シャークニンジャという掃除機をご存知ですか?
近年、ダイソンやマキタ、日立をはじめとしたメーカーから数多くのコードレス(スティック型・充電式)掃除機の人気モデルが量販店やネット通販で販売されていますが、その中でもシャークニンジャ製品の存在感が増しています。
以下にその特徴をまとめてみました。
特徴1:ゴミを毎回捨てる必要がない
シャークニンジャのハイエンド製品には「自動ゴミ収集機能」が搭載されたドック(兼充電スタンド)が搭載されています。これは掃除を終えてドックに本体を設置することで、自動的にゴミが本体からドック内に集められて、本体のダストボックスが空になるという仕組み。一部のルンバなど高級なロボット掃除機ではおなじみの仕様です。
紙パック式などのように毎回掃除機にたまったゴミを捨てる必要がなく、週に1回程度、上の写真のようにドックに集められたゴミを捨てるだけと、お手入れが簡単。パナソニックのコードレスタイプ製品でも同様の機構は存在します。
特徴2:スティック本体が曲がる
スティック本体のパイプ部分が曲がる「FLEX機能」も特徴的。
家具の前にスペースがなくても、写真のように腰をかがめることなく、奥行のあるソファやベッドの下もラクにお掃除できるのがメリットです。
特徴3:ゴミの量を自動検知→最適な吸引をしてくれる
また「iQテクノロジー」が搭載されているのもシャークニンジャ独自です。
これはゴミを検知して吸引モードを自動で変えてくれる機能で、とりあえずiQモードにしておけば家の中のどこでも掃除できます。
ゴミの量はヘッドのバーの色で示され、ゴミの量が少ない場合は低吸引力(緑)、中くらいの場合は中吸引力(黄)、多い場合は高吸引力(赤)に自動的に切り替わります。
特徴4:ヘッド部分が光ってゴミを見つけやすい
さらにスティック、ハンディタイプどちらも「ダブルLEDヘッドライト」機能で吸引部が光るため、ゴミの目安がついて見逃しづらいのもおすすめポイントです。
このような特徴を備えたシャークニンジャのハイエンドコードレス掃除機「Shark EVOPOWER SYSTEM iQ+ CS851JMVAE」は、過去に家電批評が行ったコードレス掃除機のテストで多くのライバルをおさえて、Dysonとともに2022年のコードレス掃除機ベストバイに選ばれています。
本誌としても迷うことなくおすすめできる商品です。
シンプル機能版の最新シャーク「CS150JAE」の実力は?
シャークニンジャ
Shark EVOPOWER SYSTEM STD+ CS150JAE
実勢価格:4万4500円
サイズ:W267×D124×H1030mm(本体スティック)
重量:約1.9kg(本体スティック)
集じん方式:サイクロン式
充電時間:約3.5時間
シャークニンジャより2023年2月に発売された「CS150JAE」は、ハイエンド製品「CS851JMVAE」と同様に、自動ゴミ収集ドックが付属されたモデルです。
ちなみに、値段をおさえたシンプル機能版の新製品なので、パイプが曲がる「FLEX機能」、また「iQテクノロジー」「ダブルLEDヘッドライト」がないということは、しっかりと把握しておきましょう。
今回の検証は、数々の家電のレビューを手がけてきた家電ライターの石井和美さん、比較検証したアイテムはのべ3万点を超える主婦ライターの石原美紀子さん、と「家電批評」編集部で、吸引力や静音性、手にかかる負荷や使い勝手などを多角的に検証しました。その結果を紹介します。
テスト1:使い勝手は?
家電ライターの石井さんと主婦ライターの石原さんが掃除機を使用し、使用中の重みや手首とヘッドの連動性、ゴミ捨ての簡単さ、手入れのしやすさ、毛の絡まり具合、ノズルの使いやすさなど微細な点まで評価しました。
結果1:ゴミを吸う・捨てるの流れがゴミ収集ドックのおかげで超ラクラク!
上の写真のようにゴミを吸い取ると、
吸い取ったゴミは、掃除機スティック本体のダストカップにたまります。
掃除が終わったら、掃除機本体をゴミ収集ドックに収納して自立させることで、自動的に本体にたまったゴミの吸引と充電が始まります。
ゴミ収集ドックのダクトです。ここからゴミを自動的に吸い込んでくれます。
このようにゴミが吸引されて、掃除機のダストカップがキレイになりました。
ゴミ収集ドックのダストカップがいっぱいになったら外します。
リリースボタンをワンタッチしてゴミ収集ドックのダストカップからゴミを捨てます。ちなみにダストカップやフィルターは着脱して水洗い(丸洗い)可能なのでメンテナンスもラク。きれいな状態を維持できます。
毎日掃除しても週1回程度のゴミ捨てで大丈夫なので、とてもラクチンでした!
