おもちゃ・ホビープラスチック用接着剤の特徴は?

プラスチック用接着剤の特徴は? プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

模型用接着剤といえば、ドロッとした「セメント」一択……という時代も今は昔。

現代の接着剤は、各社から用途に合わせた高性能なものが多数発売されており、綺麗かつ早く、そして確実に部品を固定することができるようになっています。

その中でも、現在の模型作りの主流なのが「流し込みタイプ」と呼ばれるサラサラ粘度の接着剤。パーツの隙間にハケで流し込み、そのまま接着できる接着剤です。

とはいえ、昔ながらの高粘度な接着剤も使い道はたくさん。それぞれの特徴を押さえて使うものをチョイスすれば、綺麗な完成品までの近道になってくれます。

おもちゃ・ホビープラスチック用接着剤の選び方は?

普通にプラモデルを作るなら、メインで使うのは流し込み接着剤です。ここからは、各接着剤の特性を見ていきましょう。

流し込みタイプ:大きめのパーツで全体を組み立てるのにおすすめ

スピーディーな組み立てが可能になるのが、速乾タイプの流し込み接着剤。乾燥が早く、作業時間を短縮できます。

速乾タイプのメリット

速乾タイプのメリット プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

速乾タイプの流し込み接着剤はすぐに揮発するのでパーツの表面が荒れにくく、貼り合わせた後の整形が比較的楽です。

また、プラスチックを溶かしすぎないため、パーツを接着した後に誤差や微妙なサイズのズレが出にくいというメリットも。

作業時間が短くなる以外にも様々な利点があるのが、速乾タイプの接着剤です。

高粘度タイプ:細かい部品を取り付けるのにおすすめ

高粘度の接着剤は乾燥時間は長めですが、そのぶん細かいパーツを位置決めしながら確実に固定するのに向いています。

大きめのパーツで全体を組み立てる時には「流し込みタイプ」、細かい部品を取り付ける時には「高粘度タイプ」と覚えておくとよいでしょう。

おもちゃ・ホビープラスチック用接着剤の検証方法は?

プラスチック用接着剤の検証方法は? プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

接着剤もいろいろな種類があり、どれを選べばいいか迷ってしまう人のために、実際に接着して検証してみました。

検証方法として、プラ板2枚の間に接着剤を流し込み、乾燥時間のほか、あえてはみ出させた場所の状態を調べました。

※溶かす力=今回はプラ板の表面に接着剤をはみ出させた際の、表面の荒れ具合を目視で観測。表面を荒らしていないものほど順位を高く設定しました。

おもちゃ・ホビープラスチック用接着剤のおすすめは?

第1位タミヤ「タミヤセメント(流し込みタイプ) 速乾」

  • タミヤタミヤセメント (流し込みタイプ)
  • 実勢価格: ¥345
 

乾燥が最も速くてとても塗りやすい!

プラスチック用接着剤のおすすめランキングで1位を獲得し、ベストバイに選ばれたのはタミヤ「タミヤセメント(流し込みタイプ) 速乾」でした!

3位の「タミヤセメント 流し込みタイプ」より乾燥が速いのが特徴。小さいパーツ同士でもしっかりくっつき、スピーディに乾燥するので速く組み立てられます。

キャップのハケで模型に接着剤を手早く塗ることができます。プラスチック用接着剤に迷ったら、タミヤの速乾がおすすめです。

おすすめポイント
  1. 「速乾」を求めるならこの接着剤が最適
  2. しっかりくっついて手早く組み立てられる
内容量
40ml
型番
FBA_87038
▼テスト結果
  • 乾燥時間 :1位
  • 溶かす力 :1位
  • ハケの先端:1位

【乾燥時間】かなり速く乾燥する

【乾燥時間】かなり速く乾燥する プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

製品名の「速乾」どおり、プラ板に塗ったら、わずか約1分で乾燥。プラモデルを手早く作れます。

【溶かす力】あまり目立たない

【溶かす力】あまり目立たない プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

写真では、接着剤がはみ出した面とそうでない面の違いがほとんどわかりません。無塗装派にはうれしい点です。

【ハケの先端】細かい場所も塗りやすい

【ハケの先端】細かい場所も塗りやすい プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

キャップの内側に付いたハケは、幅がわずか0.21mm。細かい部分でも塗りやすいです。

第2位GSIクレオス「Mr.セメントSP(スーパーパワー)」

  • GSI クレオスMr.セメントSP [スーパーパワー]
  • 検証時価格: ¥330
 

速乾性が高く強度も高い

プラスチック用接着剤のおすすめランキングでもう一つのベストバイに選ばれたのは、2位のGSIクレオス「Mr.セメントSP(スーパーパワー)」でした!

