アイロン台を使うメリットは?
パリッとシワのないワイシャツを身につけている人は、仕事ができる印象を与えたり、清潔感があって初対面でも好印象ですよね。
しかし、クリーニング屋にだすのではなく自宅で洗濯するとなると、その都度アイロンがけするのは結構な負担ですよね。
そこで提案したいのが、アイロン台の見直し。高さや形状などがしっくりくるアイロン台を選べば、効率よく、体もラクにアイロンがけを行うことができますよ。
自分に合うアイロン台を選べば仕上がりも段違い
今回は、服飾ジャーナリストの飯野高広さんがアイロン台10商品を実際に試し、仕上がりや使いやすさなど評価。おすすめランキングを作成しました!
アイロン台にはどんな種類がある?
おすすめランキングの前に、まずはアイロン台の種類からチェックしてみましょう。
スタンドタイプ
立ったまま自然な姿勢で作業できるスタンドタイプは、長時間のアイロンがけでも疲れにくいのが魅力。また天板の全長が長く、パンタグラフ型(クロス状)の脚も邪魔になりにくいので、大物のアイロンがけにも向いています。
収納に場所をとるのが玉にきずですが、幅広い衣類に対応した使い勝手のいいアイロン台であるといえるでしょう。
ロータイプ(卓上タイプ)
床に直接置いたり、テーブルの上に置いて使えるロータイプ(卓上タイプ)のアイロン台は、省スペースと作業性、両方のメリットを兼ね備えています。
ただし、面積が小さめなので作業性はスタンドタイプにはやや劣ります。
平置きタイプ
場所をとらない平置きタイプは、収納スペースや作業スペースが限られている人におすすめ。
高さがないため、ワイシャツの肩の部分など立体的に仕上げるのには不向きである点には注意したいところ。ハンカチなどの平べったい小物や、襟袖をピンポイントで仕上げるぶんには問題なく使えます。
アイロン台の選び方のポイントは?
ざっくりアイロン台の特徴をつかんだところで、アイロン台を選ぶうえでのポイントをより細かく見ていきましょう。
ポイント1:目的に合わせて天板の形状を選ぼう
アイロン台の天板の形状によって、アイロンがけするのに向いている衣類が異なります。ここでは、代表的な「舟型」「人体型」「平型」の特徴をご紹介します。
大物にも使える! オールマイティな「舟型」
アイロン台のなかでもっともオーソドックスな形状の舟型は、天板の面積が広いため、衣類だけでなく、カーテンなどのファブリックのアイロンがけにも重宝します。
やや尖った先端に引っ掛けるように衣類をセットすれば、シャツのアイロンがけもお手のもの!
シャツのアイロンがけ初心者さんには「人体型」
アイロンがけ初心者さんで、主にシャツやブラウスにアイロンをかける人には、シャツ類をセットしやすい人体型がおすすめ。
天板に着せるようにセットすれば、前身頃も後ろ身頃もスムーズなアイロンがけが可能。また、人の首のように出っぱった部分に袖口をかければ、ブラウスの袖口もシワなくフワッと仕上げやすいですよ。
小物のアイロンがけには省スペースな「平型」で十分
シンプルな平型のアイロン台は、ハンカチなど単純な形状のもののアイロンがけに向いています。
平型は、スタンドタイプではあまり見かけず、ロータイプや平置きタイプ(板地付きのものや、くるくると丸めて収納できる布製など)などに多い印象。収納の便がよく、ノーマル形状なので部屋に置いておいても悪目立ちしません。
筒状にフワッと仕上げたいなら「仕上げ馬」付きを
仕上げ馬とは、脚付きのアイロン仕上げ道具のこと。シャツの袖やズボン、スカートなどの筒状のものを差し込み、回しながらアイロンがけができます。
シャツだと袖に折り目が付いていても不自然ではありませんが、レーヨンのブラウスなどをフワッと仕上げたい場合には、仕上げ馬が活躍するでしょう。
ポイント2:アルミコーティングならパリッと仕上がる
アルミコーティング加工のカバーを採用しているアイロン台は、熱伝導率が高く、短時間でパリッと仕上がるのが魅力です。
一方で、布製のカバーを採用しているアイロン台は、比較的ふんわりとした仕上がりになりますよ。
ポイント3:衣類スチーマーに使うならミトン型も便利
(※上の画像で使用しているのはスチーム機能付きアイロンです)
アイロンよりも、ハンガーにかけたままシワを伸ばす「衣類スチーマー」を使う機会が多いのであれば、耐熱性のあるアイロンミトンを使うことで火傷のリスクを減らせます。
アイロン台10製品をテスト!
