主要な子ネコ向けフードを集めてガチで検証!
ネコは肉食動物で、もっとも大事な栄養素は〝タンパク質〟。これが豊富な食材といえば、肉。子ネコの発育をサポートし、かつ消化に良い食材です。
そのため今回のテストでは、第一原料に肉を使用しているフードは大幅に加点しています。一方、ネコにとって必要のない合成着色料を使っていたり、発ガン性のリスクがある人工防腐剤を使用しているフードは大幅に減点しています。また、子ネコは成長のために毎日多くのカロリーを消費するので、高カロリーのフードが必要です。ちなみに生後3ヶ月で1kgの子ネコの場合は、「体重×200カロリー=必要カロリー」なので1日200カロリーが必要になります。
検証方法は以下の通りです。
【Check1】質(成分・原材料)
パッケージに記載されている成分が世界標準とされるAAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準を満たしているか、どんな原材料を使用しているのかを獣医師がチェック。成分や原材料が優良の場合は加点、問題がある場合は減点になります。
「子ネコは成猫に比べて体が弱いですし、これから10年以上も生きます。そのためシニアネコ用のフードより、合成着色料や人工防腐剤の減点度合いが高くなっています」(梅原先生)
【Check2】嗜好性
動物保護ボランティアのもとにいる16匹の子ネコに、毎食4種類・各100gのフードを与え、残量を計測。食べられた量が多いほど高得点になります。
【Check3】価格
いくら質や嗜好性が高くても、高額なフードは手を出しにくいもの。そこで10gあたりの価格を算出し、安いものほど得点を高くしました。
【75点】問題ある成分ゼロの優等生子ネコの健康にも配慮した逸品
日本ヒルズ・コルゲート
サイエンスダイエット
キトン 子ねこ用
購入価格:850円/800g
生産国:チェコ
(写真をクリックするとAmazonページが開きます)
主原料:トウモロコシ、米、チキン、ターキー、動物性油脂、魚油
加点:肉他
減点:なし
ネコが食べた量:228g/400g
10gあたり:10.6円
第一原材料にチキンが使われているほか、魚油由来のDHAが配合されています。マイナスの成分は見られず、「質」は優秀。ネコたちの食べっぷりも合格点でした。また、10gあたり10.6円という安さでハイコスパなのもポイント。総合点でもっとも優れた成績を収めました。
【69点】原材料は高品質「質」はハイレベルのフード
ネスレ
ピュリナ ワン
1歳までの子ねこ用/ 妊娠・授乳期の母猫用チキン
購入価格:751円/800g
生産国:アメリカ
主原料:チキン、チキンミール、コーングルテンミール
加点:肉・他
減点:他
ネコが食べた量:167g/400g
10gあたり:9.3円
第一原料に「チキン」を使っているのは高評価。そのほかも問題のある原料はほぼ使われず、高い「質」であることがわかります。嗜好性は及第点のレベルですが、10gあたりの価格は9.3円と安く、非常にコスパに優れたキャットフードと言えます。
【69点】クリーミーな層が柔らかく食べやすいけど質がイマイチ
マースジャパン
シーバ デュオ
12ヶ月までの子ねこ用
購入価格:309円/200g
生産国:カナダ
(写真をクリックするとAmazonページが開きます)
主原料:トウモロコシ、チキンミール、豚副産物、オリゴ糖
加点:他
減点:等
ネコが食べた量:300g/400g
10gあたり:15.4円
原材料に「~等」が多く、内容が不透明なのは気になるところですが、栄養効果が期待できる卵を使っている点は評価できます。外はカリカリ、中はクリーミーという二層構造の食感とまぐろ&ささみ味が子ネコたちに好評だったようで、400g中300gも食べていました。
4位: 【66点】毛なみや皮膚をケア
不安材料の人口防腐剤で大減点
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン
アイムス
12か月までの子ねこ用
チキン
購入価格:590円/550g
生産国:オーストラリア
主原料:チキン、家禽類、とうもろこし、大麦、いわし、ツナ
加点:肉・油・他
減点:腐・他
ネコが食べた量:169g/400g
10gあたり:10.7円
魚由来のDHAやサプリ効果が期待できる酵母を配合。第一原料に肉を使用しているのも評価できます。子ネコたちの食いつきも及第点で、コスパもまずまず。BHA、BHTなどの人工防腐剤を使っていることが大きなマイナスポイントになってしまいました。
5位: 【62点】初乳成分配合で健康維持に
お肉を使い高タンパクなのも良い
ネスレ
ピュリナ プロプラン
1歳まで子猫用 チキン
購入価格:1380円/800g
生産国:フランス
主原料:チキン、コーングルテンミール、サーモンミール
加点:肉・他
減点:香
ネコが食べた量:149g/400g
10gあたり:17.2円
ビタミンC、DやDHAなどの必須栄養素を配合。原材料には「チキン」を使い、問題となる成分がほとんど見られない優秀な「質」のキャットフードです。嗜好性については標準的なレベル。香料が入っていなければ、より高評価でした。
5位: 【62点】原材料の質はハイレベル!
