ボールは自分で選べるからこそ面白くて難しい
※画像はAmazonより
スポーツを始めるとき、競技に使う用品を揃えるのはなんだかわくわくしますよね。ゴルフもウェアやクラブ、ボールを揃える必要があります。
他の競技と違って、ゴルフは他の人と対戦する場合も自分のボールを使うので、マイボールを持っておく必要があります。マイボールと聞くとなんだか気分がいいですよね。ゴルフボールは今や白いシンプルなものだけでなく、カラー展開の多いカラフルな商品やおしゃれなものまでたくさんの種類があります。
しかし、ただ見た目が好きなゴルフボールを選んでしまっては、スコアが伸びないなどなかなかスキルが上達しません。種類によって様々な性能があり、自分で見極めて選ぶ必要があるのでマイボールを選ぶのは実はすごく難しいのです。
とにかく飛ばしたい人と飛ばしたうえで止めたい人、どちらも満足させます!
ゴルフの魅力のひとつは「飛ばすこと」。ビッグドライブできたときの爽快感は、何ものにも代え難いといえます。プロの世界でもパワー自慢のプレイヤーたちが活躍! 「でも、素人じゃそんなに飛ばせない……」という人でも、ボール選びによっては見違えるように飛距離を延ばすことができるんです。飛距離を重視したボールを、ここでは“ディスタンス系”と呼びます。
一方で、アプローチが苦手な人にとっては、飛ばすのも重要ですが「止める」こともスコアアップには大事です。その場合はスピンがよく効くボールを選びましょう。スピンを重視したボールは、ここでは“スピン系”と呼びます。
そこで、この記事では両方のゴルファーが満足できる、それぞれのランキングを紹介します。ボールは1000人以上のゴルファーを指導してきた鳥井悠治ティーチングプロが実際に試打して検証したものです。なお、ディスタンス系はスピン量が多いと低評価。スピン系はスピンが少ないと低評価になり、それぞれのランキングで採点の基準が少し違いますのでご注意ください。
ゴルフボールにはディスタンス系とスピン系があります
まずは「ディスタンス系」と「スピン系」、そして中間タイプの「第三のボール」について詳しく説明します。
ディスタンス系
ディスタンス系は飛ぶタイプ。表面が硬く、中身が柔らかい構造のため、反発力が高く、スピンがあまりかかりません。飛距離が出やすいですが、スピンがかかりにくいため、グリーンで止まらずにオーバーしてしまうことも。
スピン系
スピン系は文字通りスピンがかかりやすく、ボールをコントロールしやすいといえます。回転をかけることで自分の意図した場所にボールを残しやすくなるのです。ただしスピンがかかりすぎると、高く上がりすぎて飛距離をロスしてしまいます。
「上級者向け」といわれることがよくありますが、ビギナーでもヘッドスピードが速い人や、フックが多い人ならスピン系ボールと相性が良いでしょう。
「第三のボール」
スピン系とディスタンス系の中間の位置づけ。第3系とも呼ばれています。スピン系とディスタンス系の性能をいいとこ取りしたボールで、バランスを重視するゴルファーから人気を集めています。
少しでも飛ばすにはどんなゴルフボールを選べばいい?