今回は、Amazon、楽天などの商品販売サイトで人気の「スタンドタイプ」「ロータイプ」「平置きタイプ」のアイロン台9製品に「アイロンミトン」1製品を加えた、計10製品を比較検証しました。評価の基準は以下の通りです。
テスト1:仕上がり[配点:20点]
綿100%のシャツを圧縮袋に入れてシワシワの状態にし、スチームアイロンでアイロンがけを実施。
襟、肩、胴(前身頃と後ろ身頃)、袖の仕上がりを各5点満点で評価しました。
テスト2:アイロンがけのしやすさ[配点:10点]
アイロンがけのしやすさについて、「アイロンの滑りのよさ」「アイロン台のズレにくさ(安定感)」を各5点満点で評価しました。
テスト3:持ち運び・収納性[配点:5点]
持ち運びのしやすさと収納性を総合し、5点満点で評価。軽量なもの、脚の折りたたみがスムーズなもの、コンパクトに収納できるものに高評価をつけました。
それでは、以上を踏まえてさっそくアイロン台のおすすめランキングへとまいりましょう!
スタンドタイプのアイロン台のおすすめは?
まずは、スタンドタイプのアイロン台のおすすめランキングのご紹介です。
大栄産業 スタンドタイプ アイロン台 仕上げ馬付き NSB-5HF
大栄産業
スタンドタイプ アイロン台 仕上げ馬付き NSB-5HF
実勢価格:8455円
サイズ:使用時/W123×D30×H60~80cm(座式29cm)、収納時/W133×D30×H7cm
重量:5.1kg
素材:天板/スチールメッシュ、脚部/スチールパイプ、表面布/綿100%(アルミコート)、クッション材/ニードルパンチングフェルト
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 5/5点
- 胴の仕上がり: 4.5/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 4/5点
- 台のズレにくさ: 5/5点
- 持ち運び・収納性: 4.5/5点
- 合計: 32/35点
スタンドタイプのアイロン台のおすすめランキング第1位に輝いたのは、大栄産業「スタンドタイプ アイロン台 仕上げ馬付き NSB-5HF」です。
アイロン台に仕上げ馬、アイロン置き場、ハンガーフックなどが付いた多機能タイプ。アイロン置き場には、パナソニック「コードレススチームアイロン カルル NI-CL311-A」のスタンドがぴったり収まり、重心が偏ってグラつくといったこともありませんでした。
アイロンの滑りが良く、全体的な仕上がりもまずまず。なかでも好評だったのは肩の仕上がりで、天板の先端部分のなだらかな曲線が肩のラインにフィットし、スムーズに作業できました。
重さが5.1kgあるため運ぶのは大変ですが、立てかけたときに安定感があり、天板がパタパタ動きにくい点は高評価でした。
ちなみに、仕上げ馬の上でも袖口へのアイロンがけを試みましたが、袖の内側にアイロンをかける飯野さんのやり方には向きませんでした。
ワイシャツの袖に折り目をつけてアイロンをかけるなら、仕上げ馬はそこまで重要ではないかも。折り目をつけたくない衣類の袖にフンワリかけたいならいいと思いますよ。
仕上げ馬を使わないときは立てておくこともできるのですが、立てた状態だとアイロン置き場のアイロンスタンドとぶつかってしまうため、結局撤去するハメになりました。
山崎実業 北欧風 スタンド式 人体型アイロン台 アイボリー 3958
山崎実業
北欧風 スタンド式 人体型アイロン台 アイボリー 3958
実勢価格:6138円
サイズ:使用時/約W90×D37×H25~78cm、収納時/約W109×D37×H5cm
重量:約4.2kg
素材:表面布/ポリエステル・綿、クッション/ポリエステル、ボタンプレスゾーン(凸凹吸収クッション)/ポリウレタンフォーム、天板・脚部/スチール(粉体塗装)、置台/スチール(クロームメッキ)、キャップ/ポリエチレン
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 4/5点
- 胴の仕上がり: 5/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 5/5点
- 台のズレにくさ: 4.5/5点
- 持ち運び・収納性: 4/5点