同社の「Mr.セメントS」より速乾性が高く、接着後の強度も高まっています。低粘度でサラサラとした液体です。

ちなみに、被塗部が黒く着色されて視認性がよい「Mr.セメントSPB(ブラック)」もラインナップされています。

速乾性が高く強度も高いので、作業性を重視する方におすすめです。

おすすめポイント
  1. 速乾性が高い
  2. 接着後の強度が高い
内容量
40ml
型番
MC131
▼テスト結果
  • 乾燥時間 :2位
  • 溶かす力 :3位
  • ハケの先端:1位

【乾燥時間】素早い乾燥が魅力

【乾燥時間】素早い乾燥が魅力 プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

プラ板に塗って乾燥するまでは約1分30秒とまずまず。塗る面積が大きくて強度が必要な場所でも、安心して作業することができます。

【ハケの先端】1位と遜色ない細さ

【ハケの先端】1位と遜色ない細さ プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

ハケの幅は0.29mmと細め。艦船模型のマスト部や飛行機模型のピトー管などの細かい部分もラクに塗ることができます。

第3位タミヤ「タミヤセメント(流し込みタイプ)」

  • タミヤタミヤセメント (流し込みタイプ)
  • 実勢価格: ¥345
 

流し込みに便利な極細の筆をセット

プラスチック用接着剤のおすすめランキングで3位となったのは、タミヤ「タミヤセメント(流し込みタイプ)」でした!

1位の「タミヤセメント 流し込みタイプ 速乾」より安いが、乾燥までの時間はやや長め。

接着剤の乾燥が速すぎても困ってしまう、プラモデルの広い面積を接着するときなどは、こちらがおすすめです。

おすすめポイント
  1. 1位の接着剤より少し安い
  2. ハケがかなり細くて塗りやすい
がっかりポイント
  1. 乾燥までがやや長い
内容量
40ml
型番
FBA_87038
▼テスト結果
  • 乾燥時間 :4位
  • 溶かす力 :1位
  • ハケの先端:2位