ポイント1:ヘッドスピードに合ったボールを選ぶ
ヘッドスピードとは、クラブのスイングスピードのことを指します。ゴルフボールはインパクトの衝撃でつぶされます。このとき、あまりつぶれなかったりつぶれすぎたりすると、飛距離の低下や曲がりを招きます。大事なのは「適度につぶされる」こと。それには自分のヘッドスピードに合ったボールを選ぶことが大切です。
各ボールには「44m/s以下」「30~45m/s」といった具合に推奨ヘッドスピードが設定されているため、まずは自分のヘッドスピードを知っておく必要があります。自分のヘッドスピードがその範囲内かどうかチェックしましょう。
ヘッドスピードには個人差があったり、経験を積むうちに変わってきたりするので、定期的に計るのがおすすめです。そのため自分で計測器を持っておくか、またはスポーツ用品店やゴルフショップで計測してもらうようにしましょう。
ポイント2:球筋に合ったボールを選ぶ
球筋には「スライス」と「フック」があります。スライスとは、ボールが利き手方向に曲がることを言い、また逆に曲がることをフックと言います。ボールの軌道は右利きか左利きかで方向が変わります。
スライスはボールのスピン量が多く、逆にフックはスピン量が少なくなります。スライスの多い人がスピン系を選ぶと、さらにスピンが多くなってスライス度合いが大きくなりがち。ディスタンス系を使えば、必要以上にスピンがかからず、曲がりにくい&飛びやすくなります。
逆にフックの多い人がディスタンス系を選ぶと低弾道になりやすく、飛距離が出にくくなるリスクが。スピン系を選べば高弾道になりやすく、飛距離アップしやすくなります。
どちらかわからないという人は正しいスイングのフォームを習得して、自分の癖を知ることから始めましょう。
ポイント3:ディンプル数で選ぶ
ディンプルとはゴルフボールの特徴であるくぼみのことを言います。ディンプルはゴルフボールが飛んでいる最中に起こる空気抵抗を小さくしてくれる効果があります。ディンプルの数が多い方が空気抵抗が減り、上に飛ばせるので飛距離が伸びやすいです。
商品パッケージにもディンプル数は記載されているので、飛距離が出なくて悩んでいるという人はディンプル数が多いものに変更してみてもいいでしょう。ランキング内にも記載したので、いつも使っているボールと比べてみてください。
ポイント4:ピース数で選ぶ
ピース数とは、ゴルフボールの中心部分を含めて何層でできているかを表しています。ゴルフボールのほとんどは多重構造でできているので、層の数の違いや素材によってスピードやスピン、反発力などが変わってきます。
飛距離が出るディスタンス系は2ピースが多く、スピン系や第3系の場合は3~4ピースが一般的です。ピース数が低い方が低価格なので初心者には人気です。しかしピース数が多い方が性能が良い傾向があります。ただし高性能な分価格が高くなってしまいます。ランキングでは1球あたりの価格もチェックしたので確認してみてください。
ポイント5:プレイする季節によって選ぶ
「寒い冬場には飛距離があまり伸びない」など、ゴルフボールはプレイする日の気候や温度、気圧や高度から影響を受けやすいです。同じタイプのゴルフボールを持っているだけでは、変化する気候に対応できないことがあります。何種類か試してみて、気候にあったゴルフボールを使い分けできるようにしておきましょう。
ディスタンス系のなかでも飛距離が出やすいボールは?
先述の通り、フックすることが多い人はディスタンス系よりスピン系のボールを選ぶと、飛距離が出やすくなります。それ以外の人は、飛ばしたいなら基本的にはディスタンス系を選びましょう。
ディスタンス系はスピン系より種類が多く、価格もピンキリ。ボールによってどれだけ打感や性能が変わるのか、鳥井悠治ティーチングプロが弾道測定器のトラックマンを使い、人気メーカーの12製品を検証しました。
ただし、プロのヘッドスピードでテストしてもアマチュアゴルファーの参考にならないため、ヘッドスピード38前後で各ボールを3球ショットしました(ミスショットした場合は打ち直し)。
検証1:「飛距離」
ドライバーで各3球の飛距離を計測して平均値をとり、飛距離の出たものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証2:「スピン量」
スピン量が多すぎると高く飛びすぎてしまい、少なすぎると早く落下してしまい、どちらも飛距離の低下を招きます。ドライバーで各3球のスピン量を計測して平均値をとり、スピン量が適量なものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証3:「打感」
基本的には硬いボールほど飛びやすいですが、ヘッドスピードが遅いと逆に飛ばなくなります。また、硬すぎるボールはショット時に不快感を覚えることも。今回は単純に気持ち良く打てるものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証4:「性能」
飛距離、スピン量、打感などを含めた評価。性能が高いものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証5:「コスパ」
価格が性能に見合っているか評価。コスパが高いものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
まずは、ディスタンス系ゴルフボールのランキングを発表します!
