愛用のクッカーを使って 自然の中で作るごはんは格別!
心地いい風に吹かれたり、野草や野鳥に出会ったりと、自然を身近に感じられるのが登山やキャンプの魅力ですが、そんな環境で食べるごはんも、また楽しみのひとつです。
自分の愛用の道具で調理し、野外で食べるごはんは格別ですし、温かいものを食べると元気にもなります。
とくに寒い季節は、内側から体を温めてくれるので、より一層力がみなぎりますよ。
そんな山ごはんやキャンプ料理を作るのに必要なのが「クッカー」です。
ひとくちにクッカーといっても、素材がステンレスかアルミかでも特徴が違ってきますし、形状によって調理の得手不得手もあります。
そこで今回は、さまざまなアウトドアグッズに精通する、低山小道具研究家の森勝氏監修のもと、クッカーの特徴や選び方を解説。
また、森氏が選抜した初心者におすすめのクッカー9製品も、ランキング形式で紹介しますので乞うご期待!
さっそくですが結果発表! 1位はSOTOのアルミ製クッカー!
- ソトアルミクッカーセットM
- 最安価格: ¥3,520〜
- 素材
- アルミ
- サイズ
- 13×6cm(小)、13×10cm(大)
- 容量
- 500ml(小)、1000ml(大)
- 重量
- 78g(小)、120g(大)
- 型番
- SOD-510
結論を先に言いますと、SOTOのアルミクッカーセットMがおすすめです。
1000mlとたっぷり容量の大鍋はラーメンや汁物の調理に、その半分の容量500mlの小鍋は浅型なので、炒めものに使えるなど、このワンセットでだいぶ広範囲の調理をまかなうことができます。
それでいながら高コスパの3000円以下をキープしているんですから、アウトドア初心者にはバッチリだといえます。
とはいえ、製品に何を求めるか次第で、2、3位の製品が候補に上がる可能性も。
ということで、ランキングをチェックする前に、クッカー選びにまつわる基礎知識から見ていきましょう。
ステンレス、アルミ、チタン… 素材によって特徴も違うんです
まずは基礎知識として、クッカーに使われる素材について解説していきましょう。
クッカーに使われる素材は「ステンレス」「アルミ」「チタン」が代表的なものです。重さや熱伝導率など、それぞれに特徴があり、荷物の軽量化、調理のしやすさなどにも影響します。
では素材によって、特徴にどのような違いがあるのでしょう? 素材ごとに簡単な解説をしていきましょう。
[クッカーの素材①]
安価で手入れがしやすい”ステンレス”
ステンレスは、家庭用の鍋などにもよく使われる素材ですが、耐食性や耐酸性に強く、扱いやすいのが特徴です。
クッカーの中では非常に安価で購入できる素材ですが、ほかの素材に比べて少々重いのが難点です。
[クッカーの素材②]
熱伝導率が高くて軽量な”アルミ”
アルミは軽量な素材で、持ち運びがラクにできる素材です。熱伝導率が高いので、調理がしやすい特徴があります。
強度が低く、傷やへこみがつきやすい面もありますが、最近では、サビにくくなる「ハードアノダイズド加工」が施されて、強度が上がっているモデルもあります。
[クッカーの素材③]
丈夫で軽量に加工できる”チタン”
チタンは高価な素材ですが、非常に強度が高く、薄く成形できることから、軽量なクッカーを作ることができます。
しかし、熱伝導率が低いので火の当たるところにしか熱がまわらず、食材を焦がしやすい特徴があります。インスタントラーメンなど、お湯を沸かして調理するものに適しています。
素材の特徴がわかったところで、次はクッカーの形状を見てみましょう。
クッカーの代表的な形状は3つ 縦型、鍋型、そしてフライパン
クッカーには、形状にいくつかの種類があります。
クッカーの中で代表的なものは、縦長で筒状をした「縦型」、底面が広く浅い「鍋型」、鍋型よりもさらに浅い「フライパン」の3種類。
このほかにも、やかんや焼き網といった調理器具もありますが、代表的な3つを解説していきましょう。
[クッカーの形状①]
流行りのコンパクトクッカー”縦型”
コンパクトながら、バーナーや燃料を収納できるとあって、最近人気なのが「縦型」。
カップラーメンやフリーズドライのスープ、コーヒーなどのお湯を沸かすことがメインで、少々調理もするという使い方なら、このモデルが最適です。
[クッカーの形状②]
調理がしやすい浅めの”鍋型”
袋ラーメンやうどん玉など、少々大きめの食材を調理するなら「鍋型」が便利。
食材も取りやすいし、底面が広いので、熱効率がいいという特徴もあります。
[クッカーの形状③]
いろいろな調理をするなら”フライパン”
お湯も沸かせるし、炒め物もできるという点で、いろいろな料理を作りたい人には「フライパン」がおすすめです。
最近はコンビニで、お惣菜からカットされた食材まで、さまざまな冷凍食品が手に入ります。そんな冷凍食品と相性がいいのもこのフライパンです。
ここまでがクッカーにまつわる基礎知識の解説でした。ここからは“製品を選ぶ上で欠かせない5つのポイント”をご説明します。
クッカー選びに欠かせない 5つのポイントで徹底検証!
