生活がラクになる!"ヒット家電"は買っても良い?

生活がラクになる!"ヒット家電"は買っても良い? イメージ

コロナウイルスの影響で日常が大きく変わりました。「もっとこうしたい」「ここがラクになれば」といった新しいニーズに応えるさまざまな“ヒット家電”が生まれています。そこで、本当に買っていいのか、テストとプロの目線でジャッジしました。

今回は、部屋中どこに置いても立体的な音響を楽しめるという最先端スピーカー、ソニーの「SRS-RA5000」の検証レビューをお届けします。

部屋中に音楽を響かせる!ソニー「SRS-RA5000」

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※画像はAmazonより

ソニー
SRS-RA5000
実勢価格:6万円


サイズ・重量:W235×D225×H329mm・約4.9kg
接続性:ステレオミニ、Bluetooth、Wi-Fi(Chromecast built-in対応)

ソニー「SRS-RA5000」は、ソニーの言葉を借りれば「部屋が高音質な音に満たされる」スピーカー。さまざまな方向に向いたスピーカーユニットで音を幅広く拡散します。

それでは早速、この最先端スピーカー「SRS-RA5000」の特徴や注目すべき新しいポイントを見ていきましょう。

特徴1:7つものスピーカーを積んでます

特徴1:7つものスピーカーを積んでます イメージ

ソニー「SRS-RA5000」には7つのスピーカーが搭載されています。これらのスピーカーによって上下左右に音が飛び、立体的な音楽を響かせることができます。

・上向きスピーカー
上方に音を飛ばして天井方向にサウンドを広げます。

・ミッドスピーカー
三角形の各辺にスピーカーユニットが配置されており、水平方向に音を広げます。

・サブウーファー
低音域を再生します。下向きについているので、アパートなどで床置きするときは階下への配慮が必要です。

「おむすび型」のデザインです

「おむすび型」のデザインです イメージ
「おむすび型」のデザインです イメージ2

上から見ると、おむすび型のデザインをしている本機。底面にも3つスピーカーがあるように見えますが、この3つの円錐状のパーツは1基のサブウーファーです。

特徴2:ソニーの立体音響「360 Reality Audio」に対応

特徴2:ソニーの立体音響「360 Reality Audio」に対応 イメージ

3Dオーディオの規格はいくつかありますが、ソニー独自の「360(サンロクマル) Reality Audio」と名付けられた3Dオーディオの音源を再生できます。

3Dオーディオは、楽器やボーカルの空間上での配置や音を飛ばすべき方向を定義します。その位置や方向関係を踏まえた処理をスピーカーやヘッドホンで行うことで、音楽の臨場感をアップさせようという試みです。

特徴3:3Dの音源はAmazon MusicHDにあります

特徴3:3Dの音源はAmazon MusicHDにあります イメージ

360 Reality Audio配信はスピーカー用とヘッドホン用で配信サービスが分かれています

スピーカー用で主力になりそうなのが、Amazon Music HDです。同サービスではAmazonのEcho Studio向けの3D音源と360 Reality Audio向けの音源の両方が配信されています。

なお、Echo Studioでも360 Reality Audioの再生が可能です。

新しいポイント1:「360音源」で部屋中どこに置いても楽しく聴ける!

▼従来の音源の再生イメージ

新しいポイント1:「360音源」で部屋中どこに置いても楽しく聴ける! イメージ

これまでスピーカーは、L/Rの2チャンネルによるステレオ再生が基本でした。

2チャンネルでもスピーカーの設置位置と聴く位置が適切ならばびっくりするような立体感が得られますが、それはスピーカー正面の限られた範囲のみでの体験です。

▼360 Reality Audioの再生イメージ

新しいポイント1:「360音源」で部屋中どこに置いても楽しく聴ける! イメージ2

360音源の最大のポイントは、高音成分が上向きに飛ぶことです。人間の聴覚は高音域で音の方向を判断します。そのため、高音が上に向かって放たれ、天井に反射すると聴覚は方向を認識しづらくなります。

