット内容に含まれていない場合）
メンズ浴衣の場合、和服専用の肌着でなくても市販品で代用することができます。
また着付け方法は、付属のガイドブックを参照するか、お近くの着物教室の講座、ネット動画などをご参考ください。今回ご協力いただいた、花京都きもの学院では着付け講座のほか、公式サイトから着付け動画が見られます。
ぜひ、今年の夏は浴衣でより楽しい思い出を残してくださいね！
