【基礎知識その1】 グッズの種類は主に3タイプ
まず、しっかり把握しておきたいのが消臭グッズの種類。消臭グッズは消臭方式の違いにより大きく3つのタイプに分類することができます。
タイプ① 消臭剤
悪臭の元となるニオイ菌の活性を抑制・分解するものや、嫌なニオイをマスキングする(化学物質で上から覆う・包み込む)ものなど、「化学的消臭法」を用いているものがこれに分類されます。
タイプ② 脱臭剤
消臭剤のような化学物質ではなく、「物理的消臭法」を用いているものを指します。具体的には活性炭や活性粘土などの吸着性を活かして、悪臭の元となる成分を吸収したり包み込んだりして消してくれます。
タイプ③ 芳香剤
よい香りで不快なニオイをまぎらわす香水のような役割で、消臭剤、脱臭剤と異なりニオイの根本には作用しません。香りつきの消臭剤は「消臭芳香剤」といわれることもあります。
【基礎知識その2】 いい香りまで消える場合も…
嫌なニオイの原因の多くは細菌によるものです。こうしたニオイ菌のみにアプローチし「香水や花の香りなどのいい香りは消臭しない」と書かれている製品もありますが、中にはいい香りまでを消臭・マスキングしてしまうものもあります。
メーカーでも日々研究を続けているようですが、「ニオイ対策はしたいけど香水も楽しみたい」という人は無香料の消臭グッズを使ったあとに香水をつけるのがベターです。
【基礎知識その3】 敏感肌なら植物由来が◎
ケアグッズに使われることが多い次亜塩素酸は消臭効果は高いのですが、敏感肌の人には合わないことも。また、エタノールは除菌効果が高い代わりにアルコール過敏症の人にはNGです。敏感肌の人には柿渋エキス、トウモロコシといった植物由来の消臭成分を使ったものがオススメです。
【基礎知識その4】 生活臭の4大原因と対策
生活の中で感じるニオイの原因は主に4つに分類されます。その4つの原因と対策方法は以下の通りです。
原因その① 部屋のニオイ
主な原因はアンモニアといわれていますが、それに加えて調理中の煙や食べもののニオイなどが混ざった“複合臭”が部屋には溢れています。ソファやラグ、寝具といった布製品は凹凸が多いため、汗や体臭が吸収・蓄積されやすく、これもニオイの原因となります。
汗は元々無臭に近いのですが、汗をエサに雑菌が増殖することで不快なニオイが発生します。ラグやシーツなど、洗えるものは小まめに洗濯し、ソファなどは日々消臭スプレーで対策するのがベター。空間用の置き型タイプも有効です。
原因その② 衣類のニオイ
皮膚の常在菌が汗や皮脂などをエサに増殖し、その雑菌の分泌物が分解されるとイソ吉草酸が発生します。チーズや納豆に似たニオイ成分で、小まめに洗えないコートやシューズ類は特に雑菌・ニオイが蓄積されやすくなっています。
イソ吉草酸は雑菌によって発生するので、除菌率の高い消臭スプレーを使うのがオススメ。毎日洗えないスーツなどをそのまま保管すると、部屋中にニオイが充満しています。その日のニオイはその日のうちにケアするのがベストです。
原因その③ タバコのニオイ
タバコのニオイは数百種類もの成分が混ざった複合臭のため、消臭が難しいといわれています。また、静電気のように衣類や壁紙などに付着しやすいため、非喫煙者でも飲食店などからニオイを持ち帰ってしまうことも……。
タバコのニオイ成分の多くは水溶性といわれているので、洗濯により取り除くことができます。ですが、毎日洗えないスーツなどは消臭スプレーが必須。部屋で喫煙する人は衣類だけでなく、カーテンやクッションなどの消臭もお忘れなく!
原因その④ トイレのニオイ
便から発生する硫化水素などは一時的なもので、慢性的なニオイの原因は尿にあります。尿が床にはねたり便座のカバー裏に付着したりすると、尿素が細菌のエサとなり、酵素が分解されアンモニア臭が発生します。
便器と床の隙間には汚れがたまりやすいため、小まめに掃除するのがベターです。また、マットや便座カバーなども小まめに洗濯するのがポイント。汚れを放置すると壁紙にニオイが染みついてしまうため、空間のニオイ対策には消臭ビーズなどがオススメです。
以上、消臭グッズの基礎知識でした。
一言に「消臭グッズ」といっても、それぞれの製品に得意分野があります。その得意分野に合致しないグッズを購入してしまうと「……あれ、ニオイが消えないじゃん」とか「香水のカオリが消えちゃった」なんてことが起こってしまいます。消臭グッズを購入する際は、こちらの基礎知識をふまえて最適なものを選んでくださいね!