LDK the Beauty副編集長がビューティテイスト・トーキョーに登壇!
2月18日(火)に開催されたビューティテイスト・トーキョー(午前の部)にて行われたトークセッションに、LDK the Beauty副編集長の井上が登壇!
プチプラコスメのトレンドや今後の展望などについてお話しました。
本記事ではその内容をお伝えします!
▼登壇者
キュレーター:村上要さん(「WWDJAPAN」編集長)
ゲスト:原田彩子さん(アットコスメリサーチャー)、井上生智(「LDK the Beauty」副編集長)
「プチプラコスメ」の基準がどんどん変化中
村上さん:“プチプラコスメ”とはどのように定義付けされているのでしょう。LDK the Beautyではいかがですか?
井上:基本的に2000円以下の価格帯のものをプチプラコスメと定義しています。
ですが、昨今韓国コスメや中国コスメなどは2000円を超える、いわゆるミドル価格帯というものが増えているので、今は臨機応変に判断しています。一般の方が想像するプチプラブランドという認識です。
村上さん:3000円を超えてくると、ちょっとプチプラじゃないなというところがあるということですね。
では、アイスタイル原田さんにも伺っていきたいと思います。
原田さん:カテゴリや人によって結構ばらつきがああるので、プチプラの定義は非常に曖昧で難しいものだと感じております。
村上さん:人によってプチプラの定義が違う印象があるし、それもカテゴリによって結構変わってきているかもしれない。もちろん時代によってももしかしたら今後変化があるのかもしれないし、というような感じでしょうか。
原田さん:そうですね。
井上:人によってそのプチプラの定義っていうのはかなり幅があるんじゃないかなと思っています。
「安さ」じゃなくて「質」で選ばれる時代が到来!
プチプラコスメのクオリティがアップ!LDK the Beautyも実感
村上さん:アットコスメの口コミの中で「プチプラ」という言葉の出現率が減少しているというお話を伺いましたが、その理由は何だと捉えていらっしゃいますか?
原田さん:「プチプラ」という言葉が定着し、あえて言わなくても良くなったのかなと思っています。
そして今はもう価格ではなく、品質で語られる方が多くなってきた印象を持っています。
村上さん:井上さんはどう思われますか?
井上:プチプラコスメの品質がとても良くなっているのは「美容のウソ暴きます!」というちょっと攻めた特集をした際に特に実感しました。
こちらは、プチプラと1万円超えのコスメの中身のみを出してプロに使ってもらい、1万円超えコスメがどれかを当てていただく企画です。
中身だけ見たらクオリティが追いついてきているというか、「この価格で売っていいんですか?」っていうようなものが増加している印象があります。
今の不景気にプチプラコスメが売れる理由は?
村上さん:プチプラコスメに関して、昨今の不景気と売れるコスメの因果関係が、今回はちょっと違うのかもしれないといったお話を伺ったのですが、詳しく教えていただけますか?
原田さん:過去の不景気とか不安定な時期というのは、意外にも高価格帯の、いわゆるデパコスのような商品が支持されていたんです。
安かろう悪かろうではないですけれども、ちょっとお金を出した方が失敗のリスクが少ないんじゃないかみたいな気持ちの方が強かったようなんですね。
今は失敗のリスクがなくなってどれを買ってもいいっていう状況になったので、プチプラでも安心して買える。
昨今の景気の状況でも、むしろプチプラがすごく重宝されているという変化があったと思っています。
村上さん:なるほど。ありがとうございます。
LDK the Beautyでも読者の方への伝え方に変化が
村上さん:プチプラの進化とともに、捉え方や、読者やユーザーの方への伝え方などを変えていかないといけないという感覚はありますか?
井上:はい。我々はプチプラを頻繁に取り扱っているので、伝え方はものすごく気にしています。
例を出すと、大量買いしたプチプラコスメをプロのヘアメイクさんにジャッジしていただくという人気の企画があります。その切り口が結構変わってきたなと感じています。
4、5年前までは「優秀なプチプラ」とか、「このプチプラすごい感動する!」みたいなワードが頻出していて、特集のタイトルや表紙にも使っていたんです。
でも、プチプラコスメがすごく優秀になってきて、いいのは当たり前だよねというように読者の方の反応も変わってきました。そこまで新鮮な驚きがなくなったと言いますか、この価格でこれぐらいならまあ普通だよねみたいな。
「このプチプラはすごくいいよ」とか「感動しました」みたいなワードだけではもう響かなくなってきているなと感じています。
過去の表紙を見ると変遷がよりわかりやすいかなと思います。左上から2018年、2020年、2023年、2024年の『LDK the Beauty』の表紙です。
初期の頃は「プチプラが事件過ぎる」という、キャッチーなワードを使っています。
一方ここ1、2年は、優秀なのは周知の事実なので、2023年、2024年の表紙のように、「最旬プチプラコスメ これ迷わず買ってよし」というワードにシフトしていっています。
村上さん:確かに、初期は「事件すぎる」「マジで?」みたいな感覚が滲んでいた。「神プチプラ」とかも「そうなの?すごいね」みたいな感覚で捉えていたから、ああいうワードになってたけど「マジで?」がもう……。
井上:もうないよっていう。
村上さん:「マジだよ」という感じになっちゃってるから。
井上:全体的にプチプラのレベルが上がっているので、それを基準として、この中だったらどれがベストかな?ということを、より慎重に精査していく必要があるなと感じています。
最新プチプラコスメのトレンドを語ります!
SNSでバズっているものが爆発的に売れる
村上さん:ベストコスメ企画をして、最近売れているプチプラコスメにはどんな特徴があるのか見解・意見をお持ちでしょうか?
