老舗歯科医院にご協力いただき電動歯ブラシの基礎知識を大検証
ご協力いただいたのは、大手町デンタルクリニックのみなさま。虫歯、歯周病、審美など総合治療に力を入れた診療で、50年間信頼と実績を重ねた老舗クリニックです。
大手町デンタルクリニック
東京都千代田区大手町1-5-1
大手町ファーストスクエア ウエストタワー 1F
お答えいただいたのは、歯科衛生士の須藤さんです。
【勘違い①】電動歯ブラシは当てるだけでOKでしょ?
須藤さん「いいえ、電動歯ブラシでも“磨き方”は非常に重要です」
実は、電動歯ブラシだからといってブラッシング技術は不要というわけではありません。「意識的にブラシを当てなければ除去できないプラークもあります」と、須藤さん。
歯磨きに大切なのは「ブラシを当てる場所と、こする力加減」。正しいブラッシングができたとき、そこに電動歯ブラシの+αの機能性が加われば、より完璧な歯磨きが叶います。
基本の手磨きが電動歯ブラシにどの程度影響するかを確認する必要があります。
【勘違い②】ブラッシング時間はタイマー通りで良いよね?
須藤さん「いいえ、タイマー頼りでは磨き残しが出てしまいがちです」
須藤さんいわく、「電動歯ブラシは、だいたい2~3分で自動的に電源が切れるので、振動が止まった=磨き残しナシとは限りません」とのこと。
電動歯ブラシは手磨きのように舌でツルツル感を確かめながらブラッシングできないため、タイマー頼りでは磨き残しが出てしまうそうです。
正しくブラッシングをするには、タイマーの時間ではやや短い傾向にあります。
【勘違い③】電動歯ブラシならカンペキに汚れが落ちる!
須藤さん「間違い。電動歯ブラシだけではなく、フロスや歯間ブラシも併用すべきです」
「プラークは必ずこすって落とす手動的除去が必要です」と、須藤さん。電動歯ブラシでのブラッシング後フロスなどを使うことでプラークの除去率がグンと上がるため、フロスや歯間ブラシとの併用を心がけましょう。
プラークは水流だけでは落とし切れません。
【勘違い④】使う歯磨き粉はいつも通りでいいよね?
須藤さん「いいえ、何でもいいわけではありません。研磨剤や発泡剤が少ないものが理想です」
須藤さんの見解は、「粗い研磨剤が入っている歯磨き粉は歯の表面を傷つける可能性もあるので、低発泡の歯磨き粉の方が磨きやすい」とのこと。
使ってはいけない歯磨き粉はないそうですが、電動歯ブラシの性質に適したものを選ぶことでより磨きやすくなって、それがプラークの除去率にも影響してくるといえます。
歯を傷付けない歯磨き粉がおすすめです。
電動歯ブラシに関する基礎知識は、すべて思い込みでした。重要なのは性能の高さよりも、その性能を生かせる知識・技術があるかどうか。電動歯ブラシの機能を殺さないためにも、しっかり使いこなしましょう。