どうにもWi-Fiの電波が弱い… それって飛距離不足かもしれません
Wi-Fiルーターの置いてある部屋から距離がある、または壁を挟んでしまうなどの場合、電波を「繋ぐ」ことで飛距離を伸ばすことが必要です。そこで活躍するのが「中継機」です。
中継機自体にはネット回線を繋ぐ必要がなく、大元のルーターの電波を拾って、さらに遠くまで届けてくれます。
コンセントに挿すだけでOKなモデルも多く、手軽に電波を拡げられるのが魅力です。
一軒家を貸し切り速度テスト! 16台中のベストを選び抜きます
実際に16台の中継機を集め速度テストを行いました。一軒家を貸し切り、なるべくリアルな生活環境を再現しています。1階風呂、2階和室、2階リビング、3階寝室、3階洋室でそれぞれ速度計測をして採点しました。
さらに詳細なテスト方法や条件は記事の最後で解説しています。それではランキング結果をご覧ください。
超コンパクトで高速&安定! まさに挿すだけOKなエレコム
エレコム
WTC-300HWH
実勢価格:2614円
対応OS:Windows 8.1/8/7/Vista/XP、Mac OS X 10.6~10.9
サイズ・質量:W58.5×H47.5×D21.9mm・約40g
幅広いルーターに対応する「11n/g/b」対応の300Mbpsモデル。実勢価格3000円台で購入しやすい価格帯ながら、テストでは安定した数値を出しました。ライトユーザーにおすすめできるシンプルな仕様も高評価です。
親機ルーターからの電波強度をランプで通知。適切な設置場所の目安がつけやすい仕様になっています。
使いやすいコンセントに直挿しするタイプ。コンパクトで他の電気機器のコンセント使用を妨げにくいのもうれしいポイントです。
検証では、3階洋室以外のスポットでは全てベスト3以内に入るという好成績を上げました。とくに、下りのスピードは圧倒的でした。
7cmの大型アンテナで 安定して高速を維持します
ロジテック
LAN-RPT01BK
実勢価格:9650円
対応OS:Windows、Mac OS X
サイズ・質量:W32×H140×D26mm(アンテナ取付時)・約48g
同時接続可能台数:10台
コンパクトで軽量、かつ大型のアンテナを搭載した中継機。3年前に発売されたモデルで目新しい機能はないものの、どの部屋もしっかり繋がりました。
測定結果としては、中継機を設置した2階リビングをはじめ、とくに上りの速さが際立ちました。
中継器の「斜め」に強い エレコムのコスパモデル
エレコム
WRC-300FEBK-R
実勢価格:1885円
対応OS:Windows、Mac OS X
サイズ・質量:W107×H25×D72mm・約86g
同時設置可能台数:2台(親機と合わせて最大で)
4機種をラインナップするエレコムの中継機の中で、もっとも安いモデルです。
中継機の真上や真下よりも、斜め上や斜め下のほうが速く、3階洋室では全体1位の速度を叩き出しました。
4位: どの部屋でもつながりやすい
ソツのなさが魅力です
アイ・オー・データ機器
WN-AC1300EX
実勢価格:8460円
対応OS:Windows、Mac OS X、Android、iOS
サイズ・質量:縦置:W127×H195×D93mm・横置:W188×H29×D127mm・約300g
MACアドレスフィルタリング:最大32エントリー
アイ・オー・データ機器の中継機で唯一、5GHzのacに対応するハイエンドモデルです。
テスト結果では、どの部屋でも確実に繋がるのはもちろん、平均以上の速度を叩き出しました。
5位: 可愛いデザインですが
速度はしっかり出ます
PLANEX
DB-WEX01
実勢価格:3136円
対応OS:Windows、Mac OS X
サイズ・質量:W71×H47×D49mm・約60g
人気キャラクター「ダンボー」を象った中継機で、設定画面もダンボー仕様のデザインになっています。
テストでは、子機までの障害物が多い1階お風呂で最速でした。
6位: 2,4GHzよりも5Ghzで
使いたい一台です
ASUS
RP-AC52
実勢価格:5026円
対応OS:Windows、Mac OS X、Linux
サイズ・質量:W54×H85×D31mm・90 g
本体下部にLEDライトを搭載しており、ムードライト代わりに使うことも可能な機器です。
2.4GHz(n)のテストでは平均点以下でしたが、5GHz(ac)のテストでは親機の速度を上回る場所も出るなど、まずまずの速さを計測しました。
7位: 5GHz帯での
安定感は抜群です
NETGEAR
EX6200
実勢価格:7500円
対応OS:Windows、Mac OS X
サイズ・質量:W252xD31xH174mm・302g
子機の場所を判断して効率良く電波を飛ばす「ビームフォーミングプラス」という機能を搭載。
そのおかげもあってか、どの場所でも振り幅の少ない安定した測定結果が出ました。とくに5Ghz環境での安定感は抜群です。
8位: 下り速度が遅いため
評価は伸び悩みました
バッファロー
WEX-733DHP
実勢価格:4320円
対応OS:Windows、Mac OS X、Android、iOS
サイズ・質量:W64×H86×D40mm・約135g
最大登録許可台数(MACアクセス制限):20台
ハイパワーかつデュアルバンド同時接続を謳うバッファローの中上級モデルです。
テストでは平均的な結果に。下りの速度がやや伸び悩みました。
9位: 5GHzに対応も
下り速度は平均的です
NETGEAR
EX6100
実勢価格:8990円
対応OS:Windows、Mac OS X
サイズ・質量:W122xD38xH74mm・213g
筐体はコンパクトながら、7位のEX6200にも搭載されているデュアルバンド同時接続機能はこちらもしっかり搭載されています。
EX6200に比べると全体的に速度は劣りますが、下りが速いという特徴はよく似ています。
