とにかくマクロが美しい 「キヤノン24mm F2.8」
2万円を切る圧倒的なコスパに加えて、想像以上の高画質で驚いたのがこの1本。外観が薄く軽いので、画質は大丈夫かなと思っていましたが大間違いでした。画面周辺までしっかりシャープに写りますし、ガツンと寄りで撮ることもできるので、非常に楽しめるレンズです。
●サイズ・質量/φ68.2×22.8mm・約125g
●最短撮影距離/0.16m
●フィルター径/52mm
●最小絞り/22
●最大撮影倍数/0.27倍
とにかく広角で寄れるのでダイナミックな遠近感が味わえます。写真の隅々までしっかりシャープに写り、ボケやコントラストもハイレベルです。最短撮影距離がとても短く遊べるレンズでもあります。
他のレンズとの大きな違いは逆光での描写力です。過酷な状況でも狙った被写体を正確に写し出してくれました。
フォーカスリングの使い勝手や携帯性も◎
描写力に優れる一方で、サイズもコンパクトなので常に持ち歩きたい1本となりそうです。
ボケの質は良いが大きさはそれなり
広角レンズで開放がF2.8なので、まずまずの明るさ。あまり大きくボケないので、背景を大きくボカしたポートレートなどは難しい。ただ、その分、風景写真では周辺まで画像の流れや歪みが少ないです。
風景の表現力は圧巻! 「ニコン AF-S 50mm」
キヤノン 24mmと同率で1位となったのがこの1本。柔らかく大きなボケは格安とは思えない品質。さらに低いF値の製品と比べても見劣りすることなくフルサイズにも対応するので、ニコンユーザーであれば1本持っていて絶対損はしない逸品です。
●サイズ・質量/φ72×52.5mm・約185g
●最短撮影距離/0.45m
●フィルター径/58mm
フルサイズにも対応したシャープな風景画質!
フルサイズ対応なので遠景でも画面全体はとてもキレが良いです。シャープな描写とカラーの再現性が素晴らしい!
開放F1.4のレンズと明るさの差はわずかで、ボケ量も満足です。Ai AF 50mmがやや二線ボケの傾向があるのに対して、AF-S 50mmはメリハリがあります。
大きな不満という程ではないですが、例えば同スペックのキヤノン50mmと比べると、最短撮影距離は気持ち物足りない。
ベストバイとなった2製品はさすが“撒き餌”と言われるだけはある、非常にレベルの高い画質です。
テストに使用したカメラはキヤノン、ニコンともにエントリー価格帯の製品(テスト内容詳細は次回の記事で紹介)でしたが、お手軽に一眼レフらしい写真を撮ることができました。
「せっかく一眼カメラを買ったけど、イマイチつかいこなせていない…」という人にはまさにうってつけなレンズです。カメラらしい「ボケ」の感動もそうですが、風景写真の色やキリッと引き締まった画質は、スマホ写真とは一線を画します。
画質にはもちろん好みが出るのは百も承知ですが、この2本は「とりあえず」で買っても絶対損はしない名機ですね。