自動車整備工場からゲットした ボンネットでガチキズ検証!
10円パンチほどのキズの直しでも、板金塗装に出すと結構な額面になってしまいます。そこで試してみたいのがキズ消しグッズです。どれを使っても修理に出すより安いのは確か。キズ消し9製品の真価を探るべく、自動車整備工場から格安で譲ってもらったボンネットにキズをつけて、実際に効果があるのかないのか、確かめてみました。
ただ、キズ消しグッズをよく見ると、「洗車キズ」や「ちょっとしたスリキズ」など、消せるのは控えめなキズだけと断り書きがビッシリ書いているものほとんど。果たして、効き目やいかに……?
[テスト方法]
日常で付けがちな車のキズ3種を再現し、9製品のビフォア・アフターを比較。作業のしやすさもチェックしています。
①ブロックにこすった!
幅の狭い深いキズ
死角で見えなかったブロックにこすった状況を再現すべく、石をこすりつけて検証しました。
②10円パンチ!
幅が広めの深いキズ
古典的な嫌がらせのひとつ、10円パンチを再現しました。
③樹木などの擦れ
幅が狭い浅いキズ
植物などにこすった際にできる浅めのキズ。ドライバーを弱めに当てて再現しています
作業時間に仕上がりも文句なし!優秀グッズはキズペン
ソフト99コーポレーション
99工房 キズペン
実勢価格:597円
製品タイプ:固形ペン
[テストの結果]
幅のあるキズ、10円パンチ、深めのキズもカンペキとは言えませんが、かなり見えにくくなっています。作業時間が短く済むし、仕上がりも申し分なし。初心者にオススメです。
キズにクレヨンを塗るように使います。作業は極めてラク。
黒でも「ブラック」と「つや消しブラック」の2種類。車のカラーに合わせて選びましょう。
コンパウンド系ならコレAUGの全色対応モデル
アウグ(AUG)
キズ取りマイクロコンパウンド
F-25
実勢価格:513円
製品タイプ:コンパウンド
こちらの商品はリニューアル製品が出ています
※画像はAmazonより
アウグ(AUG)
キズ取りマイクロコンパウンド
AD-19
実勢価格:513円
製品タイプ:コンパウンド
内容量:80g
[テストの結果]
深めのキズはくっきりと残ってしまっています。リカバーするのは難しい印象。仕上がりではキズも見えますが、角度によってはほとんど見えなくなることも。
トロトロとした液体タイプのコンパウンド。専用のスポンジ付きです。
液体をつける→磨く→拭き取る……このループを延々繰り返します。
キズを埋めて消すノーコンパウンド無難な仕上がりのプロスタッフ
プロスタッフ(Pro Staff)
魁 磨き塾 スリキズ消しポリマー
実勢価格:907円
製品タイプ:ポリマー2種
※Amazonあわせ買い価格です
[テストの結果]
くすみやスリキズ用とのこと。浅いキズにはしっかり効きましたが、深いキズは結構残ってしまっています。
コーティング車にも使えます。効果が見られたAUGとは液体の様子も匂いもソックリ。
研磨剤のコンパウンド系ではないとのことで、ガシガシ磨く気になれます。
コンパウンド系の3本セットホルツは忍耐が必要!
武蔵ホルト
ホルツ コンパウンド・ミニセット
MH-926
実勢価格:680円
製品タイプ:コンパウンド
[テストの結果]
コンパウンドをつけてひたすら磨きます。忍耐が必要な作業でしたが、深いキズ、幅広のキズ、浅いキズをかなり見えにくくすることはできています。
サビ落としなどの下地処理から磨きまで、3本を使い分ける必要があります。
粒子が細かい研磨剤。液状のコンパウンドを出し、キズにこすりつけていくため、浅いキズには効き目あり。パケ裏には注意書きがビッシリと書かれています。
浅いキズにはなぜか弱い?プロスタッフ
プロスタッフ(Pro Staff)
キズ消し三兄弟
実勢価格:980円
製品タイプ:コンパウンド
[テストの結果]
深い傷も少し消えましたが、なぜか③の浅いキズが残ってしまっています。
セット内容はホルツとほぼ同じですだが、こちらはクロス付き。初心者にはおすすめです。
成分はホルツとほとんど一緒ですが、こちらの方が深いキズを消せました。
D評価: ヤスリがけが必須で難度が高いスマートビジョン
スマートビジョン
QUIXX 塗装面用キズリペアシステム
実勢価格:2859円
製品タイプ:非コンパウンド
[テストの結果]
角度によってはキズが消えたかのように見えますが、キズ消し効果はほんのわずか。
研磨剤ではなく、塗装を塑性変形させてキズを消す仕様とのこと。
下手にやるとキズが広がりそうで怖いヤスリがけ。ビギナーは避けたほうが無難かもしれません。
D評価: キズが本当に消えた?
