チェーンの汚れを、ちゃんと落としてますか?
通勤・通学でロードバイクなどの自転車に乗る人が増えていますが、毎日走っているとホコリや泥ハネなどでチェーンに汚れがたまっていきます。
チェーンの汚れを落とさないでそのままにしていると、チェーンの動きが悪くなり、後輪の動きが鈍って、ペダルを踏む際も非常に重くなります。
「なんか最近ペダル踏むのが辛くて。体力が落ちたのかな……」なんていうケースは、意外にチェーンが原因だったりするかもしれません。
汚れを放っておくと重要なパーツにダメージを与えることも
チェーンには細かい砂が付着しますが。それを放っておくとチェーンのプレートをつないでいるリンクが削れていきます。その結果チェーンが伸びてしまい、チェーンとスプロケットがうまくかみ合わなくなるためスムーズな変速ができなくなります。
また伸びたチェーンを使い続けると、スプロケットの摩耗が早まり、1万円以上かけて新しいスプロケットに交換……なんてことにもなりかねません。
チェーンクリーナーで愛車をメンテナンスしよう
愛車に快適に乗るためには、日ごろのメンテナンスが欠かせません。雨の日や泥道を走った後は放っておかず、チェーンクリーナーで汚れを落とすことをおすすめします。
また雨の日や泥道を走らない場合でも、ロングライドをした場合はしっかりとチェーンの汚れを落とす必要があります。
ところで、チェーンクリーナーを使うタイミングですが、チェーンオイルを注すときがよいでしょう。チェーンクリーナーでしっかりと汚れを落とし、その後、チェーンを乾かしてからオイルを注します。
先述しましたが、注油とともにチェーンクリーナーでの掃除は、チェーンの摩耗を少なくして、チェーン性能の維持と寿命を延ばすことになります。しっかりと注油していたとしても雨の日を走ったり、晴れの日でも細かい砂の付着が想像以上だったりするものです。また、チェーンの黒い汚れはチェーンやギアが削れた金属粉だったりもします。汚れだけではなく、そういった硬い物質をチェーンクリーナーで取り除くことによって、摩耗を大幅に減らすことができます。
クリーニングは毎回注油前に行うのが理想ですが、現実的には……
- 1:ドライとウェットなど違う種類のチェーンオイルを使うタイミング
- 2:雨天でのライドの後
- 3:ロングライドの後
- 4:勝負の時
上記のような場合は、クリーニングと注油をセットで行ったほうがいいと思います。
なおチェーンオイルに関しては、こちらをご覧ください。
チェーンクリーナーの種類はどんなものがあるの?
さてチェーンクリーナーにはどんなタイプがあるのでしょうか? 自転車を使ったアウトドアイベントも企画開催している義村貞純氏に解説していただきました。
1:スプレータイプ
KURE(呉工業)
自転車専用チェーンクリーナージェット No.1604
実勢価格:1480円
チェーンに直接洗浄液をスプレーし、強力な噴射の力で汚れを落とすクリーナーです。スプレータイプのメリットは、チェーンの内側の細かい部分まで汚れを落とすことができる、汚れを浮かせてウエスで拭き取るだけとクリーニングが簡単だというところです。
スプレータイプはスプレーの圧で物理的に大きな汚れを飛ばすことができます。ただしリムやローター、ブレーキパッドなどにかからないように注意しましょう。チェーンクリーナーは、ディグリーザーと呼ばれたりもしますが、今回紹介するチェーンクリーナーは潤滑油や防錆剤を含んでいる専用品、チェーンクリーナーです。
2:液体タイプ
※写真はAmazonより
フィニッシュライン
エコテック バイク チェーン ディグリーザー 600ml TOS10801
実勢価格:2160円
液体タイプはチェーンを外して漬け置きしたり、ブラシに着けて汚れをこすり落としたりといった使い方をします。液体タイプのメリットはより頑固で強力な汚れを落とせるということです。