ヘッドスピードが遅くても飛びやすい! この価格で購入できるのはお買い得すぎ
ブリヂストン
PHYZ Premium
実勢価格:2980円(1ダース)
1球あたりの価格:248円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 4ピース: 302: ~44:トラックマン測定結果(3球の平均): 211y: 2290rpm
▼採点結果
- 飛距離: A
- スピン量: B
- 打感: A
- 性能: A
- コスパ: A
“ボールのつかまり”を重視した4ピースボール。やわらかいのに弾き感もある独特の打感。空中での最高到達点からさらに飛距離を伸ばすための「デルタウィング・ディンプル326」という多角形のディンプルを採用しているのが特徴。
インパクトでボールがつぶれる感覚と 心地良い弾き感がある!
ブリヂストン
TOUR B JGR
実勢価格:4460円(1ダース)
1球あたりの価格:331円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 3ピース: 326: 2420rpm:トラックマン測定結果(3球の平均: 213y: 35~45
▼採点結果
- 飛距離: A
- スピン量: A
- 打感: B
- 性能: B
- コスパ: B
「飛距離モンスター」のキャッチコピーでおなじみ、JGRシリーズの3ピースボール。特許技術の「ブーストパワーテクノロジー」でパワーを効率的にボールに伝え、低スピン&高弾道のビッグドライブに。
打ったときに硬さを感じ、しっかり弾いていく感じ。「これぞディスタンス系」という打感です。ヘッドスピード38程度で平均210ヤード程度飛んでいるので「飛び系ボール」といわれるのがよくわかります。スピンの量もちょうどいい。ただ、ある程度ヘッドスピードがないと、飛びにくいと思います。
つかまりのいいストレートボールが打て スピン性能も高い
ダンロップ
SRIXON Z-STAR XV
実勢価格:4810円(1ダース)
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 4ピース: 338: 非公表:トラックマン測定結果(3球の平均): 209y: 2550rpm
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: A
- 打感: B
- 性能: A
- コスパ: B
スリクソンの最上位ゴルフボール。松山英樹プロが使用していることで有名。反発力の高い2層のコアや0.5mmの極薄ウレタンカバーなどの採用で、飛びとスピン性能を両立させています。
硬い打感で、しっかりとらえられている感触。ヘッドスピードがそこまで速くなくても、けっこう飛んでくれます。スイングが安定している人ならスピンもしっかり出て、ショートゲームでも安定した性能を発揮してくれると思います。
4位: 低スピンで飛距離が伸びやすい
パワーヒッターとの相性も○
ダンロップ
SRIXON DISTANCE
実勢価格:1349円(1ダース)
1球あたりの価格:112円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 324: 35~:トラックマン測定結果(3球の平均): 213y: 2290rpm
▼採点結果
- 飛距離: A
- スピン量: B
- 打感: C
- 性能: B
- コスパ: B
20年以上前から発売されているロングセラー。スリクソンのボールのなかでは、かなりリーズナブル。2ピースでシンプルな構造。耐久性が高く反発力のある「アイオノマーカバー」を採用しています。
かなり硬さを感じる打感。スピンが少なめで、飛距離が伸びやすい印象です。高弾道ですし、手ごろな価格のボールでビッグドライブを求めている人に適しています。ただ、ランが出やすいためグリーン周りやパターを重視する人には、あまり向いていないでしょう。
5位: 高弾道&低スピンのビッグキャリーで
飛距離を伸ばせる
キャロウェイ
WARBIRD
実勢価格:1600円(1ダース)
1球あたりの価格:133円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 非公表: 全領域:トラックマン測定結果(3球の平均): 213y: 2226rpm
▼採点結果
- 飛距離: A
- スピン量: B
- 打感: C
- 性能: B
- コスパ: B
キャロウェイのボールのなかでは最安で、エントリーモデル的な位置づけ。推奨ヘッドスピードも全領域になっています。スピンより飛距離性能を重視していて、打感も硬め。比較的よく飛ぶことで知られています。
キャロウェイで同じディスタンス系のE・R・Cソフトに比べるとあきらかに硬く、飛びを実感できます。弾道も高め。ただ、低スピンでランが出やすく、グリーンでは想定していたよりも転がってしまいそう。コスパは悪くないので、アベレージゴルファーにオススメです。
6位: やわらかくて心地良い打感なのに
意外と飛距離が出る!
