4製品を3素材で徹底検証!切れ味バツグンなハサミは…
家庭や会社に必ずと言っていいほどあるハサミ。最近では「切る素材を選ばない」「握りやすい」など、高機能でお値段もちょっとお高めな「いいハサミ」がトレンドです。
そこで今回は、ハサミ従来の機能である「切れ味」をテーマに、過去にベストに輝いたコクヨの「エアロフィットサクサ」とその後継モデルを中心に、編集部で徹底検証しました。
ここではハサミの切れ味と握りやすさに焦点を当てた検証結果を発表します。
ハサミはやっぱりよく切れて、握りやすいこと
今回の検証における最大の有望株は、過去にベストバイに選ばれたこともある「エアロフィットサクサ」の後継モデル「コクヨ サクサ(チタン・グルーレス刃)」。
ハサミの基本性能である「切れ味と握りやさがよりパワーアップされているのでは?」という期待を胸に、今回ピックアップした4製品に含んでいます。
また、検証に使ったのは、切れ味や握りやすさをチェックするための下記の3素材。それぞれ100回ずつテストし、A~Cの3段階で評価しました。
[チェック1:コピー用紙]
思い通りにサクサク切れるかどうかを評価しました。
[チェック2:ガムテープ]
粘着力のあるガムテープを、100回連続で切っても耐えられるかをチェックしました。
[チェック3:ダンボール]
厚みのあるダンボールを100回切ったときの、手指への負担をチェックしました。
また、テスト後の切れ味チェックには、切りにくい素材とされるリボンを使いました。
それでは、ハサミの検証結果をご覧ください。
切れ味が抜群の軽やかさサクサ チタン・グルーレス刃
コクヨ
サクサ(チタン・グルーレス刃)
実勢価格:770円
ベストバイに選ばれたのは、コクヨのサクサ(チタン・グルーレス刃)でした。
チタン・グルーレス刃は切れ味と握りやすさのバランスが見事で、ハサミの軽やかさが秀逸だったことが勝因となりました。
かみ合わせ部分の動きがとにかく軽やかで、スピーディーに切れるのが特徴です。力を入れなくてもハサミが勝手にサクサク進む感覚があり、直線を切りたい時にもっとも力を発揮。プリントや封筒の開封など、普段遣いには最適ですね。
70回ほど切った頃、刃がテープに持っていかれる感触はありましたが、合格レベルです。使用後も快適に使えました。
ダンボールとの摩擦によって、手を大きく動かす必要があったため少し疲れましたが、切れ味自体は軽やかでした。
摩擦感はややありますが、厚いものでも切れ味の軽さは変わりませんでした。
切れ味と握りの優しさを両立サクサ フッ素・グルーレス刃
コクヨ
サクサ(フッ素・グルーレス刃)
実勢価格:599円
フッ素・グルーレス刃は、切れ味はとても良いのですが、動きは昔ながらの感じでした。
刃先までよく切れますが、かみ合わせの摩擦感が少し重めでした。意思通りに動いてくれるので、曲線を慎重に切るのに向いています。
切り始めは良好ですが、60回を過ぎると刃にベタベタ感が生じてきました。100回切ると刃が開きにくくなりました。
100回連続で切っても切れ味が変わらず、手への負担もまだイケそう! と思えるほどだったことが印象的でした。
長時間切り続けても、指が痛くなりませんでした。
リボンやビニールが苦手エアロ フィットサクサ
コクヨ
エアロ フィットサクサ
実勢価格:430円
過去にベストだったエアロフィットサクサは、刃が厚くパワフルに切れますが、手への負担が大きいのが残念でした。
また、切りにくい素材であるリボンやビニールも苦手です。
紙が刃先までサクッと切れますが、ハンドルへの当たりは若干固めです。柔らかいものや、つるつるした素材がやや苦手なようです。
のり部分が重なっていくものの、刃にべっとりとつかないので、圧倒的に使いやすいことが高評価につながりました。
切れ味そのものは優れていますが、親指部分にハンドルの圧力が集中し、連続の作業は厳しい……。
親指が痛くなるので、厚いものを切るときは休み休みの作業になりそうです。
ダンボールの切れ味は圧倒的ペンカットプレミアム
レイメイ藤井
ペンカット プレミアム
実勢価格:1361円
ペンカットプレミアムは、切れ味と携帯性を追求したハサミです。コクヨのサクサシリーズとは特徴が異なりますが、切れ味比較のために今回検証に加えました。
切れ味は抜群ですが、刃渡り55cmとやや短めなので大きなものをカットするにはややストレスを感じました。刃が短いので何度も手を動かす必要があります。
切り始めからすぐにガムテープの切れ端がくっつき、切った後も切れ端がまとわりつきました。
ダンボールのテストでは、何度切っても他の3本を圧倒する美しい切り口で、スタッフも驚き。ただ、ハンドルが指に食い込むのが惜しかったです。
切れ味は抜群です。
なお、ペンカットプレミアムは柔らかくて切りにくい素材は得意で、テスト後の切れ味チェックで切ったリボンもスパッと切れました。
汎用性ならチタン・グルーレス刃素材に特化したものは対応モデルを
今回のテストでは、それぞれの製品に得意不得意があるということが分かりました。ガムテープなどのテープ類を切るなら、のりがスルッと外れてベタつかないエアロフィットです。大量の梱包作業等には向いているでしょう。
ダンボールを切るなら、100回切るテストで手がほとんど痛くならなかった、フッ素・グルーレス刃がおすすめです。エアロフィットサクサよりも、手に優しいハンドルの良さをしっかりと感じられました。
ただ、日常で様々なものを切るなら、ダントツで軽い切れ味だったチタン・グルーレス刃がオススメ。プリントや封書の開封など、ふだん一番使うなら軽いアクションでサッと切れるのがベストです。