※写真はAmazonより
また写真のように洗浄器に入れて使うことが可能です。洗浄器に関してはこの後にご説明します。
ロードならスプレータイプでもいい場合がほとんどですが、マウンテンバイクやシクロクロスなどの泥汚れがある場合には、大まかに流水などで落としてからのほうが効率的です。ですが、どうしも細かいところは落としきれなかったりするので、洗浄器を使ってしつこく掃除するとか、奥に入り込んだ粒子を落とすために漬け洗いするのがオススメです。
3:泡タイプ
WAKO'S(ワコーズ)
フォーミングマルチクリーナー(FMC) A402
実勢価格:1430円
泡をチェーンに付着させ、汚れを浮かせて取るタイプのクリーナーです。液が飛び散ったり、地面に垂れたりすることが少ないので、周りを汚さず、安心してクリーニングを行うことができます。
最近流行りの泡タイプは、水が使えない場所、例えば室内などでも清掃できるのが特徴です。床の養生と換気はしてくださいね。チェーンのしつこい汚れを落とすのには、スプレータイプや液体タイプのほうがしっかり落ちる印象ですが、自転車全体を一気にひとつのケミカルで清掃できるので重宝します。マンションなどで自転車置き場ではなく、自宅に自転車を保管している場合などには、水なし洗車がとても便利なシチュエーションもあると思います。
洗浄剤には乾燥タイプと非乾燥タイプがある
通販サイトの説明で見かける「非乾燥タイプ(遅乾性)」と「速乾タイプ」。いったい何が違うのでしょうか? 義村氏に解説してもらいました。
ややこしいので簡単に。基本的にチェーンの汚れは油汚れなので、油で落とします。ディグリーザー、パーツクリーナー、ブレーキクリーナーとかと混同されがちですが、どれもチェーン洗浄の用途に使えます。なんなら灯油とかガソリンなんかも、結構強力に油汚れを落とします。 ただ、灯油やガソリン、ディグリーザーとかパーツクリーナー、ブレーキクリーナーといった汚れ落としに特化した製品には、防錆剤などが入っていません。めちゃくちゃ汚れとか油分は落ちますが、表面の油分も完全に落としてしまうのですぐに注油しないとみるみる錆びてしまったりします。 今回紹介するチェーンクリーナーは、そういったことを考慮した専用品なので防錆剤や潤滑剤が添加されています。そのため、完全に乾く(=油分が無くなる)状態にはならないように感じましたが、洗浄成分のほうの油がどれぐらいの時間で揮発してなくなるかによって、速乾タイプと遅乾タイプにわかれているのだと思います。プロのメカニックやショップなどでメンテナンスにかけられる時間が限られている場合やたくさんの自転車を管理しないといけない場合には、速乾タイプのほうがすぐ注油できるのでよいかと思います。 多くの速乾タイプは割高ですが、拭き取りや乾いた後、そのまま注油作業に移ることができます。一般の方の場合には、遅乾と速乾を考慮するより、ガス圧スプレー(時短だが割高)なのかプッシュ式のスプレー(時間はかかるが割安)なのかといった基準でチョイスしたほうがいいかもしれません。今回紹介した目安として、ごくごく簡単に、指に塗って1分以内に乾いたら速乾、それ以上の場合に遅乾とイメージしてもらえればと思います。
さっそくですが、今回の第1位は?
さて、チェーンクリーナーの種類をご説明したところで、ちょっと早いですが、今回検証の結果1位になった商品をご紹介します!
ワコーズ
CHA-C チェーンクリーナー
330mlA179
実勢価格:1741円
今回1位となったのが、スプレータイプのワコーズ「CHA-C チェーンクリーナー」でした。検証実験でも洗浄力が抜群、使い勝手も良いおすすめスプレーです。
頑固な汚れが落とせるチェーン洗浄器とは?
