キッチン すべてが型破りな初参入メーカーの炊飯器

今まで炊飯器といえば、象印、三菱、パナソニック、東芝といったような言わずと知れた大手メーカーがしのぎを削ってきました。それが昨年から新興メーカーが相次いで参入し話題となっています。

それもそのはず、新規参入メーカーはいずれも他のジャンルで名を馳せたブランドばかり。今までと違ったアプローチで美味しさを追求したモデルを発売しています。

新興勢力の炊飯器は、熱しやすく冷めやすい鉄鍋系でしゃっきり食感のご飯が特徴。一般炊飯器の「しゃっきり炊き」とは次元の異なる粒立ちを味わえます。またバーミキュラは熟練のホーロー技術を、バルミューダは勢いに乗ったメーカーならではの全く新しい視点をそれぞれ盛り込み、独自の味を引き出すことに成功しています。

また、従来型と異なる点は、バルミューダ・バーミキュラともに炊飯器に標準搭載の「保温」機能を削除。保存は冷蔵・冷凍、再加熱はレンジを推奨しています。

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構造が型破り。バルミューダは内釜を二重にして水を入れ、蒸気で炊く方式。バーミキュラはIHでホーロー鍋の底だけ加熱するなど、従来にない炊飯方式を採用しています。

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型破りの機能美です。新興勢力の炊飯器のデザイン性は普通の炊飯器と一線を画し、機能性を高める工夫も備えます。例えばバーミキュラの内釜は外して「おひつ」として食卓に出せます

キッチン バーミキュラはとにかく料理に強い!米はしゃっきり感とツヤを両立しています

バーミキュラ:バーミキュラ:ライスポット:炊飯器:

バーミキュラ
バーミキュラ ライスポット
実勢価格:9万9500円
サイズ・質量(セット):W約311×D約296×H約208・約6.9kg
炊飯容量(白米):5合

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しゃっきりながらふんわり感も残し、甘みと旨味のあるご飯。釜の特性を生かして炊くので、銘柄の特徴も残ったまま仕上がります。ご飯のクオリティは秀逸といえます。

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米粒がピンと立っていて全く崩れていません。表面はツヤツヤしていて透明感のあるルックス。圧倒的に美しい粒感が感じられます。
しゃっきりした歯ごたえのなかにふんわり感もあります。香りは薄めですが、旨味はたっぷり感じられます。

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なお炊飯以外の料理がカンタンにできるのも本機の特徴です。ポトフやローストビーフなど多彩な料理がこれ一台で作れちゃいます。

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ちょっと慣れが必要なのが、釜に水の分量の指針となるメモリがないこと。洗った米の水をよくきり、専用の計量カップで正確に水を量る必要があります。また他の炊飯器に比べると鍋にご飯がくっつきやすい点や、鍋が重いので洗うのがやや大変な点は覚えておきましょう。

キッチン シャッキリ感はトップラクスコチラも調理に相性良いバルミューダ

バルミューダ:BALMUDA:The Gohan:炊飯器

バルミューダ
BALMUDA
The Gohan
実勢価格:4万4820円
サイズ・質量:W275×D251×H194mm・約4kg
炊飯容量(白米):3.0合
内釜:ステンレス、フッ素コート(外釜)アルミ、フッ素コート、耐熱性樹脂

シャッキリ感はトップラクスコチラも調理に相性良いバルミューダ イメージ

炊きあがった米の白さは控えめですが、しゃもじを入れたときのほぐれ具合はバツグン。きちんと芯まで炊けたしゃっきり感のあるご飯は、噛めば噛むほど旨味が出てきます。卵をかけても米粒はベチャっとならず、卵に負けないご飯を味わうことができました。

シャッキリ感はトップラクスコチラも調理に相性良いバルミューダ イメージ2

ご飯はやや黄色っぽいですが、しゃっきり食感はピカイチ。噛めば噛むほど、米本来の旨味が出てきます。逆に言うと、甘く柔らかいお米が好きな人にあまり向かないかもしれません。

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粒立ちがよくてご飯のほぐれは抜群。汁物をかけてもべちゃっとせず、お米の味や歯ごたえをしっかり感じることができます。卵かけご飯やカレーに合わせると米粒がほろりとほどけて絶品です。