クッカー選びでチェックしたい項目は「料理の対応力」「使い勝手」「収納」「重さ」「コスパ」の5項目です。
いろいろな料理を作りたいという人は「料理の対応力」「使い勝手」を重視。コンパクトさやパッキングのしやすさを重視するなら「収納」「重さ」を考慮して選びましょう。
今回、クッカー選びのポイントを解説してくれたのは、アウトドアの道具に詳しい森勝氏。
上記5つの項目をそれぞれ採点し、総合100点満点でおすすめのクッカー9製品を評価してもらいました。
[ポイント①:対応力(30点)]
幅広い料理に対応するか?
いろいろな山ごはんやキャンプ料理を作ってみたい人には、ひとつでいろいろな調理がまかなえるクッカーが便利です。
その逆に、クッカーでの調理はインスタントやレトルトがメインなので、お湯を沸かせればいいという人は、この項目の得点は低くてもいいと思います。
[ポイント②:使い勝手(20点)]
持ちやすさや安定性はどうか?
取っ手の持ちやすさ、バーナーに載せたときの安定感など、使い勝手や安全面での考慮がされているかも、選ぶ上で重要です。
シングルバーナーという、小さなバーナーに載せる場合も考えると、背が高すぎても不安定だし、底面が広すぎても不安定になります。ほどよいサイズ感が使い勝手のよさを生み出します。
安定感ということであれば、鍋型のモデルは重心が低いので安定感が高いです。またジェットボイルのようにクッカーとバーナーが一体になっていると、クッカーが落下することはありません。
[ポイント③:収納(20点)]
内部へのパッキングがしやすいか?
クッカー内に燃料やバーナーを収納できれば、荷物のかさを減らすことができます。
かさが減ることでスマートなパッキングができれば、登山はもちろん、オートキャンプではないバックパックでのキャンプ時の荷物搬送をコンパクトにすることができます。
選択に悩むようであれば、クッカーとバーナーを同ブランドでそろえるといいでしょう。同ブランドならパッキングを前提に設計されている場合が多いので、組み合わせに悩むことはありません。
[ポイント④:重さ(20点)]
本体の重量が軽いかどうか?
製品本体の重量が重ければ重いほど、体にかかる負担は大きくなります。
登山はもちろん、バックパックで荷物を搬送するキャンプなどを行う際、シビアに考えなければいけないのが、この「重さ」です。
料理にこだわらず軽量化したければ、チタン製のカップがおすすめ。縦長のカップ麺に必要なお湯は280mlほどなので、十分まかなえます。しっかり料理したいけれど軽量にしたいなら、煮たり、焼いたり、湯沸かしもできるフライパンがいいでしょう。
[ポイント⑤:コスパ(10点)]
価格と機能性のバランスはどうか?
いくら優れたスペックのクッカーでも、あまりに高価では購入を考えてしまうし、使い勝手を犠牲にしてまで安価になものを選ぶのも得策ではありません。
やはり価格と性能のバランスのとれたものが、使いやすく選びやすい製品です。
コスパの良し悪しは、用途によってさまざまなので、まずは自分がどのような使い方をするのかを考えましょう。そしてその使い方に合ったものを選べば、無駄が省けてコスパも上がります
クッカーの特徴や選び方のコツがわかったところで、初心者向けのクッカーランキングを発表します!
コスパ最強で使いやすい アルミクッカーの決定版!