液体タイプで触れたチェーン洗浄器についてもご説明しておきましょう。チェーン洗浄機とは「チェーンクリーニング専用の器具」のこと。写真のように自転車用の洗浄液を入れて使います。
使い方は簡単で、器具をチェーンにセットし、ローラーを回転させるだけ。スプレーや泡タイプに比べて、手を汚さずにクリーニングを行うことができます。なお写真ではチェーンを外した状態で使っていますが、洗浄機はチェーンを外すことなくクリーニングを行うことができます。
なお今回はチェーンクリーナーのランキングの後に、洗浄器のベスト3をご紹介します。
昔の自転車のチェーンはアンプルピンで再利用ができなかったので、チェーンの清掃のたびにチェーンを外すというのはなかなかできませんでした。いまは、数回使用可能なミッシングリンクで繋ぐので、外して洗浄するのも比較的カンタンになりました。それでもいちいちチェーンを外して清掃するのはやや面倒なので、洗浄器を使うと便利だったりします。ガシガシ洗うとフレームやリムに飛び散りがちなので比較的こころ穏やかに清掃するのがいいと思います。ちなみに入れる洗浄液は必ずしもチェーンクリーナーじゃなくても、ママレモンに代表されるいわゆる中性洗剤とかでも表面の汚れは結構落ちたりします。
今回の採点基準は?
さて、チェーンクリーナーのランキングを決めるため、自転車に精通する義村貞純氏が選んだチェーンクリーナー10製品を徹底比較。以下3つのポイントを検証しました。
検証1:洗浄力(配点40点)
今回は実際に汚れがこびりついたチェーンを準備。すべてのクリーナーを同時にチェーンにかけ、一定時間で、どのくらい汚れが落ちるか実験。洗浄力をチェックしました。
検証2:使い勝手(配点40点)
掃除はできるだけラクに済ませたいものです。そこで商品の使い勝手を検証しました。具体的には、「周りに飛び散りにくいか」「垂れにくいか」といったポイントを実際に噴射してチェック。さらにスプレーに関してはピンポイントで液を噴射できるか、その範囲を調べました。
検証3:コスパ(配点20点)
検証項目1、2を踏まえた上で、商品のコスパをチェック。内容量が少なくても、少量で汚れを十分落とすことができるクリーナーならコスパが良いということになります。反面内容量が多くても汚れがなかなか落としにくいものはコスパが悪いということに。
コスパに関しては監修の義村氏と編集スタッフで検討の末、総合的に判断し採点を行いました。
チェーンクリーナーのおすすめは?
それでは、チェーンクリーナー10製品のランキングからご覧ください。
ワコーズ「CHA-C チェーンクリーナー 非乾燥タイプの洗浄スプレー」
ワコーズ
CHA-C チェーンクリーナー
非乾燥タイプの洗浄スプレー 330ml A179
実勢価格:1741円
タイプ:スプレー
内容量:330ml
100ml当たりの価格:527円
成分:石油系溶剤、非イオン系界面活性剤、防錆剤
▼採点結果
- 洗浄力 :39/40点
- 使い勝手:39/40点
- コスパ :19/20点
- 総合 :97/100点
1位はワコーズ「CHA-C チェーンクリーナー 非乾燥タイプの洗浄スプレー A179」でした。
用途は「チェーン・パーツ類の洗浄」や「ボディに付着したピッチ・タールの除去」。頑固な油やグリースを落とすのに適した乾燥系の洗浄剤で、少ない量で洗浄可能です。
防錆材を配合しているので、サビ防止にも効果大。またゴムを傷めないタイプなので、シールチェーンにも安心して使えます。
洗浄力は抜群。今回のランキングの中で汚れがもっとも良く落ちました。
ノズルでピンポイントに噴射することができます。ブラシ付きなので、細かい汚れをかき出すことができます。