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保温機能は搭載せず保存は冷蔵庫や冷凍庫を推奨していますが、ここにもおいしさへのこだわりが感じられます。なにより高い炊飯性能やデザイン性を備えながら、4万円台と他社のミドルクラスよりお手頃。新しい食感を提案しながらこの価格はお見事です。

キッチン お米だけの品質で間違いなく1位旨い、甘い、さすがの象印です

象印:NW-AA10:炊飯器

象印
NW-AA10
実勢価格:5万6980円
サイズ・質量:30.5×40×24.5cm・11kg
炊飯容量(白米):1.0L(5.5合)

お米だけの品質で間違いなく1位旨い、甘い、さすがの象印です イメージ

お米の甘い香りは比較したなかでもダントツ。お米のツヤもしっとりと輝くようで、口に入れる前から食欲を誘います。標準モードではしゃっきり感が薄く、ねばりのあるふんわりした歯ごたえが特徴。ご飯の旨味は余韻が残るほど、しっかりと引き出されていました。

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炊飯器のフタを開けた瞬間にお米の甘い芳香が漂います。米粒のツヤと瑞々しさはダントツ。ふっくらしていて、適度な歯ごたえも感じられます。ねばりもあり、旨味がしっかり出ているのが特徴です。

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高温&高圧力でお米の甘みと旨味を引き出します。炊きあがったご飯の旨味と香りは文句なしにトップクラスです。

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121通りの「わが家炊き」メニューで炊き具合を調整可能。もっちりやふっくらなど、食感を自分好みに調整できるのが魅力です。

キッチン 1万円台とは思えないバランス感コスパ優先で迷ったらアイリスでOK

アイリスオーヤマ:RC-IB50:炊飯器

アイリスオーヤマ
RC-IB50
実勢価格:1万2358円
サイズ・質量:W26.8×D33.2×H22.3・4.5kg
炊飯容量(白米):1.0L(5.5合)
内釜:厚さ3.0mm極厚火釜(3層)
コード長:約1m(収納式)

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お米の白さやツヤはまずまず。ふっくらしていながら歯ごたえもあり、バランスの良い食感です。お米の味や香りは象印に及ばないものの、1万円台という本体価格なら十分すぎるほど合格点。コスパだけで考えれば、4機種中でトップといえます。

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芯まできちんと炊けていて、ねばりのあるもっちりした食感です。噛んでいくうちにお米の旨味も出て、お米の甘い香りもきちんと感じられます。表面の白さは象印に及びませんが、ツヤは出ていました。

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お米が炊き分けられるのも特徴。白米炊飯は6パターンの炊飯モードを搭載しており、お米の銘柄ごとに適した炊飯ができます。

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説明書通りに浸水せず炊飯しても、しっかりと芯まで炊けて香りや旨味も出ていました。ハイコスパかつ旨味も香りも合格点なので、とりあえず量を炊ければという子供がいる家庭や、初めての炊飯器にも最適といえます。

キッチン 今までとは真逆の仕上がりだった新ブランドは新食感がポイント

今回の検証を通してわかったのは、バーミキュラ、バルミューダともにしゃっきりした食感が最大の特徴であること。きちんと炊けていないご飯と違い、芯まで炊けていて歯ごたえのあるご飯は、噛めば噛むほど旨味が感じられます。

お米マイスターの片山さんいわく「これまでの炊飯器にはなかった食感」で、かためのご飯を好む人には確実に刺さる炊飯器といえるでしょう。とくにバルミューダは普通の炊飯器と同じ手順のため、誰でも安定してしゃっきりご飯が炊けるのがうれしいポイントです。

しゃっきり食感の新興勢力とは異なり、象印とアイリスはふっくらした炊きあがりで、ツヤ・味・香りのバランスもよいという評価。「従来の炊飯器はお米の甘みや旨味を底上げして、各メーカーの理想的なご飯に近づけるのが基本コンセプト。そのため、安いお米でも実力以上の味になります」(片山さん)とのこと。

また、手軽な操作でどんなお米でも安定して炊けるため、毎日の食事で使い勝手がよいのも大きなメリットといえます。

総評としては、新興勢力(鉄鍋系)は「・しゃっきり ・かため ・粒立ちが強い」、従来型(土鍋系)は「・もちもち ・柔らかめ ・ふっくら仕上がる」という分類になりました。

まずはどちらが好みかを把握して、その上で各炊飯器の特徴から、自分好みの一台を見つけてみてください。