また、運転時間もスペック通りで、実使用をしていて短いと感じるほどではありませんでした。
結果2:ヘッドが平らになるので家具の隙間にもスッキリ入った!
「CS150JAE」にはハイエンド機「CS851JMVAE」と違ってパイプが曲がるFLEX機能はありません。
その代わりに、掃除機本体をここまで倒しても、ヘッドが浮かず平らになります。
ヘッドが浮かない構造なので、ソファの下など狭い場所にも負担なく、すんなりブラシが入りました。
棚の下にもブラシが入れられて、すき間や最奥近くまで、家中をストレスなく掃除ができておすすめです。
結果3:「ブラシレスパワーフィン」は毛が絡みにくくブラシ掃除の手間が省けた!
「CS150JAE」で部屋を掃除した後に、ヘッドの「ブラシレスパワーフィン」をチェックすると、ブラシの形状が工夫されているためか、髪の毛ごみが絡んでいませんでした。
ブラシに絡まった毛をこまめに引っ張ったり切ったりしなくていいのはとても快適です。
結果:棒状の持ち手はCS851JMVAEと同じく賛否両論でした
「CS150JAE」の持ち手は、ハイエンド機「CS851JMVAE」と同じく棒状。
編集部の男性陣からは持ちやすいという声もありましたが、女性の小さな手では握りにくいのでは?という指摘もありました。
その一方で、手首をひねったときの本体及びヘッド部分の連動性や小回りの良さ、回転の具合といった操作性はとても高評価でした。
結果4:ハンディクリーナーとしても優秀だった!
付属品のブラシ付き隙間用ノズルは、ブラインドの隙間や階段などにたまったホコリを手軽に掃除するのにぴったり!
ブラシ付き隙間用ノズルは冷蔵庫の後ろにもすんなり入り、たまったホコリをバッチリ掃除できました。
スリムなブラシ付き隙間用ノズルはブラシを後ろ側にずらすと、ノズルだけで狭い隙間をスムーズに掃除することができます。
布団用ノズルはソファやカーテン、マットレスなどの細かいホコリを吸い込めます。
マルチノズルは家具の上などの掃除に適していました。
豊富な付属ブラシはハンディクリーナーにも掃除機本体にも取り付けられ、自動ゴミ収集ドックのドック用ダクトと、自動ゴミ収集ドックに接続できるアクセサリードックにコンパクトにまとめて収納できるのも便利です。
またブラシの取り外しは本体をドックに置いたまま、ワンタッチでできます。
ゴミ収集ドックがとてもよくできていますし、ゴミ捨ても簡単。シャークはもともとハンディクリーナーからヒットしたメーカーなので、やはり「CS150JAE」はハンディクリーナーとしても使い勝手がいいです。
棒状の持ち手が賛否両論だったので減点はありましたが、ゴミ収集ドックは上位機種の「CS851JMVAE」で採用されているものと変わらない使い勝手のよさ。ゴミ捨てもしやすく、付属のブラシも優秀で、使い勝手のよさはハイエンドにも劣らない満足度を実現しています。
テスト2:手にかかる負荷は?
掃除機使用中の負荷を、フォースゲージで測定。1Nはおよそ100gなので、10Nでだいたい1kg くらいの負荷が手にかかるということです。
7.50N未満を5点満点とし、15N以上が1点です。
結果:8.43Nと優秀!
過重測定器の値は8.43Nで、843g程度の重さを感じるということです。
これはスティックタイプの掃除機としてはかなり軽量。
実際に掃除をしてみても、ヘッドや本体が重いから大変、ということはありませんでした。
テスト3:静音性は?
掃除機の真上と真横に騒音計を置いて掃除機をスイッチオン。2カ所の騒音値を計測し、平均値で点数化しました。
70db(デシベル)は、高速走行中の自動車内程度の音で、70dB以下を5点満点、85dB以上が1点です。
なお、60dB未満なら夜間の使用も問題ないといえるでしょう。
結果:平均78.8dBとそこそこだった
騒音計の値は掃除機本体の真上地点が77.8dB、横が79.8dBで、平均78.8dBという結果に。
80dBは地下鉄の車内程度の騒音で静かとは言えず。夜間の使用にはあまり向きません。
テスト4:吸引力の高さは?
