発売前から予約が殺到して即完売! 今もプレミアが付くほどの価格です

TKGとは卵かけご飯のことで、その究極とはなんなのか。そもそも卵かけご飯を食べるのに専用機が必要なのか? など、さまざま気になった1台ですが、これ、発売前から予約が殺到して、初回生産分は即座に完売。いっときは価格にプレミアが付いたほどの商品。

現在は希望小売価格3780円を下回っていますが、アマゾンでは一時期4000円を超えたこともありました。

タカラトミーアーツ:究極のTKG:おもちゃ

タカラトミーアーツ
究極のTKG
実勢価格:3280円

「究極のTKG」が売れた理由は バカバカしく面白いプロセスに価値があるから

タカラトミーアーツが結論づけた「究極のTKG」とは、白身をメレンゲ状にすること。確かに食感がとても楽しいんです。

でもこれ、既存のフードプロセッサでも作れますし、なにより、わざわざ卵の殻を割るところから、このクッキングトイにやらせるというのも少し過剰な演出です。とはいえ、むしろそこがバカバカしくも面白いわけでしょう。卵が本体の中で落ちていく様子ひとつ……。

使い方はこのとおり。

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まずは、本体の上部を開け、卵を殻ごと入れて……

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蓋をした後、ボタンを叩く! これで殻が割れます。

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ボタンを押し込むと、卵の中身が本体下部へ落ちます。

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すると黄身は途中で引っかかり、白身はさらに下へ……

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本体下部のスイッチを押すとモーターが作動し、

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白身が攪拌されて、だんだんとメレンゲ状に……

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できあがったら、ご飯に白身と黄身を乗せて完成!

しかし、どうしてここまで「究極のTKG」が注目されたのでしょうか? それは、「人はプロセス(過程)にお金を支払う」ということかもしれません。

17年ヒットした商品の共通テーマは ズバリ「人はプロセスにお金を払う」ということ

その他、17年に注目された他の商品で言えば、プロセス重視のものとして、完全個室バス「ドリームスリーパー東京大阪号」が思い出されます。1台にわずか11室で、移動のプロセスを楽しませてくれる画期的な夜行バス。

あるいは秋のハロウィンがイベントとして年々盛り上がっているのも、やはり仮装のためにアイテムを揃えたりするプロセスが楽しいからこそでしょう。

もうひとつ。人を惹きつける商品の開発にあたって、未来からやって来たような最新鋭の技術が絶対に必要とは限らない、と、改めて感じさせる商品でもあります。これは、17年に大ヒットとなったゲーム機「ニンテンドースイッチ」にも通じる部分です。

スペック的に「凄さ」がなくとも、そこに「楽しさ」が備わっていれば、あれほどの売上を呼べるという話です。

今年ヒットするのも一発芸タイプ でも「なんでも」より「これが」の方が効果的です

あと、最後に付け加えるとするなら、「一発芸」タイプの商品はやっぱり強いということを、またもや思い知らされました。

13年の「ノンフライヤー」、17年で言えば「バーミキュラ ライスポット」……。なにそれ? という熱視線を集めるには、「なんでもできる」より「これができる」のほうが、より効果的。この潮流は、18年もさらに続くかもしれません。

「究極のTKG」が発売して即品切れとなったのは記憶に新しいところですが、なぜそこまでの反響があったのかが今回の深読みでわかりました。気になる味は、アマゾンでのクチコミによると、「おいしかった」が多かったようです。