10位: 設置性には優れますが
速度は平均を下回りました
アイ・オー・データ機器
WN-G300EXP
実勢価格:2712円
対応OS:Windows、Mac OS X、Android、iOS
サイズ・質量:W42×H33×D42mm・約40g
タテヨコのサイズがわずか4.2cmと超コンパクトな中継機。内蔵アンテナで出っ張りもないので、隣のコンセントをふさいだりする心配もありません。
テストでは、接続が途切れたりすることはないものの、速度は全体平均をやや下回る結果になりました。
11位: 繋がりは良いものの
肝心の速度は遅めです
PLANEX
MZK-EX750NP
実勢価格:4721円
対応OS:Windows、Mac OS X、iOS
サイズ・質量:W58.9×D38.3×H94.5mm・約116g
この中継機は2つの2.4GHzと5GHz両方の周波数帯に対応しますが、他の機種と違い、親機と接続している周波数の電波のみ中継するタイプです。
繋がりの良さは感じられたが、速度面はイマイチ伸びませんでした。
12位: 「ハイパワー」を謳うも
速度は伸び悩みました
アイ・オー・データ機器
WN-AG300EXA
実勢価格:6636円
対応OS:Windows、Mac OS X、Android、iOS
サイズ・質量:W70×H28×D117mm・約100g
アイ・オー・データ機器の中継機ラインナップで唯一「ハイパワー」を強みにしているモデルです。
中継機と同じ階のリビングと和室では速いものの、1階と3階でガクンと下がってしまう点が気になりました。
13位: 全体的に平均以下で
下りは最遅級でした
バッファロー
WEX-733D
実勢価格:2959円
対応OS:Windows、Mac OS X、Android、iOS
サイズ・質量:W64×H86×D40mm・約115g
最大登録許可台数(MACアクセス制限):20台
バッファローのac対応中継機では最安のモデルです。コンセント直挿しタイプで設定も簡単なため、ビギナーにも使いやすい一台です。
部屋ごとの速さの傾向は、先ほど紹介しました上位機種の733DHPとよく似ていますが全体的に遅め。また、上りのほうが下りよりも下げ幅が大きくなりました。
14位: 部屋によっては高速ですが
全体的には遅めです
PLANEX
MZK-EX300NP
実勢価格:3853円
対応OS:Windows、Mac OS X、iOS
サイズ・質量:W58.9×D38.3×H94.5mm・約116g
先ほど紹介した同社の750NPと同じく、本体に犬の顔がデザインされた「忠継大王」シリーズの中継機。LEDランプで最適な設置場所を教えてくれる機能が便利です。
測定の結果、中継機から近い2階リビングなどでは750NPよりも速い数値が出ました。
15位: 全体的に速度はイマイチ
2.4Ghzでは計測を断念
エレコム
WTC-1167HWH
実勢価格:3819円
対応OS:Windows、Mac OS X
サイズ・質量:W68×H98×D30mm・約108g
同時設置可能台数:2台(親機と合わせて最大3台まで)
5GHzと2.4GHzから通信状態が良いほうを自動選択して電波を飛ばす「オプティマイズモード」など、4つの通信モードを備えます。
しかしテストでは、2.4GHzが途中で止まり計測不能に……。
16位: 家の全ポイントで
速度が伸びませんでした
バッファロー
WEX-G300
実勢価格:2807円
対応OS:Windows、Mac OS X、Android、iOS
サイズ・質量:W140×H140×D31mm・約232g
最大登録許可台数(MACアクセス制限):64台
中継機に手動で接続できたり、親機→中継機の通信安定化技術が採用されていたりと性能は低くないはずですが......。
スピードテストではまったく振るわず。順位も最下位という結果に終わりました。
結果一覧とテストの詳細はコチラ
今回テストを行った全中継機の結果がこちらです。それぞれ3回計測した数値の平均値で、計測場所ごとに上位3機種を色分けしてあります。総合順位で上位になった3機種は中継機に求められる機能そのままに電波を広げているようで、いくつかの計測場所でトップの数値をマークしているだけでなく、各ポイントにおいて比較的高めの速度を計測できました。
測定ポイントは以下の5箇所です。
3階寝室。中継機のほぼ真上で、親機からは一番離れた位置にあります。
3階洋室は中継機からは一番離れた位置にあり、1階の親機からは真上にあたります。
2階リビングです。中継機の設置場所であり、親機を置いた1F洋室とは逆側になります。
2階和室。床1枚隔てていますが、距離だけなら親機に一番近い場所です。
1階風呂。中継機からの距離は寝室とほぼ同じですが、障害物がやや多めです。
PCはVAIO Pro 13 mk2を使用。5GHz帯のacにも対応し、有線LANポートも備えるWinパソコンを、サーバー用と子機用として2台使用しました。
利用した親元のルーターはコレ
バッファロー
WSR-1166DHP2/N
実勢価格:7200円
一方ルーターは、2.4GHzと5GHzの両バンドに対応する無線LANタイプを。速度も価格も標準的なものを選びました。
テストに使った使用ソフト
【転送速度計測】
LAN Speed Test
提供:Totusoft
転送速度は計測ソフトを使用しました。手順は、まず、親機のルーターとパソコンを有線で接続して簡易サーバー化。中継機を介して無線で子機とデータの送受信を行い、子機に入れたソフトで上りと下りの速度を計測しました。
【電波強度計測】
NetSpot
提供:Etwonk LLC
室内の電波強度を計測するソフト。各中継器ごとに強度を視覚化したヒートマップを作成し比較しました。
以上、中継器全16台のランキングでした。この結果を参考に、自宅の環境に合った一台を選んで快適なネット環境を構築してください。