吸引力のテストでは、フローリング・カーペット・じゅうたんに砂・コーヒーの粉・紙片・毛髪を散布。
掃除機を往復させ、往路と復路で残ったゴミの量を計測してそれぞれの汚れの吸引力を点数化し、平均しました。
結果1:壁際・突き当たり+コーヒー粉は標準以上の性能!
床に木材で壁を作り、コーヒー粉を壁際に散布して「CS150JAE」を往復させます。
壁際と曲がり角にコーヒー粉が少し残ってしまいましたが、実用性は十分でした。
往路:2.0/5点
復路:2.0/5点
結果2:じゅうたん×紙片・毛髪では紙片・毛髪ともに吸い残しなし!
毛足が長いじゅうたんに、紙片を8枚、毛髪を8本散布して「CS150JAE」を往復させました。
その後、粘着シートでじゅうたんを掃除し、紙片と毛髪が何本付着するかをチェック。
紙片、毛髪ともに0! 吸い残しなしの満点でした!
紙片:残り0枚
毛髪:残り0本
結果3:フローリング+砂では少し砂が残った
続いて床に一定量の砂を1本の筋状に散布し、「CS150JAE」を往復させます。
往路では、写真右側に吸いきれなかった砂が残ってしまっていました。
往路:2.5/5点
復路では、往路で吸いきれなかった砂のうち半分ほどを吸い込みましたが、もう半分が右に移動してしまいました。
復路:2.0/5点
結果4:カーペット+コーヒー粉も少し粉が残った
タイルカーペットにコーヒー粉を筋状に散布し、「CS150JAE」を往復させます。
往路では、コーヒー粉の筋がうっすらと残っています。
往路:2.5/5点
復路でかなり筋は薄まりましたが、やはり筋が残っていました。
復路:3.0/5点
このように吸引性能は特別に強力とは言い難い結果でしたが、実際のお掃除では数回の往復でゴミやホコリを吸うため、大きな問題ではないと評価しました。
テスト結果とアピールポイントを総まとめ!
シャークニンジャ
Shark EVOPOWER SYSTEM STD+ CS150JAE
実勢価格:4万4500円
サイズ:W267×D124×H1030mm(本体スティック)
重量:約1.9kg(本体スティック)
集じん方式:サイクロン
充電時間:約3.5時間
▼テスト結果
総合評価 | 総合得点 | 使い勝手のよさ | 手にかかる負荷 | 静音性 | 吸引性能 |
A | 77/100点 | 46/50点 | 4/5点 | 3/5点 | 24/40点 |
最後に、シャークニンジャ「CS150JAE」の良かった点と残念だった点をまとめました。
▼良かった点
- 自動でゴミ収集してくれるドックスタンド付きで、使い勝手が抜群
- 軽量モデルとまではいかないものの、使用時に重さを感じづらい
- 本体を倒せば狭い隙間もきちんと掃除できる
- ヘッドに毛が絡みにくいのでお手入れが簡単
- ハンディコードレスクリーナーとしても優秀
▼残念だった点
- 吸引力はさほどパワフルではない
- 夜間使用を重視する人にはあまり向かない
- 本体を握る部分が太く、手が小さい人にはあまり向かない
持った感じの本体重量も軽いですし、ゴミ収集ドックでゴミ捨ても自動なのでラク。掃除機とハンディクリーナー、3種類のブラシツールで部屋を立体的に掃除したい人に向いている機種です。
以上、シャークニンジャ「CS150JAE」のレビューでした。
ゴミ収集ドックが上位機種「CS851JMVAE」と同じでありながら、約2万5000円も安いのはコスパ面も本当に魅力的!
デザインに満足し、自動ゴミ収集機能未体験で、部屋中を掃除できるコードレス掃除機を探している方にはとてもおすすめなので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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「CS150JAE」は、スティッククリーナーのヘッド部分を重くして重心を下にすることで、手元を軽く感じやすくする仕組みです。また、ヘッド部分を重くすることで床との密着度も高まります。ただし重心が下にあることで少し重く感じる人もいるかもしれません。棒状の持ち手など、そのあたりは好みで評価がさまざまに分かれます。