老舗の実力を発揮
ウェルペット
ウェルネス
子猫
購入価格:1166円/400g
生産国:アメリカ
主原料:骨抜きチキン、白米、粗挽き大麦、サーモンミール
加点:肉・油・他
減点:なし
ネコが食べた量:159.7g/400g
10gあたり:29.1円
※2017年10月にリニューアルしています。
第一原料の「骨抜きチキン」のほか、自然の素材を多く使っているところは高評価。人工防腐剤や着色料などの不安な成分もなく、「質」では最高得点を獲得しています。嗜好性についても食いつきは悪くなく、価格の高さだけが唯一のネックです。
7位: 【60点】小分けの包装でいつも新鮮
価格は及第点だけど質がビミョー
ユニチャーム
銀のスプーン
健康に育つ子ねこ用(離乳から12ヶ月)お魚づくしミルク入り
購入価格:530円/580g
生産国:日本
主原料:トウモロコシ、ポークミール、チキンミール、油脂類
加点:他
減点:色等
ネコが食べた量:249.4g/400g
10gあたり9.1円
※現在はパッケージが異なります。
肉類、魚介類ともに配合されている種類は豊富ですが、「~等」と具体的な成分をぼかしているのは残念です。嗜好性については優秀で、子ネコたちの食いつきはバツグン。しかし、子ネコに必要のない合成着色料が4種類、さらに香料が使われていて、「質」という面ではかなりの不満が残ります。
7位: 【60点】ミートミール使用は減点
だけど下部尿路の健康維持には良い
ペットライン
メディファス
子ねこ 12か月まで チキン味
購入価格:475円/600g
生産国:日本
主原料:トウモロコシ、ミートミール、チキンミール、おから
加点:他
減点:ミ
ネコが食べた量:198g/400g
10gあたり:11.8円
ミネラルやアミノ酸を調整して尿を弱酸性化する働きのあるキャットフード。DHAやEPA源となるフィッシュミールやヨード卵を配合していて、子ネコたちの嗜好性もまずまずのレベルでした。しかし、どんな動物の肉を使用しているのか不透明なミートミールを使っているのは減点です。
9位: 【56点】キャットフードの代表格は
合成着色料がなければ合格
ネスレ
モンプチ
プチリュクスボックス
子ねこ用
購入価格:266円/288g
生産国:オーストラリア
主原料:コーングルテンミール、家禽ミール、大豆ミール
加点:なし
減点:色類他
ネコが食べた量:209g/400g
10gあたり:9.2円
第一原料にコーングルテンミールを配合。「ラムミール等」や「大豆ミール等」など使用原料が不透明で、合成着色料を配合しているのはがっかりポイントです。肉、野菜、魚とチーズ、ミルクがバランス良くミックスされていて、嗜好性については400g中209gと悪くありませんでした。
9位: 【56点】高価格で防腐剤入は残念
子ネコの抵抗力向上はうれしい
ロイヤルカナン ジャポン
ロイヤルカナン
FHN キトン
購入価格:578円/400g
生産国:フランス
主原料:米、トウモロコシ、鶏、七面鳥、フラクトオリゴ糖
加点:肉・他
減点:腐・他
ネコが食べた量:104g/400g
10gあたり:14.4円
ビタミンEやルテインなどの抗酸化成分やプレバイオティックスを配合。原材料にもきちんと肉が使われているのは評価できます。しかし、人工防腐剤が使われているのは大きなマイナス。嗜好性もさほど良くはなく、価格が高い割には大きなメリットが感じられないフードでした。
11位: 【55点】ビタミン強化で栄養が
充実するも子ネコたちには不人気
日本ペットフード
ビューティープロ
キャット
子猫用 12ヵ月頃まで
購入価格:470円/600g
生産国:日本
主原料:トウモロコシ、牛肉粉、チキンミール、マリンコラーゲン
加点:保・他
減点:他
ネコが食べた量:63g/400g
10gあたり:7.8円
第一原料はトウモロコシですが、肉類に「チキンミール」を使用。成長をサポートしてくれるDHAやβ-グルカン、ビタミンEを配合するなど、大きな問題となる成分は見られませんでした。しかし、子ネコたちの舌には不満が残ったようで、400g中63gしか食べてもらえませんでした。
12位: 【49点】ミネラル配合で品質は合格
味はイマイチで嗜好性は低め
アニモンダ
アニモンダ
キャット フォムファインステン
デラックス キトン