井上:LDK the Beautyでは、売れているかどうかでランキングにしているわけではありません。
実際に編集部員がお店で買ってきたものをプロがジャッジした上で、本当に読者の方々にお勧めできるかという観点でベストコスメを選出しています。
そのため、特に具体的にこれが売れているというようなものは申し上げられないんですが、バズっている商品はどの店舗でも等しく売り切れているんですよ。
都内全滅したみたいな感じで、横浜とか川崎の方まで買い出しに行ったりするぐらい、SNSで紹介されたものは売れているなと感じます。
韓国コスメの勢いがスゴい!でも国産も頑張ってる
井上:他にも、韓国コスメの勢いは本当にすごいなと感じてます。
個人的に定点観測的に近くのバラエティショップを月に数回ぐらいウォッチしていまして、以前はポップアップ的な形で韓国コスメを取り上げていたのが、もう常設になっていて、展開が拡大しているなという印象を受けてます。
コスメ売り場の3分の2以上占めるような形で勢い増しているのをすごく感じますね。
村上さん:なるほど、ありがとうございます。原田さんどうでしょう?
原田さん:韓国、井上さんがおっしゃったように確かに強いんですけど、国産も結構頑張ってるなと思っています。
例えばキャンメイクとかセザンヌなどは、アットコスメでもずっと人気の高いプチプラです。どういう肌になれるとか、それを使った自分はどういられるんですとか、そのようなPRの仕方がすごく上手ですね。
あとはスキンケアでいうと、成分を主張されるブランドさんが増えてきたかなと思います。
「プチプラでこの成分が入っているなんて企業努力を感じます」みたいに、成分に裏付けされた効果感を想起させるようなやり方が非常に上手なところが増えてきたなという印象も受けています。
最近のトレンドは「情緒的でエモいもの」
原田さん:また、昨今の人気のコスメの共通点として、五感を刺激するような香りの良さや、ちょっと痛いなど、そういったコスメがトレンドかなと思っています。
プチプラコスメって五感とか情緒は苦手とされている部分もあったかなと思うんですよね。
村上さん:情緒的なエモい感じっていうのはやっぱりデパコスが得意ですね。
原田さん:昨今のプチプラは、それを持つことによってワクワク感を与えることも増えてきた感じはしています。
情緒的なものはSNSで発信したくなるし、見た方も「どのぐらい痛いんだろう?」とか「どういう香りがするんだろう?」と追体験したくなるというサイクルが生まれているんじゃないかなと感じています。
村上さん:井上さんどうですか?
井上:情緒的なエモい表現というのは、広告やポップなどで増えたなとすごく感じます。
ただ、我々はそのエモさをどう具体的に伝えるかというのが大事だと思っています。
例えば香りの表し方であってもアンケートをとると、「すごく爽やかだ」と答える方もいらっしゃれば、「これはきつくて絶対使えない」みたいな方もいらっしゃいます。
五感に訴えるって良いことのように思えるんですけど、人によってその捉え方がまちまちなので、コンテンツを作成する際には、エモい表現をどう噛み砕いていくかみたいなところに注力しています。
プチプラコスメの今後への期待や意見
村上さん:こういう製品が生まれてくるといいな、こういうふうになっていくだろうな、という見解も含めて、今後のプチプラに対してどのような期待やご意見をお持ちでしょうか?
原田さん:今、すでにプチプラの定義が曖昧になってきています。それがさらに加速するんじゃないかな?と感じています。
高価格帯のいわゆるデパコスが、500円や1000円で試せるミニコスメがどんどん発売されています。もしかして、こういったものもプチプラとして捉えられていく可能性があるんじゃないかな?と思っています。
プチプラブランドももう1歩頑張らなきゃいけないし、もっと面白い世界観が生まれてくるんじゃないかと感じています。
村上さん:フレグランスのお試しサイズなんてまさに典型的ですよね。井上さん、いかがですか?
井上:先ほどから議論になっている通り、プチプラコスメの定義は今後も曖昧になっていくのかなと。
消費者がこれを欲しい、これを買いたいと、ちゃんと心から思えるプロダクトかどうか?というところがフォーカスされていくのではないでしょうか。
プチプラコスメの品質がある程度担保されてきているからこそ、価格ももちろん大事ですが、クオリティ面でももっと高みを目指していくのだと思います。
実際に、インスタライブを開催した際に読者の方から「アイライナーが突然出なくなる問題をどうにかして欲しい」と言われて。
メーカーの関係者様もたくさんいらっしゃると思うので、この場を借りてお伝えしておくと、「設計上は難しいかも知れないんですけど、スケルトンにして欲しい」「可愛くはないんですけど残量が知りたいんです」っていう声を結構何件か頂いたんです。
村上さん:片目だけ塗って突然出なくなるって大変な騒ぎですからね。
井上:そうなんです。
今あげた例はアイライナーでしたが、他の様々なプロダクト、ジャンルに関しても、ちょっとここ困るんだよねみたいな、使う側の小さなストレスを解消してくれるような、こういう商品欲しかったんだよねって思ってもらえるようなコスメが今後増えていってほしいなと思ってます。
まとめ
LDK the Beauty副編集長の井上が登壇した、プチプラコスメについてのトークセッションの様子をお届けしました!
プチプラコスメの定義が変わってきていることや品質が上がっていること、それを受けたLDK the Beauty編集部の心構えなどについて、たっぷりお話しました。
今後もLDK the Beautyはユーザーの皆様に有益かつ忖度のない情報をお伝えすべく、テストを続けてまいります。
これからもどうぞ『LDK the Beauty』をよろしくお願いいたします!