タイトリスト
HVC SOFT FEEL
実勢価格:1827円(1ダース)
1球あたりの価格:152円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 392: 非公表:トラックマン測定結果(3球の平均): 207y: 2396rpm
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: B
- 打感: A
- 性能: B
- コスパ: B
高級感のあるパッケージですが、じつは1ダース2000円を切る廉価ボール。2007年から発売されているロングセラーでもあります。2ピースのシンプルな構造で、飛びとソフトな打感を両立させています。
ディスタンス系ですが、そこまで硬い感触ではありません。スピン量は少なめで、けっこう飛距離が出ます。ブリヂストンのJGRと同じような印象のボールです。タイトリストのなかでは比較的手ごろで、コスパが高いといえます。ただしヘッドスピードが40程度ないと、そこまで飛ばないと思います。
7位: スピンがよくかかるため
アプローチのときも性能を発揮してくれる
タイトリスト
PRO V1x
実勢価格:5980円(1ダース)
1球あたりの価格:472円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 4ピース: 328: 全領域:トラックマン測定結果(3球の平均): 208y: 2846rpm
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: C
- 打感: A
- 性能: B
- コスパ: B
タイトリストの最上位ボール。ジャスティン・トーマスを始めとした多数のツアープレイヤーが使用。PRO V1より飛距離性能を若干重視したモデルですが、ショートゲームでのコントロール性能も高いと評判。
打感が良く、打ち出しのときに心地良さを感じます。中弾道で悪くないボール。ただ、ディスタンス系のわりにはスピンがけっこうかかり、飛距離重視の人には向いていない印象です。どちらかというと、ショートゲームやパットでのフィーリングを大切にする人に合っているのではないでしょうか。
8位: ほど良いスピン量で操作性が高く
狙った場所を正確に攻められる
キャロウェイ
E・R・C SOFT
実勢価格:4192円(1ダース)
1球あたりの価格:349円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 3ピース: 非公表: 非公表:トラックマン測定結果(3球の平均): 205y: 2585rpm
▼採点結果
- 飛距離: C
- スピン量: A
- 打感: B
- 性能: B
- コスパ: C
ドライバーのスピン量を低減させ、打ち出しを高くする「デュアル・ソフトファスト・コア」を採用。キャロウェイのボールのなかでは、かなりやわらかめの打感。正確に目標を狙えるよう3本のラインが引かれているのも特徴です。
やさしさを感じるようなやわらかい打感で、ソフトなフィーリングを求める人に合っています。飛距離を重視したモデルですが、ほかのディスタンス系ボールより飛びやすい印象ではありませんでした。スピン量はちょうど良く、コントロール性能も悪くなさそうです。
9位: 高弾道で打感やスピン量は
オーソドックス
ホンマ
New D1
実勢価格:1461円(1ダース)
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 368: 非公表:トラックマン測定結果(3球の平均): 207y: 2806rpm
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: C
- 打感: C
- 性能: C
- コスパ: B
アマゾンや楽天といったネットショップでは、トップクラスの人気。高反発のラバーコアを使用した飛距離追求モデル。スピン性能については一切ふれられておらず、とにかく飛びを重視する人向けのボール。
比較的高弾道でそこそこ飛んでいます。ただ、ほかのディスタンス系よりも抜きん出ているわけではありません。良くも悪くもあまり特徴がなく、平凡な印象を受けます。ボールにそれなりの性能を求める人に向いています。
10位: 飛距離はそこそこ
操作性を重視する人向き
ミズノ
JPX NEXDRIVE
実勢価格:2164円(1ダース)
1球あたりの価格:205円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 512: 全領域:トラックマン測定結果(3球の平均): 204y: 2673rpm
▼採点結果
- 飛距離: C
- スピン量: B
- 打感: C
- 性能: C
- コスパ: C
