肌へのやさしさを決めるのは 界面活性剤でした
洗顔料や歯磨き粉やシャンプーなど、「洗う」製品になくてはならないのが界面活性剤(洗浄成分)です。皮脂の汚れはそのままだと水に溶けにくいですが、界面活性剤は水にも皮脂にもなじむので、皮脂汚れを肌から浮かして取り除くことができます。
でも、この界面活性剤の吸着力が強すぎると、お肌に必要な皮脂までごっそり落としてしまうこともあります。皮脂にはお肌の水分を蒸散させないフタの役割もあるので、落としすぎはNG。界面活性剤には強いものや弱いものなど大きく4種類あり、配合は製品ごとに違います。そこで皮膚科専門医に、刺激性や配合バランスをチェックしてもらいました。
洗浄成分以外の 刺激成分もチェック
また、肌に刺激となるのは洗浄成分だけではなく、殺菌成分・防腐剤なども原因となります。こういった刺激になる成分のほか、保湿や肌の活性化成分などプラスになる成分が効果的に配合されているか、髪・皮膚に関する成分の専門家がチェックしました!
◎要注意成分
・エタノール
・BHT
・ピロ亜硫酸Na
・ベンジルアルコール
・ラウレス硫酸Na ほか
◎プラス評価成分
・植物油
・モロッコ溶岩クレイ
・シロキクラゲ多糖体
・アルギニン
・加水分解シルク ほか
どの界面活性剤が主体なのか、数や量のバランスを見ました。
「基本的に洗い流すものだから、美容成分などはないよりまし程度。洗浄成分の強さと、マイナス成分がないかの方が重要」という考えでお二人とも一致していました。それでは「肌へのやさしさ編」の検証結果を見てみましょう!
アミノ酸系でやさしく洗う ノブⅢ ウォッシングクリーム
ノブⅢ
ウォッシングクリーム
実勢価格:3780円
容量:120g
ノブⅢシリーズは、皮膚科でも勧められる敏感肌用のラインです。アミノ酸系の優しい洗浄成分でやさしく洗えて、有効成分グリチルリチン酸2Kで消炎作用もあります。
大仁田亜紀先生「刺激の少ない洗浄成分で、さすが敏感肌用ですね」
やさしい洗浄成分とモモの香り 毛穴撫子 桃まるかじり重曹泡洗顔
毛穴撫子
桃まるかじり 重曹泡洗顔
実勢価格:1080円
容量:100g
洗浄成分は石けん系で、ハチミツやシロキグラゲ多糖体など保湿成分が複数配合されています。洗い上がりはさっぱり。名前のとおり桃の香りもしっかりしました。
井上哲夫先生「洗浄成分が優しく、マイナス成分がないのが優秀です」
有名、高級ブランドだけど ちょっと気になる2製品がコレ
ここらからは、ちょっと成分的に気になる点があった商品をご紹介。肌に刺激のある成分を含んでいたり、配合のバランスに疑問が残ることもありました。もちろん、良い面もありますが、慎重に選んだ方がいいでしょう。
C評価: 洗浄成分多めが気になる
「ニベア」クリームケア洗顔料
ニベア
クリームケア洗顔料ブライトアップ
実勢価格:518円
容量:130g
洗浄成分に、石けん系成分に加えて刺激が強めの陽イオン系洗浄成分が配合されていますが、緩和する成分が少なめです。タルク成分配合なので顔色アップはできそう。
大仁田亜紀先生「成分数に対して洗浄成分が多めなのが気になります」
D評価: 肌に刺激となる成分が多く
配合に疑問が残る「ジバンシィ」
ジバンシィ
ソワンノワール クレンジング リチュアル EX
実勢価格:1万4580円
容量:175ml
肌に刺激となる成分が多く、専門家2人が声を合わせて「配合の目的が理解できない、ダントツ最下位」と判定しました。
ジェルを直接顔につけてマッサージする使い方ですが、洗顔料に刺激の強い成分が入っているので長く顔につけていたくありません。また付属のスポンジで顔をこするのも避けたいところです。
井上哲夫先生「ラウレス硫酸Naを肌につけるのは避けたいです」
全20製品の成分テスト 結果一覧です
今回の結果一覧です。こう見ると、B評価以上が9割を占める結果です。数年前より製品の改良が進んで、ひどく成分評価の低いものは少なくなってきていると井上先生もコメントされていました。
いかがでしたか? 洗顔料はどんな美容成分の配合よりも、肌にマイナスの成分が入っていないことのほうが重要でした。選ぶときの参考にしてみてくださいね。「総合ランキング編」「洗浄力編」「保湿力編」もあわせてご覧ください!
洗顔料は洗い流すので、化粧水など浸透させるものほど神経質に気にする必要はありません。