- 合計: 31.5/35点
スタンドタイプのアイロン台のおすすめランキング第2位は、北欧風のデザインがおしゃれな山崎実業「北欧風 スタンド式 人体型アイロン台 アイボリー 3958」です。
スタンドをいちばん高い状態(78cm)にすると、身長173.5cmの飯野さんにはやや低く、身長162cmの筆者にはちょうどよく感じました。
アイロン台置き場のサイズ感はギリギリ。大型のアイロンスタンドを置くのは厳しいかもしれません。
人型の天板にシャツを着せるようにかぶせると、シャツの身頃よりも長さに余裕があるため、センターボックスプリーツ(背面中央の折り目)も一発で決まりました。
通常の面よりも深く沈み込む「ボタンプレスゾーン」を搭載。凸凹吸収構造になっているのでボタンが中に沈み込み、裏からかけてもシワができにくくなっています。大きなボタンや飾りボタンのアイロンがけに重宝しそうです。
アイロンの滑りの良さは、スタンドタイプのなかではナンバーワン! 天板カバーが全体的にフカフカしていて、シャツはふんわりと柔らかい風合いに仕上がりました。
アイロンがけ後のシャツを触ってみると、アルミコーティング加工のアイロン台で仕上げたシャツよりも手触りが柔らかく感じました。身幅も長さも十分にあるので、いろんな布製品のアイロンがけに使えそうです!
アイリスプラザ アイロン台 舟型 スタンド式 シルバー IB-K003 SV
アイリスプラザ
アイロン台 舟型 スタンド式 シルバー IB-K003 SV
実勢価格:3364円
商品サイズ:使用時/約W90×D30×H64~82cm、収納時/約W113×D34×H6cm
重量:約3.4kg
素材:カバー/綿100%(アルミコーティング)、クッション材/ポリエステル、本体・アイロン置き台/スチール(粉体塗装)、脚/スチールパイプ(粉体塗装)、脚キャップ/ポリ塩化ビニル
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 4/5点
- 胴の仕上がり: 4.5/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 5/5点
- 台のズレにくさ: 4.5/5点
- 持ち運び・収納性: 4/5点
- 合計: 31/35点
スタンドタイプのアイロン台のおすすめランキング第3位は、アイリスプラザ「アイロン台 舟型 スタンド式 シルバー IB-K003 SV」でした。
アイロン置き場は2位と同様、アイロン台がギリギリ収まるサイズ感です。
どの部位も仕上がりはまずまず。縫い目を天板の端に合わせて、身頃のアイロンがけはピシッと決まりました。
肩の部分は、天板の先端が尖り気味で少々やりづらく感じました。
高さは64~82cmの4段階調整。バーを引っ掛ける位置が明瞭で高さ調整しやすく、重量も比較的軽めなので折りたたみ・収納も楽チン。ただし、立てかけた時に天板がパタパタ動く点は気になりました。
私が長年愛用してきたアイロン台と形状が似ていて、アイロンの滑りも良く、個人的にはとても使いやすかったです。
ロータイプのアイロン台のおすすめは?
スタンドタイプに続いて、ロータイプ(卓上タイプ)のアイロン台のおすすめランキング4選をご紹介します。
アイリスプラザ アイロン台 舟型 シルバー IB-K001 SV
アイリスプラザ
アイロン台 舟型 シルバー IB-K001 SV
実勢価格:1739円
商品サイズ:使用時/約W60×D36×H19cm、収納時/約W60×D36×H3.5cm
重量:約1.3kg
素材:カバー/綿100%(アルミコーティング)、クッション材/ポリエステル、本体/ポリプロピレン、脚/スチールパイプ(粉体塗装)、脚キャップ/ポリ塩化ビニル
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 4.5/5点
- 胴の仕上がり: 3.5/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 5/5点
- 台のズレにくさ: 4.5/5点
- 持ち運び・収納性: 4/5点
- 合計: 30.5/35点
ロータイプ(卓上タイプ)のアイロン台のおすすめランキング第1位は、アイリスプラザ「アイロン台 舟型 シルバー IB-K001 SV」でした!