【乾燥時間】乾燥までやや長い

【乾燥時間】乾燥までやや長い プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

プラ板に塗布したあとの乾燥時間は約2分とやや長め。模型をゆっくり作ることができます。

【ハケの先端】かなり細く塗りやすい

【ハケの先端】かなり細く塗りやすい プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

キャップの内側に付いたハケの幅は0.28mmとかなり細め。模型の小さな隙間にも確実に入ることができ、組み立て作業も効率がアップします。

第3位GSIクレオス「Mr.セメントS(流し込みタイプ)」

  • GSI クレオス Mr.セメントS (流し込みタイプ)
  • 検証時価格: ¥275

大きなパーツを一気に接着するときに便利

GSIクレオス「Mr.セメントS(流し込みタイプ)」は、プラスチック用接着剤のおすすめランキングで同率3位となりました。

揮発性が高めで、低粘度でサラサラとしています。

2位で速乾性が高いとうたう「Mr,セメント S」とは、実際の乾燥時間がほぼ同じだったので、リーズナブルなコチラを選んでもいいかもしれません。

プラ板表面にはみ出た接着剤もあまり目立ちませんでした。コスパを重視する方におすすめです。

内容量
40ml
型番
GNZ-MC129
▼テスト結果
  • 乾燥時間 :2位
  • 溶かす力 :1位
  • ハケの先端:5位

【乾燥時間】早めにくっつく

【乾燥時間】早めにくっつく プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

実際の乾燥時間は約1分30秒と短めなので、手早く作ることができます。

【ハケの先端】やや太め

【ハケの先端】やや太め プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

ハケの先端の幅は0.43mmとやや太め。一度に広い面積を塗るときは、艦船模型の艦底部の接着などに最適。

逆に細かい部分は塗りにくいかもしれません。

5位: タミヤ「リモネンセメント(流し込みタイプ)」

  • タミヤリモネンセメント (流し込みタイプ)
  • 実勢価格: ¥506
 

刺激臭は少ないけれど作業性はもう少し

タミヤ「リモネンセメント(流し込みタイプ)」は、プラスチック用接着剤のおすすめランキングで5位となりました。

柑橘類から抽出されるリモネンが入っているため、有機溶剤特有の刺激臭がなく、オレンジの香りがします。

安全性が高いので、子どもが作るときや換気がしにくい場所で作るときに便利です。

ただ、接着までに多少時間がかかることは気に留めておきたいところ。安全性を重視する方におすすめです。

内容量
40ml
型番
87134
▼テスト結果
  • 乾燥時間 :5位
  • 溶かす力 :5位
  • ハケの先端:4位

【乾燥時間】普通の接着剤より長め

【乾燥時間】普通の接着剤より長め プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

プラ板の乾燥までは約3分とかなり長いです。すぐに接着したいときは向きませんが、じっくり位置を決めたいときには最適です。

【溶かす力】表面が多少目立つ

【溶かす力】表面が多少目立つ プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

リモネンが入っているため、合わせ部分からはみ出た接着剤が乾燥するとやや目立ってしまいます。

6位: タミヤ「タミヤセメント(角びん)」

  • タミヤタミヤセメント (角びん)
  • 実勢価格: ¥184
 

昔から販売されている粘度の高いタイプ

タミヤ「タミヤセメント(角びん)」は流し込みタイプではないので比較用ですが、プラスチック用接着剤のおすすめランキングでは6位となりました。

とろみが付いた液体で、乾燥時間は約5分と、検証した6製品の中では最も長いです。パーツに塗ったあと乾燥までの時間に余裕があるので、位置を決める時間ができます。

リーズナブルな価格も魅力で、速乾タイプが増えた現在でもファンは多いです。

内容量
40ml
型番
87003
▼テスト結果
  • 乾燥時間 :6位
  • 溶かす力 :6位
  • ハケの先端:6位

【溶かす力】かなり光って見える

【溶かす力】かなり光って見える プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

プラスチックを溶かす力が強く、乾燥するとかなり光って見えます。パーツからはみ出さないよう注意が必要です。

【ハケの先端】広範囲を一気に塗るときに

【ハケの先端】広範囲を一気に塗るときに プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

ハケの幅は3.79mmとかなり広め。小さいパーツを接着するときは苦労しますが、大きなパーツを一気に塗って接着するときは役に立ちます。

おもちゃ・ホビー特殊な接着剤のおすすめは?

塗った場所がわかりやすいよう色がついていたり、通常のプラスチック以外の樹脂を接着できたりといった、特殊な接着剤も存在します。

これらのアイテムの使い道を覚えれば、より幅広い工作が可能になるはずです。

タミヤ「タミヤセメント(ABS用)」

  • タミヤタミヤセメント (ABS用)
  • 実勢価格: ¥260

ABSを接着したいならコレが便利

関節が可動するキットなどに近年よく使われている硬めの樹脂、ABS。キャラクター模型に意外と使われていたりします。

タミヤ「タミヤセメント(ABS用)」は、普通のプラスチック用接着剤では接着できない、このABSを固定するための接着剤です。

樹脂を溶かす力は強めで、ABS同士だけではなく通常のプラスチックとABSを接着することもできます。

内容量
40ml
型番
87137

GSIクレオス「Mr.セメント SPB(ブラック)」

  • GSI クレオス Mr.セメント SPB (ブラック)
  • 実勢価格: ¥352

塗ったところが黒くなるのがいいんです!

