高級シャワーヘッド「ミラブルPlus」は本当にすごい?
近年、美容業界で注目が集まっているのが“ミスト系”のシャワーヘッド。水流に細かな泡(マイクロバブル)を混ぜることで、老化の原因となる肌への刺激を減らしつつ、泡の力で洗浄力も格段にアップするというものです。
今回レビューする「ミラブルPlus」は、ミスト系シャワーヘッドの最高峰といわれる高級アイテム。
他製品のマイクロバブルよりもさらに小さな直径約0・13ナノメートルの「ウルトラファインバブル」を放出して、肌の表面だけでなく、毛穴に詰まった皮脂や化粧品の粒子までも、シャワーを当てるだけで落とすことができるそうです。
口コミやネットでも絶賛されている「ミラブルPlus」ですが、お値段は4万円越え。今回は実際に使用して、その実力を徹底調査します。
ミラブルPlusのうたう4つの特徴
サイエンス
ミラブルPlus
実勢価格:4万4990円
「ミラブルPlus」の価格は一般的なシャワーヘッドの約10倍。どこがそれほど違うのでしょうか。製品がうたう特徴を見てみましょう。
ポイント1:シャワーだけで湯上がりポカポカの温浴効果
ミラブルPlusの2つの水流のうちの「ストレート水流」は、強い水圧と超極小泡が弾ける際のマッサージ効果により血行が促進され、温浴効果が高くて湯冷めしにくいといわれてます。
ポイント2:油性ペンもファンデも落とす洗浄性能
最大の特徴である「ウルトラファインバブル」は他製品と比べて量も細かさも圧倒的。泡が弾ける際の衝撃と、毛穴の奥まで入り込む細かさでシャワーだけでも汚れをスッキリ落とせるということですが、ここは後ほどしっかり検証しましょう。
ポイント3:水圧そのままで水道代をカットする節水性能
水流の中に空気を大量に含んでいるため、シャワーに使う水の量は一般的なシャワーヘッドと比べて大幅に削減。水道代が減るのでお財布にもやさしいです。
ポイント4:超極小泡と脱塩素で肌にやさしい水流
「ウルトラファインバブル」を含んだやさしい水流に加え、脱塩素カートリッジを通すことで、刺激の原因になる塩素を除去。徹底的に刺激を抑えるつくりになっています。
以上がミラブルPlusが注目されている理由として挙げられます。たしかに他製品で「ウルトラファインバブル」と同等の性能は見当たりません。
それではこの価格に見合った性能があるのか、詳しくチェックしてみましょう。
シャワーヘッド3製品を比較してみました
「ミラブルPlus」の性能を調べるため、今回はこちらの2製品と比較してみました。
▼比較アイテム1:リーズナブルな「コーナン」
コーナン
LFX03-5108
実勢価格:657円
コーナン「LFX03-5108」は一般的によく見かける「節水タイプ」のヘッド。ミスト機能はついていません。
▼比較アイテム2:姉妹誌でベスト獲得の「アクアビュル」
アクアビュル
ボヌール
実勢価格:1万5400円
姉妹誌『LDK the Beauty』による「美容系シャワー」9製品比較にて、ベストを獲得した逸品です。
それでは今回行った検証を見ていきましょう!
【テスト1】肌へのやさしさチェック
直流のシャワーは刺激が強く、とくに顔のお肌には無視できないダメージを与えます。そこで玉子豆腐を使って、刺激の強さを検証してみました。
検証方法
卵豆腐の真上30cmの位置からシャワーを5秒かけ、崩れ具合をチェック。肌への刺激を可視化しました。
その結果は以下のとおりです。
コーナンのストレート水流のシャワーヘッドはたった5秒で卵豆腐がボロボロに……。
ミストタイプのミラブルとアクアビュルは表面がやや荒れたものの、形はキープしました。肌の老化ケアに重要な「低刺激」という観点では、1.5万円のボヌールでも遜色ナシという結果です。
【テスト2】シャワーによる温浴効果
湯船に浸かるほうが体が温まるのはもちろんですが、時間がないときはさっとシャワーですませがち。そこでミラブルがうたう「温浴効果」を検証しました。
片腕にシャワーを当てたあとの保温テストでは、水圧の強いミラブルはしっかり体を温めました。これならシャワーでも入浴時のような温浴効果が期待できます。
▼ミラブルPlus
37℃のシャワーを1分間かけた直後の肌温度は体の中心部と同じ約36.5℃。体の芯まで温まっている状態といえます。
比較した2つのシャワーヘッドではどちらも35.3℃程度という結果に。多少は温まってもすぐに冷めてしまいました。
▼アクアビュル
シャワー直後から温度が低下しました。
▼コーナン
少し温まりましたが、すぐに冷めてしまいました。
時間がないときもシャワーだけで温まって楽チン!