ワコーズには、もっと強力なチェーンクリーナーもありますが、今回紹介するなかで洗浄力が良かったのと使い勝手で1位にランキング。自転車のチェーンは今のところシールされているチェーンはないのですが、デュラエースなどの高級チェーンになると特殊なコーティングがされていたりもします。メーカーのシマノでは「パーツクリーナーなどでは洗浄せずに中性洗剤を使ってください」とのことですが、これぐらいのチェーンクリーナーなら大丈夫じゃないかと。内部の汚れもしっかり落とすし、スプレーの使い勝手として、ノズル有り無しで使える、逆さ噴射OKなのも◎。ちなみに第4類第3石油類で、比較的遅乾タイプかと感じました。同メーカーのチェーンオイルとの相性が抜群によかったのと、使い勝手がよい、入手しやすいかな? という点で、コスパは悪いですが高評価としました。
EVERS「チェーンクリーナー SCC-16 ev19804」
EVERS(エバーズ)
チェーンクリーナー(チェーン洗浄剤) 420ml
ノズル付 超遅乾性 樹脂パーツ対応
自転車用 SCC-16 ev19804
実勢価格:1419円
タイプ:スプレー
容量:420ml
内容量:420ml
100ml当たりの価格:337円
成分:石油系溶剤、噴射剤(LPG)
▼採点結果
- 洗浄力 :39/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :20/20点
- 総合 :96/100点
2位はEVERS「チェーンクリーナー(チェーン洗浄剤) SCC-16 ev19804」でした。
用途は「自転車、バイク等のチェーンおよびスプロケット外部の油脂等の汚れ除去・洗浄」。こちらは非乾燥系ではないタイプのスプレーです。シール系のOリングにも使用できます。
洗浄力は1位商品と同じくかなり高いレベルです。ただし逆さにして使えないのが減点対象となりました。
個人的には、逆さにしてスプレーしたいので、2位になってしまいますが、逆さにして使わない人は、ワコーズよりもこちらの商品のほうがコスパがよいのでオススメです。こちらは第2石油類で、ワコーズと比べるとやや速乾タイプ。
AZ「MCC-002 バイク用 チェーンクリーナー パワーゾル スプレー」
AZ(エーゼット)
MCC-002 バイク用 チェーンクリーナー パワーゾル スプレー(650ml)
実勢価格:1326円
タイプ:スプレー
内容量:650ml
100mlあたりの価格:204円
成分:石油系溶剤
▼採点結果
- 洗浄力 :39/40点
- 使い勝手:36/40点
- コスパ :20/20点
- 総合 :95/100点
3位はAZ「MCC-002 バイク用 チェーンクリーナー パワーゾル スプレー」。本来バイク用のチェーンクリーナーですが、チェーンだけなら自転車でもOK。低臭タイプで作業がしやすく、逆さ噴射が可能なのも使い勝手が良いです。
頑固な汚れを根こそぎ落としてくれます。ただし洗浄力は強いけれど、クリーニング後はすぐに油を差すことをおすすめします。
洗浄力は1、2位商品に負けず劣らず強力。汚れ過ぎたチェーンにもおすすめです。
AZは安い! の割に高性能(というか、実際厳密に比べなければそんなに差は体感できないと思っていたりします)。自転車ショップというよりは、ホームセンターなどで入手する製品になります。同社のパーツクリーナーやシリコンスプレーは愛用していますが、それらと比べるとパーツクリーナーには無い潤滑剤や防錆剤が添加されている製品なのだと思います。第4類第一石油類でやや遅乾タイプです。拭き取り作業や水洗い作業とかを厭わない方向け。
4位:KURE「自転車専用チェーンクリーナージェット No.1604」
KURE(呉工業)
自転車専用チェーンクリーナージェット No.1604
実勢価格:1480円
タイプ:スプレー
容量:520ml
100mlあたりの価格:284円
成分:石油系混合溶剤、アルコール類、防錆剤
▼採点結果
- 洗浄力 :38/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :19/20点
- 総合 :94/100点
4位のKURE「自転車専用チェーンクリーナージェット No.1604」は、遅乾性と速乾性の真ん中、中乾性のクリーナーです。そのため洗浄剤がすぐに乾かくことなく、チェーンのリンクの奥まで届いて汚れを落としてくれます。