GSIクレオス「Mr.セメント SPB(ブラック)」は、Mr.セメントSPに黒く色をつけたタイプの流し込み接着剤。

塗った部分に黒い色がつくので、どこに接着剤が流れたのか一発でわかります。色がつくと合わせ目消しがはかどります。

着色は顔料系の塗料で行われているので、上から塗装した際に黒い色が染み出してくるようなこともありません。

内容量
40ml
型番
GNZ-mc132

溶剤臭のしないリモネン接着剤

柑橘系の成分である「リモネン」を主成分にした接着剤。

台所用洗剤などにも使われている成分で、柑橘類のような芳香がします。臭いが気になる人は使用を検討してもいいかもしれません。

リモネンは完全硬化すると接着したところもプラスチックになるので、普通の接着剤の感覚で使えますが、硬化時間はかなり長め。

メリットとデメリットを把握して使いたいアイテムです。

タミヤ「リモネンセメント(流し込みタイプ)」

  • タミヤリモネンセメント (流し込みタイプ)
  • 実勢価格: ¥506

タミヤ「リモネンセメント」

  • タミヤリモネンセメント
  • 実勢価格: ¥385

おもちゃ・ホビープラスチック用接着剤の使い方のコツは?

基本的には「塗って、貼る」という単純な使い方の道具である接着剤。

しかし、知っておくとより失敗しにくくなるコツがあるのも事実です。ここでは、より綺麗にパーツを固定するテクニックをご紹介します。

プラスチック用接着剤の基本的な使い方

2種の接着剤には明確な使い方の違いがあり、流し込みタイプの接着剤はパーツ同士を合わせた後に塗る高粘度タイプの接着剤は先にパーツに塗ってから固定します。

トロトロ接着剤(高粘度タイプ)の塗り方

トロトロ接着剤(高粘度タイプ)の塗り方 プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

高粘度タイプの接着剤は、先にパーツに少しだけ塗っておいてから貼りたい場所に取り付けます。

たっぷりつけると合わせ目を埋めるパテ代わりにもなりますが、タレやすくなるのでつけすぎに注意。

サラサラ接着剤(流し込みタイプ)の塗り方

サラサラ接着剤(流し込みタイプ)の塗り方 プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

流し込み接着剤を使う際には、まず先にパーツ同士をくっつけておき、その合わせ目に接着剤を流し込みます。

サラサラ接着剤(流し込みタイプ)の塗り方 プラスチック用接着剤おすすめ イメージ2

パーツの合わせ目に沿ってハケで流し込み接着剤を塗れば、数分ですぐに硬化して固定できます。流し込みタイプは速乾性なので、すぐに作業が再開できるのがポイントです。

知っておくと失敗しにくいポイント

粘度の低い流し込み接着剤を手元が見えない状態で流し込んだり、接着剤が指の方まで流れたりすると綺麗に接着できず、後から修正が必要になってしまいます。

裏から流すのは△

裏から流すのは△ プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

パーツの裏側から流し込み接着剤を塗ると手元かパーツ表面のどちらかが見えなくなるため、必要以上に流し込むリスクが生じます。できればパーツの表から塗りましょう。

裏から流すのは△ プラスチック用接着剤おすすめ イメージ2

適量以上の接着剤を流し込みすぎると、漏れた接着剤が指とパーツの隙間に流れ込み、指紋がくっきりプリントされてしまうことも。

ハケを先細に交換すると便利

ハケを先細に交換すると便利 プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

タミヤセメントSのような高粘度タイプ接着剤の幅広ハケを、別商品の先細のものに付け替えておくと、接着剤のつけすぎを防ぐことができます。

おもちゃ・ホビーまとめ:迷ったらタミヤの速乾にすれば間違いなし!

以上、プラスチック用接着剤のおすすめランキングでした!

プラモデルのパーツ同士を固定する際に使用する接着剤。塗った場所の樹脂を溶かしてパーツ同士を結合させるため、非常に強固に接着できます。

今回は、粘度が低くサラサラした流し込みタイプ5製品と、比較用に粘度が高いスチロール樹脂系1製品(6位のタミヤセメント)を比較テストしたところ、タミヤ「タミヤセメント(流し込みタイプ) 速乾」が総合1位となりました。

ハケが細いので細かい場所にも塗りやすく、乾燥が速いので作業を手早く行うことができます。迷ったら、まずはこの接着剤から使ってみましょう!

プラスチック用接着剤のおすすめ

プラスチック用接着剤のおすすめ プラスチック用接着剤おすすめ イメージ

タミヤ
タミヤセメント (流し込みタイプ)

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