丸みを帯びた舟形形状が、シャツの肩部分にフィットし、アイロンがけをスムーズに行えました。
ただし、全長が60cmと短いため、身頃のアイロンがけはシャツの置き場所を変えながら行う必要があります。ちなみに飯野さんは、襟元を持ち上げ空中にピンと張り、センターボックスプリーツを作っていました。
本体はスチールメッシュではなく、樹脂(ポリプロピレン)製で軽量。
脚を折りたためば、平置きタイプのようにして使うこともできそうです。
欲を言えばもう少し長さが欲しいですが、天板が小さい割にはかけやすかったです。軽くて持ち運びがラクなので、卓上メインで使うにはよろしいんじゃないでしょうか。
山崎実業 解決人体型アイロン台 アルミコート 07415
山崎実業
解決人体型アイロン台 アルミコート 07415
実勢価格:2571円
サイズ:約W75×D37×H23cm
本体重量:約2.3kg
素材:表面布/綿100%(アルミコーティング)、クッション材/ポリエステル、ボタンプレスゾーン(凸凹吸収クッション)/ポリウレタンフォーム、天板・脚部/スチール(粉体塗装)、フック/スチール(ユニクロメッキ)
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 3.5/5点
- 胴の仕上がり: 4/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 5/5点
- 台のズレにくさ: 3/5点
- 持ち運び・収納性: 5/5点
- 合計: 29.5/35点
ロータイプ(卓上タイプ)のアイロン台のおすすめランキング第2位は、山崎実業「解決人体型アイロン台 アルミコート 07415」です。スタンドタイプの2位商品と同様、ボタンプレスゾーンが付いています。
長辺75cmとロータイプ4種類のなかではいちばん長さがあるため、身頃(胴体)のアイロンがけは比較的やりやすかったです。
アイロンの滑りはいいものの、服をセットし直す際に脚がズレがちでした。
脚を開閉する際は、適度な負荷がかかってやりやすかったです。
フックが付いているため、クローゼットのポールに引っ掛けて収納できます。
服をセットし直す際にはアイロン台のズレが気になりましたが、アイロンを滑らせる際のズレはそこまで気になりませんでした。
側から見ているとアイロンの進行方向に脚がズレていたので、卓上で使う際には落ちないように気をつけたほうがいいかも。今回は試しませんでしたが、天板の下側のくびれ(ボトムカーブ)が股下に沿い、スラックスなどのアイロンがけにも向いているそうです!
山崎実業 スチールメッシュ アイロン台 タワー ホワイト 3265
山崎実業
スチールメッシュ アイロン台 タワー ホワイト 3265
実勢価格:4510円
サイズ:使用時/約W60×D36×H21cm、収納時/約W60×D36×H4cm
重量:約2.4kg
素材:天板・脚部/スチール(粉体塗装)、表面布/綿100%、クッション材/ポリエステル、フック/スチール(ユニクロメッキ)
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 3.5/5点
- 胴の仕上がり: 3.5/5点
- 袖の仕上がり: 4/5点
- アイロン滑りのよさ: 3.5/5点
- 台のズレにくさ: 4.5/5点
- 持ち運び・収納性: 4/5点
- 合計: 27.5/35点
ロータイプ(卓上タイプ)のアイロン台のおすすめランキング第3位は、今回初登場の平型タイプ・山崎実業「スチールメッシュ アイロン台 タワー ホワイト 3265」です。
カバーの材質は綿100%でフカフカのかけ心地。
アルミコーティング製のアイロン台と比較すると、袖の折り目のポジション決めに時間がかかりました。また、全長が短いので、身頃のアイロンがけにやや苦戦しました。
アイロンの滑りはイマイチでしたが、脚が安定していて力を入れやすく、使い心地は○。
2位の人体型(手前)と比べると吊り下げ用のフックが短く、ポールにかけたり外したりするのに手こずりました。吊り下げ収納を検討している人は要注意です。
昔の主流だった、綿製で白くて四角いはんぺんみたいな置き型アイロン台を思い出します。四角いアイロン台は、慣れないうちはどのように衣類を置いたらいいかわかりにくいですが、利き手と逆の手で布をピンと引っ張れば、うまくかけられるようになると思いますよ。
大栄産業 メッシュフリーアームアイロン台 PM-10K
大栄産業
メッシュフリーアームアイロン台 PM-10K
実勢価格:6920円
サイズ:使用時/W70×D29×H21cm、収納時/W70×D29×H7cm
重量:約2.8kg
素材:表面布/綿100%(アルミコート)、クッション材/ニードルパンチングフェルト(ポリエステル100%)、天板フレーム・ラス網/スチール焼き付け塗装、脚部/スチール(粉体焼き付け塗装)
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 4/5点
- 胴の仕上がり: 4/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 4/5点
- 台のズレにくさ: 2.5/5点
- 持ち運び・収納性: 4/5点
- 合計: 27.5/35点
ロータイプ(卓上タイプ)のアイロン台のおすすめランキング同率3位は、脚の形が特徴的な大栄産業「メッシュフリーアームアイロン台 PM-10K」です。
正面から見ると、天板に前上がりの傾斜がついているのがわかります。
長さがあるので身頃のアイロンがけは比較的やりやすかったものの、センターボックスプリーツをつけようとした際に脚がガタついてしまい、真っ直ぐ動かすのは困難でした。
脚がU字形になっていることで、スカートなど筒状の衣類をかけやすくなっています。ただし、ズボンの足を通すには天板の幅が太すぎますし、ロングスカートを通すには丈足らずかも……。
左右の脚は順番通りに開閉しないとちゃんとセッティングできないので、注意しましょう。
傾斜そのものによる違和感はないものの、脚がズレやすいのが気になりました。
置き型アイロン台のおすすめは?