1~3位ほどではありませんでしたが、かなり汚れを落とすことができました。強いジェット噴射力を持ち、頑固な汚れを隅々まで洗浄することが可能です。また防錆剤を含んでいるため、使用後にしばらく放置しておいても錆びにくいのが特徴です。
ただしチェーンの内側(ギアに当たる側)に噴射する際、飛散を防ぐためウエスでチェーン以外をガードしておく必要があります。また逆さにしての使用ができないのが、若干不便でした。
今回のテストでは洗浄力がやや弱いと感じましたが、エバーズと同様ノズルが細いのが仇になっている気もしなくもありません。テストで入手したチェーンは長年のメンテナンスが不足したモノでしたが、自分の自転車でやった場合は充分な洗浄力を発揮しています。556が有名なKUREですが、自転車専用のチェーンオイルとメーカーを合わせて使うことができるのでオススメです。
5位:Surluster「整備ケミカル 自転車用チェーンクリーナー S-145」
Surluster(シュアラスター)
整備ケミカル 自転車用チェーンクリーナー S-145
油汚れ分解除 スプロケット&ディレイラー ジェット噴霧
実勢価格:1393円
タイプ:スプレー
容量:480ml
100mlあたりの価格:290円
成分:石油系炭化水素
▼採点結果
- 洗浄力 :37/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :19/20点
- 総合 :93/100点
5位のSurluster「整備ケミカル 自転車用チェーンクリーナー S-145」は、プロロードレースチームと共同開発したジェット噴射式のクリーナーです。
逆さ噴射可能で、自転車のチェーン専用設計で、特殊洗浄成分が配合されており、簡単な汚れから粘度の高い油汚れ、水分を含んだ泥砂汚れまでしっかり落としてくれます。プロケット、ディレイラーなどの洗浄にも使える汎用性の高いクリーナーです。
速乾性ですぐ乾く洗浄液となっています。上位商品に比べ、若干洗浄力は落ちる感じ。なお専用ブラシが付属しています。
吹きかけただけのテストでしたので洗浄力の弱さを感じましたが、ブラシでこすればしっかりと汚れを落としてくれます。今回紹介する製品のなかでもっとも速く乾きました。みるみる乾いてすぐに注油作業に移れるので、例えば、オイルをウェットからドライに替えたいとか、そういった用途のときに使ってみたい。速乾だけど第4類第一石油類です。
6位:Muc-Off「ドライブトレインクリーナー」
Muc-Off(マックオフ)
ドライブトレインクリーナー 500ml
実勢価格:3960円
タイプ:スプレー
容量:500ml
100mlあたりの価格:790円
成分:脂肪族炭化水素: 30%以上、非イオン性界面活性剤:5%未満
▼採点結果
- 洗浄力 :37/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :17/20点
- 総合 :91/100点
6位のMuc-Off「ドライブトレインクリーナー」は、チェーン洗浄器に流し込んで使うことができる遅乾タイプのクリーナーです。
チェーンリング、リアカセット、ディレイラーなどに直接スプレーすることも可能です。チェーンオイルやワックスに残存した不要物や汚染物質を除去し、短時間でチェーンの内部までクリーンアップすることが可能です。
若干スプレーが広がりやすいのがデメリット。洗浄力は上位商品には劣りますが、かなりあります。スプロケットにも使えるのが良いです。
いい匂いが特徴のマックオフ。チェーンだけでなく、パーツに使えるというのが利点です。ただ、チェーンクリーナーだけの目的で考えると、けっこうなお値段するので、個人的にはコスパ悪いな……と思います。おおよそですが、20~30万円ぐらいのスポーツバイクのチェーンは、定価4000~5000円ぐらいのグレードのチェーンがついているかと思います。このチェーンクリーナーで新品のチェーンが買えてしまいます。洗浄器に入れたら3~4回ぐらいは使えるでしょうか? もっと高級なチェーンを使っていて、兎に角愛車を大事に乗り続けたいという人向けの製品だと思います。若干ですが潤滑剤が入っているように感じるので、ブレーキ関連のパーツクリーナーとしては使わないほうが無難です。