【テスト3】節水性
毎日使うものだから、シャワーの水道使用量も気になるところ。そこでどのくらい節水できるのか検証しました。
一定の水量で1分間水を流し、水の量を計測したところ、ミラブルは圧倒的といえるほどの節水性能を発揮しました。しかもシャワーの水圧はしっかり強いままをキープ。高い技術力がうかがえます。
▼コーナン
1分で約6Lの水が流れました。
▼ミラブルPlus(ミストモード)
水の使用量はなんとコーナンの半分以下でした。長く使えば使うほど、水道代がお得になりそうです。
この節水性能はかなりの技術力が必要です!
・お肌にやさしい
・温浴効果あり
・節水効果あり
以上の3点は検証してわかったミラブルのスゴイところ。続いては惜しかったポイントをご紹介します。
検証してわかったミラブルPlusの惜しかったところ
低刺激なミストモードも心地よく、節水性もバツグンのミラブル。ですが検証の結果、惜しかった点もありました。
惜しいポイント1:CMほど汚れは落ちない
シャワーだけで油性ペンを落とすというCMは印象的ですが、本当に落ちるのかを実験しました。
今回は油性ペンとリキッドファンデーションの2種類の汚れを用いて検証しましたが、どちらも「水流のみ」では汚れをキレイに落とすことはできませんでした。
油性ペンの汚れはゴシゴシと強くこすれば落ちましたが、この洗い方は肌への刺激が強くなるのでおすすめはできません。残念ながら、CMほどの洗浄力は確認できませんでした。
検証方法
湯温を37℃に固定し、20秒間水流のみで流し洗い。油性ペンは流し始めて5秒後からさすり洗いも行いました。
▼油性ペン
すっかり落とすには強くこする必要アリです。
▼ファンデーション
毛穴の中までスッキリとはならず……
どちらもある程度は落ちたものの、「水だけでスッキリ!」というまでにはなりませんでした。
ガンコな汚れを水だけで落とすのはかなり無理があります……
肌をゴシゴシと強くこするのは刺激が強いため絶対NGです!
惜しいポイント2:年間約1万3000円のランニングコスト
もうひとつ、無視できなかったのが年間のカートリッジ交換コスト。
塩素除去のカートリッジは1本3190円と高めです。すばらしい節水性で水道代は削減できるので、年間のカートリッジ代を考えるとプラマイ0な感じかもしれません。
4人家族の場合、3カ月に1回カートリッジを交換する必要があり、年間で約1万3000円(4個分)かかります。
ミラブルを通した水を残留塩素チェッカーを使ってテストしたところ、しっかり除去されていることを確認。
塩素除去性能だけであれば、こちらのお値段手ごろなヘッドでもミラブルと変わらずしっかり塩素を除去できていました。
Takagi
キモチイイシャワピタ
実勢価格:2728円
Takagi「キモチイイシャワピタ」はホームセンターなどで手軽に購入できる塩素除去シャワーヘッド。塩素除去機能だけほしいという方には、こちらで十分そうです。
【まとめ】ミラブルは高性能! 肌ケアだけならアクアビュルも
サイエンス
ミラブルPlus
実勢価格:4万4990円
サイエンスの「ミラブルPlus」を検証した結果、高い節水性や温浴効果など、高性能であることがわかりました。またミストモードでの肌への刺激の軽減できる点、将来のシワやくすみの対策に期待できそうです。
美容や肌ケアの観点から見てもかなり魅力的な製品であることは間違いありません。ただしネックなのはやはりお値段とランニングコストの高さ。
ということで、もし肌の老化ケアという面を重視するなら、ボヌールの「アクアビュル」でも十分というのが今回の結論です。
アクアビュル
ボヌール
実勢価格:1万5400円
以上、近年注目のミスト系シャワーヘッド「ミラブルPlus」のご紹介でした。
一日の汚れを落とすシャワータイムは、お肌の若々しさを保つためにも大切な時間。商品選びの参考にしてみてくださいね。
▼節水重視なら、こちらのシャワーヘッドもおすすめ
「肌への刺激」は肌老化を遅らせるため、極力避けるべき要素のひとつです!