続いて、省スペースが魅力の置き型アイロン台2商品をご紹介します!
山崎実業 ベーシック 平型アイロン台 アルミコート 3633
山崎実業
ベーシック 平型アイロン台 アルミコート 3633
実勢価格:1010円
サイズ:約W60×D36×H2cm
本体重量:約1.3kg
素材:表面布/綿100%(アルミコーティング)、クッション材/ポリエステル、天板/木質繊維板
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 2/5点
- 胴の仕上がり: 3/5点
- 袖の仕上がり: 4.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 5/5点
- 台のズレにくさ: 4/5点
- 持ち運び・収納性: 5/5点
- 合計: 28/35点
置き型アイロン台のおすすめランキング第1位は、山崎実業「ベーシック 平型アイロン台 アルミコート 3633」です。
襟元は問題なくかけられましたが……
アイロン台に高さがないので、立体的に仕上げたい肩の部分はかなりアイロンがけしづらかったです。
長さが60cmしかないので、逆の手でシャツをピンと張って身頃にアイロンをかけました。
アイロン台の裏面は、メッシュ構造ではなく、シンプルな板です。使用後にひっくり返して裏面やテーブルを触ってみても、熱や湿気を帯びているということはありませんでした。
アイロンを押さえる力がダイレクトに底面にまで伝わり、アイロンをかけているときのズレは感じませんでした。シャツのアイロンがけに使うには厳しいけれど、ハンカチやスカーフなど、あくまで平面的なもののアイロンがけに使うのであれば選択肢としてアリですね。
山崎実業 くるくるアイロンマット タワー ブラック 3358
山崎実業
くるくるアイロンマット タワー ブラック 3358
実勢価格:1320円
サイズ(取っ手含まず) : 掛け面/約W72×D40×H1cm、収納時/約W6×D6×H40cm
重量:約100g
素材:掛け面/綿100%、裏面/ポリウレタンフォーム
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 4.5/5点
- 肩の仕上がり: 2/5点
- 胴の仕上がり: 2.5/5点
- 袖の仕上がり: 3.5/5点
- アイロン滑りのよさ: 3.5/5点
- 台のズレにくさ: 4.5/5点
- 持ち運び・収納性: 5/5点
- 合計: 25.5/35点
置き型アイロン台のおすすめランキング第2位は、さらにコンパクトさを極めた山崎実業「くるくるアイロンマット タワー ブラック 3358」です。
円筒状に丸まっているマットを広げて使います。
説明書には「テーブルや床面を傷める恐れがあるため、必ず製品の下にタオルなどを敷いてご使用ください」との注意書きが。直置きは厳禁です!
シャツの襟の仕上がりはまずまず。袖の仕上がりも及第点でしたが、肩や胴のシワはしっかりのばすことができませんでした。
くるくる巻いてベルトで留めたら、ポールに引っ掛けて収納することも可能です。
シャツ全体を仕上げるというより、平物や、襟袖のピンポイント仕上げに向いているかと思います。とてもコンパクトなので、旅行や出張に持っていくのに良さそう!