6位:AZ「A1-008 自転車用チェーンディグリーザー[高浸透タイプ]」
AZ(エーゼット)
A1-008 自転車用チェーンディグリーザー [高浸透タイプ] 500ml
実勢価格:1200円
タイプ:スプレー
容量:500ml
100mlあたりの価格:240円
成分:植物系界面活性剤、防錆剤
▼採点結果
- 洗浄力 :36/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :18/20点
- 総合 :91/100点
同率6位のAZ「A1-008 自転車用チェーンディグリーザー[高浸透タイプ]」は、チェーンの奥深くまで届く高浸透・遅乾タイプのクリーナーです。防錆剤を配合した植物系洗剤を使用した水溶性クリーナーなので、Oリングを侵食せず、シールチェーンにも使用できます。
スプレーの広がる範囲は意外に狭かったです。洗浄力は前記商品と同じ程度か、若干劣る感じでした。
珍しい水溶性のチェーンディグレイザーです。つまり石油類ではありません。いわゆる家庭で食器を洗うのに使う洗剤に近い成分に防錆剤を配合したような製品だと思います。そのため家庭用食器洗い洗剤と同様に、基本的に事後の水洗いが必要になります。水洗いした後しっかり乾かして注油するまでがワンセットなので、水が使える場所が必要になりますね。家庭用食器洗い洗剤と比較してみましたが、やはり専用品! チェーンの汚れはかなり浮いてきます。
8位:WAKO'S「フォーミングマルチクリーナー(FMC)A402」
WAKO'S(ワコーズ)
フォーミングマルチクリーナー(FMC)A402
実勢価格:1430円
タイプ:泡タイプ
容量:380ml
100mlあたりの価格:376円
成分:プロピレングリコールモノメチルエーテル、界面活性剤
▼採点結果
- 洗浄力 :37/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :16/20点
- 総合 :90/100点
8位はWAKO'S「フォーミングマルチクリーナー(FMC)A402」。弱アルカリ性で遅乾タイプの泡クリーナーです。水溶性ノンシリコーンタイプで、自転車全体を洗うことができます。またガラス拭きなど日常生活の清掃でも使える汎用性が高いクリーナーです。
洗浄力は合格点。丸ごとタイプながら、チェーンをしっかり洗うことができます。
水なし洗車が可能な本製品。チェーン専用のクリーナーと考えると若干汚れ落とし性能が劣るように感じますが、基本的にメーカーはフレームやタイヤを含め自転車全体に吹きかけて全部一気に掃除することができると謳っています。しかも、その後は拭き取るだけ。そのため床の養生とかをすれば、室内でも清掃が完結します。なんならフレームの艶も出せます。玄関が自転車の保管場所の人なんかにはすごくおすすめの製品です。「水が使えるガレージあるから関係ないね」って思っているアナタ! 冬、水洗いってちょっとシンドくないですか? ただ、アルカリ性なので若干ゴムに対して攻撃性はあるようで、タイヤなどは大丈夫だったのですが、僕の古いマウンテンバイクのグリップは若干ベタベタするようになってしまいました。
9位:EVERS「自転車丸洗いクリーナー(泡タイプ簡単洗浄剤)」
EVERS(エバーズ)
自転車丸洗いクリーナー(泡タイプ簡単洗浄剤)
実勢価格:1036円
タイプ:泡タイプ
容量:480ml
100mlあたりの価格:215円
成分:界面活性剤、アルコール類、噴射剤(LPG 窒素ガス)
▼採点結果
- 洗浄力 :35/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :17/20点
- 総合 :89/100点