2ピースボールのなかでは、ディンプル(ボール表面のくぼみ)の数が世界最多の512個。ディンプル間に配置されたプチディンプルも特徴で、低速エリアで従来より高い揚力を維持するとされています。
最近のミズノのボールは飛ぶと評判ですが、今回の検証では飛距離が出やすい印象を受けませんでした。やわらかくも硬くもない打感で、クセがない印象。ハードヒッターの方にはもの足りないかもしれません。一方、スピン量は比較的多く、コントロールしやすそう。
11位: 価格に見合った性能で
ボールの紛失が多いゴルフビギナー向き
トビエモン
TOBIEMON 2ピースボール
実勢価格:1390円(1ダース)
1球あたりの価格:116円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 312: 35~45:トラックマン測定結果(3球の平均): 206y: 2670rpm
▼採点結果
- 飛距離: C
- スピン量: B
- 打感: D
- 性能: C
- コスパ: C
低価格で知られる2ピースボール。箱ではなくメッシュバッグにボールが入っていて、出し入れがしやすいです。光の反射が少ない蛍光マットカラーなので、弾道が鮮明。
かなり硬い打感ですが、飛距離はそんなに伸びませんでした。ヘッドスピードが遅い人だと高弾道になりすぎて、飛距離が低下しやすくなると思います。お世辞にも性能が高いとはいえないので、「よくボールをなくしてしまう人」に向いている商品といったところ。
12位: ハードヒッターに適した
入門ボール
レザックス
AGC
実勢価格:862円(1ダース)
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: 平均飛距離: 平均スピン量
- 2ピース: 338: 全領域:トラックマン測定結果(3球の平均): 205y: 2983rpm
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: D
- 打感: E
- 性能: D
- コスパ: C
飛距離追求タイプの2ピースボール。1球あたりたったの72円で、今回検証したなかでは最安。予算に余裕がないビギナー向きです。高輝度のカラーリングなので、ボールを見つけやすそう。
打った瞬間、硬さと重さがずっしり伝わってきます。人によっては不快感を覚えるかもしれません。心地良い打感を求めている人には、向いていないでしょう。ヘッドスピードが40程度あれば、高弾道で飛距離も十分出ると思います。
以上、ディスタンス系ゴルフボールのランキングでした!
続いては、スピン系ゴルフボールのランキングですが、その前にスピン系ボールの基本知識とポイントについて説明します!
飛ばしたい&ピタッと止めたい! 欲張りゴルファーにオススメのゴルフボールはこれ!!
「ナイスオン!」と思ったらボールがコロコロ転がり、結局グリーンオーバー……。そんな経験、誰しもあるハズ。ショートゲームやアプローチは、とりわけ精度の高さが要求されます。何より大事なのは練習と実践の積み重ねですが、ボール選びにこだわることも大切。スピンが効きやすく、コントロールしやすいボールならば、思った通りに止まってくれる確率が高くなります。
ただ、スピン系のボールはディスタンス系のボールに比べて飛距離が落ちやすい傾向があります。スピンはよく効くけど、飛びにくくなるのは困りもの。スピン系ボールや第3のボール(飛びとスピンを両立させたボール)で、とくに飛びやすい&止まりやすいのはどんな製品なのでしょうか!?
そもそもゴルフのスピンって?
インパクト時の摩擦により、ボールには回転が加わります。クラブのフェースは後ろ側に傾いているため、ボールにはバックスピンがかかります。バックスピンは傾斜角度の少ないドライバーほどかかりにくく、傾斜角度の大きいショートアイアンやウエッジほどかかりやすくなります。
インパクト時にフェースが開いていたり閉じていたりすれば、バックスピンに加えてサイドスピンもかかり、スライスやフックの原因になるわけです。
スピン系ボールや第3のボールの特徴は?
ゴルフボールは複層になっていて、中心部分をコアといいます。
ディスタンス系のボールの構造は、硬いカバーとやわらかいコア。ボールがつぶれやすいためスピンがかかりにくく、飛距離が出やすくなっています。
一方、スピン系ボールの構造は、やわらかいカバーと硬いコア。ボールがフェースに接触する面積が多くなり、コアがつぶれにくいためスピンがかかりやすくなっています。
昨今じわじわと人気が広がっている第3のボールは、ディスタンス系とスピン系の中間に位置するボール。カバーもコアもやわらかいため、ロングショットでは飛距離が伸びやすく、アプローチではスピン量が増えてボールが止まりやすくなります。つまり、バランスの良いボールです。
スピン系ボールは上級者向け?