- ソトアルミクッカーセットM
- 最安価格: ¥3,520〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- アルミ
- サイズ
- 13×6cm(小)、13×10cm(大)
- 容量
- 500ml(小)、1000ml(大)
- 重量
- 78g(小)、120g(大)
- 型番
- SOD-510
同ブランドのシングルバーナー「アミカス」と250缶・110缶のガスカートリッジを収納することができます。
110缶に比べて250缶はコスパがいいので、この大きさが入るのは魅力的です。
大鍋は1000mlとたっぷりの容量。小鍋もその半分の容量500mlあるので、使い勝手がいいです。
大は深型でラーメンや汁物の調理、小は浅型で炒め物などに適しています。
炊飯をはじめ、あらゆる料理に対応 汎用性抜群のインスタ映えクッカー
- トランギアメスティン TR-210
- 最安価格: ¥1,210〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- アルミ
- サイズ
- 17×9.5×6.2cm
- 容量
- 750ml
- 重量
- 150g
- 型番
- TR-210
素材はアルマイト加工などが施されていないアルミの無垢。縁などにバリがあるので、使用前にバリをとる必要があります。
焦げ付きやアルミ臭があるため、使用前にシーズニング(油での慣らし作業)を行ったほうが、使用しやすい状態になります。
本来コスパのいい製品ですが、人気があり品薄なため、ネットを中心に高騰しています。慌てて購入せず、適正価格で購入するのがいいでしょう。
鍋とシングルバーナーが一体化 湯沸かしに特化した変わり種!
- ジェットボイルZIP
- 最安価格: ¥10,445〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- アルミ(カップ本体)
- サイズ
- 10.4×16.5cm(収納時)
- 容量
- 800ml
- 重量
- 400g(ガスカートリッジを除く)
- 型番
- 1824325
別売りのガスカートリッジを含めて、すべてのパーツをクッカー内に収納できるので、とてもコンパクトにパッキングすることができます。
ただし、この一体タイプだとお湯を沸かすことがメインになります。炒め物などをしたいときは別にクッカーを用意する必要があるので、使い勝手はあまりよくありません。
4位: ミニマリスト向け
荷物を減らせるコンパクトタイプ
- GSIクレオスハルライト ミニマリスト2
- 最安価格: ¥4,430〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- ハードアノダイズドアルミ
- サイズ
- 10.6×11.6cm
- 容量
- 600ml
- 重量
- 179g
- 型番
- 11872039000000
沸かした鍋をつかむときは、グリッパーを使用。マグネット内蔵なので、ガスカートリッジにつけておけばなくす心配もありません。
コンパクトにパッキングできるのはメリットですが、ガスカートリッジは110缶しか入れることができません。
また専用ストーブがないので、自分でフィットするものを探さなければならないのが、ややネックです。
5位: グループ登山にも重宝しそう
料理の幅が広がるクッカーセット
- トランギアストームクッカーS ブラックバージョン
- 最安価格: ¥10,345〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- アルミ(ノンスティック加工)
- サイズ
- 18×10cm(収納時)
- 容量
- 1000ml(ソースパン)
- 重量
- 869g
- 型番
- TR-37-5UL
5位: 少し深めのフライパンがあると
これひとつでいろいろできます
- エバニューUltra Light パン#16
- 最安価格: ¥7,200〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- アルミ(チタンプラズマ加工)
- サイズ
- 16×5cm
- 容量
- 900ml
- 重量
- 129g
- 型番
- ECA146
7位: ほんとはマグカップだけど
ウルトラライトな1人用クッカー
- エバニューチタンカップ400FD RED
- 最安価格: ¥1,746〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- チタン
- サイズ
- 9.5×5.8cm
- 容量
- 400ml
- 重量
- 50g
- 型番
- REDEBY265R
8位: お湯だけあればOK派には
シンプルにやかんがオススメ
- 新越ワークスユニフレーム 山ケトル900
- 最安価格: ¥3,960〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- アルミ(アルマイト加工)
- サイズ
- 16.6×7.6cm(収納時)
- 容量
- 900ml
- 重量
- 186g
- 型番
- 667736
9位: 焼き物中心でいくならコレ!
ロースターに特化したクッカー
- 新越ワークスユニフレーム ミニロースター
- 最安価格: ¥1,900〜
- 料理の対応力
- 使い勝手
- 収納
- 重さ
- コスパ
- 素材
- 鉄(クロームメッキ)、耐熱鋼FCHW2
- サイズ
- 15×1.5cm
- 重量
- 110g
- 型番
- 665817
以上、クッカー9製品をご紹介しました。
すべてのチェック項目でバランスよく点数が得られたSOTOの「アルミクッカーセットM」が今回の1位でした。
▼1位の製品はコチラ
ソト(SOTO)
アルミクッカーセットM
実勢価格:2700円
どのようなスタイルでアウトドアを楽しめば良いか、まだよくわからないという初心者にとって、さまざまな使い方ができて、軽量・コンパクトなこのモデルは、最適ではないでしょうか?
登山はもちろん、バーベキューなどがしづらいフェスキャンプなどでは、こうしたクッカーがかなり重宝しそう! これから本格化するアウトドアの季節、野外でのごはんもこだわりたい人はぜひチェックしてみてくださいね。
お湯を沸かすだけでよければ、やかんという選択肢もおすすめです。フタ付きなので効率よく沸かせ、注ぐのもラクにできます。