9位のEVERS「自転車丸洗いクリーナー(泡タイプ簡単洗浄剤)」は、こちらも弱アルカリ性で遅乾タイプの泡クリーナー。
水を使わず、チェーンはもちろん、フレーム、タイヤ。ホイール、ハンドル、サドル、ディレーラーなどああらゆる汚れを落としてくれます。
洗浄力は上位商品と比べると若干弱い感じです。噴射範囲が比較的狭いのは良く、使い勝手はなかなかでした。
水なし洗車、吹きかけて、汚れを浮かして拭き取るだけという簡単メンテナンス商品。水なし洗車のメリットは、ワコーズで挙げた通り、とにかくチェーンだけでなく、全体的に自転車をキレイにすることができるのがいいですね。チェーン洗浄の専用品、チェーンクリーナーと比べると汚れを落とす能力は若干落ちますが、手軽に清掃できるので、大げさなチェーンのクリーニングをする頻度が少なくて済みます。攻撃性は少ないとされていますが、とは言っても弱アルカリ性なので積極的にゴム製のパーツ部分、グリップとかシールの部分には使わないほうが無難だとは思います。
9位:AZ「A1-003 自転車用チェーンディグリーザー AT205」
AZ(エーゼット)
A1-003 自転車用チェーンディグリーザー 500ml ムースタイプ AT205
実勢価格:1085円
タイプ:泡タイプ
容量:500ml
100mlあたりの価格:217円
成分:植物系界面活性剤、防サビ剤
▼採点結果
- 洗浄力 :38/40点
- 使い勝手:33/40点
- コスパ :17/20点
- 総合 :88/100点
9位のAZ(エーゼット)「A1-003 自転車用チェーンディグリーザー 500ml ムースタイプ AT205」は、防サビ剤配合の泡タイプのクリーナーです。
スプレー後、しばらく放置。ブラシでこすって最後に水洗いが推奨されています。シールチェーンにも使用可能です。ただし変色などの恐れがあるため、アルマイト加工された箇所やアルミ部分、ホイール、塗装面への使用は避けるように指示されています。
洗浄力は抜群でした。泡がきめ細かいので、浸透度も高いと言えます。
石油類ではなくて、植物系洗剤に防錆剤を配合したタイプ。ママレモンに毛が生えたと言ったら失礼かもしれませんが、水洗いが必須になるところは同じです。ママレモンで洗浄すると、すぐに注油しないと錆がでることがありますが、本製品はそれを防ぐために防錆剤が配合されています。それでも、必ず洗浄後は、水洗いをして、しっかり乾燥させて、注油をするようにしてください。邪推ですが、メンテナンスとクリーニングを混同している人に向けている製品なのかな? と思ったりもします。
洗浄器のおすすめは?
以上、チェーンクリーナーのおすすめランキングでした。続いては、洗浄器のベスト3です。
バイクハンド「チェーンスクラブマシーン YC-791自転車」
バイクハンド(BIKE HAND)
チェーンスクラブマシーン YC-791自転車
実勢価格:2100円
▼採点結果
- 洗浄力 :39/40点
- 使い勝手:38/40点
- コスパ :19/20点
- 総合 :96/100点
洗浄器の1位に選ばれたバイクハンド「チェーンスクラブマシーン YC-791自転車」は、2千円前後とコスパに優れた洗浄器です。洗浄効果は抜群で、ブラシではなかなか落ちなかった汚れも除去することができます。
クリーニング時はチェーンに適度な圧がかり、しっかりと汚れを落としてくれます。
BIKE HANDという、ややコスパ重視の自転車用品のメーカーです。工具なども含めてプロが使うには、やや性能が足りないと思ったりもしますが、どんな使い勝手なのか知るにはいい製品だと思います。この洗浄器に、今回1位商品のワコーズチェーンクリーナーを満たして洗浄するとかなり簡単に短時間でキレイになるとは思いますが、お金がかかりすぎます。プラスチック製なので、灯油とかで満たすと劣化するかもしれないので、先ずはAZのチェーンクリーナーとかで洗浄してみるといいかもしれません。なおこの製品自体も最後には洗浄しておかないと次回使うときに汚れを移すことになるので要注意!