さらに水平方向も含め、いろいろな方向に音が飛ぶため、スピーカーの正面にいなくても耳に音が届きやすく、「音が近く感じる」効果も実感できました。

平たく言うと、迫力がかなり増します。さらに、特定の方向から聴こえている感覚が薄れるんです。

※上記2枚の画像はSRS-RA5000で360音源を再生すると音の広がり方が立体的になることを示す、ソニーのイメージ図です。

新しいポイント2:立体音響はヘッドホン・イヤホンにも対応

新しいポイント2:立体音響はヘッドホン・イヤホンにも対応 イメージ

ソニー
WF-1000XM3
実勢価格:2万1200円

3Dオーディオのスピーカー再生ならAmazon Music HDの楽曲とAmazonのEcho Studioの組み合わせでも楽しめますが、ソニーがすごいのは既存のヘッドホンやイヤホンも360 Reality Audioに対応させたことです。

イヤホン・ヘッドホンの3DオーディオはAppleがすでに実現していますが、あちらは映像の音響限定。音楽で3Dをイヤホンで楽しめるのは、360 Reality Audioのメリットです。

ただし、スピーカーよりは不自然です

ただし、スピーカーよりは不自然です イメージ

イヤホン・ヘッドホンでの360 Reality Audioのクオリティもテストしましたが、スピーカーには劣る結果でした。

確かに音は広がりますが、ボーカルやリズム隊が引っ込んでしまい「薄っぺらい」音になりがちです。

プロと検証!「360音源」で高音質は楽しめる?

本当に部屋のどこに置いても音楽が響くのか、実際に置き場所を変えて聴き比べてみました。

プロと検証!「360音源」で高音質は楽しめる? イメージ
プロと検証!「360音源」で高音質は楽しめる? イメージ2

その結果、机に置いたときと床に置いたときで音の聴こえ方は大きく変わりました。ただ、従来のステレオ音源より360 Reality Audio音源のほうが変化は小さかったです。

視聴したプロも納得のサウンド!

視聴したプロも納得のサウンド! イメージ

このスピーカーを試聴してわかったことは、家事をしているときも仕事をしているときもスピーカーで音楽をいい感じに聴いていたい、BGM的に常に音楽に囲まれて暮らしたい人におすすめだということ。音楽を再生すると、360音源の効果は明らかでした。

原田裕弘 氏
東京音研放送サービス代表
原田裕弘 氏 のコメント

従来のステレオ音源と360音源を聴き比べるとありがたみがある!

大澤大輔 氏
サウンドプロデューサー
大澤大輔 氏 のコメント

オーディオマニア的な聴き方には向かないけど、音楽を楽しむには抜群。

【まとめ】究極のながら聴きスピーカーです

さいごに、ソニー「SRS-RA5000」のよかった点と残念だった点をまとめてみました。

【まとめ】究極のながら聴きスピーカーです イメージ

【総合評価】A

▼よかった点
・360音源の効果を実感できる
・スピーカー単体としても満足できる音
・ステレオスピーカーよりは設置が簡単

ソニー「SRS-RA5000」は、ソニーが主張する「部屋が高音質な音に満たされる」とまではいきませんが、スピーカーを部屋のどこに置いても、部屋のどこで聞いても一定のクオリティで音楽を楽しめる点では有能です。360音源はまだまだ少ないですが、普及が待ち遠しくなるサウンドでした。

▼残念だった点
・ヘッドホンとスピーカーで利用できるサービスが異なる
・対応楽曲に邦楽は少ない
・初期設定が難しい

【まとめ】究極のながら聴きスピーカーです イメージ2

音楽配信サービスとの通信にGoogleとAmazon、両方の仕組みを使うため上の4つのアプリが必要で、初期設定は複雑です。

また、ソニーのアプリでは音声操作でAmazon Music HDにある360音源のプレイリストを再生することを推奨されますが、プレイリスト名をなかなか認識してくれませんでした。

結論として、ソニー「SRS-RA5000」は、家事や仕事中に音楽を満喫できる究極の「ながら聴きスピーカー」です。迷ったら買ってよし!(ただし、設定に自信があれば)の製品でした。

『家電批評』2021年6月号

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晋遊舎
『家電批評』
2021年6月号
実勢価格:700円

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