留保をつけたいカーメイト
カーメイト(CARMATE)
キズ消し
コンパウンドセット
実勢価格:1027円
製品タイプ:コンパウンド
[テストの結果]
アフターを見比べてもキズの状態にはほぼ変化なし。コンパウンド向けのスポンジを使うとどうなるか、試したいところです。
成分にアルカリ性と表記があったのはこの製品だけでした。ウエスに液体をつけると染みこんでしまうので、適量の塗布は難度が高かったです。
D評価: 同じペン型でも評価は段違い
完全に消せないスマートペン
イーチャンス(e-chance)
スマートペン
実勢価格:3480円
製品タイプ:液体ペン
[テストの結果]
塗ってすぐは消えたように見えたのですが……何と、時間が経つとキズが戻っていました。
シンナー系の匂いがある、液体タイプ。ペン型なので使い勝手は上々です。
塗ったところを綿棒でなぞると、塗料らしき色がつきました。
D評価: シートでキズを隠す変化球系
仕上がりが不安なソフト90
ソフト99コーポレーション
ソフト99
ボディスリキズ貼るだけシート
実勢価格:802円
製品タイプ:シール
※Amazonあわせ買い価格です
[テストの結果]
0.04mmの極薄シートですが、これで隠せる気がまったくしません!
シールをペタリとするだけなので、全製品中でもっとも手間がかからないのはメリット。ボディに近い色も見つかりましたが、シールを貼っていることはどうしても目立ってしまいます。
コンパウンド系がポピュラーですが 初心者にはペン型がおすすめ!
今回もっともキズ消し効果を感じたのはソフト99のキズペンでした。クレヨンの形状でキズをペンで塗るようにして使うもので、深い傷も遠目では目立たなくすることができました。ただ、ペンとボディカラーの相性が影響したとも考えられるので、すべてのクルマに合うかの汎用性は未知数です。
キズ消し製品に一番多いのは、コンパウンド系といわれる粒子が細かい研磨剤。いわば、クリーム状や液状のヤスリです。細かい傷にはかなり効果を発揮しましたが、深いキズを消すのは難しいものがありました。
それぞれの仕上がりを見ると、深いキズでも角度によっては消えたように見えるものが多数ありました。結局、キズは「消す」のではなく、「見えづらくして隠す」程度と考えたほうがいいかもしれません。「キズ消し」をうたっている製品を使っても、過信は禁物と言えるでしょう。では最後に、キズ消しの極意3か条をご紹介!
キズ消しの極意1
ペン型が楽で仕上がりよし!
本記事はあくまでも初心者向けなので、やりやすさの観点からペン型をご推奨。もっときれいに仕上げたいという欲が出てきたら、コンパウンド系での磨き作業を極めていきましょう。
キズ消しの極意2 コンパウンド系は慣れが必要です
キズ消し製品で最も多いのが、粒子が細かい研磨剤のコンパウンド系。粒子の細かさやボディ色に合わせた製品の選択など、考慮すべき点が多いですし、慣れないうちは逆にキズや曇りが付くことも。スポンジにゴミが付いていたために傷だらけになることもあるので注意です。初心者なら、スポンジが付属して用途が決まっているものを選びたいところです。
キズ消しの極意3 深いキズを消すのは難しい!
キズ消しはプロの仕事! 今回試した製品は、ほとんどが洗車キズ程度の浅いキズを目立たなくするもの。ボディをえぐったようなキズは消すことができないので、DIYはあきらめて板金屋への依頼も視野に入れましょう。