FINISH LINE「チェーンクリーナーキット」
FINISH LINE(フィニッシュライン)
チェーンクリーナーキット
実勢価格:4480円
▼採点結果
- 洗浄力 :39/40点
- 使い勝手:37/40点
- コスパ :17/20点
- 総合 :93/100点
2位のFINISH LINE「チェーンクリーナーキット」は、洗浄剤、潤滑剤、保護剤が揃ったキットです。マルチディグリーザー(120ml)とドライテフロンルーブ(60ml)を付属しています。
回転ブラシとパッドで、チェーンにセットし、約60秒でクリーニングが終了。短時間で効果的にチェーンをきれいにできるキットです。
しばらく愛用してたなー。ウェットコンディションのダウンヒルコースとかを走る場合に1本終わって、ささっとクリーニングなんてシーンにはかなり重宝する組み合わせかと思います。チェーンオイルが付属品のドライだとまだいいですが、ウェットオイルで運用すると、本体自体を清掃するのが面倒くさすぎて、「使用済み歯ブラシでいいや」って僕の場合はなっちゃいましたけど。ただ物理的に実際の走行時と同じ方向でのクリーニングがしやすいので、先に挙げたようにこのセットが重宝するシーンはありますね。
AZ「自転車用 チェーン洗浄器 DX(洗浄機・回転ブラシ) KD060」
AZ(エーゼット)
自転車用 チェーン洗浄器 DX (洗浄機・回転ブラシ) KD060
実勢価格:1025円
▼採点結果
- 洗浄力 :39/40点
- 使い勝手:35/40点
- コスパ :18/20点
- 総合 :92/100点
3位はAZ「自転車用 チェーン洗浄器 DX(洗浄機・回転ブラシ) KD060」でした。
千円ちょっとという、かなり安価な洗浄器です。格安ですが機能は合格点。チェーンをセットしペダル回す作業は他と一緒。内部のブラシが回転し、チェーンの内側の細かい部分まで洗浄してくれます。
若干使い勝手は1、2位に劣りますが、洗浄力は文句なし。初めて洗浄器を使う人にとくにおすすめです。
以前と違って、チェーンを気軽に外して分けて清掃できるようになった今、洗浄器を使った清掃のほうが後片付けを含めるといろいろと面倒くさいと、個人的には思っています。が、洗浄器自体を水洗い用、チェーンクリーナー用と使い分けるといいかもしれませんね。どの製品も半透明なので、僕はついつい、とことん洗浄しちゃいますが、きりがないので、ある程度のところで切り上げるのがコツです。
以上、洗浄器のベスト3でした。
チェーンクリーナー以外に準備しておくものは?
チェーンのメンテナンスをする際にクリーナー以外に必要な物を列記しておきます。
- 1:段ボールやブルーシート
- 2:ポリ袋
- 3:ウエス
- 4:ブラシ
- 5:手袋(ビニール手袋など)
とくに「5」は意外に忘れがちですが、ぜひ準備しておきましょう。また服装は汚れてもいいものを。換気に気をつけながら、クリーニングを行ってください。
今回の記事を参考にして、愛車をメンテナンスしてあげてくださいね。
ギコギコ、キーキー音がする自転車だと、気持ちよくないですよね? 気のせいだけでなく、確実にチェーンやその他のパーツの寿命を縮めています。チェーンをキレイにして、注油しましょう! よく「チェーンが伸びる」って表現をしますが、実際はチェーンが削れてコマの間隔が増える現象なんです。この摩耗を少しでも防ぐために、注油が必須なのと、チェーンについた砂などを落とすことが重要となります。個人的には、チェーンはどんなにメンテナンスしても使えば交換時期がくる消耗品なので、コストと秤にかける必要があるかと思います。