J-POPやアニソン音源が充実ビギナーにもハイレゾ普及の兆し
硬派なイメージのあるハイレゾプレイヤーですが、ハイレゾ音源のダウンロード数に注目すると、前年の1.6倍と大きく伸びています。これは、ファンが多いJ-POP、アニソンなどの音源が充実したことで、聞く機会が増えたと考えられます。こうした入門クラスのプレイヤーが増えたことで、数年前に比べるとハイレゾ視聴を始めやすくなってきているのです。
そんなプレイヤーにオススメなのが、音質と価格のバランスが取れたミドルクラスのプレイヤー。家電批評でも「ハイレゾらしさを楽しむなら5万円台から」として、ミドルクラスの代表格でもある「ZX100」をオススメしてきましたが、最近は機能的にも古臭さを感じるようになってきました。そんな状況の中、「ZX100」の後継機である「ZX300」が登場しました。
専用機としての魅力はそのままに操作性を大きく強化
ソニー
ウォークマン NW-ZX300
実勢価格:6万4584円
サイズ:W57.7×D14.9×H120.4mm
質量:157g
連続再生時間:最大約26時間(FLAC再生時)
液晶:3.1型(7.8cm)、WVGA(800×480ドット)
Androidを搭載せず、動画再生やWi-Fiにも対応していなかったZX100のシンプルさじゃそのまま継承。その一方、小型ながら高精細でレスポンスのいいタッチパネルを導入し、物理ボタンオンリーだった前機より操作性が一新されています。そして、外観上最大の変更点は、バランス出力端子を搭載したことです。ウォークマンではハイエンド機の特権だったので、マニアにとってもうれしい改良点となっています。
物理ボタンは左サイドに配置されていて、電源のオン・オフ、音量調整、再生操作が可能です。ホールドボタンで、電源ボタン以外の操作を無効にしたり、タッチパネル操作のみ有効にしたりできます。
小型ですが、解像度は800×480ドットなので表示は高精細。マットガラスで覆われているので、指紋がつきにくくなっています。「HR」マークはハイレゾ再生中の証し。
バランス出力端子
「BARANCED」表記されているのがバランス出力端子。反対側にある通常のイヤホン(3.5mm・3極)よりも高音質が期待できますが、極のサイズが異なるので、専用のヘッドホン、イヤホン(4.4mm・4極)が必要になります
シリーズ初対応のUSB-DACモードでハイレゾをパソコンで再生可能に!
ZX300のUSB-DACモードを使えば、パソコンに保存してあるハイレゾ音源をイヤホンやヘッドホンで楽しめます。ZX300内部の機能で高音質化できるので、CDから取り込んだ音源をハイレゾ相当に変換して再生することも可能です
Windowsでは、USB-DACとして使う際に専用のドライバーが必要になります。使う前にインストールしておきましょう。
Bluetoothでも高音質!LDACコーデックでハイレゾ品質を維持
電車内などではケーブルを気にせず気軽に音楽を楽しみたいですね。でも、せっかくのハイレゾが台無しになってしまうのでは意味がありません。ZX300 は、最近のソニー製品の強みであるLDACコーデックに対応しているので、ハイレゾ品質を維持できます。WH-1000XM2など、音質重視のBluetoothヘッドホンと組み合わせて、音質にもこだわりましょう。
ドンシャリを強化した万人向けのサウンド
音楽のプロがZX300のサウンドを試聴して、採点形式で評価してみました。旧モデルのZX100についても同様のテストをしているので比較してみたところ、若干ですがドンシャリ感が強化されている結果となりました。ドンシャリといっても、雑なハデさではなく、ソニーが得意とする万人向けの楽しげなサウンドに仕上がっています。
サウンドプロデューサー・大澤大輔氏
音の輪郭が明瞭でディテールもくっきり聞こえた
東京音研放送サービス・原田氏
ZX100と比べると音に深みと滑らかさが増している
ソニー派にはオススメ!ビギナー向け入門機としてもいいかも
音質が好きでソニーのイヤホンやヘッドホンを使っている人や、ドンシャリ感の強いサウンドが好みという人には、とくにオススメです。また、気軽に買える値段ではありませんが、高いスペックを考慮すればコスパは良好です。ハイレゾ入門者が使う初めてのプレイヤーとして、いきなり買うのもアリです。
ZX100から買い替えるべき?
ZX100のほうがサウンドは大人しめで、好みが分かれるかもしれません。また、バッテリーの持ちはZX100にアドバンテージがあります。DAC機能やバランス駆動を使う人はZX300に買い換える価値がありますが、そうでなければ、その予算をイヤホンやヘッドホンに回すのもいいかもしれませんね。
音質にこだわるならライバル製品も要チェック!
ZX300のサウンドはソニーらしさが強いので、原音に忠実なサウンドにこだわるなら、ライバル製品も要チェックです。
ミドルクラス最強「オンキヨー DP-X1A」
オンキヨー
DP-X1A
実勢価格:6万2510円
ミドルクラスでありながら、上位クラスの製品と互角の音質を誇るオンキヨーDP-X1A。アンプもDACもデュアル仕様となっています。Androidを搭載していて、AppleMusicなども利用できます。
定番機種AK70の後継機「Astell&Kern AK70 MkⅡ」
Astell&Kern
AK70 MkⅡ
実勢価格:7万9980円
ZX300と同じく、こちらも人気機種の後継機です。DACはDP-X1Aと同様にデュアル仕様、バランス出力を重視しているようです。ホームネットワークと連携できるのも、この製品のウリの1つです。