使用後のシートをめくって下のテーブルを触ってみると、結露してはいないものの、アイロンの熱が伝わっていました。
【番外編】アイロンミトンの使いやすさも検証
山崎実業 左右両用アイロンミトン 4034
山崎実業
左右両用アイロンミトン 4034
実勢価格:1405円
商品サイズ:約W16×D4×H35cm
商品重量:約83g
素材:表面布/綿100%、掛け面/綿100%(アルミコーティング)、クッション材/ポリウレタンフォーム・フィルムシート
耐熱温度:200℃
▼テスト結果
- 襟の仕上がり: 2/5点
- 肩の仕上がり: 2/5点
- 胴の仕上がり: 3/5点
- 袖の仕上がり: 2/5点
- 持ち運び・収納性: 5/5点
- 合計: 14/25点
アイロン台の番外編として試したのは、山崎実業「左右両用アイロンミトン 4034」。ハンガーにかけたまま衣類スチーマーを当てる際に熱い蒸気から手を守ってくれます。
十分な長さがあるので、肘下の真ん中ぐらいまで広くカバーしてくれます。
シャツの襟元はかけづらいですが、身頃のシワのばしはそこそこうまくできました。
ジャケットの襟のクセ付けや袖のシワのばしにも○。
衣類をパリッと仕上げるというより、お出かけ前のシワ伸ばしの際に活躍しそうです。
アイロン掛けのコツを服飾のプロが伝授!
以上、アイロン台とアイロンミトンのおすすめランキングのご紹介でした。最後に、アイロン掛け歴30年超の飯野さんより、アイロン掛けに関する豆知識を教えていただきました!
繊維に適した温度に設定する
繊維の種類によっては、高温設定でアイロン掛けすると溶けてしまったり、逆に低温でかけてもシワがのびにくいことも……。
今回検証に使用したパナソニック「コードレススチームアイロン カルル NI-CL311」を例に、繊維の種類ごとに適した温度設定をご紹介します。
・アクリル、アクリル系、ポリウレタン、ポリプロピレン
温度設定<低>(かけ面温度:約120℃)
・絹、毛、ナイロン、ビニロン、レーヨン(長繊維)、キュプラ、アセテート、ポリエステル
温度設定<中>(かけ面温度:約160℃)
・綿、麻、レーヨン(短繊維)、ポリノジック
温度設定<高>(かけ面温度:約200℃)
衣類のタグのアイロンマーク内の点の数によっても、低温・中温・高温設定が示されているので、参考にしてみてください。
点が1つ:低温
点が2つ:中温
点が3つ:高温
アイロンを持つ手と逆の手をうまく使おう
記事内でもたびたび言及していますが、アイロンを持つ手と逆の手で布をピンと張ることを意識しましょう。そうすることで、アイロン台の長さが足りなかったり、ハンガーにかけたまま衣類スチーマーを当てる際にも、スムーズにシワのばしできます。
目的別にスチームモードとドライモードを使い分けよう
昔からあるドライアイロンのほか、最近はスチーム機能を備えたアイロンが多く登場しています。
ドライモードだとよりパリッとしなやかな仕上がりになるため、ズボンの折り目付けに向いています。
スチームモードだと、蒸気の温度も加わってラクにシワのばしができます。また、スチームをかけることで脱臭効果も期待できます。
形状記憶シャツは原則「アイロン掛けしない」
形状記憶シャツは、洗濯を繰り返しても襟や袖口のパリッとした状態をキープしてくれてたいへん便利ですが、使い始めは身頃(胴体)や袖の折りジワが気になりますよね。
しかし、不用意にアイロンがけすると形状記憶機能が失われてしまこともあるため、自己流でのアイロン掛けは避けたほうがベター。洗濯後は短時間脱水し、陰干ししましょう。
まとめ
以上、アイロン台のおすすめランキング10選でした。
かけたい衣類や、自宅のスペースに合ったアイロン台を選んで、ぜひアイロンがけにチャレンジしてみてくださいね!
コツさえつかめば、アイロンがけはとても楽しく、いい気分転換になりますよ。服も気持ちもパリッといきましょう!
30年間以上、アルミコーティングのスタンドタイプのアイロン台を愛用してきてました。近年は形状記憶タイプのシャツが流通してアイロンがけする機会は減ってきているかと思いますが、アイロンがけはストレス発散にもなるしおすすめですよ!