スピン系ボールは構造上スピンがかかりやすいため、“狙った場所に止めやすい”のがメリット。ただしミスをするとスピンの量が過剰になり、曲がりやすくなります。そのうえ比較的高価格なので「上級者向け」といわれることがよくあります。しかしながら、ビギナーでもヘッドスピードが速い人(43m/s~)や、フックが多い人ならスピン系ボールと相性が良いでしょう。
また、ディスタンス系はアプローチやパットの際にボールが想定以上に転がりやすく、それはある意味“難しい”といえます。ヘッドスピードや球筋、プレースタイルなどによっては、初心者や中級者でもスピン系ボールがマッチすることもあるのです。
一方、第3のボールは相性の良いゴルファーも悪いゴルファーもいません。どんなゴルファーでもそれなりに性能を発揮でき、大満足はないかもしれませんが、大ハズレもないでしょう。
アマチュアにオススメのスピン系ボールや第3のボールは!?
飛距離も止まりやすさも求めるアマチュアゴルファーのために、スピン系ボールや第3のボール6製品をテストしました。それぞれ鳥井悠治ティーチングプロがショットし、弾道測定器のトラックマンで飛距離やスピン量などを測定したほか、打感や総合的な性能などもチェック。
アマチュアゴルファーの参考になるよう、ヘッドスピード38前後でスイングし、各ボールを3球ショットしました(ミスショットした場合は打ち直し)。
検証1:「スピン量」
スピン系ボールや第3のボールは、ディスタンス系ボールよりも高いスピン性能が求められます。ただしスピン量が多すぎると、高く飛びすぎて飛距離をロスしがち。そこでドライバーで各3球打ち、スピン量を計測。平均値をとり、スピン量が適量なものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証2:「飛距離」
ドライバーで各3球の飛距離を計測して平均値をとり、飛距離の出たものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証3:「打感」
基本的には硬いボールほど飛びやすいですが、ヘッドスピードが遅いと逆に飛ばなくなります。また、硬すぎるボールはショット時に不快感を覚えることも。今回は単純に気持ち良く打てるものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証4:「性能」
スピン量、飛距離、打感などを含めた評価。性能が高いものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
検証5:「コスパ」
価格が性能に見合っているか評価。コスパが高いものほど高評価しています。
ABCDEの5段階評価
それではランキングスタートです!
しっかり飛んで、キュキュッと止まる! アベレージゴルファーのスコアメイクに貢献
ブリヂストン
TOUR B V10
実勢価格:3366円(1ダース)
1球あたりの価格:248円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: スピン量: 飛距離
- 3ピース: 326: 35~48:トラックマン測定結果(3球の平均): 2743rpm: 209y
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: A
- 打感: A
- 性能: A
- コスパ: A
スピン性能と飛びを両立させた第3のボール。必要以上にボールが上がることを抑制するというデルタウィング・ディンプルが特徴。V10史上、もっともやわらかい「ソフト・ハイドロコア」が高初速を生み出し、余分なスピンを抑制。
比較的やわらかい打感で、気持ち良く打てます。飛距離もしっかり出ていて、ヘッドスピード40くらいの人にピッタリのボール。スピン量もちょうど良く、グリーンでもしっかり止まってくれそう。「V10はかなりいい」という話をときどき耳にしますが、今回の検証で性能の高さを実感できました。価格も比較的手ごろで、コスパの高い製品です!