購入価格:864円/250g
生産国:ドイツ
主原料:鳥肉粉(低灰)、鳥レバー、ライス、コーン、鳥脂肪
加点:肉・油・他
減点:他
ネコが食べた量:83g/400g
10gあたり:34.5円
第一原料に「鳥肉粉(低灰)」を使用しているほか、「鶏レバー」や「魚油」などの高品質な素材が特徴。大きなマイナスとなる原料はほとんど使われていませんでした。副材料に人間用の食材を採用しているためか、嗜好性はいまひとつで400g中83gだけしか食べてもらえませんでした。
12位: 【49点】アボカド配合で高タンパク
と品質は良いのに嗜好性は低い
セントラルガーデン&ペットカンパニー
アボ・ダーム
キャット キトン
購入価格:970円/400g
生産国:アメリカ
主原料:チキンミール、玄米粉、米粉、ニシン粉、鶏脂肪
加点:肉・油・他
減点:香
ネコが食べた量:53.2g/400g
10gあたり:24.2円
アボカドに含まれる栄養素を配合したキャットフード。第一原料の「チキンミール」のほか、玄米や米粉、乾燥全卵などの原材料を使っているのは好印象です。しかし、問題のある香料を使っているうえ嗜好性が悪く、かなりの量を残されてしまったのが残念でした。
14位: 【44点】さまざまな素材をミックスで
香りは良いけど子ネコには不評
ネスレ
フリスキー
子ねこ用
購入価格:622円/1600g
生産国:タイ
主原料:コーングルテンミール、家禽ミール、まぐろミール
加点:他
減点:色・香・他
ネコが食べた量:45g/400g
10gあたり:3.8円
※現在はパッケージ・内容量が異なります。
第一原料がコーングルテンミールで、10gあたり3.8円と低価格なのが特徴。肉類は「ビーフミール等」と不透明で、ネコに必要のない合成着色料や香料を使用しているのも残念なポイントとなっています。また、嗜好性はふるわず、たべてもらえたのは400g中45gだけでした。
15位: 【43点】骨や歯の発育をサポートも
原材料が不透明な点は不安
ユニチャーム
ねこ元気
子ねこ用
購入価格:1188円/1600g
生産国:日本
主原料:トウモロコシ、チキンミール、白身魚ミール、脱脂大豆
加点:他
減点:色・等・他
ネコが食べた量:37g/400g
10gあたり:7.4円
筋肉の発育を考えてタンパク質量を調整したり、骨や歯の発育を考えてカルシウム量を調整したキャットフードです。「チキンエキス等」や「マグロミール等」のように原料をぼかしているのは減点。嗜好性はテスト製品中で最下位で、400g中37gしか食べてもらえず散々でした。
16位: 【36点】人口防腐剤が入っていて
加点される原材料がない!
マースジャパン
カルカン
12ヶ月までの子ねこ用
かつおと野菜味 ミルク粒入り
購入価格:626円/800g
生産国:タイ
主原料:トウモロコシ、米、チキン、フィッシュエキス、パーム油
加点:なし
減点:色・腐・香・他
ネコが食べた量:62g/400g
10gあたり:7.8円
※現在はパッケージが異なります。
第一原料がトウモロコシのキャットフードで、おなかの調子を整えるオリゴ糖を配合しています。原料の肉類、魚介類、油脂類の成分が「~等」とぼかされていたり、BHA、BHTなどの人工防腐剤が使用されているのは大きなマイナス。嗜好性も悪く、あまりおすすめできない結果になりました。
もっともトータルバランスに優れたフードは「サイエンスダイエット」
第一原料は高タンパクなお肉を使い、そのほかの副原材料も問題のあるものはゼロです。また、嗜好性でも高いレベルを維持。10gあたり10.6円とやや高めでも納得のいくコスパです。
第一原料の「骨抜きチキン」をはじめ、サプリ効果のある原料も配合。やや高めですが、それに見合う品質と言えます。
発育途中の子ネコには、栄養価が高くて安全なキャットフードを与えたいですよね。でも、毎日食べるものだけに、値段はできるだけ安いほうが助かるというのが正直なところです。
原材料の栄養価や安全性をチェックした「質」では、やはり価格が高めのフードが上位を独占しています。その点が気になる人には、2位にランクインした「サイエンスダイエット」がオススメ。それほど高価格ではなく、嗜好性についても高評価で子ネコにはもちろん飼い主さんのお財布にもやさしい、隠れたベストバイとも言えるでしょう。