適正スピンの高弾道ボールで 飛距離が出せる&グリーンで止まる
テーラーメイド
TP5
実勢価格:5148円(1ダース)
1球あたりの価格:434円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: スピン量: 飛距離
- 5ピース: 322: 全領域:トラックマン測定結果(3球の平均): 2770rpm: 211y
▼採点結果
- 飛距離: A
- スピン量: A
- 打感: B
- 性能: A
- コスパ: B
ローリー・マキロイをはじめとしたトッププロたちが使用。5層構造で、高初速を生み出しながら、スピン性能に悪影響を与えないようにしています。カバーは柔軟性のあるソフトウレタンで、やわらかい打感と高い耐久性を実現。
やわらかい打感で、比較的高弾道です。スピンはちょうどよく、しっかり止まってくれそう。飛距離もけっこう出ていて「いい球が出るなあ」という印象。価格に見合った性能で、プロが使うかどうか迷うレベル。とくにグリーン周りを重視するゴルファーにオススメ。
高弾道&高スピンで ピンポイントにボールを運べる
ダンロップ
SRIXON Z-STAR
実勢価格:4500円(1ダース)
1球あたりの価格:387円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: スピン量: 飛距離
- 3ピース: 338: 非公表:トラックマン測定結果(3球の平均): 2763rpm: 208y
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: A
- 打感: B
- 性能: A
- コスパ: B
SRIXON Z-STAR XVよりもスピンに重きを置いたモデル。東京大学で開発された「SeRM」という素材を使用しており、フェースに食いつきやすい、打感が心地良い、耐久性が高い、といった高いパフォーマンスを持っています。
やわらかくて心地良い打感です。比較的高弾道で必要以上にスピンがかかりません。スピン量のバラツキも少なく、操作性が高いボールといえます。ヘッドスピードが40以上なら、飛距離もしっかり出てくれるでしょう。逆にヘッドスピードが遅い人だと飛距離が落ちやすいと思います。
4位: テクニックさえあれば
イメージ通りにボールを飛ばしやすい
タイトリスト
PRO V1
実勢価格:5980円(1ダース)
1球あたりの価格:450円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: スピン量: 飛距離
- 3ピース: 352: 全領域:トラックマン測定結果(3球の平均): 2730rpm: 207y
▼採点結果
- 飛距離: A
- スピン量: B
- 打感: B
- 性能: A
- コスパ: B
アダム・スコットをはじめとしたツアープロたちが使用する高性能ボール。もともとは完全なスピン系ボールでしたが、技術革新によってPRO V1Xと遜色ないほど飛ぶようになったといわれています。
同じタイトリストのPRO V1Xに比べ、少しだけやわらかい打感。弾道が高めで、スピン性能と飛距離のバランスもとれている優等生です。コントロール性能を求めている人や、パットでのフィーリングを大事にしている人にとても向いています。
5位: 意外と飛距離が出て転がりやすい!
スピン系ボールの入門的位置づけ
ダンロップ
SRIXON TRI-STAR
実勢価格:2900円(1ダース)
1球あたりの価格:242円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: スピン量: 飛距離
- 3ピース: 338: 35~:トラックマン測定結果(3球の平均): 2476rpm: 206y
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: D
- 打感: C
- 性能: C
- コスパ: B
スリクソンのお手ごろ価格のスピン系ボール。高反発のカバー、中間層、コアを採用した3ピース。視認性の高いサイドマークが入っていて、ターゲットに対してスクエアに構えやすくなっています。
スピン系にしてはわりと硬く、スピン量もそこまで多くありません。ランがけっこう出るので、「飛距離重視だけど、スピンもそこそこ効かせたい」といった人に向いているでしょう。高価格帯のスピン系ボールと比べると性能面では見劣りしますが、比較的リーズナブルですし「悪くない」といった印象です。
6位: お手ごろ価格はうれしいけど
スピン性能はあまり期待しないほうがいいかも
ホンマ
TOURWORLD TW-X
実勢価格:2980円(1ダース)
1球あたりの価格:206円
▼スペック
- ピース数: ディンプル数: 推奨ヘッドスピード: スピン量: 飛距離
- 3ピース: 326: 40~:トラックマン測定結果(3球の平均): 2576rpm: 206y
▼採点結果
- 飛距離: B
- スピン量: C
- 打感: C
- 性能: C
- コスパ: C
ヘッドスピード40以上の人が対象。カバーもコアもやわらかい第3のボールですが、スピン性能より飛距離性能を重視しているようです。高初速を生み出す反発性の高いコアやレイヤーを使用。
けっこう硬い打感で、スピン性能はあまり高くない印象。アイアンやウエッジなどの精度を重視している人には、あまり向いていない気がします。ただ、アベレージゴルファーなら不満を覚えることはない性能でしょう。
以上、ディスタンス系&スピン系ゴルフボールのランキングでした。
インパクトがとてもやわらかい!ソフトな打感を好む人は、かなり気持ち良く打てると思います。比較的軽く振っても200ヤード以上飛んでいるので、性能も高い。本来はけっこう値が張るボール。このモデルは型落ちですが、十分な性能でコスパが高いです。とにかくお買い得で、飛ばしを求める多くのアベレージゴルファーにオススメできます!